どこにでもある幸せ
エロより導入の方が書いてて楽しかった
夏が近づいてくる。 初夏特有の蒸し暑さを受けながら俺は彼女の家に向かう。
途中のコンビニ寄って買い物をすます。 冷えた飲み物の冷たさを袋越しに感じながら再び彼女の家へと歩く。 額を伝う汗を拭って携帯で時間を見る。 時間指定は互いしていないがいつも彼女の家に向かう時間はとうに過ぎている。 が特に気にしていない。 俺の記憶が正しければ彼女は昨日夜勤のバイトがあり、今頃自室の布団で芋虫と化しているだろう。
何度目かの暑いを呟いたか、ようやく家にたどり着く。 合鍵を差し込み、鍵を回すが、空回りする。 どうやら鍵はかかっていないらしい。 不用心だと思いながら扉を開ける。
扉を開けると、外以上の熱気が襲う。 ボロアパートの二階だと熱気がこもる。 靴を脱いで上がると、部屋の主はやはり寝ているようだった。 このくそ熱い時に布団をすっぽり首までかぶって寝ている。 俺が入って来たのにも気づかずに間抜けと言うか幸せそうと言うか……。
とにかく、こう暑くちゃ彼女も寝にくいだろう。 恐らく、夜の気温が低い内に寝たからエアコンをつけそびれたのだろう。 布団横に無造作に放り投げてあるエアコンのリモコンを取り、電源をつける。
型落ちのボロエアコンがガタガタ言いながら冷風を送り始める。 コンビニで買ったものを冷蔵庫に入れ。さて、どうしようかと思案する。 恐らく彼女が起きるまで時間がある。 俺も昨日は若干夜更かししたので昼寝をしたいのだが、以前彼女が寝ているときに布団に潜り込んだら起きた彼女に本気で蹴られ説教されたことがある。 曰く、「たとえお前が相手でも譲れないパーソナルスペースがある」と。 何度この布団で体を重ねたのかもう分からないほどなのに、と言おうとしたがさらに彼女を怒らせるのは賢明ではないと思い踏みとどまった。 般若面は女性の顔をモチーフにしているらしい。
そう言うわけで昼寝をする場所を探す。 この部屋には来客用布団なぞ無く、クッションの類もない。 しょうがない。 ただの昼寝だし、畳の上でごろ寝でいいか。
せめて近くで寝るのは良いだろうと彼女が寝ている布団ギリギリに横たわる。 大雑把な生活しているのに寝相は良いんだなぁ、と思いながら彼女を眺めていると、だんだんと瞼が抗いがたい重みを持つ。 もとより抗うつもりもなかったからそのままうとうとと眠りに落ちていった。
目を覚ますと布団の中にくるまれていた。 首を目めぐらすと、彼女がちゃぶ台に頬杖突きながら小説を読んでいた。 いや、読んでいるフリをしていた。 その証拠に彼女の眼は全く動いてない。 恐らく視界の端でずっと俺を見ていたのだろう。 でもじっと見つめるのは恥ずかしいから本を読んでいるフリをしていたという事か。
俺はたった今起きましたと言わんばかりにわざとらしく「うー、ううん」とうなる。 彼女は本を机に置き、俺に今気づいたかの様に俺を見る。 しかし、今まで小説を読んでいたにしては早すぎる反応だ。
「起きたの、おはよう」
「ああ、おはよう。 鍵、あきっぱだったぞ。 不用心」
「こんなボロアパート誰も盗みになんて来ないよ」
「お前が心配なんだよ。 普通に洗濯物もパンツとかブラとか見えるように干してるし。 宅配の宛名シール剝がさずにそのまま捨ててるし……」
「あー! 分かった! 分かりました! 次から気をつけますー!」
何回目かの説教も毎回こう言って俺にじゃれついてきてうやむやになる。 毎回それで許してしまう俺に原因があるのだろうか……。
布団をたたみ、ちゃぶ台に向かい合ってお茶をすする。 彼女は今度こそ小説に夢中になって俺とろくに会話もしていない。 俺自身も彼女の本に向ける鋭い眼差しや、顔にかかった髪をかき上げるしぐさに見入って間抜けな顔をしていただろうから良かったのかもしれない。
しばらくそうしていると、軽い空腹を覚える。 彼女の部屋に時計は置いていない。 理由を尋ねると「必要ない」と一言。 なんて適当なのだろうか。 しかし、本当に彼女には必要が無いらしい。 大学の講義には無遅刻。 バイトにも毎回時間五分前についているらしい。
