※この作品はR-18です。

その性的欲求を満たして   作:智明

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いつもより長めなのだ。


結城明日奈の煩悩 下

  私はキリト君が好き。

 

  共に組んで戦い、傍らに、時には背中合わせで困難を乗り越えて…。何度傷つき、倒れて、涙を流しても立ち上がってて、寄り添えたいと思った。

 

  仮初の世界でも生きることを大切にしていて、楽しんでもいいと教えてくれたことに私は…、そんなあなたに私は惹かれた。

 

  たとえ現実じゃなくてもそこには現実と変わらない温かさがあった。心が満たされる温もりがそこにもあった。

 

  『夫婦』になって、一緒に暮らして、料理を振るまって、一緒にお昼寝をして、共に冒険に出てはゲームを攻略して、共に愛し合って、そしてSAOを生き抜いて…。

 

  単純なんかじゃない。軽いはずがない。

 

  育んだ愛はとても重く、複雑で…、尊いのだ。身も心も、命さえも…、全てを捧げるほどに私は…、キリト君が好き。

 

  信じていた。信じてよかった。

 

  囚われの身になってもいつか必ずあなたが来てくれることを信じていた。

 

  探してくれて、来てくれて、救われて。

 

  好きになってよかった。愛する人があなたでよかった。『初めて』の人があなたでよかった。

 

  キリト君に出会って私は変われた。もしも彼に出会わなければきっと今の私はここにいないだろう。

 

  共に築き上げた多くの思い出は全て大切なお宝。無駄な物なんて1つもない。全ては今の私を形容する大事な要素。1つでも欠ければそれはもう『私』じゃない。

 

  ……だから、キリト君が好き。

 

 

ーーー

ーー

 

 

「あ、あん♡ あ、あ」

 

 

  とある安めのラブホテルにて私は愛する人と『夫婦』の営みに励んでいた。SAO時代でも何度も経験している行為。それに私たちは夢中になる程没頭していた。

 

 

「あん♡ あっ、あっ、キリト君っ、キリト君っ」

 

「はっ、はっ、アスナっ、アスナっ!」

 

 

  ベッドが軋む音、肉と肉がぶつかり合う音、それと2人の声が室内に響いた。

 

 

「あん♡ あん♡ い、やっ♡ あ、キリト君っ」

 

 

  現実に帰還したあと、私は改めてキリト君と『恋人』として結ばれた。仮想世界の時と違い私は正真正銘の『初めて』を彼に捧げてから大分時間が経っている。

 

  SAO時代の時も思ってたけどキリト君はニヒルな一匹狼を気取っている割に年相応の青少年らしいところがある。普段落ち着いてるように見えていても人並み程度の性欲があってエッチにはとことん積極的だった。

 

 

「はあっ、アスナっ、出るっ!」

 

 

  膣内に生暖かい精液が注がれる感覚。だが、物足りなかった。

 

  それもそのはず、実際に中出しされているわけじゃなくゴムによってその侵入を遮られているからだ。仮想世界だとその辺の遠慮といものはないのだが現実はそうもいかない。

 

  彼との関係は両親も許しているが妊娠ともなれば話は別だろう。両親はあくまで健全な男女関係に留めておいて欲しいと考えてる。

 

  だがそこはやはり10代の若者。恋人同士がセックスへの欲求を抑えられるはずもない。プラトニックな恋愛に満足するには私たちはあまりにも多くの経験を積み重ねすぎたのだ。

 

 

「ふっ、ふぅ。…ありがとうアスナ、凄く気持ちよかった」

 

「うん、私も」

 

 

  合わせて返事をする。

 

 

「私も…。気持ちよかったよ」

 

 

  気持ちよかった、それは本当のこと。でも、私は満足していなかった。

 

  壁にかかっていた時計を見る、行為が始まってからまだ10分も経っていない。余った時間は続きをやるわけでもなく、ピロートークでいつも費やされる。ゲームのこととか、学校のこととか、次のデートはどこに行くかとか、食べたいものとかか。恋人としての当たり前の会話なのに私はどこか上の空だった。

