※この作品はR-18です。

プロデューサーは人でなし   作:どろまみれ

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大崎甘奈④:(オナ猿)

 

 大崎甘奈④

 

 

 そうして。

 大崎甘奈も自身の性欲処理に協力をくれる運びとなった。

 

 ……ただ、()とは違う手順を踏む。

 

 事務所内。

 大崎甘奈は自身から性処理のための道具になることを依頼され、快諾(・・)した(凄まじい勢いでYESの返事をされた)。

 

「う、うんっ……! その……恋人じゃあなくっても、甘奈、プロデューサーさんには笑顔で一緒にいて欲しいから……!」

 

 快諾。

 したのだが。

 

「―― えぇっ!? し、シないのっ……!?」

 

 どうやら本番をするつもり満々だったらしい大崎甘奈が、自慰告白後の全裸のままで驚声をあげる。

 自身は頷いて肯定する。重ねて言うが、本番はしない。

 

「えっと……じゃあ。どういうことを、甘奈はすれば、いいのでしょうか……」

 

 今まで通りで良い。

 ただしそれではあまりに大崎甘奈に利が無いので、提案もしておく。

 

 大崎甘奈がこれまで以上に満足できる自慰に勤しめるよう、自身も協力をする。

 弄って欲しいのであれば弄る。絵面が必要であれば提供する。声が欲しければ収録する。

 肝心要のどう協力するか、は自身が決めるものの。

 

「それはぁ。そのぅ……助かるのですけれども。えっへへ~」

 

 緩まった左頬を押さえつけ、妙にかしこまった言葉使いのままはにかむ。

 ……なにやら期待をされたようだが二の次だ。自身が望むように、を優先させて貰う。

 その上で大崎甘奈の希望・要望にも応じることは出来るだろう。

 

「あはは~。……甘奈はその、初心者さんなもので。プロデューサーさんのそういう(・・・・)のはひとりで勉強したつもりだけど、うん。実際に教えて貰った方が早いもんね!」

 

 恥ずかしさの気配は残しつつも。よろしくお願いします、と続けた。

 予習も含めて、とても彼女らしい前の向き方であると思う。

 順序立てて慣らしてゆこう。……そう声を掛けると、上着のポケットの中で個人用スマートフォンが震えた。

 

 大崎甜花(あね)からの連絡。

 『うまくいった?(Vサイン)』だ、そうだ。

 なるほど。ここまで……癖を探られ、()てられる部分までを含めて作戦だというならば。

 やはり、自身に抗う術はなかっただろう。

 

 これからは海外渡航も含めて忙しさは増してくる。

 自身としても不調を来たす可能性は低い方が望ましい。

 望ましいことを、彼女らも望んでくれるのであれば、拒む理由は存在しない。

 

 スマートフォンを戻す。

 こちらを見つめたままの大崎甘奈に少し寒くはなるがと説明を挟みながら、事務所の窓を小さく開ける。

 

「えっ……。……こっ! 声とかっ! 外はっ、ちょっ、早いとっ!」

 

 換気である。

 ここは事務所であり、未だ昼過ぎの勤務時間。大崎甘奈に懇切丁寧に手ほどきをしている猶予はおそらくない。

 午後には他グループのアイドルが来る予定もある。片付けから始めよう。そう促す。

 

「……そっ……そうだよねーっ! 甘奈も服とか下着とか着てくるね……!」

 

 早とちりを撤回。

 床の下着とPCの冬色キュロットとシャツ周りをわたわたと回収して、仮眠室へと駆け込んでゆく。

 

 入ってきた寒気が頬を撫でつける。

 消臭剤の芯を引っ張って、雑巾を取り出して。敷物には染み抜きと吹き付けるタイプの消臭剤。

 我ながら片付けも慣れてきたな、と独りごちる。もう9ヶ月近くは別宅を使っているのだから当然か。

 

「お待たせっ……って、もしかして。もうお掃除、終わっちゃった?」

 

 ああ、と頷いてみせ。

 大崎甘奈は目を閉じながらため息。肩を落とす。

 

「う……あ、甘奈が出したものなのに……。ごめんね……」

 

 やはり年頃の学生としては気になるものなのだろう。

 片付けないわけにもいかないからすまないな、と謝罪を挟んで。

 謝罪合戦になることが予想されるのでその前に。予定を立てよう、と切り出す。

 

