※この作品はR-18です。

プロデューサーは人でなし   作:どろまみれ

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夏イベント③:3日目

 

 

 サマーイベント③

 

 

 

 市川雛菜に誘われて、とても朝早く……どころか。深夜の最中、朝焼け間近の海辺を歩く。

 3日目。サマーイベント折り返しの手前。

 

 3日目は基本的には明日、4日目に向けた準備期間だ。

 なにせ4日目には放課後クライマックスガールズのユニットライブがある。昼~夜にかけて忙しくしていることだろう。

 

 その分、市川雛菜の属するノクチルは裏方に回る。

 福丸小糸が1日目でいう黛冬優子の役割を請け負って、ノクチル全体では休憩中のMCなども受け持つはずだ。

 

 だから、サマーイベント3日目としては初日にライブを行ったイルミネーションスターズによる配信が主たるものとなる。

 ……のだ。が。

 

「ふ~んふふ~ん……」

 

 ご機嫌な様子で俺の数歩前を歩く市川雛菜。

 朝焼け前の海辺は深い藍色に満ちていて。そこへ裂き入るように。ふわふわで黄色(しあわせ)のスカートを翻した市川雛菜が進み行く。

 夜はこれから明けてゆくだろう。市川雛菜が残したサンダルの足跡は、波打ち際の白波に(さら)われて、あっさりと消えるほどに浅い。

 

「……プロデューサ~?」

 

 ひらり、顔だけで振り返る。

 足を止めて。小首を傾げて。

 

「もう元気、出たみたいだね~」

 

 にっこりと笑う。

 元気が出た。皆に言われるが、あの時期と比べると人並みの情緒は保つことが出来ている。

 そうだな、と頷く。頷き返す。

 

「今のプロデューサー、雛菜はすごぉく良いと思うなぁ~。……雛菜ね~。プロデューサーが居て良かったな~、って。あれからずーっとずっと、思ってるんだよ~」

 

 あは~、と。

 彼女は俺のことをいつも、居て良かったとか、好きだとか、そういう風にストレートな表現をしてくれる。

 それ自体はありがたいことだ。感情は素直に受け取りすることにしている。ただ学生なうえにアイドルなので、それらの「とりわけ」は慎重に行わなければならないと、(いまし)めてはいるが。

 ややいつもの……雛菜らしい調子とは違った。何かを恥じるような間を挟んで。

 

「うんとねー。透先輩には、言ってないけど……」

 

 口元に指先を1本あて、しーっと口外厳禁のポーズ。

 可愛らしさ。鋭さ。不思議な感触。

 

「小糸ちゃんがプロデューサーさんに、なんだろ……あたっく? してるよね~」

 

 顔だけでこちらを見ていた市川雛菜が、今度は身体ごと振り返って、言った。

 アタック。意味するところは判る。実際、された……だろう。俺にとって落ち着ける場所に、彼女を置かせてはもらったが。

 

「あと~、最近あんまり顔を合わせてなかったけど……真乃ちゃんもかな~」

 

 自分の唇を指で押しながら、覗き込むように尋ねる。

 尋ねられた。どう答えるか。市川雛菜との会話は、いつも問答を試されているような感覚を覚えるのだ。

 説破……は、せず。「雛菜はみんなのことをよく見ているな」と両手を挙げて降参の姿勢を取りながら答える。

 

「あは~。ほめられた~」

 

 ああ。褒めている。よし、うまく話せたな ―― と頭の中だけで拳を握る。

 市川雛菜は物事を深慮しているようで、真っ直ぐに見ているようで。それでいて実の所、一介の学生でしかない。

 283プロダクションが各々の個性を活かすプロデュースを信条とする以上。市川雛菜はその最先端で、事務所としての色を発色し続けるだろう。そういう確信がある。

 

「小糸ちゃんがね~、すっごく楽しそうだった~」

 

 手に持っていたフルーツオレのパックジュースを降ろして。

 

「でもね~。なのに……雛菜は、しあわせ~に……ちょっとだけ、ならなかったんだよね~」

 

 唇の端だけを上向かせ、表情を固定化し、俺を見る。

 市川雛菜。彼女がまっすぐだからこそ、嘘はない(・・・・)と理解はしていた。

 ただ……ただ。

 

 少し卑怯だが、先手だけはうたせてもらう。

 雛菜が挙げた人達に、誰1人として自分は返事をしていない……と。

 それだけは告げさせて貰う。

 ……が。

 

「ふ~ん。それって~まだ、雛菜も言って良いって……ことだよね~?」

 

