「パパ……っぁ……んぁ♡」
ララは細い指で秘裂を掻き回し、慎ましい乳房を揉みしだいた。
誰も家にはいないとはいえ、リビングのソファで自慰に耽り、快楽に没頭するララの脳からは、『誰かが帰ってくるかもしれない』という思考はとうにどこかへ消え去っていた。
父と母の情事を思い出しながら、拙い自慰に声をあげる。人族のくせに、いくらなんでも若々しすぎる父。それに嬲られ、嬌声をあげる自分そっくりの母。ララはロキシーに自分を投影しながら、脳裏の父の動きに合わせて自分の体を慰める。
「んぅ……♡ ふぁ♡ パパ、パパぁ……♡」
口にするたび、腰に背筋にひときわ強い快楽が走る。
父を呼びながらする自慰に興奮を大きくしながら、膣を掻き回す指を更に奥に潜りこませる。
膜は──今までの自慰行為で、少し裂けてしまっていた。自分の性欲の強さを象徴するようで、彼氏を見つけようという気になれない理由の一つだ。
閑静なグレイラット家のリビングにか細い嬌声が響く。
ララはすでに、父に犯される自分を幻視していた。
耳元で睦言を囁く
自分がこんなに甘く切ない声を出していることに、どこかで意外だとぼんやり思いながら、羞恥と背徳に更に興奮を大きくさせる。
「あっ……♡ パパ……イく、イく……っ♡」
かつて覗き見た情事を思い起こし、着ている父のシャツに鼻と口を埋める。荒い息でその残り香を嗅ぎながら、膣を掻き回す指を加速させた。
「イく……♡ ──イっ……くふぅ……っ♡♡♡」
絶頂と共に身を大きく震わせた。
意志に反してかくつく腰から、ぷし、と潮を吹く。
いつにも増して熱の入ってしまった自慰に、登りきった快楽はなかなか降りてこず、きゅっと目をつぶっておとがいを反らす。
「はっ……はぁ……」
肩で息をしながら快楽の余韻に浸る。
何度か自慰をしてきたが、これほどの興奮と快楽は初めてのことだった。これも家に一人きりという開放感によるものだろうか。そう考えながら、ララは自分がリビングで盛大に自慰行為に及んでしまったという事実に思い至り、顔を赤らめた。
余韻が収まってきたところで身を起こすと、ララは両手で顔を覆った。
開放感だけではない。たぶん、酒もあってか開き直って
こんなところを家族の誰かに、特にルーデウスに見られたらその場で自害するしかない。
ふるふると頭を振って、後片付けを始める。愛液で濡れたソファと、吹いた潮で汚れてしまったテーブルを拭く。見下ろすと、着ていたシャツにまで掛かってしまっていた。
軽く片付けを終えて、ソファに座り直すとグラスに少し残っていた果実酒を飲み干す。
大きく肩で息を吐きながら、ララはかつてルーデウスに抱きすくめられた時のことを思い出していた。
ミグルド族らしい小柄な体を持つ自分とは違う、鍛えられた逞しい両腕。あの時の感触を思い出し、ララは自分の肩を抱きしめる。
──もう一度、強く抱きしめられたいとは、思う。そうでなくても、甘えるくらいのことはしてもいいとは思う。娘に甘いルーデウスのことだ、きっとせがめば聞いてくれる。
でも素直になれない自分のことだ。言おう、言おうと思っても、いざというタイミングで口ごもってしまうに違いない。きっと、そのうち自分もこの家を出る時がくる。そのときまでずっと、このもどかしい感情と付き合っていくのだろう。
そのことに、切なさと一抹の寂寥感を感じながら、ララはシャツの襟元に鼻先をうずめた。
「もう、一回だけ……」
夜は長い。夜半も過ぎたが、家族は少なくとも朝まで帰ってくるまい。
身体の火照りは治まらない。
もう一回。もう一回だけしたら、風呂で汗やら何やらを流して布団に入ろう。
そう思い、太ももの間に指を滑り込ませ──
がちゃり、と遠くで扉の開く音が聴こえて、ララは飛び上がるほどに驚いた。
次いで、襲いくる尋常ではないほどの焦燥感。音が聴こえたのは玄関からだった。帰ってきた人間が誰かはわからないが、玄関を開けたらリビングの明かりはすぐ左手に見えるはずだ。
誰かいると思ってまっすぐ向かって来るとしたら、靴を脱いで、鍵を閉めて、二〇秒か三〇秒か。
慌てて立ち上がり、ソファとテーブルを拭いたタオルを視界の隅に放る。ずれたブラジャーを付け直し、着崩れたシャツを整える。足首に引っ掛かっていたショーツは、湿っている部分があったが背に腹は代えられず、履き直した。
これで、誰かが帰ってきたとしても、またララがだらしのない格好をしてごろごろしているように見えるだろう。
聡いアイシャあたりが見たら流石に勘付かれるかもしれないが、シャリーアにいないアイシャが今夜に限って帰ってくるはずもない。
「ふい〜、飲んだ飲んだ」
最悪だ。
帰ってきたのはよりにもよって
気まずいなんてもんじゃない。
これは素直になれない自分への罰か何かだろうか。
(じょ、冗談じゃ……!)
