※この作品はR-18です。

改造天使と狂科学者~異世界に改造技術を持ち込んだ男は美少女剣士を魔改造~   作:gazerxxx

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人物紹介

Dr.マッドネス

サイボーグの身体で異世界に転生してきた男。
瘦身に白衣を纏い、目元を完全に覆うバイザーを着けた科学者然とした風貌。
物語は彼視点で進む。

エメーシャ
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15歳 T145/B 78(D)/W51/H76 体重39キロ
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→バスティーフォーム
15歳 T145/B 89(I)/W54/H87 体重59キロ

ロングの金髪をハーフアップにした碧眼の美少女。
貴聖剣サルヴァトラーを振るい、身軽な高速剣技で戦う。
命がけで戦いに身を投じ、人の命を案ずる高潔な性格。

アネルダ

25歳T163/B86(F)/W59/H88

ギルドの受付嬢。冒険者のクエストを管理し、ギルドの酒場と宿も切り盛りする。
エメーシャがギルドに入ってから面倒を見ていたため、姉のように慕われている。

酒剣豪クシャーギ

ギルドの中でもS級の冒険者。豪気な酒豪であり、同じく酒飲みのパーティーを率いる。
ギルドの中でも顔が利き、濃い見た目よりも話の分かる男。

今回から、受付嬢アネルダ編です。


氷牙魔杖と雪女幻惑

 今日の冒険者が集う酒場は盛り上がっていた。

 

酒剣豪クシャーギのパーティーが、S級クエストを達成してきたと、ジョッキの大酒をあおりながら自慢してる。

 

「氷床(ひょうしょう)の魔窟(まくつ)に封じられていた、呪いのアイテム・氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)!確保してきたぜ」

「ほう!やるではないかクシャーギ君、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)って、どういうアイテムなのだ?」

 

私は飲み仲間として、彼らの祝杯に同じテーブルで付き合っていた。

 

すると、酒場のお姉さんであるアネルダさんが、上品にグラスを傾けながら解説してくれる。

 

異世界でなければ見られない蒼髪をうなじの辺りで結んで、銀色の瞳をキラキラさせた美人さん。

ノースリーブの燕尾服にスカートと、白タイツを履いた彼女は、高級コンパニオンのようだ。

 

「宿した魔力が強すぎて、暴走した杖よ。かつての使い手を操って、氷の魔法で町一つ氷に閉ざしたとか…持ち主が凍死して、南の地下洞窟に封じられていたのよ。でも最近になってまた氷の魔力を周囲に広げだした…」

「だから、最近寒かったんですね!」

 

唯一ジュースを飲んでる少女剣士・エメーシャは、肌寒そうにしながら頷く。

ビキニアーマーで肌の露出が多い彼女は、寒さには敏感そうだ。

 

「それにしても、町一つを?よくそんな杖を取ってこれたなクシャーギは」

「道具だから、杖の力をよく知る持ち主がいないと、力を発揮できないのよ」

「おいおい、だから楽だったわけじゃねえぜ、アネルダ。足元が氷漬けで、氷の壁で道が塞がれてるダンジョンは、俺たちも酒で温めてないと戻ってこれなかったぜ」

 

酒の席だから笑い話にできてるが、封印されても洞窟を凍り付かせる力はあるらしい。

そこまで聞くと興味がわいてくるな…強力な冷媒になりそうだ。

 

「その杖って、今も持っているのか?危険そうだが…」

「ああ、そのままだと冷気を放ってきやがるから、アイテムボックスに収納してやったぜ」

 

クシャーギは、透明な特別製のアイテムボックスを取り出して、ドンとテーブルに置く。

尖ったつららのような杖先に、上端には雪の結晶のような装飾の杖が、冷たい光を放つ。

彼のパーティーメンバーも自慢げに語る。

 

「俺たちみたいな武闘派パーティーじゃ、強力な呪いまでは解けねえ」

「だからギルドに持ち帰って、魔法使いや僧侶に数日がかりで浄化してもらうのさ」

「私らは引き取り手が来るまで、ボックスに保管しておくってわけよ」

 

「そうか、それだけのアイテム、冷媒として研究してみたかったが…」

「よせやい!ドクター、お前でも凍り付いちまうぜ」

 

私が、クシャーギのパーティーと実物を前に話してる一方で、エメーシャはアネルダさんから、詳しい伝説を聞いていた。

 

