※この作品はR-18です。

BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話   作:sakitaro

16 / 36
一四話

 夜間戦闘を終え、再びレジスタンスと合流。端的に言うとすりゃ、レジスタンスとアークエンジェルは協力関係を結ぶことになった。

 

「あの時は碌な話もできなかったな、ユウヒ」

 

「あぁ、久しぶりだな、サイーブ」

 

 レジスタンスのアジトへアークエンジェルを停泊させ、アジト内で尉官全員とアスランが降りてきていて、オレはレジスタンスのリーダーとなっていた旧知の男、サイーブと話をしていた。

 

「まさか、お前があの新型のパイロットなんてな。お前がオーブを去って、連合軍で戦果を上げていると聞いた時は驚いたもんだが……」

 

「オレはオレのできることをやったまでだ。そんな昔話に花を咲かせたかったのか?」

 

「いいや、悪かった。それで?お前たちはアラスカに向かうんだったな。航路はどうするつもりだ?」

 

「カガリを連れてオーブへと寄港するつもりだ。紅海を抜けてインド洋へ、そのあとは太平洋に出ることになるだろうが、紅海シャチ……マルコ・モラシムの妨害を受ける可能性は高ぇな。まぁイージスとアルカナ……二機の空戦機があるし問題なく抜けられるだろ」

 

「そうか、カガリをオーブに戻すか。だが、あのお転婆がそう簡単に【はい】って言うとは思えんが?お前が目指したように、あの子はあの子なりに出来ることをやろうとして飛び出してきた。その覚悟は生半可なものじゃないぞ」

 

 んなこた分かってる。だが、なんの準備もなく争えるほどザフトは弱くない。コーディネイターってのはナチュラルが思う以上に出来が良いんだ。結局こうしてアークエンジェルを地球に降ろせたのもキラとオレ……コーディネイターの力あってのもんだ。

 ちなみにだが、カガリをオーブに戻すためにアークエンジェルに乗せる話はすでにラミアス艦長、フラガ大尉、バジルール中尉には話をつけている。あの子がオーブの姫である事も含めてな。それに、この船やアルカナ、ストライク、イージスの開発にはオーブのモルゲンレーテも関わっている。当然、責任は取って然るべきだろ。まぁ、アルカナのデータは抜かせる気はないがな。

 

「知らねえよ。それを言うならオレにはオレのやるべきことがある。それより虎の出方だ。どう見る?」

 

「……みせしめはあるだろう。だが、奴はいつも人の命までは取らん」

 

「だろうな。奴はプラント評議会でも穏健派で通っているクライン派の人間だ。最終的にはオレたちナチュラルとの和平を締結するのが目的になる。だから、ここで無益な殺しはしない。これ以上コーディネイターとナチュラルの因縁を深めたくはねぇはずだからな」

 

 原作を見てる時じゃ、なんであの時レジスタンスを皆殺しにしなかったのかよく分からなかったが、まぁ。よくよく考えて見りゃそう言う事だろうな。ラクス……いや、シーゲル・クライン派の人間であるが故に、奴はナチュラルを虐殺したりなどしない。だが、成り行きで統治することになった自分の管轄下の治安は守らにゃならん。だが、レジスタンスは治安を脅かす存在になる……。お前も苦労してんな、バルトフェルドさんよ。

 

「……なるほど、道理で」

 

「無駄な抵抗はやめろ。殺しはしない……そんなところだろう」

 

「……それが分かったとして、はいそうですかと言えないのが彼らだ。……俺一人では止める事はできん」

 

「わーってる。別に辞めろとは言わねえよ。だが、死んでもオレたちは知らねえ。バカなことしても助けに行く気もねぇ。オレらは軍人だ。ガキのお守りやってんじゃねえんだからな」

 

「分かっている」

 

 そして、それは起きた。バルトフェルドが報復措置としてレジスタンスの町を焼いた。だが、焼く前に避難勧告が出ていた。街を焼くから出ていけ。命までは取らない……と。最近忘れがちになっているが元々この世界の人間ではないのだからな。しかし、それが分かっていても止める力は……今のオレにはない。今のオレはただの一軍人でしかないからな。

 

 復讐心に取り憑かれたレジスタンスの若い連中が無謀にも飛び込み、死んだ。そうしてまた憎しみの連鎖が広がっていく。どちらかが大人にならなきゃならない。それができないから戦争になる。……認め合うことができる世界はいつになれば実現するんだろうな。

 

 

────十四話「厭気」────

 

 

 明けの砂漠の拠点となっていた街、タッシルが焼かれた。ユウヒはただ

 

「奴らの撒いた種だ。オレは知らん」

 

 そう呟いて出撃することはなかった。代わりにムウがスカイグラスパーにて出撃、偵察を行うも、すでにザフトは撤退しており、ただ闇夜に立ち昇る炎だけが渦巻くのみ。しかし、街は焼かれたものの死者は無し。バルトフェルドの温情、と言うのがアークエンジェルに乗艦する尉官たちの感覚だった。

 しかし、それだけで終わればよかったものの、レジスタンスのメンバーたちは激昂。ザフトの部隊を追撃。それを止めるためにキラが出撃。バクゥ二機を撃墜、一機を中破させて帰投した。しかし、レジスタンスにも大きな被害を出すことになった。