開けれたドアに背を向けソファに身体を預けたまま、ララは実在するのかも怪しい神を呪った。
そして願った。
ルーデウスが一言声をかけてそのまま自室まで帰ってくれることを。
しかし、そんなララの儚い期待は容易く裏切られた。
「あれ? ロキシー、先に帰ってたんですね」
(えっ)
なんということだ。
どうやらルーデウスはまたもララをロキシーと勘違いしているらしい。
それほど酔っているということだろうか。
だが好都合だ。ルーデウスは酔いを解毒魔術で醒ますのを好まない。そして酔ったままなら勘付かれる前に部屋に戻ってくれるはず。
「ロキシぃー、ただいまぁ」
「ふえっ?」
ララは素っ頓狂な声を上げた。
それもそのはず、ルーデウスに抱きつかれたからである。
たしかに今のララは髪を下ろしており、後ろ姿ではロキシーのそれと判別できないだろう。
だが、これでは
「ロキシーはいい匂いですねえ」
「ふぁっ」
ルーデウス抱きすくめたままはララの髪に鼻先を埋め、匂いを吸い込んだ。
吐息がララのうなじをくすぐり、驚いて声を上げてしまう。ルーデウスの吐息は随分と酒臭く、よほどの酒精に溺れたと見える。
泥酔したルーデウスが自分とロキシーの判別がつかないことはララは知っていた。だから最近は抱きつく前に声を掛けるようにしているのだ。
そのはずなのだが、今日の酔い方は一段とひどいらしい。ララをロキシーと疑っていない。
だが、これが
満足したあとに己の間違いに気づくことだろう。気付かず部屋に戻ったのだとしたらそれはそれ、ララは
ララは余計な抵抗をせずに身を任せることにした。
だからこれは、決して
確かにまあ、ルーデウスが己の過ちに気付くか、気付かず部屋に戻るかするまで多少の役得はあるかもしれないが。
「んっ……」
間が悪いにも程がある。
日頃の溜まっていたものを処理しようとして、いざ二回目に入ろうとしたらこれである。
ララが薄着なのもよくなかった。前回もそうだったが、これでは触る方も触られる方も嫌でも互いの体温がわかってしまう。
これでは処理どころか、余計に体が火照ってしまうではないか。
まあいい。ルーデウスが去ったら、リビングでも浴室でも、声を潜めて二回戦でもすればいい。
だからもう少しだけ、と言い訳しながらこの感触を楽しむことにした。
(もうすこし……)
ルーデウスがララに後ろから覆い被さったまま、その手が頬に触れ、太ももを撫ぜた。
(んっ……もうすこしだけ……)
この時はララも、アルコールと、そのほかの欲求によって冷静な思考を欠いていた。
尻の一つや二つ撫でられても減るものでもなし、構うものかと思っていた。
むしろ、ルーデウスが迂闊なところを触るたび、気付いたときの慌てようが見ものだとすら思っていた。
そうでなくともララにとっては
