BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
バナディーヤ──砂漠の虎、アンドリュー・バルトフェルドが現状統治している、オアシスによる豊富な水資源のおかげで砂漠の中にしては栄えている街である。アークエンジェルを発った三人は食料や水の備蓄のために艦長から手渡された多めの金銭をユウヒに預けて街中を歩いていた。
「クァァ……。あっちぃなぁ……」
緊張感があるんだか無いんだか、ユウヒは大欠伸をかましながら歩いている。彼を大切な兄のように慕うカガリと、彼を特別な一人の異性として見ているキラは、その想いの形こそ違えど、1番の共通の話題であるユウヒの話で盛り上がりつつ、必要な物資を買っていた。荷物持ちは当然つまらなさそうにしているユウヒである。ラクスが関わっている時とは天と地ほどの差があると言っても過言では無いほどだ。
「おいキラ。ユウヒはいつもこんな調子なのか……?」
「えっ?いや……うーん、どうだろう。艦内での少尉はなんというか……もっと張り詰めてると言うか……次の事を考えてる感じだよ?」
「あのなぁ。確かにここはザフトの統治エリア内だがな?護衛ったって普通に一般人が暮らしてる街だぞ。いちいち警戒して歩いてりゃ“ここにいちゃマズいですよ”ってのをアピールして回ってんのと同じなんだよ。普段と同じように、町の外から来た人間だって思わせとくのが一番安全なんだ」
先頭を歩いていたユウヒがキラとカガリの歩幅に合わせて少し距離を縮め、前を向いたままそう口に出す。街の喧騒にかき消されてかつ、二人には聞こえる程度の声量で、だ。
「……ね?」
「な、なるほど……」
キラは最初から何も疑っていなかったように普段通りに安心した様子でユウヒの後をついて行き、カガリはまたも自分が何も知らないことを痛感する。キラは素直にユウヒから様々なものを先入観のない目線で吸収していく。それは戦いに於いても変わらない。
「ここでは何を買うんだ?」
「んー、ま、大体は艦に残ってる連中用の土産がてらここの名産品を人数分と、あとはしばらく補給がない事を加味して多めの水。ここは砂漠だし、メシも水も多めに持ってて怪しまれる事なんてそうねぇからな。あとは軽く敵情視察だ」
そして、あわよくば虎と居合わせる事。うまくいけばまたラクスに会えるかもしれない……。そんな風にユウヒは考えていた。なにせ、バルトフェルドがプラントに戻っていない以上、ラクスはまだここに滞在している可能性が高いからだ。
「とりあえず、そろそろ昼時だ。オレらも飯の時間にしよう」
「そうだね」
──十五話『再会』──
ユウヒは店の外観を見ながら、バルトフェルド達が居た例の店を探すように練り歩く。その間、カガリとキラはあそこはどうか、ここはどうかとユウヒに提案するが、ユウヒはその悉くを蹴る。そして、見つける。店の扉越しに昼食を嗜もうとしているバルトフェルドの姿を。ダコスタの姿も確認できる。その際、気取られない程度に周囲を軽く見回し、ニュータイプ特有の殺気も感知していた。既にブルーコスモスの連中もここに目星をつけているようだった。
「ここにしよう」
「ええ?なんだってこんなところに……」
「オレらも別に贅沢できる身分じゃねえからだよ。わかったら行くぞ」
経費みたいなもんだからな、コレ。と付け加えながら店に入り、ユウヒはバルトフェルドの姿を視認する。
「よう」
サッとバルトフェルドの隣の席に座り、ユウヒは軽くバルトフェルドに挨拶する。
「……む、キミは……」
バルトフェルドもいきなり声をかけられたことに一瞬動揺するも、すぐに平静を装う。
「ま、ここではオレらは民間人同士ってことで一つ」
「お前ッ──もごごっ!!」
しかし、カガリはこの人間に仲間を殺されている。ただならぬ感情が表に出るが、ユウヒは即座にカガリの口を塞ぐ。モゴモゴと何かを言おうとするカガリだが、ユウヒはカガリに少し睨みを効かせた。
「ユウヒさん、この人は……?」
「アンドリュー・バルトフェルド。砂漠の虎そのひとさ」
「えっ?!」
「あんまデカい声出すな。ここじゃオレらは敵対してねえんだ。市街地だしな。コイツもここでオレらとやり合うつもりはないはずだ。だろ?」
しっ!と人差し指をキラの口元に添えるユウヒ。ユウヒに惚れているキラは図らずもユウヒの人差し指に唇を触れさせてしまったことになり、カアッと赤面しながら唇に触れるが、ユウヒは特別それを気にすることもなく、バルトフェルドの方へと向き直る。
「ああ、その通りだよ、安心してくれたまえ、あの子は今も安全だ」