ともかく、今何時だろうと携帯を探す。(俺も腕時計は嫌いだから身に着けていない。 時間はいつも携帯で確認している) 見ると、夕飯時を少し過ぎているくらいだった。 彼女も何も食べていないだろう。 冷蔵庫を開けると、キャベツに鶏肉があった。 メインはこれにして後はインスタントの味噌汁とご飯でも作ろうとそれらを手に取ってキッチンに向かう。
具材を適当な大きさに切って油を引いて熱した(まさかの電気コンロだ。 骨董品市でそこそこな値段でもつかないだろうか)フライパンに放り込む。 味付けはシンプルに醤油とチューブニンニクだ。 お互いニンニクの匂いがなどを気にする間柄ではない。 なんなら、彼女はたまに次郎系なる大盛りのラーメンに行ってそれで一日分の食事を済ますなどの暴挙を繰り返しているらしい。 いつか現行犯で捕まえて説教してやると心に誓っている。
いい感じに出来上がり、二人分に分けてよそう。 味噌汁とご飯も用意し、ちゃぶ台に持っていくと、彼女が箸やらなんやらを準備してくれていた。 礼を言いながら配膳を済ませ、向かい合って座る。 お互い声には出さないが、手を合わせてから食べ始める。 お互いに黙々と食べ、ほぼ同時に食べ終わる。 再び無言で合掌。 俺が皿をまとめて流しに持っていき、洗っている間に彼女が食後のお茶の準備をしてくれる。 洗い終わり、戻るころにはちょうど飲み頃となったお茶が注がれる頃だった。
一言礼を言って飲みながら、再び食事前の無言の時間が流れる。 時折聞こえるのは彼女がページをめくる音と、外から聞こえる生活音だけだった。
だんだん日も暮れて来た頃、読み終わったのかパタン、と本を閉じた。 それを合図にお互い立ち上がり、銭湯に向かう準備をする。 この部屋にも一応風呂場はあるのだが、湯舟は狭く、温度の調整も難しいのでゆっくりとするには向いていない。 だから俺たちはここから徒歩五分程度の銭湯によく行く。
準備を終え、玄関に放置してあるサンダルをつっかける。 今度は鍵をきちんとかけ、並んで歩く。
「まだちょっと熱いね」
「アスファルトの保温機能すごいよな」
「アスファルトで調理器具作ったらすごそう」
「重そう」
「鉄も重いじゃん。 なんであんなでかくて重いフライパン買ったの?」
「ロマンと実用性。 あれでチャーハン作るの楽しいよ」
「へー、今度作らせてあげる」
「おう、自慢せてくれ。 あれすごいよ。 フライパン振ってチャーハン躍らすやつ」
「あれ家庭用だと温度が低くなってチャーハンパラパラになりにくくなるんだって」
「……マジ?」
「ばーか」
下らない話をしていたら銭湯の看板が見えて来た。 入湯料三百円。 ぼr……、ふるぼけt……、趣のあるいでたちの見慣れたそれの暖簾をくぐる。 番台はいつものおっさんが新聞を読んでいた。 横目で俺らであることを確認すると、新聞をたたみ、こちらに向き直す。
「ようお二人さん。 いつもありがとうな」
「こちらこそ、いつも使わせてもらってます」
「こっちは商売だからな、今はどっちも人入ってないから貸し切りよ。 ごゆっくりどうぞ」
二人分の料金を払い、それぞれ分かれて入る。 分かれてと言っても脱衣所の仕切り壁は上のほうが開いているので音などは届く。
「今日はどうするの?」
と、向こうから声が聞こえる。 どう、とはサウナに入る回数の事だ。 ジェットバスに入り、体の疲れを取ってからサウナにこもり、水風呂で冷やす。 一旦脱衣所に戻り、体を落ちつけながら水分を補給する。 これを何回繰り返すのかと聞かれたのだ。 通常、男女は女性の方が風呂が長いと言われがちだが、俺たちの場合は逆だった。 ふむ、と数秒考え
「三回くらいにするよ」
と返した。
「分かったわ。 無理しないでね」
「はーい」
と、声をかけ、風呂場に入る。 番台の行っていた通りに誰もおらず、この大きな浴場を束の間だが独り占め出来ると考えると心躍る。 まずは全身を洗い、ジェットバスに向かう。 かけ湯で温度を確認しながら体を滑り込ませる。 瞬間、泡が全身を軽くたたきながらもみほぐしてくれるよな感覚に襲われる。 その気持ちよさに思わずうなり声をあげながら浴槽の端に体を預け、ぼんやりと天井を眺める。