「予定?」

 

 予定だ。

 自身の行動予定はおおよそ、年末にかけては決まり切っている。

 だからそれ以外の時間を切り崩して、大崎甘奈のために()てようと思う。

 

「……っ!」

 

 具体的には出掛けたり、別宅で過ごしたりといったあたりになるだろう。

 正直に言って秋までと比べて時間的な猶予は無い。つまりは。アルストロメリアとしての活動の合間を縫ったり、自身()の時間を……つまりは大崎甘奈のプライベートな時間を大きく削ることになると思われる。

 

 それでも良ければ。今週末から。

 

「うんうん、わかったよ! 甘奈の時間で良ければいくらでも持ってって、プロデューサーさん! ……むしろ、甘奈がもらっちゃう方かも知れないけどっ」

 

 最後に語尾から瞳から、星が輝いて飛び出そうな勢いでキメると。

 デスクワークの(かたわ)ら。隣で雑誌を開いた大崎甘奈と、今後の予定を組み立ててゆくこととした。

 

 

 ――

 ――――

 

 

 

 

 

 12月最初の週末。

 仕事を片し事務所を閉めて。ガレージから会社では無く自分の車を出して、走らせる。

 要望に応え、大崎甘奈を迎えにゆくためだ。

 

 プライベートの時間を無駄なく活用するためには()があるのが望ましい。

 大崎甘奈は放課後が最も自由に活動出来る時間帯である。

 だから迎えに来て欲しいな……という流れのようだった。

 

 駐車違反にならない場所を探してぐるり。大崎姉妹の通う学校の裏門傍へ車を停める。

 通路には授業を終えた生徒達が行き交っており、部活動の盛んな声が体育館と運動場の側から聞こえている。

 

 カーディガンは見覚えのある色。

 スクールバッグは、見覚えのあるものよりはやや色合いに乏しいか。

 

 日の早くなった冬空を眺めながら。

 車から出て、缶コーヒーに口を付けながら少しだけ待つ。

 

「―― お待たせ、プロデューサーさん!」

 

 大崎甘奈。

 遠くから、手を振り、大声でこちらを呼びながら駆けよってくる彼女の側へと振り返る。

 同時に奇異の視線が突き刺さったのが判る。学生らの視線だ。

 

 すると。

 

「あっ。……? うん、そうだよっ。レッスン!」

 

 こちらへ向けて走っていた大崎甘奈が途中で立ち止まり、応じる。

 友人だろうか。同じ制服を着た数人の学生グループに話しかけられたようだ。

 

 アイドルをしていること。レッスンに出ていること。などなど、知っている間柄なのだろう。

 そういう放課後の予定の話題から。いちどこちらを見て。

 

「そんなわけで、めっちゃ忙しくなると思うんだ。ごめんねっ」

 

 先頭で話しかけていた男子生徒もこちらを見たため視線が合う。

 コーヒー缶をしまい込んで、頭を下げる。職務の時間外だというのに、どうにも仕事らしくなってしまうのは許して欲しい。

 

「ね、いいでしょ~。……じゃあね、ばいばいっ」

 

 大崎甘奈は後ろにいた女生徒達にも手を振り、再び走る。

 頭ふたつ下、隣に並んで。

 

「えっと。ちょっとえっちな内容だけど、レッスンなのは、間違って……ないよね? 嘘じゃあ、ないし」

 

 気にするのはそこなのだな……と思いつつも、彼女へと向き直る。

 表現が昔くさかった気がしたのは、自分の感性が腐敗しているかも知れないなとも思いつつ。

 最後に学生らにもう一度礼をしておいて、彼女を助手席に乗るよう促した。

 

 開閉音。シートベルト。周囲確認。

 ギアを入れ、校門から離れる。

 

「それで、何処に行くの? お家?」

 

 いや、先に外を幾つか回る。

 新しいスマートフォンを1台。大崎甘奈との個人連絡用途のものを受け取りに。

 それと閉店前にモールで新しい外套を1つ見(つくろ)いたい。主に年明けの五大湖周辺への遠征などに備えたものを。

 

「それって、甘奈が選んで良いの?」

 

 喰い気味にこられたのでまぁいいぞ、と頷く。

 彼女は何やらご満悦のようだ。

 

