改造天使と狂科学者~異世界に改造技術を持ち込んだ男は美少女剣士を魔改造~ 作:gazerxxx
Dr.マッドネス
サイボーグの身体で異世界に転生してきた男。
瘦身に白衣を纏い、目元を完全に覆うバイザーを着けた科学者然とした風貌。
物語は彼視点で進む。
エメーシャ
15歳 T145/B 78(D)/W51/H76 体重39キロ
ロングの金髪をハーフアップにした碧眼の美少女。
貴聖剣サルヴァトラーを振るい、身軽な高速剣技で戦う。
命がけで戦いに身を投じ、人の命を案ずる高潔な性格。
新連載です、どうぞお楽しみ下さい。
一人暮らしで病気にかかって、誰にも看取られず孤独死してしまった私。
不幸中の幸いか、同情した神から天分を与えられて、この異世界に転生してきた。
しかし転生者であっても、必ずしも都合のいいタイミングで、イベントに遭遇できるわけではないようだ。
悲痛な少女の悲鳴が山間にこだまして、私は鬱蒼と草木が茂った山に入り込んだ。
私の視界は、常人よりはるかにクリアで、数百メートル先の山頂でも鮮明に把握できた。
遠目にも痛ましい光景が見えて、深い草むらと複雑に入り組んだ木々をかき分けながら、山道を登っていく。
全身が傷だらけになって深手を負った少女剣士と、それを取り囲む悪魔のような異形の生物たち。
耳周りだけをかき上げてハーフアップにしたブロンドのロングヘアは、木漏れ日を浴びて、きらめきを放つ。
キリッとツリ上がったブルーの瞳に強い意思を宿した、ノーブルな美貌。
年はまだ10代半ばといったところなのに、凛とした気品に満ちたオーラを纏っている。
白銀に金縁の装飾がされたプレートアーマーは、胸当て、腰巻、肩当て、両手足の装甲、とシンプルな軽装。
ビキニアーマーと呼べる露出度の高さで、小柄でしなやかな肢体が惜しげもなく露わになっていた。
ヌーブラみたいに胸当てを装着されたお椀型の乳房が、激しい呼吸のせいで波打っている。
異世界に抱いていたエキゾチックな美とロマンを体現したような美少女剣士。
その姿に遠くからでも見惚れて、直に彼女に会いたくなった。
彼女が一人で対峙してるのは、小悪魔といったサイズのインプたち。
そして、ひと際大きな翼を広げる巨大な化け物ガラス。
「カカカッ…手こずらせてくれたな。人間ごときが、魔物様にかなうはずがない!」
「だとしてもっ…私は一体でも多く、魔物を道連れにしてやるっ!」
そう言って剣を振りかざす少女は、立っていられるのが不思議なほどの出血量で、背中の切り傷から流れる血が、股下から伝い落ちて、真っ赤な血だまりを作ってる。
その血の匂いに、インプたちは目を血走らせる。
切迫した状況こそ把握できているが、そこまでの山道を進むのがもどかしい。
離れた場所から私の武器を使っては、戦ってる少女剣士を巻き込んでしまう。
間に合うのか、これは?
「はー、はー、もう我慢できねえ!」
吸血コウモリのように群がって来るインプたち。
「貴聖剣サルヴァトラー、私に力を貸してっ…やあっ!!」
果敢にも美脚を踏み出すと、腰巻きがフワッと浮いて、艶めかしい太ももの付け根まで露わになる。
瑞々しい乳房をぷるんっ、と上向きに揺らして、大きくジャンプする。
小柄な肢体が宙を舞い、流麗な剣技で迎え打つ。
少女の剣が一閃して、一度にインプ4匹を叩き落した。
うまく防いだ?いや、あのインプたちは、目隠しだ!
「危ない、後ろだっ!」
思わず叫んだ次の瞬間、大きな影が彼女の背後に回り込み、その背中を貫いた。
叫び声に振り向いた少女は、後ろ手に剣を背中に回す。
しかし、既にボロボロだった刃はカラスの
「そんなっ、私の剣がっ…」
少女が絶望に青ざめた次の瞬間、もう片方の
「魔物に逆らう愚か者が…」
血しぶきを上げて、ついに倒れ伏してしまう金髪少女。
私が草をかき分け、森の奥地に足を踏み入れたのは、その孤軍奮闘の最期だったのだ。
「おい、死ぬな!しっかりしてくれ!」
「うっ…人…?危ない、早く、逃げて…くださいっ…」
出血多量で虚ろにぼやけた瞳を向けて、息も絶え絶えな声を絞り出す少女。
死に瀕した痛みの中で、人の心配を…なんという、できた性格の娘だ。
「おお?何か叫び声が聞こえたと思ったら、愚かな獲物がまた一人…」
「良かったなあ、死ぬのが一人じゃなくて!カカカッ!」
少女剣士を数の暴力で倒し、そこに現れたのは武器すら構えていない痩せた白衣の男。
獲物が増えた、と小うるさく囀るインプども。
血まみれで倒れたビキニアーマーの少女から、笑う悪魔たちに目を向けると、私の頭で何かが切り替わった。
巻き込む懸念があった少女がこうなってしまったなら、もう遠慮はいらない。
私は左手をかざして口火を切った。
「確かに死ぬのは一人ではない…お前たち全員だ。
私の左手に開いた銃口が火を噴き、メタルジャケットの鉛玉が連射され、インプの群れがハチの巣にされる。
丸腰と思っていた男からの強烈な反撃に、インプたちは苦痛の声を上げて屠られていく。
「ガガガッ!?」
「ギギャギャアッ!?」
「グガガガガッ!?」
これが転生によって私が得た体。
神に望んだ結果、肉体に機械を取り付けて強化改造した。
見た目こそ人間と変わりないが、数々の機能を内蔵したサイボーグなのだよ!
