「あっ♡ あっ♡ あ♡ だめ♡ あっ♡」
大雨が降る狭い電話ボックスの中で俺と結城さんはお互い向かい合って立ったままセックスをしていた。AV知識だがこれが対面立位という奴だろうか。
結城さんが足を閉じた状態で立ち、そして俺は彼女の中に何度も出し入れをしていた。恋人繋ぎで手を握り、残った手はお互いの腰に添えていた。
「あんっ♡ あんっ♡ あっ♡ んっ♡ いっ、うぅん♡」
彼女は目を瞑り口を開けながらだらしない顔をしていた。押し寄せる快楽の波に逆らわずただひたすら気持ちよさそうにしていた。
彼女は本当にセックスそのものを楽しんでいた。正直俺よりもだ。
男女の営みはもっと神聖なもので恋人や夫婦同士以外でやるのは忌憚としている人もいる。いや、忌憚して当たり前だしそれが普通だ。
ただ、彼女を見ているとそれだけではない様に感じる。難しい事は考えないでもっと気持ち良く楽しもう。喘いでいる彼女がそんな事を言っている気がした。
セックスは恋人とだけにする。桐ケ谷は知らないが少なくとも結城さんはそういうタイプの人かと勝手に思っていた。お嬢様だしもっと大人しい…、ベッドの上での優しいセックスが好みだと勝手に思った。
でも目の前の彼女は楽しそうに、気持ちよさそうにセックスに溺れている。下手くそにしている童貞野郎が相手でも彼女は乱れてくれている。俺はそんな彼女をもっと気持ちよくさせたいと思いさらにピストンを速めた。
「あんっ♡ あっ♡ あっ♡ ぅん♡ お♡ あっ♡」
正直に言うともう出そうだった。でも先ほどと違いあまり不安な気持ちはなかった。今更俺がどんな無様を晒しても彼女なら受け止めてくれるだろうという安心感があったのだ。
「ごめん、そろそろ…」
一言あやまってから射精する為にちんぽを引き抜こうとした。すると腰に添えてあった彼女の手に力が入り後ろに下がる俺を引き留める。
「ぃ、いぃ。中で、いい」
中。中出ししていいってこと? それはさすがに不味いんじゃ…。一瞬迷ったがもう射精しそうなので結局慌てて引き抜こうとしたが腰に添えてあった彼女の手に力が入り、恋人繋ぎしていた手を引っ張られて強引に俺を引き寄せた。
「…あ」
体が密着した瞬間俺は耐えられなかった。
結局離れるのを間に合わず俺は彼女の膣内に思いっきり中出ししてしまった。
「う゛んっ、ん゛ん゛っ」
結城さんは目を瞑りながら全身を小刻みに振るわせていた。今思ったけどこれはもしかして彼女はイっているのか?
アクメする時はイクって言うらしいが彼女は言わないだろうか。それよりも腰にあった彼女の手が力を抜けたので俺はゆっくりとちんぽを引き抜いた。
「あん♡ …はぁ、はぁ、…ふふ、あったかい♡」
引き抜いたと同時にまんこから大量の精液が溢れ出た。
彼女の膣口から出てくる白い液体を眺めていると性的興奮を感じると同時に罪悪感と恐怖感に襲われた。そりゃそうだ。いくらセックスが気持ちいいからって学生の身で妊娠させるリスクは本気でびびってしまう。
だというのに目の前のこの人は他人に中出しされて喜んでいる。度胸があるのか、あるいは単なるセックス狂いなのか。いや、セックス狂い呼ばわりはさすがに言いすぎか。
それにしても俺はどうやら童貞を捨てても心は童貞のままのようだ。
「本当に良かったの?」
「はぁ、はぁ、…うん。今日は安全な日だし大丈夫だから。それにアフターピルは持ってるし平気だから気にしないで」
思わず胸を撫で下ろした。
どうやら彼女は妊娠に対する備えはバッチリだったようだ。…いや、経験者だから当然の心構えだったとでも言うべきか。
むしろ本来この手の避妊準備とかは男のエチケットだった筈なんだがなぁ。コンドームの一つも持っていない自分自身を思わず恥じてしまった。そういえば今更だけどずっと生でやってたな俺。
俺は少し疲れてしまったのでガラス張りに後ろから凭れ掛かった。
