プロデューサーは人でなし 作:どろまみれ
市川雛菜:(P活)
南の風が吹いてきて、暖かい日が続いた週のことだった。
「―― ねぇプロデューサー。明日の放課後、空いてる~?」
市川雛菜が283の事務所を訪れていた。
学校の制服のうえから暖色のカーディガンを羽織り。外ポケットのフチで顔を覗かせたユアクマのアクリルバッヂが、春の訪れを知らせてくれている。
聞かれたのは、明日の予定だ。
彼女
とはいえ予定が埋まっていても、更新をしていない場合があるだろう。こうして口頭で確認するのが、最新の予定を確認できる方法なのは間違いない。
手帳を開いて予定を見る。本日は週初め。
明日、当初からの予定は何もない。本日新たに加わった予定は、週末のチョコツアーズ。それと週末に控えた別事務所の最終工程への顔出し。
そして。金曜日には新たに、葉桜でもいいからイルミネーションスターズの3人と俺とでお花見にゆこうという約束がされている。
……それらを予定に反映する。これで結局、明日の予定は入っていないことが確認できた。
書き込みをしながら、雛菜に何もないから空いているよと伝えることにする。
「よかった~! それじゃあ明日、雛菜の
――
――
……単語自体は不穏であったが、自身の返答はOK。
つまりは彼女の提案を快諾することとした。
時間移って翌日の放課後。
夕方の夜になるかならないか、といった頃合い。橙に焼けた空はほとんど見えなくなったが、帰宅に急ぐ人波が、これから増えてくることだろう。
自身も283の事務所での仕事を早めに切り上げて、彼女との待ち合わせ場所へ急ぐことにした。
車は事務所の駐車場に置いたまま、電車で移動をする。
彼女の指定は都心の人の多い駅近くに設立されている、区管理の公園前だった。
晴天ではあるが、日が沈めば流石に肌寒くなってくる。
だというのに公園の外周をぐるりと囲んだ緑の前を、未だ少なくは無い人々が行き交っている。
特に入り口周辺には分布が集中していた。案内看板の周囲には何故かずらっと……並んでいるような、並んではいないような。わざとまばらな間隔を保って、女性たちが立っていたり座り込んでいたりしながら、一律にスマートフォンを覗き込んでいる。
まぁ、理由は判る。先週には
自身はそういう彼女ら……立ちっぱなし、待ちぼうけも辞さない覚悟でお金が欲しいたちだ……とは、歩道をひとつ隔てた位置。街路樹下のベンチに腰掛ける事にした。
周囲には正面の女性達を値踏みするように眺める男達も多数いるが、自身は顔を上げず。黒革のスマートフォンを開いてその画面をみつめておくことにする。
そのまま一息ついた。今回の市川雛菜の提案について考える。
彼女の言葉を解釈してしまうと、つまりは自身の趣味に付き合うからデートをしようよ……くらいの意味合いである。
先日には福丸小糸とのデートもあった。だとすれば友人である彼女もどこかで声をかけてくるだろう、と考えていた矢先の出来事だ。
とはいえ、パパ活という言葉そのものは少なくとも良い意味では無い。
まかり間違えば犯罪につながる、売春を示す隠語なのだから。
隠語というほど隠れているのかは兎も角。
パパ活というものは、デートや程度をわきまえた性行為に付き合ってもらう代わりに、援助代とホテル代くらいの金銭を支払いする。そういうものであると聞いている。
