ベッドの周りには二人の脱ぎ捨てたガウンが転がり、当初部屋に入った時に丁寧に施されていたベッドメイクはもう見る影もない。備え付けのくず入れには乱雑に丸められたティッシュがいくつも入れられている。
悟とアルベドだけの世界がそこにはあり、肉欲と愛欲が止まることのない二人は互いの唾液を求めキスを交わし、互いの身体を貪るように舐め合い、汗と愛液と精液が入り交じった液体が互いの股間を濡らしその独特の匂いが二人の興奮をさらに掻き立てる。
アルベドは悟の腰の上で、髪を振り乱し、乳房を揺らして腰を振る。ときに優しく、ときに激しく。上下のピストン運動だけではなく、前後に腰を振ることでアルベドの膣内で悟のペニスが暴れまわる。
「はぁんっ、はあんっ、悟様っ、悟様っ!」
アルベドは何度も悟の名前を呼びながら腰を振る。今日だけで何度出し入れしただろう。今日だけで何度射精をしただろう。それでも尚、アルベドの膣内は貪欲に悟のペニスを飲み込み、締め上げて射精へと導く。アルベドは口内で、膣奥で射精をするたびにその肌艶は明らかに増し、水を得た魚…もとい、精を得たサキュバスはこんなにも美しく輝くものなのかと悟は改めて感激する。
悟は上半身を起こし、アルベドを抱え込み対面座位の体位へと変更していく。アルベドは悩まし気に腰を動かしながら悟の要望に応える。
悟の上半身が起き上がってくるということと、アルベドの顔に悟の顔が近づいてくるのとは同義である。アルベドがその状況下でキスを我慢することなどできるはずもなく、悟の額、瞼、鼻、頬、上唇、下唇、顎と絶え間ないキスの嵐を降らせてくる。
「悟様っ、悟様っ、愛しております。お慕い申しております。ずっと私が御傍におります」
悟はそんなアルベドをすっぽりと抱えるように抱きしめてやると、アルベドは腰を絶えず動かしながらも悟の名前を呼んでくる。
悟も腰を動かすとアルベドは甘えたような甘い声を出して身をよじる。
「はぁっ、はぁっ、あんっ、あんっ」
そんなアルベドの耳元で悟は優しく問いかける。
「アルベド…そろそろ教えてくれないだろうか?」
「そんなっ、私のイった回数までご配慮いただけるのですか?」
悟は少し苦笑いをして、首を振って否定する。
「アルベド、わかっているのだろう?茶化さないでおくれ」
「もう…ドキドキをもうすこしお楽しみいただければと思いましたのに…」
「責任とか…人間の姿だと、色々とよぎる瞬間がな。アルベドの身体を大事に考えているのだと理解してほしい」
悟の生きてきた時代の影響もあったのだろう。社会の影響もあったのだろう。
世界的に人口は爆発的に増え続け、各地の土地はやせ細り食料の生産はどの国も逼迫。ただでさえ国土の小さな日本では、政策で迎え入れた外国人労働者によって日本人はどんどんと隅に追いやられた。正確には金持ちは外国人労働者を使って金を儲け、人件費の高い日本人は忌避されて職を失っていった。
その結果、日本は東京の片隅に旧香港に存在していた九龍のような『非正規でしか仕事ができない』日本人が集まって生活する場所が出来上がり、何の保障も、何の補助もない国から見捨てられた日本人地区が完成した。
悟はそこで生まれ育った。戸籍がきちんとあったのかすら知らない。ただ、両親は自分の事をきちんと愛してくれたし育ててくれた。小学校までとはいえ、学校にも行かせて卒業させてくれた。自分で働くようになって分かったのが学校へ通う事の高額さ。小学校卒業というだけで仕事にはかろうじてありつけた。しかし、日々を生きるだけの額しか稼げない自分の手のひらを見ながら、亡くなった両親の度量と努力と愛情にただ感謝する。そして自分が家庭を持つことの困難さと、まだ見ぬ最愛の人への申し訳なさで押しつぶされそうになったのは二度や三度ではなかった。
そんな悟からすれば、アルベドに対して出来る限り紳士的に…今の悟の、モモンガの、アインズのできること全てを用いて守りたいと思うのは当然だった。
「ニグレド姉さんが説明しているのかと思っていましたが…悟様のご様子を見る限り、それすらも姉さんは省いてしまったのですね」
ふうとため息を吐いてアルベドは少し実の姉にあきれる。
(子供欲しさに『サキュバスの子供の作り方』をお教えするのをすっかり忘れましたね…)
「悟様、私共サキュバスの子の成し方は基本的に性交なのは変わりません。ただし条件がいくつかあります」
「人間女性は定期的に排卵するというが…」
アルベドは首を振って否定します。
「人間よりも、私共サキュバスは性に特化しております故…もっと具体的な条件なのでございます」
アルベドは人差し指だけをたてて悟に見せる。