酒臭い吐息が首筋に触れ、尻や太ももを撫でられるたび声が出そうになる。
(これはちょっと……まずい……)
母たちは毎日こんなものを独占していたのか。
羨ましい。
溺れそうだ。
太ももの付け根がまた湿り気を帯びはじめ、ショーツの吸水力の限界を越えた部分から太ももの内側に垂れ始める。
理性ではそろそろやめておいたほうが良いと思いながら、太ももをもじもじとすり合わせる。
このまま身を任せてしまいたい衝動よりも、このままではまずいという焦燥感が僅かに上回り、ララはルーデウスの手を抑えた。
「ちょ、ちょっと待って……私、青ママじゃ──ふあぁっ」
咎めるララの、首筋からうなじにかけてをルーデウスが舌先で舐めあげる。つつつ、と舐められた拍子にララの背筋が跳ね、思わず拘束が緩んだ。
拘束からするりと抜け出したルーデウスの手が、シャツの隙間に入り込む。
「あっ……んはぁっ……んんっ」
耳を啄まれながら片手を抑え込まれ、もう片方の手はブラジャーの上からララの胸をまさぐっている。
まずい。この状況はいくらなんでもまずい。
体をまさぐる手を止めようとするも、抵抗は全てが後手後手に回ってしまう。
こういった駆け引きの経験については圧倒的とも言える経験の差があった。
欲張るんじゃなかった、と後悔してももう遅い。
既に
快感に耐えていたララがそれに気付いたのは手がへそ下まで伸びてからだった。
「ぇあっ……ま、まってっ、そこは──」
慌て上擦った声を上げたララに構わず、ルーデウスの指先がしとどに濡れそぼったショーツに触れた。
「濡れてる……?」
「〜〜〜〜っ!」
ルーデウスの声に、真っ赤に染めた顔を手で覆う。
散々触られただけでなく、感じているという証拠まで見られてしまった。
恥ずかしさのあまり今にも部屋に駆け戻りそうなララの耳元で、ルーデウスが囁いた。
「俺の手で感じてくれたんですか……? ロキシー」
「えっ? 待っ、ちがっ──んぁっ♡」
返事を待たず、ルーデウスは愛撫を続けた。
胸をまさぐっていた手はブラジャーの中に入り込み、もう片方の手が濡れたショーツの内側に侵入する。
静止の言葉すら届かない。
左手がララの突起をつまみながら双丘を揉みしだき、右手がショーツの中で淫核を転がしながら秘所の入り口を擦り上げる。
その手を抑えるも、ロキシーに似て貧弱なララの腕力ではどうしようもない。
「まって、これ以上は……っぁ……っ♡」
意に反して甘い嬌声が出てしまう。
はっと気付いて両手で口元を抑えるが、それがルーデウスを更に興奮させるとはララにも想像がつかなかった。
手を離してしまったことでルーデウスの両手を完全に自由にさせてしまったことに気付いたララだが、時既に遅し。
嬌声を出さないように耐える
「んんっ♡ んっ……ふぅ♡ んーっ♡」
(自分でやるのと、こんなにちがうの……っ!?)