勿論、自身は行ったことが無い。相手の身分が確認できない状態での性行為は犯罪に繋がる可能性があるし、不特定多数を相手にしてしまうと性病などのリスクも非常に高まってしまう。
……では現在12人ものアイドルや事務員を好き勝手に贅沢に使っている自身が、今さら
そもそも性嗜好がハードでアブノーマル過ぎるというのもある。無理だろう。マイノリティには、お金を払った程度で付き合ってくれる方が希少であることは間違いない。
そういうことを考えながら、ベンチの背もたれに寄りかかる。
顔を上げ。前でしゃがんでいた黒髪の女性と、一瞬だけ視線が合って。
その女性が、ぎょっとした顔でこちらを見た。
正確には、こちらの後方。駅方向から走ってくる
「―― あは~! いい人、見つけた~!」
聞き慣れた声がした方へ振り向き……振り向こうとして。
こちらに駆けてくる推定・市川雛菜の姿を見て、喉から出掛けた声を、慌てて奥へと飲み込んだ。
なにせ彼女の格好は。
薄手の、肩口に星条旗が飾られたブラウス。長袖を7分にまくっており、腹部の下方に垂らした裾をわざわざ結んで、ヘソが出るような高さに調整が成されている。
かと思えばボタンはひとつもかけられて居ない。胸元は大きく開けてあり、下着……ですらない。胸の形がまるまる出てしまうような、ぴっちりとした黒のインナーがまるごと
しかもインナーの丸みの頂点には、下品な星形のニップレスらしき乳首位置お示しシールが貼り付けてあるという有様だ。
腰ばきのベルト付きプリーツスカートは既に意味を成しておらず、紫のTバック見せパンが、尻の肉と共にモロ出しされている。
生足から降っていって、足元は派手にビビッドカラーのスニーカーに、だるっと下げられた白のソックス。
それら散らかったコーディネートを外付けにまとめるように、腕にはじゃらじゃらしたリングアクセサリー。ヘソと耳には容姿と人間性を台無しにする、バチボコに開けられた多重ピアス。
……そして、これが最も酷いと思うのだが。
頭頂部にクロッチがあたるような向きでショーツを被り、額には逆さま、もこもこ冬服ユアクマのプリント。
太股を出すべき穴からツインテールを出しておいて ―― ハート型をしたドピンクレンズのサングラスまで、かけているのだ。
おそらく前者の格好部分は、
実際のアメリカンスクールで採用されている格好というわけでは無く創作の類いだが、性的なアピールが強いためセクシーグラビアなどで需要があると聞いている。
問題は後者だ。アメスクとかいうジャンルを根幹から台無しにしてしまう、頭ショーツとサングラス。
髪色にレモンイエローのメッシュを入れ、肌はそのまま。その分アイシャドーや睫毛や書き眉をかなり濃くした結果として、アイドルの「市川雛菜」からは遠く離れているものの……今度は逆に、警察官などに補導されてもおかしく無い格好となってしまっている。
自身の感覚は、恐らく間違っていない。そもそも頭と下半身で前代未聞のダブルショーツだ。
周囲で立っていた女性やその周囲を回遊していた男性達も、このドン引き変態女が来た時点で我関せず。皆が顔を背けてしまっている。
……とはいえ、避けるわけには行かないだろう。
名指しされたその場所で、彼女が駆けよるのを待つ。
近寄ってきた彼女に向けて片手をあげ、待ち人である事をアピールした上で。
ではこの格好の市川雛菜に、なんと挨拶を交わしたものか考えていると。
ずいっと。
「ねぇねぇお兄さん~!
