BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
翌朝、アイシャに用意してもらった朝食をバルトフェルド、アイシャ、オレ……そしてラクスの四人で食べていた。
「しかし、因果なものだね、これから戦う相手だと言うのに、一緒に朝食とは」
「……出来レースみたいなもんだろ。気にすんな。オレが絶対に勝つからな」
「あら、たいそうな自信ね?」
「当たり前だろ。G兵器四機相手取ってたんだぜ。自信ぐらい持たせてくれよ」
そんな風におちゃらけてはいるものの、ラクスの目は悲しげだ。オレもまぁ、空元気みたいなところはある。
「そんな調子で戦えるのかね?キミは」
「はーあ、これだから大人は嫌だわ。ほんと。鈍らせるようなこと言うなよな……。正直ザフトに寝返っちまいたい。そう思うぐらいラクスと離れるのは嫌だよ。だけど……ザフトに寝返ったってラクスとは居られない。結局は必要なんだよ。戦いの中で手を取り合ったっていう実績がな」
何と何が、なんて、言わなくても分かるだろ?
「……分かっているさ。しかし、それは我々大人の仕事だと思うが」
「そーゆー凝り固まった思想がこうやって歪んだ世界を生み出してきたんだろ。未知の未来に想いを馳せる若者が切り開いて行くんだよ。未来って。だから、ラクスたちが必要なんだ」
「ユウヒ?その言い方ではまるで、貴方は必要ないと言っているような……」
「……どうかな。オレは戦うことしかできない。答えは戦いの中で見つかるけど、……だけど、ソレ終わった時に……そこに残ったオレは一体何をすればいいのか、とか」
空になった皿の中で、音を立てずにクルクルと回すオレ。今のラクスの顔は見ていられない。けど、全て話しておきたいんだ。オレの気持ちぐらいは。
────十八話『哀・戦士』────
「……それは」
「ラクス様、ソレは彼次第でしょう。彼は軍人です。戦う事で生きてきた人間です。そんな彼が、いわば仕事を失うために仕事をする……そういう事なのです。難しいでしょう」
バルトフェルドも思うのかね?この人もまた、平和を願いながら、平和になった世界で何を成すのか、分からずにいる大人の一人なのかもしれない。
「……そう、ですわね」
「とりあえず!戦うのは俺たちの役目だ。だから、全部終わったら……情けないけど、オレを導いてくれ、どうすればいいのか……。さ」
「……っ、ええ!任されましたわ!」
力強く答えるラクスに頷きを返したオレは、ゆっくりと立ち上がる。
「もう行くのかね?」
「ああ。ありがとう。バルトフェルドさん。アイシャさん。……ラクス。愛してる。またな」
「……うん、ユウヒ。またね」
ぎょっ!そんな驚きの表情を浮かべるバルトフェルドとアイシャ。ラクスのこんな砕けた話し方なんて聞いた事なかったんだろう。ラクスは聞かせたくなかったのかも知れないけど、等身大の自分で見送りたい……そんな気持ちが伝わってくる。みたいじゃない。伝わって来る。やっぱりニュータイプの感応なのかね?いや、違う。嘘だ。
「……ラクス」
「ごめん、なさい……嘘、ついた。……行ってほしくない……ずっと、そばにいて欲しいよっ……!」
ガタン。勢いよく立ち上がり、倒れるイス。そんなこと気にせず、駆け寄ってきて抱きついて来るラクス。
「ユウヒ、ユウヒぃ……う、ぁ、うあぁあああ!!!」
「……アンディ」
「分かっているとも」
泣きながら、足に力も入らないまま座り込むようになったラクスを支えるようにオレも膝をついて、ラクスを抱きしめ、背中を優しくさする。ラクスの姿だけじゃない、気持ちが、心の全てが伝わって来る。離れることが寂しく、戦わなければならないことが悲しく、オレをどこかで失う可能性に怯えて……。こんな言い方はしたくないが、感応波なんだろう。そう思う。
「ラクス。ありがとう」
