BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
ラクス・クライン。本来であれば男性であるキラ・ヤマトと結ばれるはずの少女である。いや、そうあるべきと言えるだろうか。だが、何をどうまかり間違ってしまったのか、この世界においてキラ・ヤマトは女性であり、本来の歴史では名すら歴史に上るはずもないただの連合軍の軍人である、ユウヒ・コマムラとの繋がりを持った少女になった。しかも、出会って数日で、である。本来、倫理的に見ればあり得ない……あってはならない事だろう。なにせ、彼女はプラントの歌姫であり、シーゲル・クラインの娘なのだから。
「……ユウヒ」
なぜ、彼女はユウヒを愛しているのだろう。なぜ、あれほどに求めてしまうのだろう。出会って間もない敵国の軍人であると言うのに、処女の花すら散らしてしまうほどに。
「考えてみましたわ」
酷く歪だった彼。細身ではあるものの、軍服の上からでも分かるほどに鍛え上げられた肉体と頬の傷。軍人然とした短く切り揃えられた茶髪。ハーフコーディネイターだと語っていた彼。だが、それだけ。しかし、あの日出会った彼の瞳の中に有ったのは“困惑”と“覚悟”だった。本来の人間は“なぜ”という言葉を発しながらも覚悟を携えることなど、ほとんどないだろう。だが、彼の中にはそれがあった。そして“殺したくない”という“怯え”も。
彼はモビルスーツパイロットとしては新米だそうだ。エンデュミオン・クレーターでの戦いに於いては英雄的な戦果を挙げたとの事だが、連合軍としては初のモビルスーツ同士での戦いであるはずの彼。そんな彼が、訓練を積んできたザフトの赤服のエリートと渡り合い、更には完全勝利を挙げて帰還したと言う。しかし、敵機は撃破には至らず。パイロットは全員生存して帰還している。本当ならば殺してしまえるほどの力量差があるのにも関わらず、それをしない。
「きっと、同じだったから……」
そう。同じだったから。“平和を望むもの”だから。そう感じたのが、ラクスが彼を想い始めた最初の始まりだった。そんな気がしていた。
彼女は心優しい。……誰かを救う為に戦い、自分は傷つく。アスランの時もそうだ。敵軍で、しかもよく知りもしないアスランへの激励の言葉。
戦って、戦って、戦って。……今もまた、戦おうとしている。平和のために。自分が望む未来のために。救える人を、救うために。ラクスでは出来ない。今のラクスには歌い、祈り、語ることしかできない。
「ユウヒ──」
何度も何度も。ラクスは彼の名を呼ぶ。その度に愛おしさが込み上げ、ぎゅっと胸を締め付けられるように熱く、苦しくなる。そして、何度も何度も抱かれていたあの時間を思い出す。心地よかった。何度だって彼に抱かれていたい。死ぬまでそうしていてもいい、と。そう思うほどに。
誰もいない部屋で、銃撃戦で破れてしまったと言う彼のシャツを抱きしめ、今までしたこともなかったのに、彼女は自分の股ぐらに指を埋める。寂しさを堪えるように、涙を流しながら。
「ユウヒ……ユウ、ヒ……あっ、んっ!はっ、あっ、ひ、ぐっぅ……」
……悲痛であった。それを知るのは、今のところアイシャのみである。少女……それもプラントの歌姫のプライベートなど窺い知るべきではない、と、バルトフェルドの部下たちはラクスの部屋には近づかない。
「……悲しいわね、こんなことになっていなければ、あの子は彼と一緒にいられたのかしら」
小さくそう呟きながら、咽び泣く声に嬌声が混ざった、悲しい音を微かに響かせる扉の前から立ち去る。
「……ねぇ、アンディ?」
「なんだ?」
「……もう一度、今度は彼だけここに連れて来られたりしない?」
「彼とは……ユウヒ・コマムラの事かね?……難しいだろう。彼は足つきのエースだ。そう簡単にあの艦を離れられるとは思えんが……」
そうバルトフェルドが言った時だった。
「……ま、そんなこったろうと思ってな」