 

  満たされない。最近そう思うようになった。

 

  キリト君はエッチが好きだ、それも週に3~4回くらいのペースで必ず体を重ねる。別にそれがいやなわけじゃない。彼がセックスをすることが好きなように私も同じくらいに彼とのセックスは好きだ。求められれば応えたい。彼が望む事をしてあげたい。もっと私で気持ちよくさせたい。

 

  ただ、回数を重ねるごとに彼のやる気が落ちている反面、私の性欲が強まっている気がした。キリト君の性欲が薄まったわけではないようだが私への扱いが少しづつだがどこか雑さが目立つようになった。愛撫も最近疎か気味だし本当にやるだけやって終わり…、そんな関係がここ最近ずっと続いている。

 

  これが噂に聞く破局前のマンネリ化ってやつかな? 私とキリト君は大丈夫だと思いたいが最近の彼を見ていると色々不安になってくる。

 

  もっと私で彼を満たしてあげたい。でも同じぐらいに私も彼に満たされたい。キリト君の為に尽くすと自分で決めて言ったのにその私自身が欲張ってしまう。

 

  私のセックスから来る欲求不満を■で満たして欲しい。

 

 

ーーー

ーー

 

 

  今日も一日が終わろうとしている。朝起きて、歯を磨いて、ごはん食べて、学校に行って、大切な友人たちにあって、勉強して、帰りに食べ歩きしながらデートして、恋人と大切な時間を過ごして、家に帰って、ごはんをまた食べて、シャワーを浴びて、歯を磨いて、宿題をやって寝る。ごく普通にありふれた日常。だが、かけがえのないものに変わりはない。この日常に帰る為に私はあの世界を生き抜いたんだ。改めて帰って来たんだなと思う。

 

  結局あの後は2回戦をすることもなくそのままホテルを出て解散した。もっとしたかったが疲れている彼に鞭打ってお願いするのも憚れる。

 

 

「…はぁ」

 

 

  枕に顔を埋めたまま溜息を吐く。

 

  今のキリト君は本当に変わった。以前…、SAO時代の頃だが初めての時の彼は今よりもずっと激しかった。

 

  最初は私の胸を見ると乱暴に揉んでは口いっぱい吸ったり、私の女性器を全身全霊で舐め回しては乱暴に手マンもしてくれた。初めての感想は9割痛みで私は苦痛に耐えるばかりでセックスの気持ち良さなんて感じる暇はなかった。優しく出来ないのは彼が初めてで興奮しすぎたからだろう。初めてなら仕方ないしそこは責めない。むしろ激しくするのは本気で求められてる証のようでむしろ嬉しく思う。

 

  彼はネットで知った知識を私にアレやコレと試したりして挑戦もした。さすがにアブノーマルなやつは妻でも普通に引くからNGにしているけど…。まぁ、それだけキリト君はエッチが好きだったってことでしょうね。

 

  ただまぁ、いくらエッチが好きでもやる気があったのは本当に最初だけだったりする。ある程度慣れてしまうと行為が作業化してしまうのは仕方ないと思うしかないかなぁ。

 

 

「うう…」

 

 

  思わず手で股間に触れる。手を優しく擦る様に動かす。セックスで満たされない日はこうして自分を慰める機会が多くなった。

 

 

「んっ、ん…、ん…、あ、ん…、ぁん」

 

 

  むしろ問題は私の方かもしれない。

 

  セックスの回数を重ねれば重ねるほどに私はもっと欲しいと願ってしまう。キリト君とセックスしても満たされない日々がずっと続いてる。ALO内なら問題なく満たされるが出来ればリアルで感じたい。私は現実でただの一度も本気のアクメを経験したことがない。それがもどかしかった。私がもっとも気持ちよくなれるのはいつも仮想世界だった。キリト君とセックスしている時に…、あとは前に須郷さんと…。

 

 

「はぁ」

 

 

  自慰行為を止めて横になる。いくら女性器を刺激しても虚しい。これだけでは満たされない。

 