顔を近づけて。化粧が移ってしまうくらい、胸元へ頬をすり寄せて。
ぐるり。ぐるり。自身の身体を軽くボディタッチしながら、周囲を1周。
ぴたりと正面で立ち止まる。
覗き込む。
蠱惑的な、上目使い。
「決めた~! ね、お兄さん! お兄さん、いくら~?」
口元で、右手の指で
舌を出すとレロレロと動かしながら、悪戯な笑みでこちらを見やる。
いや。幾らも何も、支払うつもりはない。
「え~、違うよ~。ヒナが、お兄さんに、払う~!」
逆だろう、とツッコミを入れる暇も無い。
要するにこの頭パンツの女は。他人の
黙ったままのこちらの反応をどうみたか。
彼女はとてもわざとらしく、楽しそうに、手をぽんと叩いてみせた。
「じゃあ~……これは?」
パーに開いた手のひらに、指を1本添える。
あえて首を振る。目前の女は頬を膨らませ、腕を組み。
手のひらで乳を持ち上げ、ぶるんと揺らしてアピールすると。
「む~……じゃあ、もっと!」
添えられた指が2、3、4と増えてゆく。
まだまだいけそうだ。彼女の底を、誠意を見せて欲しい。
再び首をふるう。
「えぇ~? お金はもう……う~ん。それじゃあ~……」
女は指を口元にあてると、ツインテールをぶんぶん振り振り、距離を取る。
下がって下がって、看板前。女性たちが並んでいた横列までステップ4つ。いやに慣れた跳躍で近付いてきた痴女に対し、近場でしゃがんでいた女性が思わず尻餅をついた。そのままひぃっと声を上げ道を転がって、スペースが空いたので丁度良い。
今度こそ待ち女の列に並んだ彼女は、その場で扇情的にポージング。
尻を突き出し。足を長ぁくアピールし。それでも頭に
「本番あり! 本番ナマありなら~、お兄さんも、イイでしょ~?」
同じく右手の指で作った輪っかに。
今度は左手の人差し指を出し入れするという、卑猥なジェスチャーをしてみせた。
それはそれで本来ならば感染症が、という話になるが。
「ヒナのお財布、全部あげるから~! お願い~!」
その上で財布を開くとお札を扇状に差しだし、
勢い付けて、こちらへ寄ってきて。彼女を追うために立ち上がった自身へ、全身を擦り付け始める。
足を股の間に差し込んで。こちらの腕をつかむと胸を揉ませ。擦れ合うか擦れ合わないか。体重を預けるか預けないかの距離を保ちながら、かくかくと上下に意味もなく腰を振る。
どころか振るだけでは飽き足らず。
こちらの膝を使って、女性器を擦り始めてしまった。
「んふ~」
ドヤ顔ハートサングラス目。
やたらに鮮やかで紅色のリップが袖につく。
そこまでやるか。
しかも衆目に晒されている、この往来の真ん中で。
確かに周囲で目を逸らしたままの人々は、後ろ暗い背景を持つ割合が多いのだろうけれども。
だとしても、今の彼女の行動は、自身を煽るために特化をし過ぎている。
彼女をアイドルだと知らなければ、ただの痴女だ。
彼女をプロデュースしていなければ、ただの変態だ。
そして……いずれにせよ今目の前に居るヒナという輩が、痴女で変態であることには違いない。
……仕方がない。付き合うか。
どうせならば楽しませてもらったほうが、しあわせである。
「ホント~!? ヒナ、うれし~! 行く場所、決めてきてるんだ~。さぁ、いこ~!」
腕を引っ張られて、ついてゆく。
後方から背中に突き刺さる、年上の男性陣の心配混じりの視線を、甘んじて受け止めながら。
・・・
始めに向かったのは、ハンバーガーのチェーン店。
車は無いので徒歩だったが、駅前であれば探さずとも見つかる程度には有名な店である。
その中へ
「ヒナ、ダブチくださーい! 支払いはヒナのでお願いしま~す!」
当然のように彼女が支払いを終えてしまう。
自身の腕に抱きつきながら注文を飛ばす痴女。あまりに堂々としているせいで、店員もツッコミがし辛いようだ。
そのまま2階の窓際の席をとると、ふたりで並んでバーガーを食べることにする。
夜景の見える席だった。階段の裏側にあたるため背中を気にする必要は無く、視界一面のガラス張り。