 そうなってしまう。返事はしないが。

 この返答に、市川雛菜は目に見えて機嫌良く……跳ねた。

 

「あは~。きもちー」

 

 サンダルを手に持ち。ばちゃばちゃと波打ち際を、素足で跳ねる。

 ふわりふわりとカーディガンを揺らし、たまに、濡らし。

 

「……プロデューサーはね~。あのとき、頑張ったと思う~」

 

 頑張れたのだろうか。

 自分では、既に感覚は無い。

 頑張れたの、だろうか。

 

「うん~。雛菜が保証してあげる~」

 

 説得力はある。

 現状、最も俺と組んでいる時間が長いのは、市川雛菜だからだ。

 

「プロデューサーが~、雛菜のこと知ってくれようとしてる間も~。ノクチルっていう皆を、知ろうとしてくれている時も~」

 

 中々に特殊なユニットであるからだ。

 福丸小糸の件もあった。多少ながらに苦労はした、と言える。

 

「ユニットが増えて~、あさひちゃんが2歩下がった時も~。透先輩や円香先輩が~、アイドルっていうお仕事に真っ直ぐ向けてなかった時も~」

 

 指折り数えて。

 数えるその度に、市川雛菜はこちらに歩み寄ってくる。

 

「雛菜、ずっとプロデューサーの隣にいたからね~」

 

 それが1番、知って貰うには早いと思ったから。だから俺の近くに居た。

 市川雛菜はそう、教えてくれたことがある。

 

 アイドルの個性を、と言うのはつまり。

 その娘の良いところを伸ばす、だけではなく。

 やりたいこと。やれること。加えて成果が見えること。

 そういう幾重もの条件を突破した何かを見つけなければならない、という事でもある。

 

 今は昔のお話だが。

 

 正直に言えば悩んでいた。

 芹沢あさひや浅倉透、樋口円香。素を見せてくれるまでは黛冬優子もその括りだっただろうか。

 

 その中に。その括りに、市川雛菜という少女は居た。

 だけれども彼女は、悩む俺の隣に居て、いつも会話をしてくれた。

 話して。聞いて。疑問があれば尋ねて。それが半信半疑であろうと、動いてみせてくれていた。

 

 アイドルは星の数ほどはいないけれども。

 少なくとも346だけで200人以上は実在している。

 

 ユニットが増えて、個性が増えて。

 だから市川雛菜は、その個性をどう活かすかを、俺と一緒に考えてくれた。

 

 ノクチルで1番最初にW.I.N.G.に挑んだのは市川雛菜で。

 敗退はしたものの、G.R.A.D.では一層の輝きをみせて優勝を勝ち取って。

 ファン感謝祭にも、ユニットライブにも。

 センターではないというのに、率先して……俺の隣にいて。意を汲もうとしてくれていたのだ。

 

 用事が無くても事務所に寄り、どうでもいい話なんかをして。

 迎えに行く最中も、俺の事を考えてくれていたりして。

 俺に余裕がない時は、彼女自身が余裕になってくれたりして。

 

 単に俺に興味があった、というだけなのかも知れない。

 ただ。ただそれが、とても助かった。助けられていたのだ。

 

 接し方。話し方。気を付け方。そういうのを知るには、やはり時間をかけるしかない。

 市川雛菜を知ることで。俺は、ノクチルという幼馴染み達の在り方を知るための、切っ掛けにすることができた。

 アイドルの個性というものを知るための、足かけに出来た。

 

「あは~。でしょ~」

 

 ゆるりと口に掌をあてる彼女に。

 改めてありがとう、と告げる。

 

「どういたしまして~」

 

 不思議と笑みの沸いて出るやり取りだ。

 だから、話を戻すべきなのだろう。

 

 夜の端っこ。水平線の向こう。

 境界線がなかったところに明かりが生まれ、朝は切り拓かれてゆく。

 

「もう足の指、ふやけちゃったかも~」

 

 あっちで座ろうか、と促すも。

 ううん、と断られる。

 

「今日はいいかな~。歩きたいかも~。……映画のワンシーンみたいなデート、これだけで楽しいし~。それに雛菜、今日はプロデューサーに伝えたかったの、ひとつだけだから~」

 

 それこそ映画のシーンの様に、朝焼けをバックにした市川雛菜が、ゆらり斜めに構え立つ(ポージング)

 輝かしい水平線の端にも、美しい(さきがけ)の星にも目もくれず、彼女は俺を見つめる。

 