「は~……甘奈のやりたいこと、早速いくつも叶っちゃってるよ~。そっか~……2週間。2日に1回。それどころか来週までは毎日! プロデューサーさんは甘奈のこと、迎えに来てくれるんだもんね」

 

 胸の前で腕を組み、噛みしめるように唇の端を解いている。

 とはいえまぁ、買い物それ自体は慣らす(・・・)ことと平行する。学生を遅くまで連れ回す訳にもいかないからだ。

 

「そうだね。レッスンのない日って少ないし、時間を有効活用しないと」

 

 真面目な顔でモードを切り替えたのを見て、だからといって気合いを入れ過ぎても困るものだろうと(たしな)めてはおく。

 

「そっかぁ。うーん……難しい……」

 

 ぼふり。シートが軽く沈む音。

 その辺りは自身が監修を担当するので任せて欲しい。

 

「うん、お任せしちゃう」

 

 了承を得た。

 和やかに車を走らせること数十分。郊外のモール。

 

 ショップでスマートフォンを受け取って。

 何故か渡すアイドル皆がお揃いにしたがる飾り気の無いハードカバーをアクセサリーで購入して。

 

 (のち)

 

「……えっと……それで、ここ?」

 

 モールをいくつか後にして、最後に辿りついたのは紳士服の店。

 どちらかというとストリートよりも、営業シャツなどを揃えるのに適した店である事は重々承知している。

 ただ、外套は基本オートクチュール……とまでは行かないが。海外を回る際にはブランドを飾って(・・・)おきたい所と考えている。

 

「へ~……あっ、これとかはプロデューサーさんにめっちゃイメージ重なるかも。白が似合うのはいいよね~」

 

 店内を巡りながら目星を付けてゆく。

 実際の購入はサイズシートを出してからのため、服の出来映えだけで選んで良いのは気が楽だな、と常々思う。

 今はそういうセンスに信頼を持てる大崎甘奈が隣に居るのだから、尚更だ。

 

「そ、そう……? なら頑張っちゃおうかな」

 

 いくつかデザインで選んで。

 その後から組み合わせを考える。

 海外ブランドのものを取り入れて。

 

 ……絞って。ついでに。

 どれがいい、と尋ねる。

 

「どれどれ……。……うーん?」

 

 自身が指さした棚を見つめて、大崎甘奈は首を傾げた。

 しばらく見つめて。

 

「プロデューサーさん、これって何?」

 

 素直に尋ねる事にしたらしい。

 なのでこちらも率直に答える。

 商品名クラシックパンツ。所謂(いわゆる)、ふんどしである。

 

 そして先手をうって話しておくが。

 自身が履くためのものではない。

 

「……」

 

 商品の方向を向いたまま、大崎甘奈の視線が右へ左へ。

 結んだ唇がぱくぱくと何度か開いたが言葉が出なかったようなので、こちらから説明を続ける。

 

 大崎甜花にも別種(スリングショット)のものをプレゼントしたが。

 大崎甘奈にも同様に、自慰がすぐに行えるような。汚しても問題ないような。

 履いている人が社会的に少数派であろう下着を装着して貰うこととする。

 

 大崎甘奈は特に、擦り付けるだの上から弄るだのといった衣類そのものを痛めるような自慰を好んでいる。

 その点、クラシックパンツは丁度良いだろう。自身がプレゼントしておくのであれば消耗的な問題もない。

 

 なにより、女学生が履く物としては不一致(アンバランス)なことこの上ない。

 自身の好みに合致しているのが望ましい。

 

「うん。わ、わかった。……これと……これ……かな?」

 

 納得してくれたのだろう。異論を挟まなかった。

 緊張した指先で赤と白と黒とを選んで、手にとって。

 

 折角なのでサイズシートと合わせて持ってレジへ向かって貰うことにする。

 自身は少し離れて後ろから、その様子を堪能する。

 

「―― お、お願いします ―― と、―― 。あ、いえっ ―― プレゼントじゃあ ―― 。はい、はい。そのままで ――」

 

 店員に包装をするかどうか問われたようだ。

 時期が時期である。そうもなるだろう。そも女学生がクラシックパンツを買っているという状況であるため、父親などへのプレゼントであると考えた方が自然な流れですらある。

 ……贈り物にしては品がどうなのか、とは思うが。

 

 袋に入れて貰わず手に持ったまま、大崎甘奈がレジ前を離れる。

 小走りに。

 