以外な急展開だったとはいえ俺は今日『あの』結城明日奈とセックスした。してしまった。本来桐ケ谷和人以外の人は絶対に触れられない高嶺の花に俺は手を出してしまった。誘惑したのは向こうだけどヤってしまったことに変わりはない。
本当に何でこんなことになったんだろう。ずっと憧れてて普段は遠目から見ていただけに今日の彼女はいつもの振舞からのギャップが激しすぎる。
理由とかはあるのだろうか。欲求不満とか、或いは単にムラムラしていただけとか。いや、仮にそれらが事実だったとしても軽々しく彼氏でもない赤の他人にセックスなんかさせるものなのか? そこは普通に桐ケ谷が相手をすればいいだけの話だし。
…マジで桐ケ谷はどこまで知っているんだ? それとも知らないのか。何も知らないならこれは浮気ってことになるのか? あるいは知ってて結城さんを泳がしているのか? いや知ってたらそれはそれで別の意味でやばいが…。ていうか浮気なら俺もやばいのか? やばいだろうな…。最悪あの二刀流でバラバラに殺されそう。
「うーん…」
答えのない疑問に頭を悩ませながら唸っていると放置していた結城さんが俺に抱きついてきた。押し付けてるおっぱいが柔らかくて気持ちいい。
「ねぇ、…まだ、いける? いけるよね?」
俺の胸板に頬擦りしながら膣口から溢れていた精液がかかった足を俺の足に絡めながら何度目かの誘惑をする。これじゃあ結城さんただのサキュバスだよ…。
「…うん、たぶん、まだいけると思う」
正直滅茶苦茶疲れているが俺の意思に反して男性器が変わらずそそり立っていた。彼女は上を向いてるちんぽの先端を何度も人差し指でツンツンとゆっくり突きながら上目遣いで俺を見ていた。正直可愛い。結城さん超可愛い。
俺はこの時、身も心も抗うことを諦めてしまった。
ーーー
ーー
ー
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか。
外の雨は少しだけ勢いは弱まったが俺たちの行為はまだ終わりが見えなかった。今俺は床下にガラス張りを背に座った状態で彼女とセックスしていた。
疲れて足腰が動かなくなった俺の代わりに彼女が動いてくれている。その細い両腕を俺の首に回しながら激しく上下に体を動かす。
「あっ♡ あっ♡ うんっ♡ はっ♡」
俺は何も出来ずただ座って眺める事しか出来なかった。
目を瞑りながら気持ちよさそうにしている彼女の顔。キスしたくなるような瑞々しいプリプリの唇。服越しでも大きいと分かる上下に揺れるハリのあるおっぱい。水と汗で濡れて輝いてる栗色の髪。
美しい。そんな感想が頭から出た。そう、彼女の体その全てが芸術品のようで美しかったのだ。
「ぅん、ん゛ん゛っ」
結城さんの体に見惚れている間にどうやら彼女はまたイってしまったようだ。
果てた後はまるでナマケモノのようにゆっくりとした動作でまんこからちんぽを引っこ抜き、そして背を向いた。
扉に胸を押し付けて手を付きながらお尻をこちらに向ける。俺も彼女と同じくゆっくりとした動きで無言のままちんぽを挿入した。
「ぁ♡」
何とか入れたのはいいが本気で疲れているのでピストンの動きまでもがゆっくりだった。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡」
まるでやる気を感じない遅いピストンでひたすら腰を振っていたが彼女はそれでも気持ちよさそうにしていた。これで機嫌を悪くさせてしまったらどうしようかと思ったが杞憂だったみたいだ。
ていうか今気づいたけど地味に俺ってスローセックスが好きかもしれない。ゆっくり前進すると射精感が込み上げ、下がると背中に電流が走るこの感覚、凄くゾクゾクするな。
「ぁ♡ぅん♡ あ、もっと…」
俺はペースを維持しつつ動いていたが少し腰が痛め始めたので一回姿勢をまっすぐ正した。セックスって思ったよりも凄く疲れる。
「あ♡ それ、好き♡」
………え?