  私って汚れすぎかもしれない。SAOでキリト君とただ一緒にいたり、手を繋いだりするだけで満足していたあの頃がもはや懐かしい。

 

  もうただの少女だった頃と違い女である今の私はもっと違う満たし方が必要かもしれない。キリト君もデートの話とかもしたし今度なにか新しいことに挑戦してみるか相談してみよう。ただしアブノーマルは無しで。

 

  時計を見る。時間は9時を過ぎてる。少し早いが明日も学校はあるし眠るには丁度いい時間かもしれない。

 

  携帯が視線に入る。寝る前にキリト君に電話してみようかしら。

 

 

「…もう寝よ」

 

 

  電話してみようかと思ったがやめた。キリト君もたぶん疲れてるだろうしもう眠っているかも知れない。大した用事もないなら起こすのは彼に申し訳ない。

 

  電気を消した。ベッドで仰向けになってシーツで全身を被せる。

 

 

「おやすみなさい」

 

 

  今日もまた満足出来なかった。体の疼きをそのままにしてキリト君を思いながら私は眠りにつく。

 

 

ーーー

ーー

 

 

  数日後のとある休日。私たちは銀座を訪れていた。

 

  バイトでかなり稼いだから奮発して銀座とかで美味い物を食おうとキリト君に誘われた。向かった場所は大人っぽい洒落たレストランでいかにも高そうなお店だった。

 

  レストランだと言うから服装もメイクもかなり気合を入れておめかししたけど特にキリト君からの反応は無かった。照れて知らんふりしているわけではなく本気の無反応。付き合った当初は結構色々気づかってくれたり褒めたりしたんだけどなぁ。SAOで夫婦してた頃の方がまだマシな関係に思える。

 

 

「…これお金とか本当に大丈夫?」

 

 

  キリト君も頑張って稼いだらしいが彼の現所持金が分からないので聞いてみた。いざという時は自分もお金を出すつもりだがキリト君が『任せてくれ』と言ってくれたので私は彼に任せることにした。ちゃんと下調べを済ませているのかかなり自信はあるようだ。

 

  ただその自信もわずか数分後に打ち砕かれることになったんだけどね。

 

  10代の学生でも気軽に訪れる場所だったが初めてなのか彼はかなり緊張した。いかにも出来そうなイケメンウェイター相手に口をパクパクさせて慌てふためきながら小さな声でなにかを頼もうとしている。その様子がどこか可笑しくて私は笑い、人見知りな彼に代わってウェイターへの対応を全部私がこなした。学生客に向けたメニューとかがあって私はそれのコース料理2人分を頼む。値段を確認したけど思ったよりもあまり高くない。

 

  学生の間で評判のレストランだけあって客の殆どは同年代が多い。ただしカップルが殆どの割合を占めていて1人でここに来るのはかなりハードルが高いと思う。

 

  料理が出来上がるまで待ってから3分が経過。トレイカートに乗せた料理が私達の元へ運ばれてきた。以外と早く来たことにびっくり。

 

  まず目の前のテーブルに置かれたのはオードブルのベーコンとマッシュポテトを添えたクラッカーのみ。

 

  …どうやら学生向けでも安くない金を払うだけあってちゃんと形式通りにやってくれるらしい。てっきり雑に一気に運んでくるかと思ったから少しだけ感心する。オードブルのあとはスープ、ポワソン、ヴィアンド、ソルベ、デセール、そして最後にカフェが順番通りに運ばれた。手間がかかる料理は予め出来上がったものを温めただけだったがそれでも十分美味い。このお店、最後まで本格的だった。

 

  安くて早くて美味い上にプロ意識の高いお店だったから結構気に入った。値段が高い高いって聞いたけど私とキリト君のを合わせても5000円で済むからむしろ安すぎるくらい。

 

  レストランのサービス精神に満足して心の中で星3つを与えているとキリト君が声をかけてきた。

 

 

「なぁアスナ。その、この後はどうかな?」

 

 

  言葉足らずだが彼が言わんとしていることが分かる。それはセックスへのお誘いだった。

 