「……甘奈、着けてくればいいかな?」

 

 頷く。話が早い。

 店を出て駐車場まで移動し、車内で着替えて貰うことにする。

 

 年末に向けて賑わう日暮れの街を眺め、白い息を吐き出しながら待つこと数分。

 

「脱いだ下着、欲しいとか……」

 

 ない。

 ドアから顔を出した彼女に向けてばっさり返す。

 勉強(・・)中に身につけた知識なのだろうけれども、下着そのものは正味どうでも良い。

 あくまで大崎甘奈が何を着けているか、が大切だ。

 

「そっか。流石に恥ずかしいけど、プロデューサーさんが買ってくれたものだから、大事にするねっ!」

 

 消耗品くらいに考えてくれて良いのだが、何とも律儀な性分である。

 ……折角なので件の下着について扱いの程度を学んでおいた方が良いだろう、と思い至ったので。

 

「カフェ? うん、行きたい行きたい!」

 

 了承を得たので車を回す。

 自身がたまに仕事後に利用する喫茶が近くにあるので、そこへ誘うことにする。

 夕食前なので飲み物くらいになるだろうけれども。

 

「えぇ、全然いいよ~。でも、気を使って貰えるのは嬉しいかな」

 

 終始上機嫌なようだ。

 程なくして喫茶には到着する。敷地面積広め、しかしファミリーレストランというには値段が高めのチェーン店。

 この時間でも客は多く存在し、そもそも軽食のメニューも沢山存在するため、夕食を注文するために立ち寄る客も多く居る。

 いつだかこの店にコートを忘れ、甘奈に指摘されたこともあったな……と。詮無きことも思い出す。

 

 入店。2階へ。

 角が空いていたので、長椅子ではない(・・・・)場所を選んで席を取る。

 窓際で、夜景とまでは行かないがそれなりの景観。足元には申し訳程度のスモークと、通行人の人々。

 

 ベルで店員を呼んで。

 飲み物はコーヒーと。

 

「甘奈もコーヒーで。甘くしちゃっていい?」

 

 勿論だ、と頷く。

 ついでに半分こするつもりで1人分のスコーンを注文しておいて。

 

 店員が離れる。

 ……離れたので。

 早速と、受け取ったばかりのスマートフォンで連絡を入れる。

 

 対面した大崎甘奈へ。

 着けた下着が見えるよう足を開くように、と。

 

 デフォルトの着信音。

 手元で画面を見て、大崎甘奈の肩がびくりと震えた。

 

「え、と」

 

 画面から顔を少しだけ上げて。

 視線で訴えてきている。本当にやるのかと。

 

 二言はない。やるようにと再び連絡を入れる。

 画面。周囲を確認。ごくりと一度、唾を飲み込んで。

 

 尻を軽く上げる。

 そろりと腰に腕を伸ばし、ホットパンツの留め金を外して降ろす。

 腹部から股下にかけて大きく開けて。

 黒色のタイツと、それに包まれた下着が机の下から覗いた。

 

 下の画角を座りながら鑑賞するためのカメラを起動しながら考える。

 もう(ふんどし)、でいいだろう。

 腹のへそ辺りでぐるりと結ばれ、布が前()れのようにかかっている状態だ。

 少なくとも現代の女学生が身に着けるような下着では無い。

 

 と。

 

「……!」

 

 後ろのボックスに親子が席取った音を聞いて、大崎甘奈が大急ぎで尻を降ろす。

 夕食時にはやや早いが、ピークではないだけで別段不思議では無い。

 

 子どもの声。父と母の声。

 同時に大崎甘奈が足を閉じてしまったので。

 

「っ、……!?」

 

 机の下。対面から足を伸ばして膝を入れ、両脚をぐいと広げてやることにした。

 留め具は降ろされたままだ。再び真っ白な下着が晒される。

 

 手元でメッセージ。

 大崎甘奈お得意の自慰を見たいと。

 

「……。……」

 

 冷や汗がどっと増したのが判る。

 ただ初めから今日は「このため」の時間であることも理解しているのだろう。

 

 手元。画面。周囲。窓の外。後ろ。

 それらを入念に確認して後。

 大崎甘奈は意を決して、腹部の前垂れに手を伸ばした。

 

「ぅっ……く」

 

