BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
俺はガンプラバトル世界大会決勝トーナメントで敗れてしまった。俺の愛機はガンダムフェイスのバウをコズミック・イラ世界で作ったら、というイメージで作り上げたガンダムだ。バウってなんかZガンダムに似てるしな。
素体はバウとゲイツをミキシングして作っていて、ジオン、ザフト系列の丸みを帯びた形状からガンダムタイプの角張った印象へとプラ板やらパテ埋めやらをして作り変え、頭部はゲイツにデュエルのフェイスを嵌め込み、バウのトサカをつけた。そんな感じだ。当然上半身と下半身の分離合体も採用しているんだけども、ガンダムらしさも取り入れたいなーと思って、コア・スプレンダーを改造して三機合体にした。こんな俺の機体がアルカナガンダム。機体色はこれから何にでも染められる色……白を選んだ。ユニコーンガンダムって感じも意識した。
「はーあ、大会には負けちまったけど。初めて世界大会決勝まで残れたし、万々歳って感じだわ」
「お疲れユウヒ。残念だったね。まぁ次もあるって!今回世界大会出れたんだから、次は決勝戦まで残っていこ!」
「さんきゅーな、姉ちゃん。ほんとマジで世界広いわ。めちゃくちゃ練習してめちゃくちゃ作り込んだけど、結局負けちまったしな……」
今俺の目の前に居るのはミヤビ・コマムラ。仕事とガンプラバトル漬けの中でも俺のことを助けてくれた俺の姉さんだ。二卵性双生児の姉で、歳の差は全く無いけど、まぁ女の人って大人ぶりたいというかそんな感じらしいな。今更姉ちゃんって呼ぶのも抵抗ないし、何でもいいんだけど。
外見は俺と一緒でブラウンの髪に碧色の目。割と大学とかでもモテるみたいで、顔も贔屓目だと思うけど、俺も可愛いと思う。姉ちゃんだから恋愛対象にはなんないけど。
「そんじゃ帰ろっか、どーせ帰ったらまた徹夜で練習するんでしょ?」
「いやぁー、それはない!流石に今回は疲れたわ。アルカナ(神秘、秘密……と言う意味)もボロボロで修理も必要だし。けど……とりあえず帰ったら寝る!」
そんな感じで、姉弟揃って帰路に着いている時、世界大会を見に来てたんだろう一人の少年が、母親に呼ばれて横断歩道を渡っているのが目に入ると同時に、その横断歩道に向かって突っ込む一台のトラックがいた。反射的に俺は体を走らせていた。
「ちょっ!ユウヒ?!」
「危ねぇっ!!」
俺は少年を突き飛ばし、華麗にトラックを回避……なんて、そんなことできるような身体能力も無いし、普通に轢かれた。薄れゆく意識の中、トラックの運ちゃん、姉ちゃん、少年とその母親が俺の方へと駆け寄って来て、電話したり、しきりに俺を呼んでいるような声が、ぼんやりと聞こえていた。後頭部がジワーっとあったかくなる感じがして……。気がついたら、震える手でアルカナの入ったケースを握り締め、そのまま俺は気を失った。
─────“一話「自分の立ち位置」”─────
「ん……ここ、は……?」
目を覚ますと、そこはアニメの中ではすごい見覚えのある場所だった。俺は大興奮だ、なんせ、モビルスーツのコクピットの中そっくりだからだ。モニターには宙域が映し出されていて、視界の先には崩壊したヘリオポリスが見える。
「すげぇ……!ガンダムSEED一話の終わりのところだ!めっちゃリアル……」
見慣れない操縦桿、機械類。どうやって操縦するのかなんて分かったもんじゃないはずなんだけど、何故か、なんとなく動かし方が分かった気がした。
「これ……アルカナ?!でも、なんか若干違うな……なんだ?」
俺はモニター内に腕が映るようにモビルスーツを動かすと、そこにはデッカいアルカナの腕が映った。微妙に細部が俺の思ってたのとは違うけど……それでもアルカナそっくりだ。俺、夢でもみてんのかな。
「……ってか、俺パイロットスーツ着てんじゃん!?」
そして衣服の違和感にも気がつく。連合軍用のパイロットスーツに身を包んでいたのだ!