「ふっ、それが聞きたくてな。まぁ、お前らのことだ。お前のコレが甲斐甲斐しく面倒見てんだろ?」
「まったく、心を読むようなことをしてくれる」
「それが取り柄みたいなもんだからな。……で、気づいてるだろうが」
「……うむ。まだこちらに手を出してくるつもりはないようだがね」
外に控えているブルーコスモスの連中について、である。ちなみにだが、ユウヒは不測の事態に陥った際にはアークエンジェルに対して一方的にその連絡をする手段を持ち合わせており、帰還の予定時刻より遅れる場合はそれを送ることになっている。当然の対策だろう。
「……今お前に死なれるわけにはいかねえ。手助けさせてもらう」
「ふっ、心強いねぇ」
そう言いながらも、しばらくは食事を楽しむ流れとなった。全員でケバブサンドを楽しむ事となるのだが、キラはこの手の食事を楽しんだことはない。バルトフェルドはヨーグルトソースを、カガリはチリソースをそれぞれキラに勧め、論争が巻き起こる中、ユウヒはと言うと……
「肉に十分味がついている。ソースは不要だ」
として、特に何もつけず、そのまま束の間の平和な昼食を味わっていた。ちなみに、その際艦に居る全員分のケバブサンドとヨーグルトソース、チリソースを注文し、持ってきているカバンに詰めていた。抜かり無い男である。そんな時……
「隊長!!」
「来たか」
「そのようだ、食事の邪魔をしてくれるとは、無粋だな!」
店の中に突入してきたブルーコスモスの私兵達。だが、事前にそれを予告していたユウヒの情報、ユウヒのニュータイプとしての能力と、軍人として鍛えられてきた銃の扱いもあり、原作ほど店の中が荒れることはなく、即座にブルーコスモスの私兵たちは鎮圧される。
ユウヒが放った銃弾は漏れなく全員がしっかりと額を撃ち抜かれており、即死である。本来なら人を殺す経験などないユウヒには辛い現場であるはずだが、それはこの世界の本来のユウヒと精神が結合してしまったが故か、いい気分ではないものの、特段気にする様子も無い。
「……流石に鍛えられた軍人は違うようだ、助かったよ。少尉殿」
「当然だ。──カガリ、キラ。怪我はないか?」
「あ、あぁ」
「はい!」
カガリはユウヒのあまりにも精確すぎる射撃と、人を殺したと言うのに全く気にしていない様子に困惑の様相を浮かべていた。軍人とは、こうも冷酷に、淡々と人を殺すのかと……カガリはユウヒが変わってしまったかのような印象を抱いてしまう。だが、戦闘後すぐにキラとカガリに駆け寄ってきてはそう聞いてきて、安堵する様子は昔から見たあの日のユウヒのまま──。
「流石ですね、少尉は」
「正規の軍人だからな。さてと、どうする?」
「助けられた礼に、コーヒーでも出してやりたいところなのだが、どうかね?」
それは暗に“ラクスに会っていかないか?”とバルトフェルドがユウヒに尋ねているようなものだった。
「もちろん、頂こう」
「お、おい!!それはいくらなんでも、ここは……!」
「言っただろう?“ここでは敵対していない”と」
「……なんなんだよ」
「カガリ、いいんだよ。バルトフェルドさんにもユウヒさんにも、目的があるから」
「……?」
そう言ったキラはユウヒに向かって頷き、ユウヒはキラに礼を言う。
「では行こうか、ダコスタくん、車を出してくれるかな?」
「了解です、隊長」
そうしてキラ、カガリ、ユウヒの三人はバルトフェルドの住まう邸宅へと招かれるのだった。
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「さて、コーヒーに好みはあるかね?君たちは」
「いーや。もともとオレはコーヒーに詳しくない。ただ、余り苦すぎるものは苦手と言うぐらいか」
「あ、私も苦いのは少し苦手です」
「私はなんでもいい」
「むぅ、君たちもコーヒーには拘らないタイプかね?仕方がない」
少し残念そうにバルトフェルドは立ち上がり、コーヒーを淹れ始める。それとほぼ同時に、バルトフェルドの恋人であるアイシャが現れる。……ラクスを連れて。
「お待たせ、アンディ」
「アイシャか。いーや、待っていたのは私ではなく彼女と彼だよ」
「っ、ユウヒ……!」
「ラクス!」
ラクスは我慢できないと言わんばかりに駆け出す。アイシャに仕立ててもらったのだろう、桃色のドレスに身を包み、髪を結えたラクスはユウヒにとってとても美しく映る。
「……会いたかったですわ、ユウヒ」
「オレもだ、ラクス」
「……どう言う事なんだよ、キラ。ラクスって、ザフトのお姫様なんだろ?!なんでそんなヤツがユウヒと、あんな……」
キラは地球に降下してくる以前の話をカガリに話す。その際、まるで惹かれ合う運命にあったかのように、急激に仲を進展させた二人の話をする。
