プロデューサーは人でなし 作:どろまみれ
櫻木真乃②
雨の中、俺は櫻木真乃を連れ立って歩く。
屋根があって雨をしのぐことのできる……公園内の藤棚の下まで来ると、ふたりでベンチに腰掛けた。
彼女の言葉に嘘はなく、また決意に鈍りもないようだ。
……そういうことを確認するのに数十分を要した。慎重に慎重に。
「あの……判ってくれました?」
いつの間にか、むしろ俺が彼女から説得を受けた形になっていた。
つまるところ。
「私はプロデューサーさんと……その、性行為ぃ……を、するのは、えぇと。……怖くないと言ったら嘘になりますけど……。でも、それでプロデューサーさんを支えられるのなら、喜んで……します!」
またも言わせてしまった。
総計10回くらい。その宣言ひとつひとつが、やたらと重い。
いや、言わせているのは俺なのだけれど。
「……だって。プロデューサーさんが、それで楽になるんですよね? 逆に……ですけど。楽にならなければ、また……私達を不安にさせちゃうんですよね?」
耳が痛いが……仰るとおり。その可能性は高いだろう。
では仕事を辞めるのか。……それはないと、自分でも。真乃相手にも否定し続けている。
だから、唯一の営みに
「それで、その。えと」
手元を見たり、周囲を見回したり。
櫻木真乃は落ち着かない様子でそわそわほわほわを繰り返す。
リードするべきだろう。
……彼女を見ていてこみ上げるものは、少しある。
この場合にこみ上げてくるのは、実に邪な性欲という奴で。
とても人でなしな、性癖だ。
近づく。
「……こっ、ここでしましょうの、かっ」
多分、ここでするのかと聞かれているので頷く。
夜中の公園。藤棚の下だ。
少なくともランニングに出てくる人はいる。そう言う時間帯である。
それでも、ここで。
「わっ、わかりました。……プロデューサーさんに、お任せしますっ」
了承を得て、早速服を脱がしてゆく。
藤棚の影で、うまい具合に(視線の)射線が切れている。
見えるとすれば正面の上り坂を登ってくる人から、という事になるだろうが……そちらも、
ロケーションを確認している内に、上着を脱がし終えた。
腰元のロングスカートに手をかける。びくっと身体が
フリルの着いたシャツも迷わず脱がし。
「し、下着も……?」
頷いて、ホックを外す。
全て外した。そのまま、俺の持っていたバッグに畳んで入れる。
「あ、あの……」
混乱が混乱を呼んでいる。色々と言いたいことはあるだろう。
ただ ―― 今は自身がやりたいことがある。有無を言わせず肩を掴む。
「……。……その」
形の良い胸も、やや陥没した切っ先も、端から端まで真っ白な肢体も、アイドルとして揃えられたラインの
全部が全部、初めて見る櫻木真乃だ。
これからこれで
「あ……」
完全にいきり
熱を意識させるように腰を動かして……今度は視線を合わせる。
「ん……」
唇を重ねる。
藤棚の下のベンチの上で。
月光と街灯を横目に、唇の上を舌でなぞる。
何度も何度もなぞっていると、どうやら真乃も察したらしい。
「あ……え、れぅ」
口を開けた。舌をねじ込む。
口腔内を全て
体重を少しずつかけて、ベンチの上に横にする。
「れ……るれ……じゅっ、ん……あ、ふ……」
10分。20分。誰も通らないことを良いことに、30分。
涎を飲ませながら、手のひらで胸と二の腕と腿と尻の感触を順に
「んっ」
女性器を弄り出す。
こちらのモノをすぐ傍の太股の内側に擦り付けながら。
擦り、擦り、弄り、擦り。小指の先で突いたり、陰核を剥いてみたり。
「るぇっ……んっ、べぁっ」
自身の舌を受け入れながら、呼吸の合間を
まるで刺激を逃がそうとでもしているように。
なので ―― 完全に馬乗りになる。
「! あ、れ……う」