 

「まだお昼なのに?」

 

「駄目か?」

 

 

  ムードも何もないストレートに性欲な誘い。だが嫌いじゃない。正直私も朝からムラムラしっぱなしだったから彼から誘われたのは嬉しい。私も大概性欲は強いって自覚はあるけど彼にエッチな子だなんて思われたくないから自分からしたいなんて言えない。

 

 

「クス、しょうがないなぁ」

 

 

  ランチを済ませた私たちはレストランをあとにしてどこか近くのホテルを探した。

 

  そして期待する。今日こそ満たされますようにと。

 

 

「…え」

 

 

  気分が高揚した私はいつものように彼の腕に抱き付いた。

 

 

「ん、どうかしたのか?」

 

「あ、ううん。なんでも」

 

 

  とっさに誤魔化したが内心ショックを受けていた。キリト君から他の女の匂いがした。それも軽いスキンシップ程度のやつではなく、あきらかにセックスした時の鼻につくいやらしい匂いが。経験があるからこそわかる匂い。シャンプーと石けんで誤魔化しているが僅かに漂う淫臭が全く隠せていない。

 

  私とのデートの前に他の女といたの?

 

  私が今日着る服を真剣に選んでいる時に他の女とセックスしたの?

 

  私は内心を悟られまいと平常心を保つつ傷ついた乙女心を引きずったまま彼とホテルへ向かった。

 

 

ーーー

ーー

 

 

「ん、ちゅ、ちゅ、れろ、ちゅ」

 

 

  ようやく見つけたホテルを訪れて私たちはベッドの上で抱き合いながらキスをしていた。だがいつもと違って私はあまり気分が盛り上がらなかった。

 

  キリト君が『また』浮気した。誰かまでは分からないが私以外の女と。別にこんなことは初めてじゃない。だから驚きはない。

 

  リズたちがキリト君のことを諦めきれてないのは知ってる。そしてキリト君も彼女たちの気持ちに気づいてる上で私を選んだ。私一筋だと思った。一途な男だと思った。でも一途のようで一途ではなかった。一途なら他の女とデートなんかしない。たとえ仲間でも、親友でも、義妹でも。断りもせずみんなを受け入れている時点でキリト君は愛妻家ではなくハーレム好きでしかない。私の事は一番好きと言ってくれるが二番目はいらないんだ。

 

  以前にも同じ日にブッキングしてたのにまったく懲りてない。

 

 

「■■■、■■■■■■■」

 

 

  ぼーっとしていて何も聞こえない。彼がなにかを言ってるがまったく頭に入らない。だけど以心伝心のおかげか何を欲しているのかすぐにわかった。

 

  私は大人しくゆっくりと股を開いた。膣口を通して私の中に彼の男性器が入ってくる。ALOのキリト君のとは違う。『リアル』で本物のキリト君の男性器が。…でもなにも満たされない。

 

 

「■■■」

 

 

  なにかを言っているがやはりわからなかった。でも彼は凄く気持ちよさそうだった。

 

  私は…、気持ちよくなかった。仮想世界の時の方がまだ気持ちいい。でも同じ仮想世界でもキリト君よりも須郷さんの方が気持ちよかったなぁ。無理やりだし怖かったけど。

 

 

「■■■!■■■!」

 

 

  私の中にコンドーム越しで彼の精液を感じる。私はまだイってないのに。

 

 

「■■■■■■、■■■」

 

 

  キリト君が恍惚とした目で私を見つめながら何かを言っている。わからないよ。

 

  どうせおまんこが付いててセックスさえさせてくれるなら誰でもいいんでしょ?