淫核を弄っていた指先が、愛液を垂れ流す秘所の中まで潜り込ませ縦横無尽に動き回る。
ぐちゅぐちゅと聞こえるように水音を立てるのは、
小ぶりな双丘を揉みしだき、弱い部分を責め立てる度にララの背筋が跳ね、抑えた口元から嬌声が漏れる。
「ふっ……ふっ……♡ んむ……ぁっ♡ んぅぅ♡」
「かわいいですよ……」
「んんっ!?」
ルーデウスが呂律の回らない声で耳元で囁いたとたん、一際大きい快感がララを襲った。
それだけでなく、感じないよう、声を出さないよう耐えていたララの理性を少しずつ切り崩していく。
「ん……?」
怪訝な声を上げたルーデウスが手元を見下ろすと、手の甲に
限界が近いのだろう。ふるふると首を振る
たまらないのはララの方である。
(うそっ……なんでえぇ……っ♡)
先ほどまでの愛撫で既に限界ぎりぎりだったララを、ルーデウスがひたすら絶頂に導こうと快感を送り込んでくる。
双丘を、秘所を縦横無尽に蹂躙し、唇で耳を啄み、首筋を舐め上げるたび、ララの体を鋭い快感が駆け抜けてた。
(むり……っ♡ むりむりむりっ♡ もう……っ♡)
長い間耐えていたララが、ついに絶頂にまで導かれる。
背筋をぴんと反らし、びくんびくんと身体を跳ねさせて絶頂の快楽に身を震わせた。指の隙間から熱い吐息が漏れる。
「んーっ♡ んぅーっ♡ ふっ……んぁぁっ♡」
イかされた。
イかされた。
ろくな抵抗もできず、無理矢理に。
しかも、ついさっきまでおかずにしていた
荒い息を吐きながら天を仰ぐララ。体は酷い倦怠感に襲われ、視界は絶頂の余韻でちかちかと明滅する。
だから気付かなかった。
いつの間にかふらふらとララの正面に回っていたルーデウスが、力の抜けてしまったララの前で跪いたことに。
「はーっ♡ はーっ♡ え……? ふえっ!?」
愛液を吸って大量の水気を帯びたショーツを魔法のように脱がし、ろくに力の入らないララの両脚を割り開く。
その瞬間、むわりと雌の香りと共に愛液でぐしょぐしょになった秘所がルーデウスの眼前に晒される。
「まってぇ──そこはっ♡」
ララの静止を聞かず、ルーデウスは秘所に口をつけた。
「ふああぁぁんっ♡♡♡」
淫核を舐め上げられ、ララの体が跳ねる。
顔から火が出そうなほどの羞恥と、あまりにも異常な状況に声を抑える事すら忘れ、ルーデウスを引き剥がそうと突っ張るようにした手が頭に添えられる。
だがその力は弱々しく、抵抗の体を成していなかった。
まだ誰も受け入れたことのない秘裂の入り口が、舌で割り開くように押し広げられた。
ルーデウスは溢れ出てくる愛液を舌先で受けながら、秘部を舐め続ける。
(そんなところ……っ。きたない、のにぃ……っ♡)
襲いくる快感に、ララは歯を食いしばって耐える。
もしララの内心の声をルーデウスが聴いていたら、『ロキシーの体にきたないところなんてありません』と
頭上で悶える
奥や入り口付近を緩急を付けて舌で愛撫し、あるいは唇で食む。
ララからすれば、それは全くの未知の快感だった。
太腿を両腕でロックされ、逃げ場を失ったまま強制的に送られてくる快感にララは瞬く間に絶頂まで導かれる。
「んっ♡ ふあっ♡ あーっ♡ あーっ♡」
がくがくと体を震わせ、ぷし、と控えめに潮が吹いた。それを顔に受けながら、ルーデウスは愛撫の手を──否、舌を緩めない。
「もう、イった……っ♡ イった、からぁ……っ♡」
止まってえ、という声を聞き流し、尚も
「あっあっあっあっ♡ んぁぁっ♡」
立て続けに責められて、ララは容易く絶頂してしまう。
はじめこそ頭を抑え、太ももで挟むように抵抗していたが、何度も絶頂に導かれるたびにそれはどんどん弱々しくなっていった。
無理やりに近い形で都合三度口淫でイかされるころには、ララはもうろくな抵抗など出来ずに片腕で目元を隠しながら快楽を受け取るだけになっていた。
「はっ……はぁっ……ぁ……♡」
かちゃかちゃと小さな音が、ララの耳に忍び込んでくる。そして続く衣擦れの音。力なくソファに横たわるララの虚ろな視界に、ルーデウスが覆い被さった。ぐい、と開かれたララの両脚の間に、ルーデウスの腰がねじ込むように入ってくる。