「……種族も立場も超えた……愛、か」
カガリは酷く羨ましそうに、カガリですら初めて見る愛おしげな表情を浮かべるユウヒを見つめていた。それはもちろん、キラも。
「……元気だったか?」
「ええ、バルトフェルド様にも、アイシャ様にも大変良くしていただきましたから」
「良かった。たった数日だけど、ラクスのことを忘れたことはなかったよ」
「……わたくしもですわ。ずっと、忘れられませんでしたから」
ずっと抱き合ったまま離れようとしない二人に対して、バルトフェルドが咳払いをする。
「ゴホン!!そろそろ、いいかね?」
「……ああ、悪い。じゃあ、本題に入るとするか」
そうしてバルトフェルド、アイシャ、ラクスがカガリ、キラ、ユウヒの対面になるようにして全員が高級そうなソファに座る。
「コマムラくんには後で聞くとして、キミたちは、どうすれば戦争が終わると思うかね?」
「……え?」
「……そんなの……」
そう。二人とも答えられない。それが、戦争の厄介なところなのだ。
「相手を滅ぼすまでかね?」
「そんな……ことは……」
そう。理解している。頭では。敵対する全てのモノを、自分たちとは違うものを全てを破壊する、滅ぼす。そうすれば、戦争は終わる。そうしなければ、終わらない。もしくは、絶対的な何かによる支配による統治。それが、戦争を根絶する手段だ。
「ですが……それでは、いつまでも憎しみは無くなりはしませんわ。生き残った少数の滅ぼされた側が、いつかまた、勝者を憎み、恨み、争いは加速します」
「オレたちは、それ以外の方法を模索している。バルトフェルドやラクスはザフトの側に立ち、オレは連合の側に立つ。そうやってそれぞれの主張をぶつけ合いながら、模索し、折衷案を探している」
「……ユウヒ、兄さん」
「……人間はより良い世界を作るために機械を作り、文明を作り、宇宙にまで進出した。今では宇宙に住まう人口と地球の人口はそう変わらない。違うのは、ナチュラルであるか、コーディネイターであるか。宇宙に住まうか、地球に住まうか……。今はコーディネイターとナチュラルの戦いが起きている。なら、その次は?宇宙と地球の戦いが始まる。宇宙では、自分たちだけで暮らしていけるほどの資源は多く存在しない。それを妬んだ宇宙が地球に再び戦争を仕掛けるだろう。結末は変わらない」
「なら、どうすればいいって言うんだよ!」
カガリは慟哭する。終わりのない戦いの連鎖。止める術を知らぬ、愚かな人間が作り出したモノ。
「……誰もが誰もを許し合える世界。そんな未来を作るしかない。オレは……コーディネイターとナチュラルの両親の間に生まれた。誰もがそうすることができる未来が、可能性があるんだ。それを、広げたい。ラクスとオレは。そんな世界の象徴として、可能性を見せていきたいんだ」
「……可能性の、象徴」
「そして、カガリ。お前はオーブの人間だ。どの国家に対しても中立を謳う国家に属する人間だ。ここでお前にこの話をしたのは、お前にも、いつか……あの国を引っ張っていく時が来る。その時、お前には地球の象徴として引っ張っていってほしい。今は難しいかもしれない。俺たちが生きている間にそれを成すのは難しいのかも知れない。だが、いつか……。そんな未来を作りたいからな」
「私が……?」
「あの人の、娘なんだろう?カガリ・ユラ・アスハ」
「……ああ!」
「話は決まったわね、アンディ。コレから大変よ?」
「分かっているさ。だが、いつかは誰かがやらねばならんだろう。しかし、それを誰かに任せるには、我々は血を流しすぎた。もう、終わらせなければなるまい?」
そうして、ユウヒたちの種も立場をも超えた会合は終わり、それぞれは自分の持ち場へと戻る。平和に向けた戦いのために。
「またな、ラクス。次……いつ会えるかは分からないけど……」
「……はい!また、会える時を楽しみにしておりますわ、ユウヒ」
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
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分けよう!
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このまま!
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めんどくさくないなら分けて!
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絶対分けるな!