「詳しいですねアネさん。さすがはギルドの受付嬢です」

「ありがとう、エメーシャ。そのぐらいの知識がないと、クエストの管理はできないわ」

 

まだ20代ぐらいなのに、古い伝説にも造詣が深い、有能な受付嬢だ。

そして、酒飲み話に付き合って頬を染めても、乱れない。

美人な容姿もあって、ギルドの酒場ではモテモテ。

 

「よう、姉ちゃん、今夜宿取ってるからよ、一緒に呑もうぜ」

「あらあら、いけないわ?この後、ギルドの人を集めて、解呪の仕事があるんだから」

「アネさん大人…」

 

酔客慣れしたアネルダさんは、細面の顎に左手をくっつけ、黒いスカートを右手で掴む遠慮深い仕草でお断りする。

ノースリーブの細腕に両側から挟まれると、燕尾服を持ち上げる豊かなふくらみが、たゆたゆんっ、と柔らかそうに横揺れして、男の目を惹きつけてしまう。

やんわりお断りする大人の余裕に、エメーシャはちょっと憧れの目線で見ていた。

 

にぎやかな喧騒の中で、突然伸びてきたムチが、テーブルに置かれていたアイテムボックスを絡め取った。

 

「何っ、盗賊か?」

 

クシャーギが素早く剣を抜いて、ムチを切断する。

しかし空中に投げ出されたアイテムボックスは…飛び出した影がかっさらうと、2階の踊り場に着地する。

 

「氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)、頂いたぜ」

「S級のアイテム…高く売れそうだぜ、ひゃはは!」

 

2階の踊り場にいたのは、アイテムボックスを手の上で転がす男と、さっきのムチを携えた男。

 

 

「クエスト祝いの場ってのは、金やアイテムが集まって、スキもある。絶好のかき入れ時だぜ」

 

「こいつらが盗賊か…人の祝いに水を差す真似をしてくれる」

「おい盗賊、このまま俺たちから逃げられると思ってんのか?」

「盗賊は、私たちギルドの冒険者が捕まえます!」

 

私とエメーシャ、クシャーギも席を立ち、さらに気の早い冒険者たちは階段にドカドカ詰めかける。

盗賊2人に逃げ場はないと思われた。

 

「思ってるぜ。この氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)を使えばな」

「待って!それは呪われたアイテムよ、出してはダメ!」

「ダメと言われると手を出したくなるのが盗賊だぜ!」

 

アネルダさんの制止にもかかわらず、盗賊はボックスを開けると、中から透き通った杖を鷲掴みにして取り出した。

 

しかし、次の瞬間、その杖は白い蒸気を上げて、盗賊は取り落として手を抑える。

 

「っぎゃああ~っ!なんだ、手が焼けるっ!」

「おい見せてみろ、何だこりゃ、触っただけで凍傷ができてやがる!」

 

氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)が、早くも盗人に呪いをかけた。

そして2階から落ちてきた杖は吸い寄せられるような軌道を描いて、アネルダさんの胸元に着地する。

 

「えっ、きゃあああっ!」

 

杖先から見る見るうちにアネルダさんの体内へと沈み込んでいく氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)。

そして、杖と一体になった彼女は、瞳に氷の紋章を浮かべると、冷え切ったような表情を浮かべる。

違う、さっきまでのほろ酔い加減だったアネルダさんとは、明らかに。

 

白い雪が彼女を包み込むと、一瞬で燕尾服まで切り替わった。

胸元が大きく空いて、太ももが見えるほど丈の短い、紅の縁取りがされた白い着物。

キュッと腰を締める赤い帯には、緩い胸元からこぼれんばかりの乳房が、ずっしりと乗り上げている。

 

「しまった、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)が取りつきやがった!」

「アネさん!」

 

エメーシャが叫び、焦ったクシャーギが警戒するが、遅かった。

アネルダさん…いや、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)は、両手をかざすと、掌から猛吹雪を起こした。

酒場の人間は強風に体勢を崩され、猛烈に雪が肌を打ち付ける。

 

雪で視界を奪われた一瞬のうちに、再び目を開くと風は収まり、氷の女は忽然と姿を消していた。

代わりに、2階の窓があけ放しになって、冷たい風が吹き抜けていた。

 