席につくと同時。彼女がハンドバッグから取り出したのは。
「んふっ。……んあ!?」
無駄にレインボーに発色するいつものバイブ。
席に着くなり大きく足を開くと、階下をゆく帰宅中の人々に見せつけるように挿入した。
そのままスイッチを入れる。下着の股布が発光しながらうねり出す。
蛍光色、虹色、グラデーション、ラメ入りのネイル。片手でバイブの根元をつかんで。もう片手で、バーガーを掴んだ。
「……んー、おいし~……ぃ!?」
ずぼん、と空気が入っては抜ける音。
股の間。陰核ピアス穴には先日、福丸小糸とふたりで購入したおそろいのストーンピアスが据え付けられていて。それらが震えるたびにカチャカチャ鳴って、店内BGMと化している。
2階席に人は殆ど居ないが、1階のカウンター前には未だ人が並んでいる。どちらかというとテイクアウトの注文が多いようだ。
右前方、駐車場の側。窓の下にはドライブスルーの列が並んでいて……そういう人々の上。ヒナの股座ではうぃんうぃんと機械音が鳴り続ける。
店内オナニーまっしぐら。
股から液体が噴出され、紐みたいな下着が防御の役目を果たさないまま、窓の磨りガラス部分へ勢いよく直撃した。
「ひぅっ。……んぐ、ん。……い、ひ……!」
隣のヒナが
窓に接着されたカウンターテーブルの下。大股開きになった彼女の下半身は、紫のTバック共々悲惨な状態だ。ほとんど
透明な硝子を汚して。卑猥な液体で椅子も床も汚して。
汚して尚、ヒナは2回戦に突入した。
自身はバーガーを口に運ぶ。
彼女の痴態をおかずに……などと。思っていないが状況は当てはまってしまっているだけの……親父臭い冗談は、流石に口に出さなかった。
「~っ!? く、ふっ……!」
絶頂中でも指を止めなかった弊害か、そのままぶるり。
ボトラーの面目躍如。自分で持っていたシェイクの容器の中に、
階段をのぼってきた学生が後ろを通る。トレイにバーガーを乗せ通路を歩く彼らが、彼女の格好やら服装をぎょっとした表情で2度見をしつつ……遠くの席。彼女を視認出来る位置に着いたのを、その隣から眺めつつ。
後処理の想定はしておく。が。少なくとも人は来てしまった。
完食してしまうためだろう。普段とはうって変わって、リスのように口中へバーガーを詰め込んだヒナが言う。
「……はもがっ。……んむ。お兄さんは、ここで下着とか、脱いじゃったほうが好き~?」
魅力的な提案だが、それだとキミは、性器が丸見えの格好だ。飲食店では御法度だろう。
等々。既に愛液を垂れ流している、今さらな状況で考えてみる。
いや。改めて、提案それ事態は好ましい。
……方法を考えながらバーガーを咀嚼。
ふたりそろって嚥下を終えた頃合いになって。
彼女は意気揚々と、窓の向こうを指さした。
「―― じゃあ次は~、このお店~!」
店の外へ出ると、道路を渡る。
そのままやってきたのは青色の鳥類がマスコットを務めるディスカウントストアだ。
入り口を潜るなり、特徴的なポップの数々と山と積まれた商品が視界いっぱいに飛び込んでくる。
彼女はここへ何を買いに来たのだろう。
ヒナは自身に腕を絡め、密着し。商品の山の間を縫うような通路を、奥へ奥へと進んで行く。
この類いのディスカウントストアには、夜分でさえ若者が多く訪れるようだ。彼ら彼女らと比べると、ヒナの格好は……流石に浮いてはいるものの。近いくらいに薄着の女性も、店内にはちらほらと姿が見かけられる。
とはいえ流石に、ショーツを被ったハートサングラスの女は居ないが。
「ふ~ん、んふふ~! これ、透先輩のソロ曲アレンジ~!」
店内BGMにご機嫌になった彼女の胸が、より一層、右の上腕に押し付けられる。
やはり内側にブラは存在し無いようで、自由自在に変形する様は迫力があるな……と、どうでも良いことを思う。
食料品。食器類。そちらからは離れて、キャンプギアのコーナーを抜ける。