何が? と一瞬考えてしまった。もちろん腰の動きはそのままで。
「ねぇ、そこ気持ちいい♡」
…失敗した。一人の男として見落としをしてしまった。
この時、経験豊富な男なら瞬時にそれに気づいて『そこ』を攻めるだろう。が、今日童貞を脱したばかりの俺にそんなことが分かるはずもない。
まぁ、ようするに俺は結城さんの弱点、つまり彼女が気持ちよくなれるポイントを完全に見逃してしまったのだ。ちくしょう。
だが慌てない。俺も学習してるのでとりあえず慌てないようにする。冷静にさっきの動きを思い出しながら膣内を探った。完全に手探り状態だからかなり苦しい。
「あん♡ そっ、のまま、ぅ゛ん、擦って♡」
ここがいいのか?
悪戦苦闘しつつも何とか見つけ出せた彼女の弱点。どうやらカリ首で後ろをかくのが好みだったようだ。
腰を少し痛めた時に姿勢はまっすぐにしたことでたまたま彼女の気持ちいい所にカリ首が擦って当たったらしい。とりあえず見つけたことに安堵し胸を撫で下ろしつつ要望通りに動いてみる。
「はぁ♡ あっ♡ はぁ♡ はっ♡ ん♡ やだ、それっ、気持ちいい♡」
本当に気持ちよさそうっすね。まるで天に上るような気持ちで彼女は幸せそうにしていた。
ふと、俺のでこんなにも気持ちよくなってくれるなんて思わず考えてしまう。『俺』で気持ちよくなっててくれて初めて芽生える優越感を感じる。まるで王様にでもなった気分だ。
でも俺は直ぐに頭を振ってそれを否定する。
勘違いしちゃ駄目だ。俺でなくても彼氏である桐ケ谷が相手でも彼女はこんな顔をする筈だ。…いや、桐ケ谷が相手ならもっと気持ちよさそうにしている筈。
俺はたまたま居合わせただけだ。偶然出会っただけなんだ俺なんて。
彼女が乱れているのに深い理由なんてない。セックスをすれば『誰でも』気持ちいいんだ。そんなのは当たり前だ。
自分だからなんて勘違いしちゃいけない。だから変なことを考えるな。
…はぁ、こういうところが馬鹿になれない所以なんだろうな。
「はぁ゛っ、う゛んん゛」
考え事をしている内に結城さんがまたイった。
俺はというと金玉が空なのか精液がほとんど出ない。ただちんぽは相変わらず硬いままなので正直助かる。何故なら結城さんが息を荒げて疲れ果ててもまだまだやる気だったからだ。
「はっ、はっ、はぁ、はぁ」
経験を積んでいる女性というのは皆こんなにもヴァイタリティがあるものなのか? それとも彼女が特別性欲が強いのか。
俺はガラス張りを背に凭れ掛かると彼女は引き寄せられるかのように俺に抱き着いて密着する。そのままの状態で上から腰を下ろしてまんこでちんぽを咥えた。深呼吸した後、結城さんは体をゆっくり上下に動かす。
「あっ♡ あっ♡ ぁ♡ あっ♡」
…実は先ほどから俺たちは同じ事を繰り返してる。
俺が疲れたら彼女が動き、彼女が疲れたら俺が動く。まるでメビウスの輪のようにただひたすらセックスを繰り返す。合理的ではあるが逆にこの行為の終わりが見えない。
限界なんてとうに超えているのに…。体力なんてとうに尽きているのに…。セックスしたいという意思が強すぎて俺たちは止まれなくなっている。
ふと、視線を『外』に向ける。雨が弱くなっていたことに気づく。大雨がカーテンの役割を果たしていたから例え周りがガラスでもギリギリ外から中の様子が分からないようになっていた。
だが今は違う。雨が弱くなったことにより外からは完全にほぼ丸見え状態だ。まだ無人の歩道だが今から人が出歩いてもおかしくない状況になっていた。
マズイ、かなりマズイ。
走行中の車ならギリギリ中の様子は見えないかもしれないが通行人からは違う。絶対に見られる。俺はともかく結城さんが迷惑するのはさすがに気が引ける。
「あの…」
俺は外の様子を伝えようと口を開く。
「んむっ」