「え……?」
「オレのために、泣いてくれて。だが、どうか泣かないで欲しい」
オレはそう言いながら、ズボンのポケットから“普段からつけていたの指輪”をネックレスにしたものをラクスにつけてあげる。
「これ……ユウヒがつけてた……?」
「……両親の結婚指輪……。形見だ。オレと“姉さん”を愛してくれた両親が、たった二つ残した」
……どこかモヤモヤしていた。何かを忘れている、と。この指輪が“両親の結婚指輪である”ことは分かっていた。だが、サイズや形状的に父親のものだと分かる。だが、この肉体に宿る記憶では、両親の遺体から指輪は見つかった。だが、オレがつけているのは一つ。もう一つも持っている訳ではない。……ならば、そう考えが行き着いた時、前世からオレには姉がいた。そこで最後のユウヒ・コマムラの記憶を思い出した。姉がいた……と言う事を。
「もう片方は……ユウヒのお姉さんが……?」
「ああ。持っているはずだ。オーブに今もいると思う。やっと、思い出せたところだ」
「……こんな、大切なもの、頂く訳には……」
「預けるんだ。必ず、返してもらう。……それまで、オレは死ねない。だから、どうか安心して、笑っていてくれ。な?」
彼女の感情につられ、泣きそうになるが。ソレでも必死に堪えてオレは笑って見せた。ひどく醜い笑顔だろう。泣きそうなことぐらい、きっとラクスにも伝わっているだろう。それでも、笑った。
「……強いね、ユウヒは」
「弱いよ。たぶん、あの日ラクスに出会ってなければ、きっとオレ……戦えてなかった。あの日までのオレに、大切なものなんて無かったんだ」
だって、オレはこの世界の人間じゃないから。所詮オレの願いなんて、生きてて欲しいキャラが居たから、助けたい……。そんな程度のものでしかなかった。だけど、ラクスを拾って、ラクスを抱いて恋をしたあの日から……。オレに、本当に守りたいものができた。“守りたい世界”ができたと感じている。
「……ユウヒ」
「ラクス。オレはキミが大好きだ。……今から離れ離れになるけど、ずっと言えなかったことを伝えるよ。……オレの恋人になって欲しい」
「……っ!はい!もちろん!私も、ユウヒが大好きだもん!」
やっと、ラクスの顔に笑顔の花が咲く。……よかった、笑ってくれて。
「まったく、甘いったらない。若いって言うのはいいもんだね、アイシャ」
「ええ、ほんと。たまにはあれぐらい情熱的に伝えてくれてもいいのよ?アンディ」
言ってろバーカ。……とか思ってると、ラクスは立ち上がる。もうそこに恐れも悲しみもない。強い覚悟を宿した瞳があった。
「……行ってらっしゃい、ユウヒ」
「ああ。またな、ラクス」
そうしてオレはバルトフェルドの館を離れ、バナティーヤを離れ、アークエンジェルへと帰投した。時刻は11:30。決着つけようぜ──バルトフェルド。
──
「おかえりなさい、ユウヒくん」
「……ごめんみんな、長い間艦を開けちゃったな」
どこか憑き物が落ちたような。年相応の表情を浮かべるようになったユウヒに、マリュー、ナタル。ムウ、キラ。カガリ。アスラン……キラの友人たちも、少し安心したようだ。
「……ちゃんと話せたのかよ。ユウヒ兄さん」
「うん。ちゃんと話せたよ。ありがとうカガリ。あの時背中押してくれて」
「……っ、なんか、おかえり……そう言いたい気分だ!」
カガリが昔のように、ユウヒに抱きついてきて、ユウヒも抱きしめ返した。ラクスが見たら嫉妬するだろうことは、想像に難く無い。
「そうだな……うん。オレもそう言いたい気分かも。ただいま」
「いい顔するようになったじゃないの、少尉どの。あの時の呪われてたみたいな顔が嘘みたいだな」
「……そういうムウはほっぺたの手形、取れてないぞ。オレを勝手に行かせて怒られたんだろ。ごめん」
「はははっ、いいってことよ。お前のその顔で十分釣りが来る。叩かれ甲斐があったぜ」