ヘアケアグッズのコーナー。家電にさしかかって、ドライヤーやヘアアイロンのまとめられたコーナー。
インナーと下着のコーナーの角を曲がると。
「ヒナ、これを買いに来たんだ~!」
彼女が満面の笑みで指を差す。
現在地、アダルトコーナーの一歩手前。
視線の先にあったのは ―― 金色のマイクロビキニだった。
コスチュームプレイのコーナーより更に奥。
一般的では無い、限られた需要に応えるための衣服である。
これを買うためにここへ来たと、彼女は言った。今着ている衣服と比べても……いや。どっちもどっちか。
ヒナはんふ~と息を吐いて、両手で二の腕を抱きしめる。乳首がニプレスをもってして隠せないほど勃起し、腕をぐりぐりと刺激してきてうるさいことこの上ない。
「にう゛ッ」
邪魔なので、爪先で掻いてやることにした。
星形の中心で主張する乳首を、上下左右にこねくりまわす。
ヒナは刺激が入るたび尻を左右に振り、もじもじと太股をこすり合わせ。
「ん、ふっ。……んはぁ。……この水着ね~、この間円香先輩が『馬鹿みたい』って、言ってたんだ~。だからヒナが着たら、お兄さん、喜んでくれるかなぁって……思った~……!」
そうか。
樋口円香の感想は至極当然で、正しいものだと自身も思う。
同時に。ヒナが考えたこともまた、紛れもなく正しい。
芯をもって固くなってゆく乳首。
思い切り押し込むと凹み、勢いで戻ってくる際に引っ張り上げる。
「ひ、ぅ……あっ!」
引っ張った拍子に、ニプレスがはげ落ちてしまった。
呆れたことに、黒のインナーの乳頭部分はくり貫かれていたらしい。
店内露出で捕まっては元も子もない。空中でキャッチし、貼り直す。
……勃起してから貼り直したせいで、星形の中央がくっきりと乳首の形に浮き上がってしまっていた。
これはこれで面白いだろう。
形があればアウトなのか、見えなければ良いのか。どこまでが修正を受けるべきなのか。
今現在の状態として、二プレスを着けているのは間違いない。
とはいえ、爪で掻くには大きくなり過ぎた。
親指と人差し指の間で摘まんでぐりぐりと、ねじり上げるように押し潰す。
「ほぉ!? お……それい、それいぃ~っ……!」
お気に入りのようだ。
なので、繰り返してゆく。
ヒナの顔が可愛い様相を崩し、気持ちよさを噛みしめるように唇をわななかせ、食いしばる。
眉間にシワがより、目を見開き。涎ごと流れた赤いリップが垂れて、胸元に吸い込まれて消えた。
手は止めないまま、目前。店内ディスプレイされたマイクロビキニを見やる。
マネキンはモデルスタイルのものだ。ヒナが着るにはバスト想定が小さく、どちらかというとジュニアアイドルなどが装着するサイズである。
だからこそ売れ筋ではないと判断され、ディスプレイに使われているのだろう。ウィンドウショッピングをしている人達がこれを指さして笑うための、エンタメ。
周囲を見るも、他のサイズは用意されていない。当然だ。需要が少ない。
どうしても購入をするならば、ネットショップなどで十分だろう。わざわざこうして店にまで来て購入するのは、周知の羞恥にもだえる姿を楽しむ。それ以外の何物でも無い。
呆れ半分。
ヒナが自身の癖を理解してくれていることに、感心半分。
そういう気持ちで、彼女の乳首で遊んでいると。
「ねぇ~……イケそ~! 引っ張って~……」
腰を曲げ、背中を丸め。気持ちよさに耐えながら、ヒナが訴えてくる。
了解した。彼女の望みの通り乳首を摘まむと、思い切り上下に振るってやった。
「んひっ……!」
黒色のインナーなど意味は無い。
ほとんど自由な乳房が、質量をもって暴れ散らかす。
上上下下。左右左右、
丸は書かずに、今度は
ABBABA右右左。
「っく、ぃっく……! ……ん、はぁ」
かはっと息を吐いたと同時、ぼん。
股の下に必殺技をぶしゅう。電池切れのバイブを吐き出しながら、ヒナは絶頂した。
脱力。こちらの腕に彼女の全体重がかけられる。
結んでいたブラウスがほどけてしまい、支えの無くなった乳だけが、張りの良さを誇示するように崩れず、ひたすら前を向き続けている。