それと同時に彼女は俺に迫ってキスをしてきた。唇と唇が触れて俺は目を見開いてしまった。ファーストキスだったからだ。
まぁ、相手が結城さんなら光栄だしいいけど。にしても柔らかい。少しザラザラしている俺の唇と違い彼女のは本当にすべすべで柔らかい。
「ん、んむ、ふふ♪ ちゅ♡ ん、む、んぁ、ちゅ♡」
唇でお互いの唇をマッサージしていた。触れて、押し付けて、揉んで、また押し付けて、今度は甘噛みして、そして優しく触れた。
気持ちいい。セックスしながらキスするの無茶苦茶気持ちいい。恋人にキスを求める女の子の気持ちが分かった気がする。凄く幸せな気分になってくるよこれ。
お互いの唇でキスした後、結城さんの舌が俺の唇に触れた。何とか口をこじ開けようと何度も何度も唇を舐め回した。これはさすがに俺でも分かる。
俺は口を力無く開けて彼女の舌を受け入れた。そしてそこから先は彼女の時間になった。受け入れた瞬間彼女の舌が俺の舌と触れた。…と思ったら俺の舌の上に乗って今度は横に動いて絡みつく。
「れろ、ん、ふっ、ん、ちゅる、れろ、ちゅる」
右に動いたかと思えば左に動いて、時計回りに動いたと思ったらその逆に動く。
彼女の舌使いは1秒毎に常に変化して動き回る。俺はというとただ舌を差し出すだけで何もしていない。ディープキスの気持ちよさに身を任せる以外に何も出来ない。全身に嬉しさと気持ちよさが込み上げてくると同時に何も出来ないことへの情けなさまでもが付いてくる。男としてそれを祓いたくて俺は両腕を地面に付きながら腰を力強く突き上げた。
「んむっ!?」
不意打ちだった為彼女は思わず腰を浮かせた。びっくりさせてごめん。
だけど俺の行動に怒ることなく彼女は下から突いて来るちんぽを受け入れた。
「ん、ぅん、ちゅる、んむ、ふふ、うん、んっ、あん♡」
彼女もキスに集中したいのだろうがどうしてもセックスに意識が向いてしまうようだ。対抗心が芽ばいたのか、彼女は俺の攻めに対してさらにキスを激しくした。
「うん♡ ちゅ♡ んむっ♡ ちゅる、ぅん、ちゅるる♪」
結城さんはまるで笑っているかのように…。楽しそうに俺の口を貪った。
ちんぽを突き上げると徐々に金玉が温かくなるのを感じた。そろそろだ。
キスの最中に目と目が合う。『もうイク』『うん、きて』。頭の中にそんな言葉が聞こえた気がした。
言葉など不要だとでも言うように俺たちは意思を確認し合った。
「あ♡ う゛んんん゛っ」
俺は何度目かの精液を彼女の中に逆流するほど射精した。
ーーー
ーー
ー
夢のような時間を過ごした。実際夢だったんじゃないかと思う。だが電話ボックスの中に漂うエッチな匂いが全て現実であることを示す。
結城さんはもうここにはいない。既に一足先に駅へと向かった。壊れた傘を置いて。
何故か俺が征服を着るとまるで逃げるかのように出て行ったのが気になるが…。あれは何だったのだろう。
それからやはり彼氏以外の男と普通にセックスしたのも気になる。ラッキーな思いをしてなんだがやはり彼女の行動は普通じゃないように思える。
「うーん…」
やはり分からん。
分からんが気にしてもしょうがないかもしれない。俺は彼氏どころか友達でもない。仲間でもなければ知り合いですらない。体を触れ合ったけど他人なんだ。何らかの事情がありそうなのは間違いないと思うが…。
俺は結城さんの壊れた傘を手に持って淫臭漂う電話ボックスを後にした。
なにはともあれ俺は結城さんとセックスした。ラッキーだし正直幸せな気分になった。まぁ、同時に重い気分までもがのしかかったがな。もうこんな幸運は二度とないかもしれないが一度でもこんな体験をすれば十分だろう。
疑問は何も解いてないからいまいちスッキリしない。重い足取りのまま俺は駅へと向かった。とりあえず早く家に帰って風呂入りたい。