アルビノロリ修道士+α 露天風呂 陵辱 NTR 純愛 その他タグ追加は執筆次第全部のせ 作:卵化けごパン
窓から斜光が差し込むテーブルの上でまだ淹れたばかりのコーヒーがサーバーから湯気を登らせる。
そんな窓際の席に座り銀色のマグカップを片手に香りを楽しむ白髪の美少女は、部屋へと押し掛けた不審者を怪訝そうに見つめるこちらへ視線を合わせると人懐っこそうに目を細めてみせた。
「良かったら私と一緒に、珈琲を楽しまないか?
じつは先ほど私が淹れたばかりなんだ。よりをかけたは良いものの、温かいうちにとなるとひとりではとても楽しみきれない量と気付いてだな……なので良かったら、なのだが。」
「い、いえ。俺は大丈夫、です。」
突然と部屋に押し掛け我が物顔で窓辺を占領した、初めて会うはずの純白の修道士。俺はなぜか不思議と敬語で返事をしていたのが、その少女との出逢いだった。
「
「ああ、エーデルワイス様みたいな名前が普通って言うと、そうなのかもしれませんね」
その少女は名前をエーデルワイスと言った。俺にとっては勝手に部屋に押し掛けてきた不審者以外の何者でも無かったんだが、この子どもみたいな姿の彼女は少し前から親交のあった修道士の女の子の上司……らしい。
周囲の人が噂する限りでは、なぜか王都の教団に紛れこんで修道士として生活している、他の修道士とは違って真っ白に金の刺繍が施された修道服で身を包んだ少女。
その普通とは到底言えない珍しい白髪や赤い瞳の姿には教団からも色々な噂が立っているみたいだった。
ただ当の本人はそれらをあまり気にせず、初めて会った時のような自由奔放さで教団の修道士たちが住んでいる王都の大聖堂居住区と呼ばれる大層な場所をふらついては、暇つぶしに俺を見つけて話しかけてくる。
そんな俺から見てエーデルワイスは、その幼い姿にも関わらずかなりよく出来た人に見えた。
「最近、不便なことは無いか?
どんな事だろうと溜め込むには限界というものがあるのだからな、小さくとも気になるのであれば試しに言ってみるといい。
これでも私はシスターだ。悩み事を聞くことにかけて私の右に出るものはそうそう、居ないぞ?」
「それ、自慢されても凄さがよくわからないんだが……」
「ふふ、シスタージョークという物だ。さて、話を戻せば悩みを言葉にするだけでも意外と不満のストレスとは解消されるものなのでな、レイくんは何か不自由があっただろうか?」
「いえ、お陰さまで。快適に暮らせています。」
「そうか、それはなによりだ。
…そうだ、そろそろティータイムの珈琲を淹れなければならない時間になってしまう。レイくんも一緒にどうかな、今日は美味しいクッキーの用意もあるぞ」
「だったらせっかくなので今日は、お言葉に甘えます」
「うむ、私も独りで楽しむのは物寂しいと思っていたのでな。今日は腕によりをかけて珈琲を振る舞うとしよう」
かなり良くできた、って言うのは性格だけじゃなくて。その小さくひ弱そうな見た目からは想像できない剣技の腕前も含んだ言葉だった。
「……ふっ、……は…っ」
仮住まいとして住んでいた大聖堂の建物の中に作られた中庭では、小さな呼吸と木剣が空気を裂く音を響かせていた。
偶然、夜中に中庭と隣あった廊下をとおりがかったときに窓からエーデルワイスの姿を見つけた俺は、満月の光で照らされる少女の真剣な表情と綺麗な剣の型に目を奪われた。
剣を振るう少女のなびく白髪が僅かな月の光を反射して輝かせ、修道服のスカートについたフリルは剣の型をなぞるようにひるがえる。
修道士が剣術を鍛錬するなんて姿を見たことはこれまでに無かったが、それらの
そのあまりの美しさにエーデルワイスが型を解いてこちらにふっと微笑む瞬間まで、廊下に佇ずんでいる俺の存在を分かっていたことに気付けなかった。
微笑む少女に手を招かれ、中庭へと出ると庭の隅で用意されたベンチに座って星空を見あげる少女と会話した。
「なんでエーデルワイス様は剣の鍛錬を?」
「ああ……それは、だな。」
そうやって言いよどむ少女の姿は、俺にとっては珍しいものだった。あまり見かけない白い兎みたいな姿とは裏腹に少女は親しみやすく、なんだかんだ噂が立つ修道士たちとも背丈の差を埋めるために背伸びしながら会話している姿をよく見かけたりといつも誰かが彼女の近くには居た気がして、会話に慣れてる印象だったから。
少女は辺りを見回して他に誰もいないことを確認してから、小さな声で俺に問いかけた。
「教えても良いが…絶対に笑ってはならないからな?」
「いいですよ、これでもにらめっこには自信がありますから。」
「……そうか? ならば安心して話せるが、実はだな。
私はむかし……『勇者』に憧れたことがあったのだよ」
「ふ…っ」
「わ、笑ったな……!?」
「いえいえ、全然…っ」
少女が喋った言葉の全部が冗談なんじゃないかって思うくらいすべてがあべこべな理由だった。だって目の前の、俺よりも幼そうな修道服姿の少女が昔、勇者に憧れたのだ…って。
それを至って真面目そうな表情で目の前の女の子は言うものだからつい、笑い声を隠せなくなった俺を彼女がその赤い宝石みたいな瞳で睨んでくるまで、それなりの時間を笑い続けてしまった。
「ごめんなさいって、エーデルワイス様。」
「この、大嘘つきめ……」
「でもなんで、勇者にならなかったんですか?」