「ひとつめ、サキュバスが認めた相手であること。これは悟様の場合はクリアされております。うふふ」
アルベドは更に中指を続けて立てる。
「ふたつめ、射精の直前にきちんと『孕め』とご命令いただくこと。これは殿方からの命令です。それをサキュバス側が受諾いたしますと、この下腹部に淫紋が浮かび上がります」
アルベドは続けて薬指をたてる。
「これが最も重要なのですけれども…淫紋を描かれたサキュバスは、その相手からしか吸精が出来なくなります。他の者の精は毒として身体が拒否反応を起こし死に至ります。よってその相手には絶対服従を誓うのです」
「例えば…例えばだ。今、私はアルベドの膣内に挿入しているな?」
「左様でございますね」
「もうすぐ、射精しそうだとしよう。仮にだが」
「はい、私が腰の動きは基本的に止めておりませんから」
アルベドは涼しげな顔で答える。
「射精直前に…『孕め』と言ったら…言ってしまったら…」
「孕みます。淫紋が浮かび上がります」
「責任重大じゃないか!」
慌てる悟を見て、アルベドは可愛らしく微笑む。
「魔導国の王たるアインズ様が、ナザリック地下大墳墓の支配者であるモモンガ様が、至高の四十一人の中でも、最高位の貴方様が、そして私がこんなに愛している悟様が何の心配をなさるというのですか?」
「だって、子供をアルベドに…」
「悟様にお伺いいたします。とってもズルい質問を致します」
アルベドは悟の両頬に手を当てて、視線をしっかりと合わせて悟へと問いかける。
「は、はい…」
「悟様は、私の事を愛してくれてはいらっしゃらないのですか?」
「アルベドの事…好きだよ。愛している」
その答えを聞いて、アルベドはにんまりと笑う。
「それであれば何も問題はないではないですか。傍付きの女に子種を仕込んだ。それだけの事でございます。王ならば普通にあり得ることと存じます」
そんなものなのだろうか。そんなことをしていいのだろうか。大丈夫なのだろうか。
「悟様は…どこぞの田舎貴族のように、私が孕んだら一時の気の迷いだと、はした金を渡してナザリックを追放されますか?」
「そ、そんなことをするわけがないだろう!」
「では、悟様は私を性欲を満たす道具としてだけ、ご利用され続けますか?」
「そんなこと…できるわけないじゃないか…」
「そうなると残るのは、魔導王として側室か正妻の座を与えるくらいになりますが…」
「アルベド以外に…正妻として…迎える気はないよ…」
悟は力なく答える。アルベドはようやく腹を決めた…いやアルベドの誘導によって決めさせられた悟を満足そうに見つめる。
「では、悟様。孕ませてはいただけませんでしょうか?」
これまでのどんな声よりも艶っぽく、色っぽく、アルベドは悟を誘惑する。アルベドはゆっくりと上半身をベッドへと倒し、体位を正常位へと変化させる。
アルベドは悟に向けて両腕を伸ばし、もう一度囁く。
「悟様、このアルベドを孕ませてくださいませ。悟様だけのものにしてくださいませ。私の覚悟はもうできております」
その言葉を聞いた悟は、アルベドに覆いかぶさり腰を振る。
「ああっ、アルベド。好きだよ。大好きだよ。愛している。愛しているんだっ!」
「あんっ!あんっ!激しゅうございます。気持ちいいです、悟様っ!」
悟はアルベドの膣内をペニスでこすり上げて、子宮口に力いっぱい当てるという射精するためだけの行為を一心不乱に行う。
両腕をアルベドの背中に回して、アルベドと自分の間には何の隙間もないように。
「んんっ!おっきいっ!悟様のおち〇様ぽ、またおっきくなってますっ!」
アルベドも細かく腰を動かし、悟の射精を促す。
「アルベドっ…そろそろっ…」
荒い呼吸と共に悟は限界が近いことを知らせる。
「あんっ!あんっ!ご命令くださいませっ!くださいませっ!」
「孕めっ!孕めっ!俺の子を孕めアルベドっ!」
「はいっ!はいっ!孕みますっ!孕みますっ!悟様の精子で孕みますっ!」
悟はアルベドの子宮口にぴったりとペニスの鈴口をつけて射精する。とめどなく精子が尿道を伝ってアルベドの子宮を満たす。アルベドの卵子を目掛けて精子たちが一斉に泳いでゆく。
アルベドは射精に合わせて腰を大きく跳ね上げて、ビクンビクンと絶頂に達する。
「イグぅ…悟様精子でイグぅ…悟様精子で孕むぅ…」
息も絶え絶えになりながらも、アルベドはしっかりと悟を抱きしめ離さない。
そんなアルベドの耳元で悟が囁く。
「愛しているよ、アルベド。元気な子を産んでおくれ」
その言葉を聞いたアルベドは、一筋の涙が頬を伝うのだった。
すみません。
すっかり10/1に更新するのを忘れてました。
次回更新は10/8の19時と土曜更新に戻すつもりでいます。