 その間ユウヒは偵察から戻ったばかりのムウでは補給ができておらず、艦の防衛が薄くなるとしてアークエンジェルの甲板上にてアルカナで警戒体制を取る、ということになったが、結果としては、アークエンジェルに対しての襲撃は無し。やはり、あの日手を出してきたレジスタンスに対するお仕置き、という意味合いが強い襲撃だったのだろう。

 

 そんな夜を終えた、翌日。

 

 ──夢を……見ていた──

 

 忘れるな。そう言われているかのように、ユウヒは眠るたびに“本来あるべき歴史”を辿っているコズミック・イラの世界の出来事を断片的に夢見ていた。あまりにも濃すぎる毎日を過ごしていれば、忘れてしまいそうになる環境下で、所謂原作知識というのを忘れずにいられているのは、この夢の影響でしかない。

 

「……また、この夢か」

 

 アルカナのコクピット内。出入り口を開きっぱなしにして、コンソールも出しっぱなしのまま、シートに座り込んで眠っていたユウヒは額に手を当てながらそう呟いた。

 

「オレは……」

 

 バルトフェルドの駆るラゴゥとキラの乗るストライクの死闘。そして、決着。その戦いの末にアイシャは死亡。バルトフェルドは負傷したものの、生き延びてプラントへ……そのままエターナルの乗組員となる。ユウヒはアイシャのことをよく知らない。夢に見る知識でしか彼女を知らないのだ。

 

「それでも……」

 

 ただ、手を固く握りしめたユウヒは先の戦闘での違和感を消すためのOSを構築し、コンソールに打ち込む作業を続ける。眠ってしまった分、しっかり急がねば……と、そう意気込んでいると、アルカナの通信が開く。

 

『コムマラ少尉、少し良いかしら?』

 

「ああ、どうかしたか」

 

 相手はブリッジに居るのだろうマリューだ。ユウヒはコンソールを叩き、視線を忙しなくあちらこちらへと忙しなく動かしているのがマリューにも分かる。

 

『ええ。少し街へ羽休めも兼ねて買い出しに行ってきてもらいたいの。日用品が不足し始めていて……キラちゃんとカガリさんが同行するわ。……少尉は護衛も兼ねさせてしまって申し訳ないけれど……』

 

「……はぁ」

 

 仕方ない。そう言わんばかりにコンソールを叩く手を止め、片付けるユウヒ。それを肯定の返事と受け取ったマリューは“ありがとう”と伝えて通信を切る。

 

(まったく……)

 

 自分の作業すらままならないのか……とため息を漏らしたユウヒはコクピットから乗り出る。既に買い出しのためのジープが準備され始めていて、キラとカガリは私服に着替えていた。

 

(街っつーと、バルトフェルドの監視下だな。……確か、ここではブルーコスモスの連中が襲ってくる事件があって、それの兼ね合いでバルトフェルドの屋敷で少しだけ問答があるんだったか。はぁ……厭だ厭だ)

 

 再び大きなため息を落としたユウヒは自室へと戻り、シンプルな白いワイシャツと黒いスキニーのパンツ姿になり、ワイシャツの袖を折り、胸元を開ける。ワイシャツの下にはハンドガンのホルスターが二つついており、二丁の拳銃とマガジンが差されている。護衛なのだから当然の持ち物だろう。

 

 軍服に袖を通すようになって以降、襟のある服でなければ違和感を覚えるようになってしまったユウヒは普段下ろしっぱなしの髪を掻き上げ、キラたちの待つデッキへと向かうのだった。

 

「悪い。待たせたな」

 

「あ、コマムラ少尉」

 

「艦長から頼まれてな。一応はザフトの監視下にある街だから護衛をとな」

 

「あ、ユウヒ……」

 

「……どうせあの艦長の事だ。俺とお前の関係修復の時間も兼ねてるんだろうがな」

 

 肩をすくめ、硬い表情のユウヒを見たカガリ。あの時、死んでいったレジスタンスたちと、勝てるはずもない戦いに出向き、無駄死にのために出て行った彼らに怒りを向けたキラ。そんな一部始終を見ていたカガリ。再会したあの時にユウヒが告げた予感、忠告のようなものが全て的中し、彼の言い分が全て正しかった事で、カガリはより一層自身の浅はかな行為に苦しむ事になった。

 

「……起きてしまったことは変えられねえ。ただな、これを糧に必ず学べ。お前があの人の子であると言うってんなら、尚更な。感情にだけ任せて行動するな。物事にはおおよそ全て理由が必要なんだ」

 

「……っ、ああ!」

 

 ユウヒから、許されたかのような発言に、カガリは少し俯き、噛み締めるようにしてから、元気に返事を返す。そんな光景にキラは少し微笑み、三人はジープへと乗り込み、街へと向かうのだった。ちなみに運転手はもちろんユウヒだったのだが、アレだけのMS操縦技術があるユウヒの運転技術はとても砂地を走っている車とは思えぬものであったと言う。

全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()

  • 分けよう!
  • このまま!
  • めんどくさくないなら分けて!
  • 絶対分けるな!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。