裸身の真乃を、腕で、身体で、両脚で押さえつけた。
そのまま舌を絡め続ける。もう30分。深夜に差し掛かった所で……ようやく顔を離す。
「……は、……は……は、ぅ」
真っ赤に染まった顔。陥没していた乳首は完全に顔を出し、陰部からは愛液を分泌している。
身体を抱えて起こす。
「あ、あの……このまま……する、んです……か?」
真乃は尋ねる。
成る程。確かに準備は進められただろう。
だが ―― まだ、真乃には知って置いてもらわなければならないだろう。
業の深い、自身の性癖というものを。
「……え」
手首と腰を掴んで立たせる。
「……! あの、あの」
全裸のまま街灯の光を。月光を浴びて、身体を両腕で抱いてしゃがみ込む真乃。
その傍に座り込み……腰を掴んで立ち上がらせる。
真乃の唇がわなわなと揺れる。
そして。
かちん、と。
真乃の首に首輪をつけた。
「……これって……?」
首輪だ。きちんとリードを付けることの出来る、首輪。
自身は真乃の傍に立ち。男性器は尻に擦り付けて感触を味わいながら、話す。
自身に露出の気はない。自分の肌を見せても興奮しないのである。
だから。
だから櫻木真乃には ―― 露出に狂ってもらいたいのだ、と。
・・・
自身はペットを飼ったことはない。
そういう意味では、ピーちゃんを飼育している
しかし鳥と
現に今、公園を歩く真乃は、ふらふらと、いつもよりも数段と頼りない歩き方をしている。
「……んっ!?」
小さな葉揺れの音に
周囲に人が居ないのは何度も確認している。尻を叩いて先を急ぐ。たしん、と芯のある音がなった。
「……あの、私が……ペットっていうことで、良いんですよね」
そういう側面もある。
ただ、「露出」という側面にこそ触れて欲しいと思う……と、伝える。
「……うーん」
すると、真乃は考え込んでしまった。
全裸のまま、公園の真ん中付近。スタートの藤棚から40メートルは離れており、見つかる前に衣類を取りに行ける範囲はとうに脱している。
どちらかというとオドオドとしている事が多い真乃にしては、
「……ひっ、それもそう……ですね。あの、プロデューサーさん。教えて下さいませんか……?」
自分よりも詳しそうだとみて、
頼られた。しばし考える。……こうしよう。
「あっち……ですか? はい」
真乃を街灯に照らされる範囲から連れ出して、真っ暗……とまでは行かないが。視認性の悪い場所へと連れてくる。
小雨は続いているが。緩い丘陵、芝生の上だ。そこへ真乃を座らせる。
「おしりがひんやりします……で、え……あっ」
寝転ばせる。足を開かせ、陰部を風に晒させる。
自慰くらいはしたことがあるだろう。
「……えと、はい」
ここで、今からしろ、と伝える。
しばらく自身の顔と自分の手を交互に見ていたが、最後には観念してか。暗闇の中で自慰を始めた。
「―― はっ……。……っ」
真乃が目を閉じ、指で性器を弄る。外と陰核を交互に触っているようだ。
手のひらで陰唇を擦ると水音がする。藤棚でスイッチを入れておいた甲斐があるというものだ。
「―― っ、はぅ……! ……ぁ……っ」
段々と、段々と真乃から距離を取る。
スマートフォンの電源を入れ、動画を撮り始める。手ぶれは強く、暗視は作動させない。
結果として出来上がる動画は ―― 野原の真ん中。暗い場所で、どうやら裸の女が横になって動いているというもの。
見る人が見れば十分に、
「……! プロデューサー……さん!」
自身が近くに居ないことに気付いた真乃が、どうやら呼んでいるらしい。
カメラをその場に設置し、すぐに傍による。
先ずは注意。大声を出すなと。誰かにバレても良いのか、と。
「はっ……あ……すいません」
名前を呼ぶのもマズいだろうし……とまで考えたところで、呼ばれた理由を問う。