「俺、アルカナに乗ってる……!」
俺は慣れ親しんでいたかのようにコズミック・イラらしくキーボードを、引っ張り出し、アルカナの状況を確認した。
「型式番号、GAT-X110……アルカナ。バッテリー残量……93%。推進剤は……97%。全システムオールグリーン。レーダー起動。これが夢ならソレはソレでいいんだけど、もし……もしこれが本当に……あのトラックとの事故で転生したって言うんなら……ザフトに捕まるのはマズい……よな?」
そう考えた俺は急いでレーダーを確認し、近くに運良くアークエンジェルが居てくれれば……。そんな思いで周囲を確認する。そして機体を旋回させてモニターを確認すると、眼前に小さく何かが映る。
「……もしかして……!」
俺は即座にモニターを拡大する。すると、そこに映し出されていたのは、間違いようも無くアークエンジェルだった。しかも、ストライクがヘリオポリスの救命ポッドを抱えて着艦しているのが見えた。ちょうどそのシーンの事らしい。
「……迷惑、かけちまうよな。けど、何も分からない今はあそこに行くしか道がないよな……」
俺は何もかもをかなぐり捨ててアークエンジェルへと向かう事にした。俺はアルカナを変形させて飛ぶ。その際アタッカー(上半身)とナッター(下半身)に変形する事なく、ほぼZガンダムと同じ変形方式を取っていることが分かった。ウェイブライダーというヤツだ。
「……なんか色々変わってんなぁ。まぁでもコズミック・イラのこの時期に分離変形合体できる機体なんてオーパーツどころの騒ぎじゃないしな……世界の修正力的な?って、まだ転生したって決まった訳でもないのに……何言ってんだろ」
そうこう考えてるうちに、俺はアークエンジェルを拡大せずともしっかりと視認できる距離まで接近していた。ここまで来れば向こうもこっちを確認してるはず。妙な行動は慎まないとな……そう言っていると、アークエンジェルから通信が入る。
「こちらアークエンジェル。そこのG兵器、アルカナに搭乗している貴方……所属を答えなさい」
通信に映し出されているのは、マリュー・ラミアスらしき女性。めちゃくちゃ美人だ。リアルにマリューさんが居たらあんな感じなのかな……っとと、そんなことより、俺はこの世界で自分が何者なのかも分かってないし、バイザー開けて向こうの反応見てみたほうがいいか。そう思って俺はヘルメットを操作してバイザーをあげる。なんでこんなもんの操作方法知ってんのって思っちまった。
「……!!コ、コマムラ少尉?!」
少尉ぃ?!お、俺がぁ?!ど、どうするべ?!俺軍規とか何も知らないんだけど?!ど、どうやって切り抜けたもんか……えぇ──っと……?
