BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
C.E.70。六月二日。連合の地下資源採掘場が存在するエンデュミオンクレーターにて、連合宇宙軍第3艦隊とザフトが激突し大きな戦いとなった。
結論から言えば第三艦隊が壊滅したこの戦いはグリマルディ戦線と呼ばれている。今ではエンデュミオンの鷹と呼ばれているメビウス・ゼロに乗ったムウ・ラ・フラガと共にその戦線を生き残り、無事に帰還を果たしたのが彼、ユウヒ・コマムラである。
元はオーブの出身で、コーディネイターとナチュラルの両親の間に生まれたハーフであるが、彼自身は遺伝子操作を受けていないナチュラルである……。というのが、ムウが過去にユウヒから聞いていた彼自身の過去である。
彼は今年19歳で、グリマルディ戦線が初陣である中、彼の中にあるコーディネイターの血が強く出ていたが故に、彼を生き残らせたのであろう、と言うのがムウの見解だった。
「……そう、彼はハーフコーディネイターだったのね。でも、こんな話を聞いてしまって良かったのかしら。記憶を失う前は隠しておきたかった事では?」
「今はそうも言ってられないだろ。ユウヒがアルカナを使えるって言うんならやってもらうしかない。実際、俺たちの戦力だって潤沢じゃ無い。ブリッジも空席だらけだしな」
現在アークエンジェルのブリッジではムウ、マリュー、ナタルの三名がユウヒの扱いについて話していた。キラはコーディネイターであったが、聞いていたユウヒのデータ上ではナチュラル。そんな彼がアルカナを操縦し、アークエンジェルに帰投したのだ。最低限モビルスーツ……G兵器を扱うだけの最低限の技量があると判ずるには十分と言えた。
「しかし記憶を失い、軍規もほとんど覚えていない彼をこれから厳しくなる戦火に放り込むのは得策とは思えません。年齢だけで言うならば、彼はあの少年たちと変わらないはず……」
「……まぁ、結局はユウヒに聞いてみるしか無いだろ。奴さんたちはまだアークエンジェルを狙ってくる。俺と坊主のストライクだけでどこまで守り抜けるかは分からないだろ?民間人も抱えちまったんだ。それを守り抜くためにも、必要な力だと俺は思うがね」
─────“二話「ユウヒの選択」”─────
一方その頃、記憶を無くしたと思い込まれているユウヒはアークエンジェル内をある程度見回り、その後自分に与えられた部屋で休んでいた。アニメ内では描かれていなかった部分の艦内の散策も面白がっていたユウヒだったが、自室に戻ってきてからは自分が今後どうなるのかを考えるようになっていた。
「楽観的に考えてたけど、これから命の奪い合いをするんだよな」
そう。これからアークエンジェルは厳しい戦いに身を投じて行く。そんな艦に自分のモビルスーツを運び込んでしまった。しかも、しっかり操縦できることも示してしまっている。彼が戦いに駆り出されるのは目に見えていた。
「……自己中心的かも知れない。それでも、俺は……救えるのなら救いたいんだ、何もかもを……これが泡沫の夢だったとしても、俺が関わった誰かが不幸になるなんて、嫌だ」
そう決意したユウヒは艦橋へと急いだ。
「ん?おぉ、ユウヒか、休まなくて良いのか?」
そこにはムウ、ナタル、マリューの三人がいた。まぁ当然だろう。
「ユウヒ・コマムラ少尉、次回の戦線よりアルカナで出撃します」
「……良いのか?確かにお前は軍人だが、今のお前は記憶喪失なんだぞ。戦う覚悟が備わってた時のお前じゃないんだ」
「仕方ないだろ。新兵器遊ばせとく余裕なんてこの船にはなさそうだ。今戦えるのだってあのストライクってのを動かしてる子とフラガ大尉ぐらいなんだろ?」
「……まぁ、そうなんだが」
「コマムラ少尉、アルカナに関してお知らせしておきたいことがあります」
ムウと話していたユウヒだったが、そこにマリューが割り込む。
「知らせておくこと……?」
「はい。あの機体は特に機密度が高い機体なんです」
(機密度が高い?俺のアルカナが……?なんで?)