 

 

「■■■■■■、■■■、■■■」

 

 

  でも、彼が他の女にフラフラしてしまうのはきっと私が悪いからだと思う。何が足りないんだろう…、魅力? 色気? それとも全部? だとしたら彼はなんで私を選んだんだろう。

 

  もしかしたら私はキリト君にとって恋人ではなくハーレムの一員としてしか見られてないのかな…。

 

 

「ぅぁ」

 

 

  おまんこから男性器が抜かれる。結局今日も私は満たされることはなかった。

 

  なんだかもう泣きそうで…、辛くて…、苦しくて…、なにより私自身がなにも気持ちよくなれなくて…、もう、我慢の限界だった。

 

 

ーーー

ーー

 

 

「そう緊張しなくても大丈夫だよ。ちゃんと優しくするからさ」

 

 

  ここはとある安ホテルの一室。

 

  私は手を出してしまった。

 

  やっちゃった。やってしまった。ついにヤってしまう、キリト君以外の人と。

 

  体が震えてる。当然だ。怖いのよ、知らない人とするのが。

 

  怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。須郷さんにレイプされた時にも思ったけどやっぱり好きでもない人とするのは恐ろしくて怖い。

 

 

「…そうだ、トランプ持ってきたからさ。本番行為の前に1回遊ぼうよ」

 

 

  思わず疑いの眼差しを向ける。

 

  …私を落ち着かせようとしているのかしら。なんだか少しだけ優しい人だと思う。名前はたしか織夏さん…、だったっけ。

 

 

「………」

 

 

  キリト君との関係に少し悩んでいた頃。

 

  私は私自身が気持ちよくなりたいが為に何かないかとネットの女性向けの掲示板でアドバイスを求めた。いつもならリズに相談するところなのだがキリト君が取られる隙をなるべく与えたくないので彼女を頼らなかった。

 

  彼氏の浮気と肉体的不満を漏らすと掲示板の先輩やお姉さま方が慰めてくれたり、共感してくれたり、前向きに助言をしてくれたりもした。

 

  彼氏と別れるかセフレを作るか。

 

  正直キリト君がアレでも別れる気はないから別れるのはナシにして何故セフレ? 先人曰く私の欲求不満が彼氏で解消出来ないなら他の男で解消するしかないそうだ。男性器と女性器には相性というものがあるらしく、星型のブロックには星型の穴にピッタリはまるように性器同士にもそういうものがあるようだ。とはいえ自分自身にピッタリな男性器とは中々巡り合えずある程度の妥協に迫れることもしばしばあるそうだ。男が千人いればおちんちんの形も千種類あると思え。男性経験が多い女性の間ではこれはある種の常識である。

 

  半ば強引に勧められたマッチングアプリに手を出してしまった。怖い気持ちが未だに抜けない。…でも。

 

 

「あー、ババ引いた」

 

 

  ジョーカーを引いた織夏さんの顔が本気で嫌そうだった。私を落ち着かせるための催しだとしてもそこそこ熱中してて案外楽しかった。…そういえばVR以外でこんな風に普通のゲームをするのってなんだか久しぶりに感じる。一種のノスタルジーを味わった。

 

 

「…リラックス出来た? そろそろしちゃう?」

 

「…はい。見苦しいところを、すみません」

 

「いいって謝らなくても。『アスカ』ちゃんマッチングデビューだし緊張するのも無理ないよ」

 

 

  アスカ。さすがに本名は怖いから偽名を使っている。今の私は由紀アスカ19歳のフリーター。かなり安着な設定だったかな?

 

 

「そうだ、確認だけどさ…、アスカちゃんって彼氏いる? もしかして処女?」

 

 

  彼の手が私の肩に触れて私を抱き寄せた。一瞬びくついてしまったが直ぐに平静を保つ。でもどう答えればいいのだろう。いるって答えた方がいいのかな? そういえばいつの間にか府震えが止まっていたことに気づく。

 

 

「えっと、いません。中学の時にいましたけどずっとフリーで…、あ、経験はあります」

 

 

  我ながらよく嘘が思いつく。女優とか目指せるかもね。そしたら彼はなにか納得したかのようにうんうんと言いながら話を聞いた。

 

 

「なるほどね、あ、でも久しぶりなら優しくしとこうか?」

 

「そ、それでお願いします」

 

 

  最初に頭を撫でられた。髪を傷つけないような優しい手つきで。あ、これいいかも。

 

 

「キスはどうする?」

 