そうこうしていると、向こうの方からも音が聞こえる。 流石に体を洗ったりというのは向こうのほうが長い。 スキンケアがどうのこうのと言う説明をこんこんとされたことがあるが、三分で理解を放棄した脳みそのデータバンクには何も残っていない。 少しだけ彼女の美しさの理由と世の中の女性の大変さを知った。
十分にジェットバスを楽しみ、よし、と浴槽から出、タオルを頭に巻き付ける。 そのままぺたぺたとサウナ室のドアへと向かう。 ここのサウナは温度がまちまちで、いくらでも入っていたくなる様な心地よい温度だったり、呼吸するだけで肺まで火傷しそうな時もある。 さて、今日はどれくらいかと中に入る。 顔に当たるは心地よいほどの温度。 今日のサウナは当たりの様だ。 お気に入りの場所に腰を下ろし、無心と化す。
そうして宣言通りに三回サウナを周回し、すっかり整った俺は自販機でスポドリを飲みながら受付の共用エリアに出ると、彼女がマッサージ椅子でくつろいでいた。 上気した頬を見るに、珍しく彼女も長湯したらしい。
「おまたせ」
「待ちたかったのよ」
そう言いながら椅子から立ち上げる。 待たせたお詫びに彼女の荷物を持ち、銭湯を出る。 もうすっかり日が暮れ、若干の暑さは残るものの、夜の涼しさが火照りを冷ます。
帰りも何か会話を振ってくるかと思っていたが、彼女は無言で俺の腕を取り、ぴったりと身を寄せてくる。 勿論、嫌どころか至福な気持ちに至れるので俺も少しだけ歩幅を緩める。
家に帰り、エアコンの風を浴びながら二人で並んでお茶を飲んでいた。 こうしている時も、彼女は俺に寄りかかって離れようとしない。 誘っているのだとは思うが、もう少し、この状況も堪能したい。
さて、どうしようかと考えていたら、今度はあぐらをかいている俺の足に乗っかて来た。 俺の背中に両腕を回し、胸に顔を押し当てている。
「…………」
「…………。 すぅー」
「おい、匂い嗅いだだろ」
「うん」
「恥ずかしいんだけど」
「お風呂入った後だしいいじゃない。 でも不思議ね、あんなに長い間お風呂に入っていたのにあなたの匂いがちっとも薄まってない」
「それ地味に傷づくんだけど」
「貶して無いわ。 あなたの匂い、好きよ」
好き、と言う言葉に体が少し反応する。 彼女は行動こそ甘えたな所があるが、あまりそれを言葉にする事は無い。 行為の時も、声が出そうになるのをシーツや時には俺の首筋に嚙みついて堪えている。 達する時に嚙まれた時はしばらくの間跡がとれなかった。 まぁそれも彼女の愛情表現の形と思えば嬉しく感じる。
そんな事を考えていると、彼女のスキンシップは激しさを増していく。 猫の様に俺に体を擦りつけたり、俺の耳を触ったり甘噛みしたり。 そうこうしている内に俺の方もだんだん準備が出来てくる。 彼女もそれを察したのか、顔を耳元に近づけ「エッチ」と囁く。
その一言で我慢が効かなくなり、彼女の両肩を掴んで敷いてあった布団に押し倒した。 彼女は「キャッ!」と軽く悲鳴を上げるが、抵抗せず押し倒されるがままになっている。 シャツを脱ぎながら、自分の体温がだんだん上がっているのを自覚してきた。 そして自分の股間にはもっと熱が集まっていくのも。
「そっちが誘ってきたんだろうが」
「あら? でも、あなたも期待していたんでしょ?」
と言いながら俺が昼間来るときに買ったコンビニの袋に手を伸ばす。 そこから取り出したのは俺が飲み物やらを買った時に一緒に買ったコンドームだった。
「ねぇ? 最初から私とヤるつもりできたのかしら?」
「否定はしない」
「あら怖い」
「今日は我慢できるか分からんぞ」
「嬉しいわ。 来て」
俺は彼女の唇にそっとキスを落とした。 最初はついばむ様な軽いキスを。 だんだんお互いに激しくなっていって唇を甘噛みしたり、お互いに舌を出し合って貪るような激しいものになる。
「はぁ……んはぁ……ん」
「あ……ん……っはぁ……」
合間合間にお互いの手が求める様に動く、髪の毛を撫で、耳裏を指でなぞり、首筋に軽く指を押し当てお互いの鼓動を感じる。