「人が乗る事を意識していないとまで言われています。ストライクもナチュラルにとってはそうと言われればそうですが、それ以上に殆ど実働試験も済ませていない機体です。我々が知らされていない未知の機能が仕込まれている可能性があります。それに、技術班が見たところ、生体認証がかかっていてデータの回収も貴方の同意がなければ出来ないようです。元々そうなるように作られた……だから神秘、秘密。そんな意味を込めてアルカナと呼ばれているとの事でした」
(そんな、まるでユニコーンみたいな……。確かにアルカナは白い機体だけど、そんなまさか。俺はあの機体にNT-Dなんて搭載してないぞ!?装甲が開くようなギミックも作ってないし……けど)
「構わない。それで、みんなが救えるんなら」
「……ありがとう、ユウヒくん」
「記憶はなくても……俺は軍人だ。その義務は果たさなきゃならない……。だから、出撃の時は言ってくれ」
そう言ってユウヒはモビルスーツデッキで何度見て来たか分からない、しかし、見たことの無い形のアルカナを見上げる。ΖやΖプラスの意匠を感じさせる、元々はバウとゲイツの合わせ技のような、チグハグな機体。それが上手く調和されて完成したユウヒの相棒。
「ここじゃ俺とお前。はじめましてってことになってるんだってさ。変だよな。何年も一緒に戦い続けて来たのにな……。お前は、覚えてくれてるか?……初めて全国大会に出れて、俺は……」
そう言ってユウヒがアルカナに触れた時、装甲の隙間から青い光が漏れ出るのに気がついた。
「これ、サイコフレームの光……?コズミック・イラにサイコフレームだってのか……?そんな、とんでもないオーパーツだぞ……?」
青く優しい、しかし、どこか恐ろしさすら感じる光。不死鳥を象った金色の装甲を持つモビルスーツを彷彿とさせるその光を垣間見たユウヒは不安げにその装甲から手を離すと、その青い光は収まる。
「ガンダムに乗る奴らは揃いも揃って数奇な運命に弄ばれて来た。まるでガンダムに選ばれるかのように……俺も、選ばれたってのか?」
そんな独白はどこにも届かぬまま、虚空へと消え去っていく。ユウヒはただため息をつくばかりであった。
この世界でガンダムに選ばれたのはキラだと思っていた。なんせ、ガンダムSEEDは平成のファーストガンダムを目指して作られたアニメのはずだからである。それが、主人公ばりの神秘に包まれたガンダムに自分が乗り込む事になるとは思っていなかったのだ。
「俺のせいで、世界は変わってしまう。それなら……」
変わることが確定してしまった世界。それなら、自分が望む未来を手に入れたい……そう思うのも無理もないことなのだろう。
「コマムラ少尉」
「ナタル・バジルール……少尉?」
「先ほどは艦の状況を伝え損ねてしまっていました。現在、本艦は六機の内、四機のG兵器を強奪したクルーゼ隊に追われている状況にあります。コマムラ少尉には、次のクルーゼ隊との接敵に対応し、戦闘に出て頂かなくてはなりません」
戦い。その文字は鮮烈にユウヒに対する恐怖を植え付けた。アニメで行われていたような命のやり取りがこのあと行われるのが確定しているのだ。しかし、戦えるのはキラとムウとユウヒのみ。この場を乗り切らなければ、ザフトの捕虜となる。自分とキラはハーフコーディネイターとスーパーコーディネイターであるため、生き残る可能性もあるだろうが……ムウは……。
「承知いたしました、バジルール少尉」
「……大丈夫なのか?」
「え?」
「貴方は確かにフラガ大尉と並んでグリマルディ戦線を生き残った英雄かもしれませんが、今の貴方は記憶を失ってしまった十代の青年なのです……。ラミアス大尉やフラガ大尉の前では……」
「……今だけはコマムラ少尉じゃねぇ、俺の言葉で言わせてもらう。正規パイロットだろうが、正規軍人だろうが、巻き込まれたあの子らだろうが、戦うのはみんな怖えんだ。怖えから戦わねえで、死ぬのをただ待ってろってのか?」
