意外にも思えたのだが、彼女には小悪魔的な一面がある。
ぽわぽわして緩い雰囲気の普段と違って、時折悪戯っぽく笑って、穏やかで優しく圧倒的な優位に立って事を進める。気ままではあるが二人きりの時が最も多かった。別に他人に見られないよう気をつけているわけではない。二人きりで甘いムードになれる時こそその気になるのだろう。
ソファに座った凪の隣にはぴったり肩が触れるほど身を寄せて、
彼女は親しい者への距離が近く、何はなくとも抱き着いたり、腕を絡めたりする癖があった。
愛しい者であればさらに顕著である。
本人に確認を取る前にズボンの中へ手を突っ込み、下着の中にまで侵入して、大事な部分を優しく握り込んできた。やんわり包むようにして触れて、きゅっと力を入れて摘まむ。
年端もいかぬ少女だというのにその仕草は嬉々とした態度に思えた。
凪がうっと声を詰まらせる一方、木乃香はにやにやしていて、彼の反応に気を良くしているのは明らかである。彼の顔をじっと眺めて、顔を寄せて見上げていた。
「うっ……ふっ」
「んふふ、気持ちよさそうな顔やなぁ~」
楽しそうに微笑んで指をぐねぐね動かし、くちゅくちゅと液が絡む。
凪が木乃香の顔を見つめ返して吐息をこぼした。
彼は彼女の腰に腕を回しているものの、それ以上体に触れることはない。それ以上はだめだと本人から禁止されているからだ。律儀に守って彼女の言われるがまま耐えている。
「先っぽぬるぬるやなぁー。気持ちええのん? おちんちんこしこしされるの」
「うあぁ……それ、答えなきゃだめ?」
「もちろん。こういうこと言われた方が恥ずかしくなって気持ちよくなってまうやろ? 凪さんは変態のエロエロさんやからなー」
「お、俺が元々そうだったわけじゃ……」
あらぬ風評被害を受けている、と一旦思うものの、全く身に覚えがないわけではなくて、結局はその状況を受け入れているのは自分の意思だと気付いて口を噤む。
木乃香は笑顔だった。強く否定できないのはすでに気付かれている。
「ふーっ、あぁっ……気持ち、いいよ」
「えへへ。そーやろなー。正直なんが一番やえ」
「あの、俺も木乃香のこと触りたいんだけど」
「あかーんよ。今日はうちが色々してあげるんやから」
え~、と不満そうな声を漏らすが凪は逆らわず、せいぜいが腰に回した手で彼女の腹部に触れることしかできない。
くすぐったさに身を捩りながら、木乃香はその手を叱らず、そのままにしておいてやる。せめてもの情けであった。
彼女の手だけが生き生きと凪のペニスを撫で回していて、時折声を詰まらせると笑みが緩んだ。
「いっつもうちが気持ちよくしてもらってるから、たまにはなんもせんと気持ちよくなるだけでもええやんか」
「いや、うん、まあ、そう……でも俺も触りたい」
「あかーん。今日はおあずけ」
「えー……」
「せっちゃーん、そんなとこで見てやんと一緒にしよーや」
木乃香が振り返ってリビングの入り口を見ると、びくっと人影が震えた。
あわあわして激しく動揺し、隠れてはいたのだがバレていたらしい。視線が合った後で逃げることも忘れて顔を真っ赤にしたまま恥ずかしそうに固まっていた。
しっかり目を合わせて木乃香はにんまり笑う。
唐突に、彼女へ見せるために強引にズボンと下着を下ろした。
びよんと大きく揺れて外へ出されたペニスが視界へ飛び込んできて反射的に見てしまう。
ドキッとして、羞恥を覚えながらも目を離せない彼女は激しく狼狽していた。
「せーっちゃん。聞こえてる?」
「ははははいっ! なんでしょうお嬢様! いいいいえそのっ、私は別に何も……⁉」
「こっち来て一緒に、えっちなことしよ?」
刹那の体が再び大きく跳ねた。そしておずおずと動き出す。
幼馴染であり、本人の認識では主従関係でもある。だから逆らわない。
顔を真っ赤にして恐る恐る、刹那もまた凪の隣へ座って木乃香と共に挟み込んだ。