プロデューサーは人でなし 作:どろまみれ
黛冬優子⑥
かくして夏に向けた弊プロダクション単独での企画、283プロダクションご愛顧ありがとう祭 ――「シャイニーグロウン」は回り始めた。
アイドルという人材はこちらから出せるものの、全てを自社で
アイドル同士の絡みを見られる、というのもファンにとっては大きく貴重な機会となるだろう。
だから企画自体は奇をてらったものは出さないで。登頂散歩配信だとか、現場からの早朝ラジオだとか、水辺でのバレー大会だとか。そういうものを並べて置いた。
期間は夏休みを生かした1週間。フェスやライブの合間に置いておくことで、幾つかの無茶な進行を未然に防ぐことも目的としている。
つまりはこのイベントを楯に、仕事を一本化する予定なのである。
多分だがアイドル達にとっても比較的重くはないラインナップのはずだ。
台本や食料調達に関しては、俺が済ませておけばいい。
仕事でありながらも、みんなが楽しんでくれればいいな ―― と想いながら。
春は、終わりを迎えようとしていた。
・・・
「―― で。あんたはどういうつもりなの?」
黛冬優子が俺に問いかける。
夕暮れ
どういうつもり。十中八九、はづきさんとのことだろう。俺の方から連絡をしておいた。彼女に隠し事をしておくわけには、いかないだろうと。
「……話してみなさいよ。あたしっていう……ぉ……ールがありながら」
話す。仕事が忙しい間。自身も自己処理はしていたが、遂には抑えきれなかったこと。
アイドルでは不可能な「無様さ」でごり押されてしまったこと。
七草はづきさんの側も、それら全てを織り込み済みでアプローチを仕掛けてきたこと。
それらを説明すると。
「……」
イライラ、だろうか。冬優子は目をつむってしばらく考え込む。
そこで俺の持つプライベート用のスマートフォンがぶるりと鳴った。触らず。冬優子のお言葉を待つ。
「……出なさいよ」
お言葉ですが、と口にすることはなく出ることにする。
……はづきさんだった。出先で、机の下で下着なしのまま大開脚している写真だった。
太ももの内側に、これまで射精した総数の正の字カウントが描かれている。
右腿に10、左腿に7。我が事ながら節操がない。
他に見えている靴からして相手は他の事務所かどこかの事務員さんと思われる。となると、喫茶店かファミレスか。
「……はづきさんから?」
はい。そうです。
むしろスマートフォンを差し出すと、ひったくるように取り上げる。
冬優子は画像を見て苦虫を噛み潰したような顔をして……別段言葉はなく返された。
そして、肩を落とす。溜息。
「……はぁ。正直に言って良い?」
どうぞ。
「こうなるのは判ってた。……あんたに手を出せたのが、いちばん早かったのがふゆだったって言うだけで……」
冬優子はゆっくりと立ち上がる。
「言っておくけど。ふゆはアイドルを続けていくわ。その方がオナホ1号としての仕事も
俺の性癖をよく判ってくれているな、と思う。
冬優子は歩きながら。目を閉じながら。
「壊れそうだったあんたを支えたい、って思ってた人は沢山いたもの。はづきさんも、そういう目をしてた。だから、判ってた。……それに、これ」
はづきさんの全身に淫猥な落書きをしている写真を指さす。
「確かにふゆじゃあ無理だものね」
アイドルの仕事に差し支える、という意味だろう。特に夏に差し掛かる、これからは。
それはそうだ。だからこそはづきさんがぐっさりと刺さっている現状がある。
「……
悩んでいるようだ。当然、黛冬優子にチラシの裏などになってもらう訳にはいかない。
……勿論、なって欲しいか否かでいえば、なって欲しいが。
と、考えてしまうので。欲望がむくむくと首をもたげる。
「? どうしたの?」
冬優子にこちらに来るように手招きする。
ぽんぽんと膝を叩く。座れ、と。
「……。……うん」
有無を言わせぬ気配を感じたのだろう。
「……っ。……楽しい? それ」
左手でタイピングしながら、右手で自らのオナホの
尻も。腿も。腹も。二の腕も。胸でやや留まった後、そのまま手を喉元に伸ばしていって。
「がっ、ふっ、……ふ、う……」
一瞬だけ喉を軽くしめて。
そのまま、指を3本まとめて、
「あ゛……え゛、れぇぅ……れあ、ごぉ、う゛ぇぇ……」
ぎゅうとしまったり、震えたり、涎を飲み込もうと舌が
なるほど。これは、突っ込んでいて気持ちも良い筈だ。
「……お゛、るれぇっ、りゅる」
成すがまま、成すがまま。
身体が段々と仰け反ってゆく。
「……は、はっ、ごぉ、れっ」
スカートの中に手を突っ込むと、既に下着は汚れていた。
毎日喉に突っ込みながら女性器の方も弄り倒していた甲斐があったというものだ。
無論、オナホ側の努力も忘れてはならない。自慰は日課にするように指示している。
……手を放す。
「はっ、はっ……。……終わりなの?」
色を帯びて鋭い視線。
ただ、このまま事務所でするにはやや苦しいか。まだアイドル達が来る可能性のある時間帯。
予定はないが。
「……わかった。いつものね」
ずるりと身体を滑り込ませ、定位置に着くオナホ1号。
机の下。全身肌色。自動でズボンのチャックを開けて、思い切り男性器を頬張り始めた。
「んあっ……おぁ、れるぅ」
夕暮れの風が心地よく事務所に吹き抜ける。
自身の他には誰もおらず、じゅぼっ、じゅぼっという淫猥な音。
デスク下に
安心感。緊張ではないもの。
……あるいは。これからも自身が、このオナホを好きで使い続けられるために。
ここいらで、ある程度の刺激を加えなければならないのだろうか。
そんなことを考えつつも、作業はとても
結局、事務所にはそれ以降誰も訪れる事はなく。
喉に。膣に。良い気分のまま射精をして、仕事を終えた。
「―― ねぇ、今日はまだ何かする……の?」
使い終わったオナホをシャワー室で洗っている最中。
未だ勃起したままの男性器を腹肉に擦り付けている自身へ、問いかけられる。
行きたい場所がある。
オナホールとしてより一層の
「……。……いいわよ」
悩んだのは一瞬だけだった。
身体を拭いて。一緒に脱衣室に出て。
「……? 変装……するの?」
そうだ、と話す。
最低限の下地メイクと髪の処理を終えてから。
髪はロールアップ出来るだけして、帽子の内に入れてしまう。代わりに派手な緑のエクステ。
下着は上下、着けず
衣類も、いつもの黛冬優子であれば選ばない色彩と、部屋着よりのラインナップで揃えてしまう。だというのにへそは出す。素足。クロックス。
あえて、サングラスも度抜き眼鏡もかけなかった。
「これで、外に出るの……!?」
ああ、と頷く。
「……変装しなきゃ、いけないような、場所に……?」
ああ、と頷く。有無を言わせず。
「……。……わ、わかった……」
最後にはか細くなった声を発し、黛冬優子は身を
俺も最低限スーツではない、くらいの部屋着には身を包んで。
―― すっかり姿を変えた黛冬優子の腰に手を回して、日の沈んだ街へと繰り出した。
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