そこへ、扉を開けて入ってきたのは、まさかの男だった。
「っ?!奇妙なパイロットくん?!なぜここに……!」
「……ラクスが泣いてる。そんな気がしてな」
「しかし、帰隊時刻までに戻らなければならないのだろう?ここを戦場にされては敵わんのだがね?」
「……あちらにはすでに伝えている。キラとカガリもアークエンジェルの尉官に預けてきた。今頃は着いている頃だろう」
────十六話『覚悟』────
「ユウヒさん、本当に良かったんですか?ラクスと話すだけで……」
「……良いも悪いもないだろう。オレは軍人だ。命令は遵守しなきゃならねえ」
「私は……私がラクスだったら、私なら……辛い。きっと、泣いてしまうほど、辛いですよ。ユウヒさん」
バナディーヤの外れ、既にムウが二台目のジープにて待機しており、四人はその場で話していた。
「私ならって……おいおいキラ、お前までユウヒにぞっこんなのか?!」
「はい。まぁでも、私じゃラクスにはとても敵いませんけど……ね?」
そう言って悲しげに微笑んだ表情を浮かべるキラ。カガリはあの時初めてユウヒとラクスが恋仲であることを知ったのだが。
「……私も、ユウヒ兄さんと離れ離れになった時、寂しかった。好きとかじゃないからな!!兄代わりだった人が、急に軍に入るとか言い出して、オーブからいなくなって……。あの子と、恋人なんだろ?!」
いつになく激しい感情を見せるカガリ。ユウヒはうるさそうに耳を塞ぐものの、バツの悪そうな表情を浮かべている。それもそうだろう。敵地のど真ん中、本来の国に帰した少女に会えるはず無いところを、彼方の打算も混みではあったが、会えた。それだけでも儲け物のはずなのだから。だが、それでラクスは満足しただろうか。少し抱き合って、未来の話をしただけ。それだけで、ラクスは──考えれば考えるほど、ユウヒはムシャクシャして、仕方がなかった。
「はぁ、お前も罪な男だねえ、コマムラ少尉さんよ」
「……オレはそんなつもりじゃないですよ。隊長」
「それが尚更だよ。正直言って、お前は良い男だ。面構えもいい。俺の隊で戦ってた時より取っ付きやすくもなったしな。それに、みんなお前に守られてる。そりゃ仕方ねえだろ。艦長やらバジルール少尉には上手く言っとくから、行ってこい。行ったら泊まりがけになるだろうがな」
「……なんでだ?別に、会いにいくだけだろう?」
「……あはは、あの時のユウヒさんとラクス、凄かったから」
「え、あっ──!ば、ばか!兄さんのバカ!!もうそんなことしたのか!!?会ってまだ一ヶ月も経ってないって言ってたじゃないか!!」
「う、うるせぇ!声がデカいんだよ!……ったく。良いんだな?隊長。文句言われても知らねーぞ。俺にとっちゃ、隊長命令を受けたようなもんだ。責任取るのはアンタだぞ」
「構わねーよ。人の恋路を邪魔する奴はなんとやら、ってな。荷物はこっちで持って帰っとく。お嬢さんたちもな」
「……ば、ばか。変態兄貴」
「カガリ、二人なりの愛の形にそんなこと言っちゃダメだよ。……ラクスによろしくお願いします、ユウヒさん」
「余計なお世話だぜ。……とは、言わねえよ。ありがとな、お前ら」
「少しは素直になったな、ユウヒ」
「やかましい。二度と言ってやるか。
「げ、バレてやんの……分かった分かった!!ちゃんとやっとくからよ。……ちゃんと慰めてやんな」
「……ああ」
─────
「って訳だ。──で、俺の話題が出てたってことは……」
「……あまり私も考えたくはないがね、キミを想うあまり、と言うことだろう。──私は知らないぞ!普段はアイシャが面倒を見てくれているからな」
「いや別にそこは疑ってねえよ。つか、そこ気にするような男だったらそこのお隣さんにぶっ殺されてるだろ、アンタ」
「当然♪」
「……おっかないねぇ」
やれやれ、と肩をすくめるバルトフェルド。ユウヒにウインクするアイシャと、本当に敵国の人間同士なのか怪しいやり取りをする三人。普段通りを装ってはいるが、ラクスは絶賛今“お取り込み中”の様子。さて、どうしたものかとユウヒは考えるが……