彼女が酸素を求めて開けた口の中からは、重力に引っ張られた舌が飛び出し。
舌先を伝って溢れた涎がだらだらと、靴の足背を汚している。
息を整える間。震えはひとまず治まった頃。
「ふーっ……ふぉ~っ……。ごめんね、お兄さん。ヒナだめ、もうダメ。我慢、できない~……」
マイクロビキニを奪うようにむしり取ると、ほとんど乳首丸出し状態のヒナは、一目散にレジへと向かった。
その割には何故か途中で、バシャバシャ使える量の化粧水。皆で使えるタイプC-Cのケーブルと20Aアダプタ。あとサージ対策機能付きの多機能電源タップなど、実利的なものもカゴに入れて購入したが。
「―― じゃあ最後、いこ~?」
健気にこちらの袖を引く彼女に連れ添って店を出る。
向かう目的地は、これにて3軒目。
――
――――
庭付きのナイトプール。
室内なのに外にいるような感覚を得られる、一面のガラス壁。
そのプールサイド。
男の上に跨がりながら、ヒナは一生懸命に腰を振っていた。
「んぉお゛~……! ん、ほ、ん、ん、んんぅ……っ、お゛ッ!」
逆ナンからのナマ本番。膣内射精有り。支払いは女持ちの、ホテル代込み。
先ほど買ったばかりの金色のマイクロビキニをまとった彼女が、ずっと目的にしていた
それにしても景観が豪華すぎるな、とは思うものの。場所を選んだのは彼女自身なのだから仕方あるまい。
この場所、それ自体は知っている。そう言う目的で使われることの多い、ナイトプール風のラブホテルだ。
撮影OKの複数人OK。清掃代込みなので何でもOKが売りである。その他には間取りでは無く部屋全体が三角になっているのが特徴で、側壁の部分が斜面になっており、一面が強化ガラスで覆われている。昼には陽光の取り込み具合がよく、夜はこうして夜景を眺めることが出来るだろう。
現にこうしてヒナの痴態をみる眺めていても。
開放感があって、大変に気分が良い。
「う~……う゛~~~っ……! んはっ。……ふぅ、は……きもち~……」
春の星空をバックに、女が男性器をくわえ込む。
一度女性器から出しておいて、休憩。竿先をちろちろと舐め始めた。
その姿を見る。
マイクロビキニに対する自分のサイズ感は正しかったようで、トップは胸に食い込んで潰れてしまっている。ボトムはボトムで前張り以下の、スジを隠せるかどうかといった面積しか持っていない。処理をしていなければ大惨事である。総じて、今の時代、イメージビデオであっても使えないような代物であることは理解出来た。
ちなみに。頭のショーツとハート型サングラスは余りにも馬鹿馬鹿しくて楽しげなので、残してもらう事にした。彼女が自身の男性器に顔を近づけるとユアクマがズームアップされ、もの悲しそうにこちらを見上げているのが印象的だ。
「えろぅ……。ね、プロデューサー」
ヒナではなく雛菜の声に、呼び戻された。
まだ硬いままの男性器を頬に押し当て。まるく柔らかな、顔の輪郭を歪ませながら。
「雛菜ね、今日はとっても楽しかったんだ~。とっても、と~っても!」
男性器の上や下や隣にあるのが「いつも通り」の、壊れた日常を指して……楽しかったと彼女は言った。
ならばよかった。自身も付き合った甲斐が合ったというもの。
「うん~! ……あのね。雛菜、今日のことず~っと考えて。準備してる間も、ドキドキしてたんだ~」
確かに、最初から全部考えてきたと話していた。
準備が必要だったのは確かだろう。……自分達はマイノリティだ。自分達にとって楽しく幸せなことというのは、世間の端に追いやられている側のものであって。普通に探すだけでは見当たらないものでもある。
例えばこのナイトプール。幾ら個人予約が可能な物だとはいえ、貸し切るのは
時期的に、外の空気は夜になってしまうと未だ肌寒い。需要は少なく、特にプールの類いは、予約を埋めるお客を探して季節だろう。