「ふん、嘘吐きには私も嘘でしか言葉は返してやらん。それでも良いなら教えてもやるが?」
「嘘吐きますよ、はいそうですかって、言う訳ないじゃないですか……」
「ではこの話はもう終いだっ」
そういって少女は月明かりの差す中庭から俺に背を向けて小さな歩幅で駆け、室内へと帰ってしまう。今さらエーデルワイスに言っても信じて貰えないかもしれないが、本当に笑うつもりは無くて、結果として怒らせてしまったんだ。
そんな少女を次の日に街中で見つけたとき、彼女は昨夜のことなんて忘れたようにその大きな振袖のついた修道服の腕を振ってきた。
「…ーい、おーい、レイくんっ!!」
「エーデルワイス様……?」
こちらに向けてらしくない大声で両手を振ってくる少女の傍らには全身に鎧を着込んだ、たまに街中をパトロールしている姿を見かける騎士が。
なにかあったのかと近付いて見ると、騎士はそのフェイスガードの中から覗かせた顔をしかめた。
「貴方が、この子の保護者さん?」
「いや……」
「そうだ、私の保護者がこいつだ。そうだろう、
「え、ああ…はい……」
俺は理不尽にも小さな子どもから目を離さないようにとそれなりの時間叱られ、その後も結局、エーデルワイスの『私のような小さな子どもを放置するつもりなのか』という暴論によって彼女の散歩に付き合わされ、今はカフェの席に座らされると彼女の言う言葉で頷くままにオーダーが進んでしまった。
「さっきはすまなかったな、レイくん……ではなくお兄ちゃん、だったな?」
「かっ、からかわないでください…」
「これこそ
さて、今日は皆が手を離せないと言うので一人で街に出てみたのだが…あのような事になってしまったのだ。」
「まぁ、俺もエーデルワイス様みたいな人が一人だったらまず迷子を疑いますね……それはそうと、目の前にあるこれは?」
「見ての通り、アップルパイだろう?
先ほどの礼がまだだったと思って、ここのアップルパイは美味しいのでな。
生地の焼きたてゆえの食感、砂糖で煮詰めた林檎の甘さを最大限に引きたてる絶妙な酸味、そして珈琲の奥深い苦み。この全てが楽しめる料理は他に無いだろう?」
たしかにそこには焼きたてのアップルパイの、綺麗な網目の生地がカフェの優しい灯りに照らされて美味しそうな光沢感を放っている。しかし……
「だからってひとりワンホールは多すぎたんじゃ……、もうすぐお昼なんですよ?」
「私は、これがお昼ご飯のつもりだったのだが…」
お菓子好きのちびっ子か。
思わずそう突っ込みを入れたくなる彼女の性格はどことなく老成していそうだったり、かと思えば目の前にいるリスみたいに大口でアップルパイを頬張る少女だったりと。
その二面性のある姿に思い描いたのは少女の名前でもある、エーデルワイスの花だった―――
「植物の本……」
教会関係の蔵書が並ぶ、大聖堂の図書館で気の遠くなりそうな量の本棚の中からわずかな記憶を頼りにその本を探した。
「あった……」
その本を手に取った理由は、背表紙に書かれていた『伝承の花』の一文。地域ごとにまとめられていた花にまつわる伝承のなかに、俺は聞き覚えのあるその名前をすぐに見つけることができた。
『天使の花 エーデルワイス
その日、登山家の男が山の峰で目にしたのは美しい女性だった。女性はただ気まぐれで人の生活を見てみたいと地上に降り立った天使さまだったが、偶然にも居合わせたその男は天使さまに一目惚れし、叶わぬ恋をしてしまった。
やがて時が経ち二人の仲が深まった頃。男の想いに対して彼女は自らが天使であることを打ち明けると、叶わぬ恋を悟った男は天使さまにこう言いました。
「願いが叶わないのならせめて、この苦しみから解放してほしい。」
天使さまはその想いに応え、男のために一輪の花を残していきました。そんな伝承とともに山の嶺に咲く花の名前こそがエーデルワイスであり、花言葉には『大切な思い出』という意味が―――』
伝承の文字の傍に描かれたその花の絵は、蓮を思い出す小さな黄色がいくつも密集した花の中心部や、カイコの繭みたいな白くもこもことした葉っぱ。
その白い花の不思議で、不気味にも見える姿が少女に似ている気がして、ここまで本を探しに来てしまった。エーデルワイスの見た目相応に子どもっぽい姿と、落ち着いた表情で見せる大人びた微笑。彼女の二面性はこの花とそっくりだと、そう感じてしまったんだ。
そんな不思議な少女がなぜ俺の居た部屋に押し掛けてきたのか、その理由はすぐに判明した。
「ようやく準備が整いそうなのでな、現状の確認も含めて呼び出させて貰った。そちらの準備は充分だろうか?」
「はい、何時でも大丈夫な状態です。」
「そうか、ならば本題といこう。レイくんの方で預からせているその聖剣の核。聖剣ではあるものの然し、まだその刃がない訳だ。我々の目的とはその刃を鍛える指折りの鍛冶師を探しに隣国へと向かうこと。
しばらくの長旅となる事なのでな、準備は周到に済ませたが予定通りには行かないこともあるだろう。その上で
俺の隣に立つ同い年くらいの修道士の女の子と顔を合わせて、彼女が力強く頷く勢いのある姿を見て少女は小さく微笑む。
修道士の女の子二人と国境をまたいで向かう帝国アークへの、聖剣の修復を掲げた長い旅が始まろうとしていた。旅には様々な苦難が伴うかもしれないが、本当に、想像もしなかった出来ごとが俺を待っているなんて―――