 

  正直迷った。してもいいのだろうか、恋人以外と。でも今の私にキリト君だけに許すというブレーキが何故か存在しないように思える。

 

 

「だ、大丈夫です」

 

 

  私がそう言うと織夏さんがゆっくりと顔を近づけた。唇同士が触れる。…ついにやっちゃった、キリト君以外の人とのキス。でもキス以外のこともするんだよねこの人と。

 

 

「ちゅる、ん、れろ、はっ♡ れろ、れろ、ちゅる」

 

 

  この人上手い。キリト君よりも。舌同士が絡んでてひたすら動かし続ける。『ごくっ』、互いの唾液が混ざりジュースになったそれを私は飲んだ。

 

 

「ん♡ んむ♡ ん♡ ちゅる、れろ、ちゅる、れろれろれろ、ちゅ」

 

 

  口の端から唾液が零れるが気にならない。

 

  これが大人のキス。ディープキスは初めてではないが体験してわかる。これが『本物』だって。

 

  織夏さんが私から顔を放した。私は離れてく唇を思わず追いかけて顔を近づけたが自分の行動がはしたないことに気づき思わず俯く。やだ、私ったら。彼は特に嫌な顔をせず微笑みながら優しく笑いかけた。

 

 

「はは、アスカちゃんってキスが好きなんだね」

 

「…ごめんなさい。私ってば」

 

「気にしないでって、もっと素直にしていいからさ」

 

「素直…」

 

 

  彼は私を優しくベッドで押し倒した。

 

 

「どうする? このまま服着たままする?」

 

「は、裸はなんだか恥ずかしいので」

 

 

  正直全裸になる勇気はまだなかった。

 

 

「ん、了解」

 

 

  スカートの中に手を入れてそのままショーツを横にずらした。下着くらいは脱がすかと思ったが裸は恥ずかしいという私の言葉を真に受けたのか本気で着たままヤるつもりようだ。

 

 

「おお、凄く綺麗だね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

  ついに見せてしまった。彼氏以外の人に。私の女性器が。織夏さんは綺麗って言ってくれたけど本当だろうか。キリト君とたくさんヤったから変になったりとかしてないだろうか。

 

 

「俺のはどうかな?」

 

 

  ズボンを下ろして彼はブリーフの隙間からおちんちんを取り出す。

 

 

「…大きいです」

 

 

  ALOでのキリト君のアバターの方がずっと大きかったがあれはノーカウントのようなもの。本物は…、織夏さんのおちんちんは本当に大きかった。

 

  彼が私のおまんこから目を離すとポケットからコンドーム取り出してそれをおちんちんに着ける。ああ…、ついにするんだ。でもする前にこれだけは言いたい。

 

 

「あの、優しく、気持ちよくしてください」

 

 

  掠れるような小さな声で言った。すると彼は微笑みながら言う。

 

 

「任せて」

 

 

  キリト君とは違う人。体の大きさも、男性器の大きさも、経験の多さもきっと何もかもが違う。

 

  いつの間にか恐怖心が無くなり、私は期待を込めた眼差しを向けながら彼のおちんちんが中に入る。

 

  この時、私は人生で三人目の男の味を知る。

 

 

ーーー

ーー

 

 

「あん♡ あ♡ あ♡ あ♡ うん♡ あ♡」

 

 

  正常位の体位で○○君が私の膣内の中に何度もおちんちんを出し入れした。彼の腰使いはあまり上手とは言えないがそのピストンは緩やかさの中に力強さがあった。大きなおちんちんが何度も何度も奥を付く度に目がチカチカしてて頭が真っ白になる。

 

  気持ちいい。正直な感想だった。

 

 

「あ♡ あ♡ ん♡ あ♡ あん♡ あっ♡ ○○君っ、いい♡」

 

 

  彼のセックスは今まで抱いた大人たちほど上手ではない。だが今まで抱いた同年代の男子の中では一番だった。それが何よりも嬉しかった。

 