 そのまま(つか)んだ布を、前後に揺すり始める。

 成る程。(ふんどし)の形状からして、前垂れを前後させれば自然と陰部も擦れる形となる。

 理屈からして自慰向けであることを証明しつつ。声を小さく漏らし。

 

「っは。っふ、ぅ」

 

 顔を下に向けたまま。しゅるしゅるごそごそと繰り返される音。

 次第に吐く息が熱を帯びてきて、木目調のテーブルが白く曇る。

 手つきについては手慣れたもので、自分の股部を刺激する動きに乱れは無い。

 

「は、は、は、は。……ふ、ぅ」

 

 刺激の具合が変わったようだ。

 見ていても判るほど、明らかに陰核が隆起している。

 擦るという動作の都合上、起てば起つほど刺激は強くなってゆくだろう。

 

「……っへ、あ!?」

 

 ここで店員が到着する。

 大崎甘奈がびくっと上体を起こし。しかし下着を露出している最中である事に思い至って、覆い被さるように体勢を戻した。

 

 一瞬だけ不審げな視線は貰ったものの。

 ソーサーとミルクとスプーンと角砂糖と。出来立てのスコーンが運ばれる。

 注文を確認し伝票を手に取る。

 そして素晴らしいことに、その間も、大崎甘奈は一切手を止めなかった。

 

「だって……止めって、言われて……なかったし……」

 

 とは、店員が去った後の彼女の言。

 店内の喧噪が戻ってきて。机下を確認すると。ついさっきに買ったばかりの褌は、既にねずみ色に染み塗れになっていた。

 

 先ほどの店員の襲来によって力が入って食い込んだようで。

 紐状になった褌を、両の陰唇が挟み込んでいる。

 

 ぐいぐいと引っ張って、擦って。

 黒のタイツの向こう。会陰部から伸びた布が陰部を只管に上下する。

 

「は、は、ふ、ぅ……ぅ、ぅ……!」

 

 褌とは言え現代の衣類であるため、股布を層状に加工しある程度の防水機能は持たせてあるはずだが。

 既に貫通してしまったようだ。液が布の脇から漏れ、タイツを。ホットパンツの端を汚してゆく。

 

「ぅ、ぅ……」

 

 ソーサーの上に乗ったままのコーヒーの液面が揺れる。

 ちりんとコーヒースプーンがぶつかった音と同時に、絶頂を宣言する。

 

「い、く、ぅ……うっ!」

 

 言って、大崎甘奈はうつ伏せに絶頂を噛みしめる。

 自身は折角なのでコーヒーを口に含む。対面の彼女が息を整えている間、後ろの(自身からすれば対面の)ボックス席の家族を確認。

 どうやら食事を楽しんでいるようだ。問題は無い。続けられるだろう。

 

 膝を入れる。

 脚を再び広げさせる。

 

「は、ぇ……。……んぃ!?」

 

 机の下。足の裏(・・・)にぐちゃりという生の感触。

 自身が伸ばした足が、大崎甘奈の陰部を踏んだ感触だ。

 

 同時に奇声をあげられてしまったが、どうやら周囲に気付かれた様子はない。

 丁度良いので実行することにする。

 

 彼女の両足首を掴んで。

 ハの字に広げさせて。

 陰部を踏みつけた自身の足を、がくがくと上下させる。

 

「い、ひ! ……ぉっ!!?」

 

 大崎甘奈の良いリアクション。

 先ほどまでうつ伏せていた上体を完全に起こして、椅子の上で仰け反った。

 

 昔の男友達が電気あんま、とか呼称していたような気がする体勢。

 真っ当な按摩(あんま)機が自慰をするための機器と混同されているような。

 そういう、風評被害的な居心地の悪さは感じるものの。

 

 足首を引っ張りながら足に力を入れてゆく。

 土踏まずで陰唇を擦るように。

 母指球部で陰核を踏み潰すように。

 

「う、ぁ……ぁ、ぁぁ゛ぁ、ぁ、ぁ!」

 

 力を入れるたび。足に力を入れるたび。

 アクセルを踏んだ際のエンジンの様に、打てば返ってくる喘ぎ声。

 ……いや。実際のエンジンには負担であるためやらないが。

 大崎甘奈であれば、良いだろう。大好きなはずだ。

 

「ぉ、ぉ、ぉ……おっう」

 