加えてかなり高いビルに隣接した旧棟を使って建設が成されているそうで、おかげで金銭的にはややお安く済む場所のようではあるが。
「準備したこと、ばっちり出来た~。色んな人に雛菜はプロデューサーのものなんだ~ってとこ、い~っぱい見せれたし~。だから、楽しかった~!」
そう言った、市川雛菜の笑顔の向こう。
傾斜した一面の硝子窓の、向こう側。
向かいのビルの屋上では季節を先取ったビアガーデンが催され、賑わっている様子がよく見えた。
自身と雛菜はふたり。彼ら彼女らの楽しさとは反対側。ビルの中で日がな一日、変態行為などに勤しんでいるのだ。
向こうからは見えないだろう。
こちらからは見えているので、楽しい。
「そうだよ~。楽しいからね~。……それでね。雛菜、来年は受験を頑張ろうと思う~。大学に行くんだ~」
移っていく話題に相槌をうつ。
そうか。この時勢である。大学には行きたいならば行ったほうが、楽ではある。
男性器の傘と鈴口を鼻の頭でこすって。
べぇと伸ばした舌の腹。パールピアスが差し込まれたそれで、根元と袋を舐め回し。
「プロデューサーのことすっごく好きだから~。雛菜もね、もっとプロデューサーの、
満面の笑みで。男性器に向けて、願った。
ああ。成る程。
彼女は……市川雛菜は。
きちんと学業を修めて。社会的な地位を持って。人の群れの中に在りながら。
その全部を自分のために
自身を喜ばせるためだけに、ジャンプ台を作って昇るよ……と。
人のいない隙を見計らってジャンプし。地面にぶつかって蛙のようにのびてしまう結末を迎え。それを横から指さした自身が精液を吐きかけて笑う、そのためだけに。
内容的には改めて、ではあるだろう。
ただ、以前の彼女よりも具体性を持たせてきた。それだけだ。
……嬉しさよりも、安心があった。
きちりと彼女に、ありがとうを伝えることにする。
彼女が好きな単語をきちんと口に出し、添える。
「あは~! うれしいね~! ……えっと~。雛菜が話したかったこと、これで全部~。……じゃあ、皆もここ、呼んじゃお~!」
言うが早いか。
雛菜は男性器を握っていない方の手で黒革のスマホをスワイプし、連絡を入れてしまった。
既読がついて。返信もあっと言う間。
あろうことか、平日の週ど真ん中だというのに。
ほとんど(制限のある小宮果穂以外の)全員が、ここへ向かってくるようだった。
本日は市川雛菜の日なのだが……許可が出ればこうなるだろうと、判っていた。
いいのだろうか。彼女に視線で問いかける。
「その方が、プロデューサーはしあわせだもんね~。んふ~。……でも雛菜、園田さんにも、負けないからね~?」
すっと立ち上がった彼女は、プールの傍へ歩いて行く。
天井に波紋を映し返す、夜の水面。その横にはマイクロビキニを着る際に脱ぎ捨てたブラウスやスカートやインナーが、丁寧に折り畳まれて置かれてあった。
あれは彼女を目の前で着替えさせた時のものだ。いや、負けないとは何か。
そういう風に移ろいゆくまま、考えていると。
市川雛菜が、その上にしゃがんで股を開いた。
まさか。
「ん゛~~っ……! ん!」
汚れてしまった。
こちらが唖然としている間に。彼女は最後の最後にびしゃっと力んで、尿を切る。
力むと彼女の膣内に出した1発目と2発目が、ついでの様に垂れてきて。
とどめに
「プロデューサー、見てた~? どうだった? ね、ね。雛菜もこういうの、ちゃんと出来る~!」
これから怒濤と訪れるであろうアイドルらに先だった悪戯をかましながら。
市川雛菜がしあわせだよ、と示して笑う。
Vサインを繰り出した彼女の柔らかな笑顔を見て、改めて思う。
しあわせな場所だ。手放したくは無い。それは確かな自身の想いで、願いなのだ。
そこに間違いはあってもズレはない。
全力を尽くせる。尽くしたい。自分自身を幸せにすることが、彼女ら全員の願いでもあるのだから。
system:お題箱、および、SNSで行ったアンケートより(かなり魔改造してますが)。
ご協力ありがとうございました。