「……コマムラ少尉?なぜ、そんな驚いた顔を……?」
「い、いや……俺は……」
そもそも、何で俺、こんなことになってるのか、こんな所に居るのか……何もかもが分からなくなっていた。元から分からないんだけどさ。
「……分からねぇんだ。何も。ただこの艦が見えて、がむしゃらでよ……。あんまり現実味がなくてさ。モニターには宇宙が見えてるし、よく分からないままこのモビルスーツを動かしてたんだ」
「艦長、もしや……彼は……」
「ええ。落ち着いてください、ユウヒ・コマムラさん。ひとまずその機体と共に受け入れます、着艦できますか?」
「……あぁ、たぶん」
「話の続きは艦内で」
「……分かった」
俺はアルカナをモビルスーツに変形させ、ストライクを着艦させるために開いていたカタパルトに着地し、モビルスーツデッキまで歩かせる。そこにはアニメで見たことのある面々や、ソレ以外のおそらく今までモブとして描写されていたんだろう人間たちがモニター越しに見える。
『二機目の……ガン……ダム……?』
「……」
アルカナが外の音声を拾う。モビルスーツをガンダムと呼ぶのはキラぐらいなので、キラの声なんだろう。アニメと一緒だな。
アルカナをストライクの横に並ばせるようにして立たせ、フェイズシフトを落としてハッチを開けてリフターで降りていく。そこへラミアス艦長やナタル中尉、フラガ大尉が現れる。
「あ、えっと……?」
「おいおい……俺だ、ムウ・ラ・フラガだよ。ユウヒお前、俺と一緒にこの艦の護衛任務についただろ?そもそも、メビウス乗りのお前がなんでこんなもん動かしてんだ」
「……俺が、アンタと……?」
もう訳がわからない。この世界では俺はムウさんの部下だったのか……?で、元はメビウス乗りだって……?グリマルディ戦線に出てたってのか?
「貴方はコロニー襲撃の際に有耶無耶になっていたアルカナを探しに行くと言って出ていってしまったまま、結局ザフト軍との戦端が開かれてしまったんです。私たちは貴方の生存は絶望的だと思っていました……。よかったです、正規のパイロットが一人でも多く生き残ってくれていて……」
「……正規の、パイロット……」
それが、この世界が俺に望んだもの……そういうことなのか?
「艦長、やはり彼は記憶を……」
俺はヘルメットを脱いでバイザーに自分を反射させて覗き込む。そこにあったのは頬に十字傷が入った……『もし現実世界での俺が戦争を経験している逞しさを持った姿だったら。』そんな妄想を映し出したかのような姿をした俺だった。もはや同姓同名で背格好も似てるだけの別人……そうとも思える。
「記憶、喪失」
そういうことになっている……そう言われているみたいだ。
「ラミアス大尉、記憶を失ってもこのモビルスーツを持って帰ってきたコイツはすげえと思うよ。今は休ませてやってもいいんじゃねえか少し休めば思い出すかもしれないだろ?」
「……ええ、そうね。すぐに貴方の部屋を用意させるわ、準備ができたら呼ぶから、少し待っていて頂戴」
そう言ってマリューさんたちはこの場を去っていった。やっぱ、迷惑かけたんだろうな……。でも、わかった。アルカナを降りたらここが現実なんだってしっかり解っちまった。俺は……もう元の世界には戻れないんだって。そう思いながら、俺は自分が作り上げたガンダム。アルカナを見上げる。自分で塗装して再現したこともない、アルカナのフェイズシフトが落ちてしまった姿。
「……」
背面がZガンダムに酷似しており、各部関節はG兵器らしいフレームの上から俺の作ったアルカナの装甲を被せているような姿になっている。場合によってはストライカーパックも装備できそうな印象だ。
「あの……」
「ん……キミは?」
「キラ・ヤマトって言います。このモビルスーツを動かしていたのは貴方なんですか?」
「……そう、だな。そうなるみたいだ。あんまり実感はねぇんだ。本当に俺がコイツを動かしたって実感が……。っと、紹介が遅れちまったな。俺はコマムラ・ユウヒ少尉だ。よろしくな」
俺は声をかけてきた瞬間キラにひとまず普通の自己紹介をした。後々何か言われたら記憶喪失である設定を話せば良い。結局何もわからないのは俺もキラ“ちゃん”も同じらしいからな。
「都合のいい話だよな。記憶は失ったのに、モビルスーツの動かし方は分かるなんてよ」
本当なら、俺じゃないユウヒが今この場に立っていたのかな、そう思ってしまう。けど、そうじゃない。お前が選ばれたんだ……。アルカナは俺にそう訴えかけてきているようにも思うのだった。
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
-
分けよう!
-
このまま!
-
めんどくさくないなら分けて!
-
絶対分けるな!