 完全に背もたれに寄りかかり。

 どころか首を後ろに倒して。

 喉を弓なりに反らすようにして。

 ……つまりは、股を前に突き出す形で、大崎甘奈は陰部への刺激を享受(きょうじゅ)する。

 

 公衆のカフェの中で自身の足裏に踏まれている、という状況であろうとも。

 彼女の中では気持ちいいものは気持ちいい、なのだろう。

 とても自身向けの倫理感の捨て様だなと思う。

 

「っお、っお」

 

 足の速度を増してゆく。

 彼女にとっての良い所、は判ったような判っていないような。

 陰部を刺激されるのであれば兎に角どこでも良いというのが正解であるようだ。

 

 まぁ、そうでなくては擦り付ける自慰になど没頭することはないか。

 と、自分を納得させておく。

 

 しかも彼女の姿をよくよく見ると、どうやら本当に褌だけを着けてきたようで。

 制服とカーディガンを貫いて乳首が隆起しているのが見て取れる。

 

 気合い十分ということだろう、と受け取って。

 踵から中指までで陰部全体を蹴るように擦りあげる。

 

「う゛っ」

 

 足裏を押し込むように連打する。

 

「ぉ、ぉ、ぉ、ほっ、ぁ」

 

 思い切り足首を引っ張りながら足を左右にツイストする。

 

「ぃ……い、あぁぅ」

 

 陰部の感覚以外はどうでも良くなっているのだろう。

 まだコーヒーには口を付けていないのに、椅子から下へだばだばと、粗相を垂れ流している音が聞こえる。

 

 熱を持った水の噴出口を足裏で(もてあそ)んで。

 塞いだり揉んだり。

 

「い、ぐ、い……ぃ、ぐ……」

 

 ぼそぼそとうわごとが聞こえる。どうやら限界が近いようだ。

 ちょうど良く283プロが保有する曲のボサノバアレンジがBGMとして選曲されたのを見計らう。

 

 ラスサビに合わせてぐっと膝に力を溜めて。

 リズム帯に乗せて、思い切り局部を蹴り込んだ。

 

「―― お゛、う!」

 

 ぐしゃり。

 仰け反った身体に合わせて椅子が浮いて。着地。

 ついでとばかりに机の裏に向けて液を噴射し、汚して見せた。

 

「……ほ、ぉ……」 

 

 恍惚とした表情を天井に向けたまま、追加とばかりに床を濡らす。

 タイツとパンツにも吸収されているため、手ふきで何とかなる量だろう。

 

 それにしても。

 こうもぐちゃぐちゃな表情になってしまえば双子はやはり似ているな、とどうでも良い感想を抱いた。

 

 ……後ろ(むかい)の席から子どもの声が聞こえる。

 異音という名の嬌声は聞こえていたようだが、きょろきょろするだけでこちらを見ることは無い。

 

 暫く待って。

 呼吸が落ち着いてきたので尋ねてみる。

 

 どうだったか。

 

「ひ、い。……めっちゃ……んぐ。良かった……」

 

 汗で額に髪が貼り付いている。

 パンツは濡れて変色しており、タイツは股の間から水浸し。

 

 冷めてしまったコーヒーを飲ませ。スコーンは紙袋で持ち帰りとし。

 彼女に伝票を持たせ、会計をさせるまでがセットである。

 

 支払いは自身がしたが。

 店員の前、カウンターの下。パンツの上から局部を平手で叩く。

 

「はい。はい。ありがとうございました~……ひんっ!?」

 

 とても良い(こえ)がした。

 店員に頭を下げて、死角で尻を揉む……のではなく。

 腰裏から褌の紐を引っ張って、陰部をごしごしと擦りながら出口を潜る。

 

「い、ぎ……ふーっ、ふーっ……」

 

 がくがくと膝が笑う。

 必死で歯を食いしばっているが、そもそも食いしばった表情が尋常では無い。

 

 陰部を刺激するとすぐにスイッチが入るようだ。

 快感にとても弱い辺りも姉と同じく、仕込み甲斐があると言える。

 

 ……思い当たる。

 大崎甘奈はこうするのが楽しい扱い方だろう。

 自身が挿れなくても、という感は姉の時から思っていたが。

 ここまで来たら、すぐにお手つきにしてしまうのも勿体なさを感じる。

 

 大崎甘奈の自慰を手伝う(・・・・・・)

 たぶんそれが。最も楽しいであろうから。

 






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