「しかし……」
「今ここで逃げちゃ俺は……俺自身を許せねえよ。次の戦いにはアルカナで出る。確かめてえ事もあるし……俺はアンタも守りたいんだ」
この戦争の終結直前、彼女はマリューによって討ち取られる正史を持つ。融通の効かない頑固頭だろうと、人を気遣う優しさを持つ彼女を、ユウヒは救いたいと思った。あの時、クルーゼに殺されたフレイだってそうだ。ユウヒは知りうる全てを守りたいと願った。この先の未来に訪れる青年、シン・アスカの家族だって救いたいのだ。
「……えっ、ま、守りたい……?」
「パイロットは、艦と艦の乗組員を守るのが役目だろ。守りたいんなら、戦うしかねえんだ。自分のエゴを貫くためにもな」
そう言って、激情に駆られたように頭を振り乱したユウヒはその場を飛び去った。そこへ、桃色の服を着た赤髪の少女が飛び込んでくる。
「うおっ、大丈夫か?」
「あっ、えっと……ご、ごめんなさい……!」
少女を受け止めたユウヒは、セクハラになるまいとフレイをすぐに優しく引き剥がす。その後すぐさまに少女はユウヒに対して頭を下げた。頬の傷もあるだろうが、ガタイのいい彼を怖い軍人だと思ったのかもしれない。
「ん、アンタはあのストライク?が持ってきた救命ポッドに乗っていた子か?」
「は、はい!フレイ・アルスターって言います……」
ユウヒは連合軍人である以上、アルスター外務次官の娘である彼女に対して普段以上に気を遣って話すべきなのだろうが、記憶を失っているという設定になってしまっている事と、彼女の性格上、こちらが謙るような対応をとればどんな暴走をするのか分ったもんじゃない……というのがユウヒの見解だった。
「フレイか、覚えとくわ。俺はユウヒ・コマムラ。色々と訳ありだが、一応少尉って立場になる。よろしくな。それと、とりあえず色々気をつけろよ、なんとか助けてもらったかもしれねえが、それでもここは戦艦の中だ。救助ポッドの中よりは安全だろうが、これから戦いに巻き込まれるのは確定してる」
「軍艦の中……」
「そ。アークエンジェルっつってな。重てえ話にはなっちまうが、俺も戦いの最中で記憶喪失になっちまったらしくてな。あそこにあるモビルスーツ、あいつを回収しに行ったっきりだったらしい。で、記憶を失ってでも俺はこいつをここに運び込むことができた……運命と思うしかねえだろ?」
「記憶喪失……」
「っとと、初対面の子に言うことじゃなかったか、悪い。それでもよ、戦争やってんだ。少なからず誰も彼もが不幸を抱えてる世界だし困ってる奴がいたら助けてやってくれ。頼むぜフレイ。俺もできる限り助けられるように頑張るからよ。じゃあな」
ユウヒはそう言って笑いながら、フレイを置いて、その場を離れていくのだった。
「コマムラ少尉……なんか、変わってる」
アルスターの娘。それだけで普通の軍人は彼女への扱いが変わる。しかし、彼は彼女をアルスター家の人間ではなく、フレイという一人の少女として扱った。今までに無い感覚、どこか胸が熱くなるような感覚に、フレイは去っていくユウヒの背中を見つめ続けていた。
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
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分けよう!
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このまま!
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めんどくさくないなら分けて!
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絶対分けるな!