改造天使と狂科学者~異世界に改造技術を持ち込んだ男は美少女剣士を魔改造~ 作:gazerxxx
命と剣を救われた恩、そして処女を奪われた理不尽に、揺れるエメーシャ。
そんな彼女の前で、疲れが出て倒れてしまったDr.マッドネスは…?
人物紹介
Dr.マッドネス
サイボーグの身体で異世界に転生してきた男。
瘦身に白衣を纏い、目元を完全に覆うバイザーを着けた科学者然とした風貌。
物語は彼視点で進む。
エメーシャ
15歳 T145/B 78(D)/W51/H76 体重39キロ
ロングの金髪をハーフアップにした碧眼の美少女。
貴聖剣サルヴァトラーを振るい、身軽な高速剣技で戦う。
命がけで戦いに身を投じ、人の命を案ずる高潔な性格。
数時間、眠り込んでしまっただろうか。
私が目を覚ますと、横になっていたのは手術台ではなく、温かいぬくもりを感じる柔らかな膝枕。
「あっ!…おっ、起きたんですね…」
私の顔を上からのぞき込んでいたエメーシャは、目が合うと、ブルーの瞳を丸くして、声を上ずらせる。
私が寝てる間にも、顔や手を綺麗に拭い、横にあった銀のプレートアーマーを身に着けて待っていたらしい。
しかも、生太ももを差し出した膝枕で。
美少女の体温を感じる人肌枕での目覚めに、私は頬がニマニマと緩んでしまう。
「Dr.マッドネスも疲れていたのですね。私の膝に倒れ込んできて、どうしようかと心配になりましたけど…」
「まさか膝枕までサービスしてくれるとは、嬉しいよ」
「サービスじゃありません!私は枕があったのに、Dr.マッドネスだけ外すのは、不公平ですし…」
エメーシャが枕付き手術台で数時間寝かせてもらったのに、私から膝枕を引っこ抜いてしまうのは不公平と感じたのか、こうして膝で安眠させてくれた。
そのフェアな性格には、若き少女剣士の誇り高さを感じる。
「それに、聞きたいことは山ほどあるのです。ここはどこですか?あなたは何者?私は一体どうなったのですか?」
手術台の周囲は、無限に広がっていそうな空間。
俺を起こさず一人で離れようとしても心細い場所だ。
私は、すべすべした太ももに頬ずりしながら、質問に一つずつ答えていく。
「ここは私のアイテムボックスの中。人が入れるサイズに巨大化してあって、アイテムも揃っている。魔物が巣食う山よりは安全な場所だから、ゆっくりしていけばいい」
「そんなアイテムボックス、聞いたことありません。というか、なぜ私の膝にくっついているのですか?」
「いや、居心地がいいから、もう少し…」
「目が覚めたなら起きてください、もうっ!」
瘦せこけた頬をしなやかな両手で挟まれると、グイッと膝枕から起こされてしまった。
まあ美少女の手で抱き起こされる、これはこれで悪くない。
改めて、エメーシャの隣に座り直した。
隣り合ったエメーシャは、私の指先をじっと見ながら質問を続ける。
「あなたの手に継ぎ目があるように見えます。Dr.マッドネス、あなたは人間?それとも…」
「人間だったが、今は別の存在、サイボーグとなっている。肌の下に武器や鋼鉄、その他諸々を埋め込んでいるのだよ」
私は左腕のハッチを開いて、中に詰めたマシンガンの弾倉を見せてやる。
腕を開けて中を見せられた光景に、15歳の少女は、ギョッとして美貌をこわばらせ、手で口を押える。
「ひっ!皮を剥くなんてっ、そんな痛々しい真似っ!」
「心配いらない、出血も痛みもない。私にとっては歯を磨くようなものだ」
魔物を退治する修羅場に慣れてる少女剣士でも、人間の身体が開く場面はショッキングだった。
アイテムボックス内の弾薬を、左腕に詰め替えながら、私は話す。
「私も死にかけたことがあったのでね。以前の自分を超える力が欲しいと望んで、この体になった」
「Dr.マッドネスは……そんな体で、平気なのですか?」
死に瀕して、もっと力があれば…と願った境遇は、私もエメーシャも同じだった。
改造を受け入れられないでいる少女は、私に体が変わってしまった心境を、恐る恐る尋ねる。
「後悔はしてないとも。おかげで君の命を救うことができたのだから」
「そう、ですか…Dr.マッドネスには私を救う意味があったのですね。私は、この体、とても慣れる気はしませんけど…」
私が力説すると、救われたエメーシャは、少しだけ微笑んだ。
私と同じくエメーシャは、姿を変えて力を得たのだ。
いずれは受け入れさせてみせる。
「いや、エメーシャ君も気に入るはずだ、私のように強くなっているのだから!」
「Dr.マッドネスのように?私は羽と輪がくっついただけですよ?」
天使の羽と光輪を、タダの飾りと思ってはいけない。
「例えば、その翼を使えば、あの影鴉以上のスピードで飛べる」
「人が空を飛ぶって、そんなことが…ええっ!」
光輪が回転し、翼をはばたかせると、少女の肢体は、軽々と空中へと舞い上がる。
軽装の少女剣士が得意としていた跳躍よりも高く、アイテムボックスの無限に続く上空から、私の方を見て驚いている。
「私、飛んでいますっ…気持ちいいっ…」
風を切った飛行に、目を細めるエメーシャ。
私が贈った羽は気に入ってくれたご様子。
私から見ても、翼で飛行するエメーシャの姿は美しくて、眩しく映る。
煌めきながらなびくブロンドの後ろ髪、泳ぐように空中を舞うほっそりした手足、風に煽られて左右に揺れるビキニアーマーの美乳。
飾り気が少なく裸に近い天使コスが、かえって彼女のスタイルと美貌は際立っていた。
上空を一周してくると、スイーッと私の元へ降りてくる。
飛行を初体験した興奮に、頬は上気している。
「不思議ですっ、飛んだことも、飛べるとも思ってなかった私が…」
「その光輪がジャイロユニットとなり、飛行を制御するから、自然と飛行姿勢が安定するのだよ」
「確かに、これなら魔物より早く飛べるかもしれません…」
「呑み込みが早い。今のエメーシャ君の力について、教えて差し上げよう…」
改造天使と化したエメーシャ、その驚異のスペックを解説していくと、エメーシャも熱心に聞き始める。
どうやら手術の成果に興味を持ってくれたようだ、と私はほくそ笑む。
若き美少女剣士に手を加えて生まれ変わった改造天使、その力を存分に使いこなしてもらおう。
一度輪廻転生したDr.マッドネスから見れば、エメーシャの生きたい、力が欲しい願望にはかなり共感したから、全力を尽くし、手段を択ばなかったようです。
ある意味、エメーシャも転生者です。
次回は、エメーシャとともに、冒険者ギルドへ。
読了ありがとうございました。
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