「1階は人が固まっていたはず。あの窓から逃げたというのか?」

「ああ、吹雪の魔法を応用して、飛んで逃げたんだろうな、やりやがるぜ」

 

2階の踊り場に急いで向かうと、さっきの盗賊二人は、脈を診るまでもなく無残な凍死体になっていた。

氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)、迂闊に手を出せばこうなるというのか。

 

「氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)、なぜこいつらは殺してアネルダさんに…」

「おそらく、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)の伝説について、一番詳しいからだぜ。クエストに挑んだ俺たちでも、アネルダが覚えてる半分も知らねえし、解呪の手引きもあいつが担当だった」

 

盗賊などではなく、自分をよく知る者を使い手に選ぶということか。

氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)は、クシャーギが回収した時も、まだ封印されて持ち主がいない状態だった。

自ら持ち主を発見してしまった氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)は、もはや未知の領域だろう。

 

そして、親しいお姉さんを連れ去られたエメーシャは、金色の眉を曇らせる。

 

「どうしてっ、アネさんが?だってあの人は、知識で支援する、受付のお姉さんですよ!それが呪いのアイテムの持ち主に選ばれるだなんて…」

「おい小娘、さっきの吹雪を見ただろ?もう非戦闘職どころじゃねえ、危険な存在になっちまった」

「危険な存在って…クシャーギ、あなた、アネさんをどうする気ですか?」

「アネルダを抑えられた以上、俺たちに呪いを解くなんて高度な真似は出来ねえんだ。…斬るしかねえ」

 

そっけなく顔をそむけるクシャーギに、エメーシャは愕然とする。

 

「そんな!一緒にギルドでやってきた仲間じゃ…」

「グズグズしてたらこの町も凍っちまうぞ、そうなったら責任取れんのか?え?」

 

痺れを切らしたクシャーギが一喝すると、反発していたエメーシャは唇を硬く引き結び、濡れた瞳でキッと睨みつける。

その沈黙を話の終わりと取ったのか、クシャーギはパーティーメンバーをまとめて、アネルダを追う。

 

「自分で責任取りたきゃな、甘えは捨てろ」と言い残して。

 

しかし、エメーシャはまだ泣きじゃくって動けない。

彼女の気持ちを考えれば当然のことだ。

私は、エメーシャのむき出しな肩に手をかけた。

いつもは白く滑らかな絹肌に、鳥肌が立ってるのは、寒さのせいだけではない。

 

「なんでっ…なんでっ、アネさんが、あんな目にっ…」

「おそらく氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)は、アネルダさんの知識が脅威と感じていたのだろう。現に、クシャーギ君でも、力技しかないと考えてる」

「Dr.マッドネスも、そう思うのですか?」

「いや、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)はこちらが力押しで対処せざるを得ないのも織り込み済み…私はそれが正解とは思えない」

 

私のその言葉に、高貴な美貌を泣き濡らしたエメーシャが縋る視線を向ける。

 

「呪いを解いたことはないが…私は狂科学者(マッドサイエンティスト)。氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)を摘出してやろうと思うが…賭けてみるかね?」

「私…アネさんを助けられるなら、やります!」

 

絶望に打ちひしがれていた少女剣士が立ち上がり、私はその手を取った。

 

一方その頃、中心街の出入り口を氷の壁で固めて回ってる氷のアネルダに、クシャーギのパーティーが挑んでいた。

氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)は使用者が死ぬまで取りつき、町ごと凍らせる呪いのアイテム。

ならばその前に、アネルダごと杖を破壊する…それが彼らの責任の取り方だった。

 

「やっぱり、応援も呼ばせねえ気か…。いよいよ呪いに対処できなくなるな。行くぞお前ら!」

 

クシャーギの号令で、酒の力で常人以上の力を発揮するパーティーが仕掛ける。

 

「大炎上魔法…ウイスキー爆発(ボンボン)!!」

 

葉巻を咥えた魔術師が、右の指先から火の玉の連弾を放物線を描いて打ち上げる。

 

「食らいねえ、ウイスキーによる火力アップ!」

 

修道衣を着崩した破戒僧な女が、ウイスキー瓶を手早く10本開栓すると、彼女の増幅魔法によって、中身のウイスキーが噴水となって噴き出す。

 

そのアルコールを浴びて燃え広がった火の玉が巨大化して、氷アネルダに降り注ぐ。

その様は打ち上げ花火が一人めがけて降り注いでるようだった。

しかも背後は氷の壁で逃げ場がない。

 