「あの……い、いつまでオナニー……すれば、いいでしょうか」
キリがいいのは絶頂するまでだ。
しかしどうやら、こう尋ねると言うことは、絶頂するための兆しがないらしい。
まぁ、緊張だろう。
当たり前だ。未だ性経験もなく、いきなりが露出なのだから。
しかし、だからこそ意味がある。最初を露出にしなければ ―― それに狂うには到らない。そういう確信がある。
「その、気持ちはいいんですけど……」
対策を考える。……こうしよう。
自身は真乃を再び横たえると、自身も原っぱに横になり。
その身体を弄る、手伝いを始めた。
「あ、熱い……です」
あれから一度も萎えていない男性器を出して、真乃の左手に握らせる。
右手に胸を弄らせたままにしておいて……自身は、性器と陰核とを弄りながら、再び舌を絡め始めた。
「れ、れうるべりゅる……あふ、ふ……んあるぅるぇろ」
先ほどよりも順当に、身体が反応を示す。
陰核が剥けた所で、愛液を指に絡めて入り口を擦る。
「あ、あぶっ……ん、ふるりゅう、れ、れあ……」
小雨が続く。髪は顔から額に貼り付いて、絡んで濡れて。身体は熱く、夜陰に白くもうもうと湯気が立ち上がる。
涎が伝ってふわふわの頬を汚す。転がすと左半身が土に
反応が良くなってきた。もう一押しだろう。だから、ここで刷り込んでおく必要がある。
耳元で話す。弄る勢いは止めず。
今真乃は、公園で、全裸で、いやらしいことをしている。
「……! あ、あっ……」
これから真乃は、自身にこういうことをされ続ける。
「あ、は、あっ……」
いずれ自身を見ると、快感を思い出すようになるだろう。
「れりゅっ、ふはっ、あっ、んあっ……!」
犬の様に快楽を覚え、満たされると充実感を感じるようになり。
「ふぁっ、んぶっ……れぅ、れぁ」
人なのに、犬の様に過ごす事。裸であることに羞恥を感じ。
「れろれりゅろりゅろぅぇ……ぷはっ」
そしていずれ、羞恥そのものが快感に変わって行く。
「……はっ、はっ、はっ……はっ……はぁっ!」
だから。自身が真乃にそうなって欲しいから。そんな無様な真乃がみたいから。
「ほ、わ……」
いずれ露出に狂う、ペットになってもらいたい。
「は、……い! わた……し! 頑張りますっ! ぁあああ゛っっ!!」
がくんがくんと膝を揺らして、潮までとは行かずとも太股までだらだらと愛液を流して。
櫻木真乃は絶頂した。そのまま息を荒げて、横たわる。
息を整えている間に、カメラを回収する。
横たわる真乃を映すと、
土まみれで。涎まみれで。肌色で。首輪をしていて。従順で。
人にとっての憩いの場だというのに、そんなことは関係なく快楽に染まって、絶頂した。
人間らしさに乏しく。動物らしい。実に、無様な姿だった。
「……はっ、はっ。……プロデューサー……さん」
こちらを仰ぎ見る、
愛らしさと、淫欲と、献身を感じる眼差し。
この動物を、どう呼ぶのが適切だろうかと少しばかり考えて。
―― 色味は豚だろうな、と思い当たる。
「……プロ……さん」
息も絶え絶えに、自身を呼ぶ。
傍にしゃがみ込む。用件を問う。
「……初めてを……貰って……」
なるほど。ここまで来たならば、という事だろう。
ならば自身に豚と呼ばれることを許容して欲しい、と告げる。
返答はすぐに。「……はい!」と、元気よく返ってきた。
「むんっ……よろしく、お願いしますね……!」
まだ多少の輝きは薄れていないが。
当座の内の初回としては。
これはこれで、らしい結果だったのではないだろうか。
そう考えて。
櫻木真乃は、望んで、自身にとっての
野っ原のど真ん中で、懇願して、土塗れの中で純血を失った。
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