気が付いたら俺は彼女の乳房を鷲掴みにしていた。 彼女も抵抗せずに受け入れ、指で俺の胸板を軽く撫でている。彼女からの愛撫に我慢できなくなり、今までよりもっと深いキスを落とす。 上から彼女に覆いかぶさり、恥部に指を這わせる。
「んぁあ!」
ひと際大きな矯正を上げた姿により一層体に熱が籠っていくのを感じる。 焦る気持ちを抑え、優しく、丁寧にほぐしていく。
「っ……、あぁ。 ……っ!」
俺の指の動きに合わせて彼女の腰が浮く。 首筋に汗を垂らしながら俺の指の感覚を一心に感じている。 その中でもお返しとばかりに俺の股間に指を持っていき、なじるように集中的な愛撫を咥えてくる。
「んっ……ふっ、っはぁ……」
彼女に攻められて、だんだんと余裕がなくなる俺の顔を見て勝ち誇った顔になる。 俺を負けじと激しくしていき、ついに彼女が絶頂を迎えた。
「―――ああぁ!……あああぁ。 ……はぁ、はぁ…………ふぅ」
絶頂の瞬間は過ぎたようだが、まだ軽い波が来ているようで肩で荒い息をしている彼女に再び軽くキスを落とし、コンドームの箱に手を伸ばす。 そのうちの一つを取り出し、封を破ろうとすると、少し落ち着いた彼女の手で制される。
「お返し、してあげる」
今度は俺が下になる番だった。 彼女の方から積極的に攻めてくる。 彼女の巨乳と言うほどではないが決して小さくはない胸が重力で揺れう光景で興奮がさらに高まる。
しばらく俺の愛撫を続けられたから、再び俺の股間に熱が籠る。 それを見た彼女が俺にキスをもう一度してくれたのち、俺のペニスを手でしごき始めた。
先端を軽くカリカリとかいたり、竿を握りしめて上下にしごいたり、俺の反応を見ながら俺のペニスにまるでもてあそぶ様に刺激を加える。
亀頭から我慢汁が溢れてくる。 彼女は俺のペニスを愛おしげに一撫ですると、舌でチロチロと舐め始めた。 指の時以上の刺激を感じつつ、ただ彼女の奉仕を感じるがままになっている。
カリに舌を這わし、裏筋を舐め上げ、最後にペニスを咥え上げた。 喉奥まで届くようなディープストロークに一気に限界が訪れる。 肩を軽く叩いて限界であることを伝え、彼女を引きはがそうとするが、彼女は俺の背中に両腕を回し、さらに深くまで咥え込む。
「いっ!? ちょ、まっ……あっ」
喉奥まで咥え込まれた刺激で限界を迎える。 腰からの痺れの様な感覚と共に射精を迎える。
白い欲望を彼女の口内にぶちまけた事の多少の罪悪感と多量の幸福感でしばらく放心する。 彼女にテッシュを差し出すと、彼女は無言で首を振り、まだ上手く力が入らない俺の首に腕を回し、顔を近づけてくる。 いやな予感がし、逃れようとするも体重をかけられていて逃れられない。
「い、いや……。 それは流石にちょっと……」
「………………ん」
上目遣いで唇を突き出した顔に暫く迷ったが、諦めて彼女とキスをする。 舌と共に俺の出した精液が流れ込んでくる。
たっぷり俺を嬲った後、彼女はようやく解放してくれた。
「はぁー、最悪」
「あら、出したのはあなたでしょ?」
「そうだけどさぁ……。 よくこんなもん飲めるな」
「あなたのだけよ」
愛おしい彼女にそんな事を言われて喜ばない男はいないだろう。 出したばかりであるのに再び股間に血液が溜まっていくのを感じる。 勿論、それに当然彼女も気づき、再び手淫で軽い刺激を加えてくる。すぐに戦闘態勢になったペニスにコンドームを被せてくれる。
俺に腕を回して布団に倒れ込む。 再びハグをしながらキスをお互い啄む。
「なぁ……もう」
「ええ、良いわ。 来て」
その言葉に俺のペニスは一気にいきり立ち、彼女の中に入りたいと主張している。
彼女の許可を得たペニスはもう自制が効かない。 俺自身も止まることが出来ずに彼女の中に挿入する。
「んっはぁ!」
挿入された彼女は腰を仰け反らせて絶頂を迎えた。 彼女は達したと言う弱みを見せないようにと必死にしている。 表情を悟られないように顔を俺の耳元までもっていき、荒い息を吐きながらも全身で俺にしがみついてくる。
「……っはー、っはー」
肩で荒い息をしているが、俺を離すまいと抱きしめる。
お互いに軽く荒い息を整えながら彼女の膣内で落ち着くのを待つ。
「大丈夫よ、動いて」
「大丈夫か?」