上から迫る炎に冷たい美貌をしかめると、氷アネルダは吹雪に乗り、前に飛び出して回避する。

巨大な火炎弾は、氷の壁を溶かして打ち崩した。

氷の壁に空いた穴から、町の住民は外に避難していく。

 

氷アネルダは吹雪で前進しながら、雪や氷の塊を散弾にして飛ばしてくる。

 

「弾避けは任せな!酔拳パーティーコース!」

 

千鳥足の武闘家が、前後左右によろめきながら、乱れ飛ぶ雪と氷の弾幕を叩き落していく。

その手さばきは素早く、吹雪の中でも体格のいい彼の後ろだけ、道ができるほどだ。

 

素手で吹雪を捌かれるのは予想外だったのか、氷アネルダは前進し過ぎて、急接近を許してしまう。

仕方なく氷アネルダは両手から氷柱を伸ばすと、武闘家のたくましい腕とつば競り合う。

 

「おら行くぜ!」

 

すると武闘家の背後から飛び出したクシャーギが、大剣で斬りかかる。

氷アネルダもS級の武闘家、剣士二人がかりとの近接戦闘は分が悪かった。

 

操ってる女性の肉体では徐々に高速の連携について行けず、クシャーギと武闘家の同時攻撃で、両手の氷柱を砕かれる。

 

「今だクシャーギ、決めろ!」

「ああ、氷牙(ひょうが)の魔杖(まじょう)を持ち込んだ、俺がケジメつけるぜ!オロチ斬り!」

 

クシャーギは氷アネルダの胸元めがけて、大剣を振り下ろすが…。

 

「クシャーギさん、助けて…殺さないで…」

 

苦しそうな表情をしたアネルダが口にした懇願に、クシャーギの手元がブレる。

結果、大剣から放たれた斬撃は、アネルダには当たらず、後ろに転がっていた岩ほどの氷塊を粉々にするにとどまった。

土壇場で迷いを見せ、いらだたし気にクシャーギは吐き捨てる。

 

「クソッ、やっぱ俺ぁ…」

 

そんなクシャーギに、アネルダが抱き着く。

 

「…ありがとう、私を守ってくれて」

 

だが感謝とともに、柔和な口元を三日月に引き裂いた邪悪な笑みは、斬れなかった受付嬢のものではなかった。

至近距離で氷魔法を放った氷アネルダは、動けなかったクシャーギを、そのまま凍り付かせてしまう。

 

「クシャーギ!テメエ、よくもっ…」

 

しかし、クシャーギの仲間たちが一斉に接近してくると、氷アネルダは冷たい瞳で地面を見下ろし、かかとでコンコンと打ち付ける。

 

「うわあ~っ、何だっ!地面がっ!」

 

するとそこから亀裂が走り、氷アネルダを囲む地面がバキバキと割れて、足元がパックリ割れる。

彼女が降らせた雪と薄い氷で仕掛けた、冷たい落とし穴だ。

氷アネルダが浮遊する中で、クシャーギのパーティーメンバーは、深いクレバスに飲み込まれていった。

 

氷アネルダは、満足そうに雪でできた奈落の底を見つめる。

 

「アネさ~んっ!」

 

そこへ飛来したのは、アネルダを助けたい天使少女と、狂科学者。

 

「気をつけたまえ、エメーシャ君。あの雪女は、かなり性悪のようだ」

 

新たな敵を前にして、氷アネルダは、乾いてひび割れた唇を、ぺろりと舐める。

 

「アネさんの身体、返してもらいますよっ…」

「美女を選んで取りつくけしからん杖は、お仕置きしてやらなくてはな」




・氷牙の魔杖

かつて宿した魔力が暴走し、使い手を逆に操って町一つ氷に閉ざした伝説がある呪いのアイテム。
封印されていた洞窟さえも、凍り付かせて危険なダンジョンにしてしまう。

酒場に集まる男たちは、飲める上に大人の女性が好みなので、アネルダさんがモテます。
夜酒を呑んだ後のお誘いも多く、隣にいるエメーシャは寂しがったり、ハラハラしたり。
エメーシャも美少女なんだけどね。今はDr.マッドネスがついてるし。

次回、アネルダさんを救うために、Dr.マッドネスがそのカラダに迫る!?
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