「―― ねぇプロデューサー。雛菜()、プロデューサーのことしあわせ~にしてあげる~。……だってそれも、雛菜のしあわせ~の中にあるんだーって……判っちゃったんだ~」

 

 あは~、と。

 自分の幸せを示すため……ではなく。

 いつもと違った。どこか諦めたような。仕方ないなーとでもいうような。

 そういう「俺のための笑い方」で、市川雛菜が笑う。

 

「だから~。小糸ちゃんに色々と教えて貰って~、がんばるね~」

 

 ……それだけは少し心配ではあるが。

 彼女にこうも言われて、受け入れないような俺ではない。

 そういう非社会的な倫理間のなさ。欲の、業の深さが。

 今は少しでも彼女に幸せを与えられますように、と願い。

 

 朝日が昇って。

 

 市川雛菜が眩しい~、と騒いで砂浜を跳ね逃げるようになるまで。

 

 ……そして俺が、その腕を捕まえるまで。

 

 俺たちは、海岸線を歩き続けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 そして昼。

 

 櫻木真乃と、風野灯織と、八宮めぐるがロッジに並んでレトロゲームに興じている。

 その様子をスタッフが配信。パーティーゲームなので、時折、放課後クライマックスガールズやノクチルから刺客(・・)として挑戦者が送られたりして番組を盛り上げている。

 

 長めの配信だが、元々がだらっとやる企画ではあるので、なるべく自然体でやって欲しいとは伝えてある。

 そのためか、ハプニングと言うよりは微笑ましさの多いイベントになってくれているだろう。

 

 夜までゆるりと遊んで。

 感想ラジオ。穏やかなスケジュールである。

 

 浅倉透が操作していたキャラクターが、コントローラーの持ち方に困惑している間に画面外に吹っ飛ばされ。

 園田智代子が入れ替わり、敵を取るべく悪戯な笑みを浮かべる。

 立ち向かうイルミネーションスターズ。果たして乱闘の行方は。

 

 ……その、後ろ。

 パーテーションで区切った奥。

 

「―― ほっ、ほっ……ほぉぅっ」

 

 福丸小糸の後ろに回って、勃ち浮いた乳首をひっかく、ひっかく。

 爪で弾くように弄れば、かちゃんと小さくピアスが揺れた音がする。

 弄る度に息を吐く、我慢の声がロッジの壁に吸われて消える。

 

 耳元でスカートを(まく)るように告げる。

 はひ、はひ、と頷き……ゆっくりと端を持ち上げてゆく。

 

 陰核に結んだチェーンアクセサリをじゃらじゃらと回して引っ張る。

 んおんおと口を閉じて必死に抵抗するも、口の端から涎がつぅと溢れ流れる。

 

「ぴゃ、う、いきそ……です」

 

 小声で、真正面を向いたまま福丸小糸が話す。

 成る程……と応じる。それは楽しめない。

 自身も男性器をズボンから出した。

 

「ひ、う」

 

 尻に擦り付ける。

 小糸の乳首を引っ掻き続けたまま、小さな掌を後ろに持ってこさせ、男性器をしごかせる。

 速度を上げさせる。カウパーは全て小糸の下着に擦り付けてやる。

 少しずつ下着の色が、カウパーと愛液で変わってきた頃合い。

 

「あ、ふ……ふぅーっ、ふうーっ」

 

 我慢を始めた。入れ物として、ようく理解している。

 小さな手。細い指にしごかせる。しごかせる。射精感をあげてあげて。

 

「あ ―― う、ぴぃっ」

 

 最高潮まで持って行って。

 入れ物に出すためだけに ―― 下着をずらし膣内に突っ込んだ。

 向こうも絶頂させるために陰核付きのチェーンを引っ張ったが……どうもその前から絶頂していた気がする。

 入れた時点で、限界だったのかも知れない。それはお互い様だが。

 

「……う、ふ」

 

 ごつりと奥まで押すと、いつものように圧迫鳴き声。

 そのまま出して、出し切って。

 抜いたら下着で拭って、ズボンの中に戻す。

 

「ふ、あ、ふぅ……」

 

 夢見心地のまま、焦点の定まらない眼で前方をふわーっと見ている福丸小糸。

 とりあえず前方のアイドル達には気付かれていない。福丸小糸自身の出番も、すぐには来ない。

 それまで。出番が来るまでは……ロッジの裏に連れて行き。

 入れ物だからには、入れるべきものを入れ。只管(ひたすら)に乳首と陰核を弄って楽しむのであった。

 






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