「相変わらず優しいのね。 いつも私を気遣ってくれる、動きたくてたまらないのに」
腰を動かして俺を煽る。 でもね、と俺の頬に手を添えて彼女は続ける。
「あなたが私を愛しているように。 私も同じくらい、それ以上に愛している」
愛している。 その言葉に全身を跳ねるような感覚が襲う。
「めちゃくちゃにして頂戴? 私をあなたのものにして」
そこから先にいたのは理性を失った二人の獣だった。 一心不乱に腰を打ち付ける雄と、その下で組み敷かれて嬌声を上げる雌だけだった。
腰を打ち付ける度に内臓を押し上げられるが、その感覚さえも快感と感じているかのように女は男に合わせて腰を振る。 男もそれに合わせて少しでも己の欲望を奥にと腰を押し付ける。
射精感が迫ってくるにつれて、男の腰の動きが早くなる。 女もそれを察して男を強く抱きしめる。
「お願い、来てっ!来てっ! ちょうだいちょうだいあっ! イク! イクイクイクあぁ!」
女が達し、膣内が締め付けられた事で、男も達した。 白濁の欲望をぶちまけた男は疲れ尽きたように女の上に倒れ込む。 女もそれを受け止めて頭を撫でる。 二人とも繋がったまましばらくの間放心していた。
ようやく収まった自分のペニスを彼女の膣内から取り出す。 勿論、精液の詰まったゴムが残らないように慎重にだ。
「今日は、えらい積極的だったな。 なんか良い事あったのか?」
抜いている間の間を持たせるために適当に話題を振る。 彼女は俺が抜いている様子を眺めていたが、俺の質問に柔らかく微笑みながら答えた。
「ううん。 毎日良い事ばかりよ。 特に貴方が来てくれた日は」
相変わらずやる事やった後じゃないと素直な愛情表現をしてくれない。 平時でもこれくらい素直でいてくれたらいいのに。
「今なにか失礼な事考えていなかった?」
「まさか、お前はいつも可愛いなって」
適当に誤魔化したが、思いのほかクリーンヒットしたらしい。 「……そう」とつぶやいて真っ赤になった顔を俺から背ける。 その姿が可愛くて耳を甘噛みすると「ひゃう!?」とこれまた可愛い声を上げる。 どうやらまだ絶頂の余韻が残っているらしい。
「なにするのよ」
「ごめん。 可愛かった」
「……それ言えば許されると思っているのがムカつく」
「悪かったって。 風呂いれるけど先入る?」
そう言いながら両腕を突っ張り立ち上がろうとすると、下から彼女の腕が回ってくる。 疑問に思う間もなく、布団に沈められると、今度は俺にまたがった彼女がコンドームを破って俺を見下ろしていた。
「今はまだいい……どうせ今いれてもぬるくなるし……」
「……そうだな」
結局俺たちが二人で風呂に入ったのは深夜を回っていた。
「……なぁ、やっぱりこのアパート不便じゃないか? 駅から遠くて治安も良くないし、風呂は狭いし」
「駅から遠くて静かよ。 治安はいつもあなたがいてくれるから安全だし、湯舟が狭いとあなたとくっつけるし」
ああいえばこう言うとばかりに言葉を返す。 しかし、今までの言葉は本命を言うための布石だった。 しかし、その言葉を言おうとしても喉に詰まって出てこない。
彼女と同棲したい。 愛しい彼女の唯一になりたい。 そう思い言葉を出す。
「……結婚しよう」
勢いあまって一足飛びで求婚してしまった。 あまりにも突然なプロポーズに彼女も俺をみて驚愕している。 流石に求婚は早い。 訂正しなければならないと急いで訂正しようとする。
「……えっと、今のは…… んぐ!?」
急に彼女が俺にキスしてきて二の句が継げない。 彼女は俺に抱き着きキスをしたまま動かない。 俺も手持ち無沙汰な両腕を彼女に回す。
長い長いキスをようやく離してくれた彼女の頬は、涙でぬれていた。
「はい。 受け入れます。 私も、あなたと結婚したい」
俺が早まったとはいえやってしまったプロポーズを涙を流しながら受け入れてくれて、嫌なわけがない。 まあ、いつかはこうなるだろうからと思い、今後の予定を頭の中で予定を組み立てる。
「……まぁ、じゃあ。 これからもよろしく」
とりあえずは彼女の……、いや、婚約者の生活習慣をただす所から始めるかと思いながら、彼女をもう一度抱きしめ、口づけをした。