  織夏さんを始めマッチングアプリで色んな人とセックスした。何度も受け入れてる内にキリト君への罪悪感と遠慮が薄れていたがあまり気にならなかった。キリト君だって私に隠れて浮気しているんだ。なら私だって浮気してもいい筈だ。

 

  彼らに抱かれて私は自分の欲求不満をある程度は解消出来た…、が、私はそれでも満たされなかった。彼らでも駄目だった。セックスが良くなかったわけじゃない。むしろキリト君よりも上手い人とたくさん出会えたのだから気持ちいいに決まっている。

 

  では何が問題なのか。理由は私が大人が苦手だったことだった。途中で気づいたけど私は大人と行為をする時にいつも嫌な感じがしていた。別に彼らは悪くない。原因はきっと須郷さんにレイプされたことが発端になっていたんだ。

 

  大人が駄目なら他校の生徒を逆ナンして相手したもらった。嫌な感じはしなくなったけど正直彼らとのセックスはあまり気持ちよくなかった。テクニックなんてない、ただの勢い任せのセックス。あれではキリト君とヤっているのとたいして変わらない。

 

  満たされたくて彼氏に隠れて浮気までしたのに何も変わらなかった。気持ち良かっただけで結局満たされなかった。

 

  ずっと変わらない虚しいだけの日々。

 

  ずっと迷走していたのに…、狂いそうなほどに辛かったのに…、出会っちゃった、あの雨の日に。

 

 

「結城さんっ、出るっ、出そうっ」

 

 

  ○○君がピストンしながらなんとか射精を必死に抑えてた。彼は本当によく『持つ』。大人でも簡単に耐えられないのに…、本当に彼とは長く出来る。

 

 

「うんっ、出していいよ♡」

 

 

  膣内で精液が吐き出される。暖かい精液がドクドクと注がれて思わずイってしまう。

 

 

「ん、ん゛ん゛っ♡」

 

 

  中出しされるこの感覚がたまらなく気持ちいい。

 

  私のおまんこは名器というらしい。経験豊富な男性でも抗えないほどの。

 

  名器、そう言って皆は私の女性器をいっぱい褒める。キリト君たちが10秒も持たないのは彼らが早漏だからではなく私のおまんこが凄すぎたからなのだ。…代わりにセックスも早く終わるから私は一向に気持ちよくなれなかったんだよね。一度だけヤリチンで有名な元AV男優を相手にしたこともあるけど長く出来ても10分が限界だった。

 

  ○○君はいい。射精した後のリカバリーがとてつもなく早い。

 

 

「○○君、もう1回…、もう1回ヤろ?」

 

 

  ホテルの滞在時間はとっくに過ぎていて私たちはさらに一時間も延長した。両親への言い訳は考えないとね。

 

 

「うん、結城さん、入れるよ」

 

 

  最初と違いどこかぎこちなかった彼の動きが徐々に大胆になってくる。それでいい。

 

  きっと私とキリト君のことでずっと悩んでていまいち本気になれなかったんだね。私がキリト君以外の人とヤってるって教えても驚いたのは最初だけでそのあとは吹っ切れたのか動きが格段に良くなっている。

 

  彼のおちんちんがまた私のおまんこに入ってくる。

 

  このおちんちんがいい。男が千人いればおちんちんの形も千種類あるって聞いたけど本当にその通りだった。比べてわかる。亀頭の形、根本の太さ、カリの形、全体の長さ。どれも1つ違うと完全な別人になる。同じ形をしたおちんちんなんていない。相性のいいおちんちんとは中々巡り合えないわけだ。

 

  

「あん♡ あん♡ う、ぅん、あん♡」

 

 

  私はキリト君が好き。

 

  強くて、優しくて、なにより一緒にいて楽しくて。たとえ浮気性が治らなくても許してしまうのはやはり彼のことが大好きで諦めきれないから。

 

  だけど大好きなキリト君とセックスしても私は満たされなかった。

 

  でも今は、私は満たされている。

 

  ○○君が私をいっぱい気持ち良くしてくれる。

 

  私は○○君を手放すつもりはまだ無かった。

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