ベルトを外し、ズボンの前を開けてまろびでたそれ。完全に隆起したものをこれほど近くで見るのは初めてだった。
いつの間に上着を脱いだのか、割れた腹筋の下に構えられたそれは想像していたものよりずっと逞しい。
何度か情事を覗いていたとき見たことはある。
だがそれのほとんどは、彼の妻たちの、上か下の口に咥え込まれていて全体像をしっかりと視認したことはなかった。それが今、手を伸ばせば届くほどの距離にある。
「や……! まって……!」
それの意味するところを悟って、ララは焦った。過去最大級の焦燥だった。
犯される。
それを察したララの鼓動が一際強く脈打った。
体の方は完全に期待してしまっていて、どんどん受け入れ態勢を整えている。本人ですら期待と情欲に理性が屈服しかかっていた。
ノトスの女たらしの血をこれでもかと言うほど引き継いだ剛直の裏筋が、ララの秘裂と触れた。しとどに濡れそぼったそこから、なおも分泌された淫液が剛直を濡らす。
昔から妄想していた事ではあった。
「だっ──だめえっ♡ それだけは、ぜったいだめ……っ♡」
腹筋に手を突っ張り、それ以上の侵入を押しとどめる。今までのララの抵抗は全て躱されるかねじ伏せられてきたが、だからといって抵抗しない理由にはならない。
いくら体が受け入れていようが、本心では期待していようが、ダメなものはダメなのだ。
ルーデウスが腰を前後した。濡れそぼった割れ目の上を、裏筋がゆっくりとなぞる。焦らすような、悩ましく官能的な感覚に理性をがりがりと削られながら、ララはなおも抵抗した。
「だめっ……ぇ……♡ ぜったいだめだから……♡ ひん♡」
ララの小さな膣口に剛直の先端がつぷり、と触れた。
もう、ルーデウスの剛直とララの秘所を隔てるものは何一つない。本来彼女のそこを守るはずだったショーツは剥ぎ取られ、淫液でぐちょぐちょにされたそこは、いきりたった剛直を突きつけられている。
あともう少しルーデウスが腰を突き出すだけで、ララは貫かれ一線を越えてしまうだろう。
だめだ。抵抗できない。
はあ、はあ、と興奮で呼吸が荒くなっていく。
元より非力なララでは力で敵うはずもない。
そもそも、事前の
「え……んむぅっ♡」
剛直から逃れようと身を捩るララの唇を、ルーデウスが強引に奪う。ララよりもなお酒臭い吐息が口内から鼻を突き抜けていく。
唇をこじ開け、舌で口内を蹂躙する。ルーデウスの舌がララの小さな舌を絡め取り、好き放題に
「んんぅっ!? んぁ……ぇろっ♡ んむっ♡ んーっ♡」
それが最後の一押しだった。
ララは自分の理性が完全に屈服し、ルーデウスを受け入れた事を悟った。
ルーデウスの首に手を回し、陶然とした表情を浮かべ舌を絡ませる。ララの拙い口技ではとてもルーデウスに及ぶものではなく、唇を吸われ快楽を求め彷徨う舌先は、ルーデウスのそれによってなす術もなく蹂躙される。
「んぅ♡ あぇ……っ♡ は……っぁ、……ぁむ♡ んぅぅ……♡」
目の端に涙を浮かべ、それにすら被虐欲求が満たされ興奮する。
キスは二分近く続いた。唇が離れていき、ルーデウスの口と、名残惜しそうに突き出されたララの舌先から唾液がつたった。
ふと、ルーデウスは無視できない違和感に眉をひそめた。互いにアルコールにやられたまま、ロキシーとしっぽりしけ込むことは今までも何度かあった。だのに、酩酊に霞む視界のどこかがおかしい。
息を荒くして蕩けた表情でこちらを見上げるロキシー。そのどこかに、致命的な違和感があった。反応が少しおかしかった。いつもより輪をかけてキスが拙く、されるがままだった。
そしてなにより、発情しきった顔で見上げるその表情。
口元が違った。濡れた瞳の下に、見覚えのある泣きぼくろがあった。
「──ララ……?」
アルコールによって判然としない脳では、その情報を処理するのに時間がかかった。ただその単語だけが口をついてでた。
理解しきる前に、首に巻き付いたララの腕に力がこもった。
ぐい、と頭が引き寄せられ、もう一度唇が重なる。口内に侵入したララの小さな舌が、必死にルーデウスの舌に絡みつく。思わずそれに応じながら、戸惑いに手を彷徨わせた。
これは一体どういうことだ? 自分はさっきまでロキシーと睦み合っていたはずでは……?