「……人払い、しててくれよ。流石に俺もこんなところでするのは本意じゃ無いんだから……それに、ラクスの尊厳のためにもな」
「ふふっ、命に変えてもその約束は守ってあげるわ」
アイシャの言葉に頷いたユウヒ。そのままユウヒはラクスの部屋など知るはずも無いのに駆け出していく。まるで居場所がわかっているかのように。
「あ、おい!部屋の場所は──!」
「アンディ。大丈夫。きっと、彼なら分かってるから」
「……キミにそう言われるとそんな気がしてくるのだから、恐ろしく思うよ」
────────
駆け出したおれは一直線にラクスの元へと向かう。聞かなくたって分かる。頭の中に流れ込んでくる寂しさが、場所を教えてくれる。紛い物でも、貰ったものでも、植え付けられたものでもなんでも良かった。今はこのニュータイプ紛いのこの力に有り難さを感じていた。
「……ここか」
オレはうっすらと声の響く扉の前に立ち、ノックをする。
「ひゃっ?!は、はい!!」
驚いたような声を上げるラクス。当然、人を迎え入れるような準備など出来ているはずがない。“あんな声”が出せるような格好ということだ。
「す、少しお待ちください!すぐに準備いたしますから……!」
「……その必要はねえよ、ラクス」
「その声……ッ!!」
本来のラクスらしくない、激しい足音が扉の向こうから響くとほぼ同時、勢いよく扉が開く。泣き腫らした目とやっとの思いで羽織ったのだろう真っ白な薄手のバスローブ。胸元は乳首の形がくっきりと浮き上がっているところを見るに、まさに今先ほどまで自分を慰めていたんだろうことが伝わってくる。
「……いきなり来て、悪い。やっぱり、抱きしめたぐらいじゃ足りなかったんだ」
オレはそう言いながらラクスの腕を強引に引き、抱きしめる。驚きもしなかったラクスはオレの顔を見つめる。オレからでも、ラクスからでもなく。自然に、オレたちは口付けを交わす。
「……ユウヒっ、わたくし、ごめんなさっ──こんな、ふしだらな……!」
「そんなことねぇよ。オレだって……ずっとラクスのこと考えてた。ずっと、こうしたかった……許されるんなら……連れて行きたいぐらいなんだ」
「っ、ユウヒっ……」
「……よっと」
「ひゃっ!……も、もう……」
「悪い、オレ、強引なんだよ」
そう言いながら、オレはラクスを抱えたまま部屋に入り、ドアを閉めて鍵をかける。そのままラクス一人には大きいだろうベッドに寝かせる。こんな大きなベッドに一人……寂しかっただろうことは想像できる。たった数日……されど数日。別れてすぐが一番寂しいように、一人に慣れるまでは辛かったはずだ。
「……ユウヒ、抱い──」
「ラクス。抱かせてくれ」
先に言わせるわけにはいかない。男としてそんな情けないマネできないからな。
「はいっ……」
再び涙を流すラクス。だが、その表情は嬉しさが浮かび上がっているかのような笑顔で、とても綺麗だったのを……オレはきっと死んでも忘れないだろう。……“あの人”はそうならない道を選んだ。選ばせてくれる大人が居た。友が居た。……愛する人がいた。……だから、先に謝っておくよ。……ごめん、ラクス。
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
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分けよう!
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このまま!
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めんどくさくないなら分けて!
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絶対分けるな!