私が左手をぐるりと一周させただけで、弾幕によって周囲に飛んでいた数十匹のインプが、瞬く間に一掃されてしまう。
マシンガンの弾丸を1マガジン撃ち尽くすと、周囲には小悪魔の穴ぼこな死骸が散らばる。
辺りの木々も穴だらけに撃ち抜かれ、無事なのは地面に臥せっている少女だけ。
…いや、当たらなかったのは、もう一体いる。
「カカカッ!この
あの鴉には弾丸がしっかり見えたのか、いち早く上昇して、機銃掃射の範囲から逃れていた。
「ほう…動体視力は、猛禽類並みにあるらしい」
「カカカッ…その程度の速さでは、もう当てることはできんぞ!」
影鴉が飛行速度を上げると、黒い影となって、木から木へと飛び移る。
先ほど剣士の少女さえも背後を取られた、人間の目にもとまらぬ飛翔速度。
「確かに私の弾速よりは速い。だが、私には見えている」
私の目元を覆っているバイザーが、自動的に目標にフォーカスした上に、解像度を上げ、どんな動きをしているか、正確に捉えている。
影鴉とやらの自慢のスピードも、私の目は欺けない。
私がじっと目で追っていると、スピード自慢の影鴉は、目に見えて焦り出す。
「おのれ…見えていようが、弾丸など当たるものか!」
ジグザグの動きで敵を左右に振り回しながら、急襲してくる影鴉。
少女の背中を切り裂いた鋭い趾が迫って来る。
「それはどうだろうか?私の右手は、もっと速いのだよ」
バイザーがロックオンした敵に右手をかざすと、一条の閃光が放たれ、影鴉の右翼を切り裂いた。
「
「ぐっ、ぎゃあああっ!」
一瞬遅れて片翼を失うダメージに気づいた影鴉は、空中で身悶えしながら、バランスを崩して地面に墜落する。
影鴉は、地べたに這いつくばって、悔し気に左翼をばたつかせる。
「バカなっ、この影鴉様が飛んでいる間に、追いつけるものなどっ…」
「知らないのか?この世で最も速いのは、鳥ではなく…光だ」
私は飛べない大鴉に歩み寄ると、右手の指先から放つレーザーをよ~く見せてやる。
目に見えるように指先からのばして固定したレーザーメスを、今度は剣のように振るった。
私がレーザーメスを振るった勢いで、長い白衣の裾を翻すと、大鴉の首が、ドサッと落ちる音がする。
「影鴉様が、やられた…?ひいっ、強すぎるっ、上に報告だっ!」
まだ息をひそめていたインプが数匹、ボスがやられたと見て、大急ぎで飛び立つ。
「このまま逃がさん」
すかさずリロードした銃弾を命中させて、生き残りも撃ち落とす。
邪魔者を全て片付けると、俺は地面に臥せっている少女に近寄る。
「安心したまえ、魔物は全て倒した」
「あなたが一人で魔物を…なんて強さっ…そんな力が、私も、欲しかったです…」
虫の息で無念を呟いた少女は、ゆっくりと目を閉じる。
「まだだ、まだ死なせんよ…」
もはや瀕死の重傷で、死を待つばかりに見える。
だが、バイザー越しにまだ
この娘は死んではいない。
ここからが、腕の見せ所だ。
今回Dr.マッドネスが見せた装備はこちら。
・
左掌についた銃口から、フルメタルジャケットの弾丸を連射する。
一度に連射できるのは、1マガジン20発まで。
左腕の内部でマガジンは再装填されて、総弾数は900発まである。
・
右手の指先から、放つレーザーメス。
光線として撃ち抜く他、指先に固定してレーザーブレードとしても扱える。
レーザーメスの名の通り、戦闘の他に外科手術にも応用できるようで…。
・バイザー
眼鏡代わりにかけている、目元を覆うバイザー。
数百メートル先まで見える望遠機能、目標を自動フォーカス、解像度を上げる、拡大倍率や光量を調整するなどで、常にクリアな視界を保つ。
さらに、Dr.マッドネスが思考した手術に対して、最適な手順を表示する。
今回登場した魔物は、影鴉とインプ。
インプ
小悪魔サイズの魔物で、コウモリ状の翼と牙を持ち、群れで行動する。
薄暗い山や洞窟に巣を作り、血の匂いを嗅ぎつけると興奮して襲い掛かる。
影鴉
翼長5メートル、不気味な白目を備えた巨大な鴉といった見た目。
優れた動体視力と、ぼやけた影に見えるほどの飛翔速度で、敵の攻撃をかわし、鋭い趾で切り裂く。
ボス級魔物とされる強力な魔物。
ボスといっても影鴉とインプは別種族です。インプの巣にレイドボスとして出現しましたが、その真相は…?
読了ありがとうございました。
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