余りにも拙い口技。ぷぁ、と口を離してこちらを見上げる瞳は、期待と情欲に染まっていた。
状況に追いついた脳が情報にパンクしそうになる。
これは──まずい。とにもかくにもまずい。
屹立する剛直は、先端がララの膣口にめり込んだまま止まっていた。とにかく離れようとして──ララの両脚が、ルーデウスの腰に絡みつく。
それに愕然として、ルーデウスがララの顔を見遣った。
「責任、とって……」
最後まで、して。
ララの濡れた瞳はそう語っていた。
どうしようもないほどに、ララは女の顔をしていた。
「責任って──」
自分がたった今、ララの理性を完全破壊してしまったことなど露知らず、どう言い繕ったものか逡巡するルーデウス。
ララはその首筋に巻き付けた両手でルーデウスを引き寄せて、縋り付くように抱き締めると、腰に絡ませた両脚に力を込めた。
「あ──」
「んぅぅぅぅぅ♡」
ぬぷぷぷぷ、という音と共にルーデウスの剛直がララの小さな膣に飲み込まれ──いや、ねじ込まれた。
ぶちぶちと膜を破る感覚。それが今犯しているのがロキシーではなく、ララなのだということをルーデウスに伝えてくる。根元までねじ込まれたそれはララの小さな膣を圧迫し、先端が子宮口まで至っている。
ララはぎゅっと目を閉じてルーデウスの頭を抱く手に力を込める。その吐息は快楽と破瓜の痛みに荒くなっていた。
見下ろせば、ルーデウスの剛直は破瓜の血によって赤く濡れていた。
ララが自分の下腹部にヒーリングをかけると、拙く腰を動かした。限界まで張っていた剛直に予期せぬ刺激が与えられ、悶える。
今度はルーデウスが焦る番だった。散々弄び、焦らして快楽を与え続けたツケをここで支払うことになっていた。
愛撫して、唇を奪っただけでも冗談ではすまないのに──初めてを奪った上に、行くところまで行ってしまったとしたら、なにをどう言い訳したらいいのかわからない。
いくら母娘そっくりだからといって実の娘を犯すなど、変態のアスラ貴族ですら──しないとは言い切れないが。
ちがう! そうじゃない!
「ちょっまてララ! これ以上はまずい──」
そこで、もう一度無理やり唇を合わせられた。
その刹那、決壊した。
ルーデウスの剛直から、噴き出るように白濁が吐き出され、ララの膣内と子宮を穢していく。
「うっ──ぐ……!」
「あ、ああぁぁぁぁ♡」
感極まったかのようなララの嬌声が響いた。
情欲に濡れた雌の声だった。
組み伏せられて、全身で縋りつきながら絶頂するララを見下ろしながら、ルーデウスは射精の快感に身を震わせた。
びゅー、びゅーと堰を切ったかのように漏れ出るそれが、ララの子宮口を叩いた。
「んああ……ぁ……っ♡ あつい……♡」
たっぷりと一〇秒以上続いた吐精はララの膣内を穢し尽くし、入り切らない分は結合部から漏れ出て白い肌をつたった。
本懐を遂げたララの体は、満足したとばかりにだらりと力を抜いていた。
僅かに硬さを失った剛直が、ララの小さな膣からずるりと抜け落ちた。それは破瓜の血と白濁によってピンク色に汚れていた。
「はーっ……♡ はーっ……♡」
眼下では朦朧としたララが恍惚とした表情で浅い呼吸を繰り返しながら、絶頂の余韻に体をびくびくと震わせている。
それらがルーデウスに突きつけていた。
今起こったことが紛れもない現実で、眼下の少女を自分が散々鳴かせ、弄び、穢し尽くしてしまったことを。そこに言い訳の余地がかけらもないことを。
そしてなにより、ロキシーだと思っていた彼女がララだったということを。
情報に脳がパンクしそうだった。
ルーデウスはどうしたらいいかわからず途方に暮れ──逃げるようにその場を後にした。