ムウもそう言って笑う。その頬にちょうどマリューのモノと思われる手形をつけながら。格好はつかないが、素敵な大人だと今のユウヒは思う。
「でも、軍属である以上、厳重注意は確かよ、コマムラ少尉。以後は無いようにね?」
「はい、艦長。申し訳ありませんでした」
ユウヒはそう言って深々と頭を下げると、マリューはユウヒの近くに寄って頭を撫でた。
「……もう、一人で突っ走らないで頂戴ね。あなたはとても強いけれど、一人じゃないんだから」
「分かってます」
そう言って顔を綻ばせていたユウヒは、ギッと表情を固くして見せる。
「……バルトフェルドが動くぞ。昼には襲撃をかけて来る。……ラクスをプラントに返すための出来レースみたいなものだが、それでもヤツもプラントから妙な嫌疑をかけられないよう、全力でくる。……アスランの手もあるが、イージスで砂漠での陸戦は厳しい。それに、デュエルとバスターも合流してきている。……必ず、生きてここを抜けよう!」
「了解!」「ああ!」「はい!」
ユウヒの号令にそれぞれが応じて声を上げる。キラ、アスラン、ムウは即座にデッキへと移動し始めた。それぞれのクルーも持ち場に戻っていく。
「こ、コマムラ少尉……」
「……バジルール少尉?」
ユウヒもデッキへ行こうとしたが、ナタルがユウヒの袖を引っ張る。普段起きない出来事であり、ユウヒの疑問そうな声に全員がこちらを向く。
「……その、わ、私は……」
だが、何も言い出せない様子だった。クルーたちは苦笑いである。なんのことだろうかとユウヒはさらに首を傾げるが、全員は内容を知っているらしい。
「ナタルったら、意外といくじなしなのね?」
「か、艦長!……う、ぐ……」
「えぇ?なんの話なんです?」
「私から伝えちゃっていいの?」
「い、いえ!私から……!そ、その、だな。……ユウヒ。あ、ぅ、す、す……」
「……え?」
オイオイ。マジかよ。そんな素振りあった?とユウヒは思う。もうモロである。告白寸前の女子高生みたいになっているナタルを見て、ユウヒも流石に勘づくが、流石に先手は打てない。だが、ラクスと正式に恋人になったユウヒには“断る”と言う選択肢しかない。
「……好きだ、ユウヒ」
「え、あ、え、な、なんで?」
「……わ、分からん!!私にも分からないんだ!!だが、キミを思うと……どうにも、心臓が、うるさい。キミがバナディーヤから戻ってこなかったときも、どれほど心配したか……!」
「ぅ、あ、いや、その……」
女性から好かれる。その気持ちは非常に嬉しくはあるが、ユウヒとしては困るものでしかなかった。
「……分かっている。キミが晴れ晴れとした表情で帰ってきたのだ。ラクス嬢としっかりと恋人や、婚約といった関係を結んだ事はわかっている。……だが、いや、だからこそ。伝えたかったんだ。好きだと……」
「ありがとう、ナタル」
“ナタル”と呼ばれることに慣れていないナタルはびくっ、と体を震わせ、頬を赤く染める。が、ありがとうと先に出る以上、後に出る答えは決まっていた。
「……ごめん。オレはラクスを選ぶよ。ナタルの顔とか、容姿とか性格に問題がある訳じゃないよ。美人だと思うし、真面目で誠実で、良い人だと思う。ただ、うん。……なんだろ。順番が違えば、また違ったのかもね。オレもあんま、分かんないや」
カリカリと額をかいている様子のユウヒ。実に困った表情だ。
「すまない。困らせるような事を言って……」
「仕方ないよ。人の感情に蓋なんて出来ないし。むしろ、オレが気づかないなんて、すげぇ頑張って隠してたんだな」
「……。分かっていた事でしたから」
「いやまぁそうだけども……とりあえず!戦いから戻ったら話そう。……行って来るよ」
「っ、ご武運を!」
「あいよ〜」
手をヒラヒラとさせながらブリッジを出ていくユウヒ。ナタルはその後ヘタヘタと座り込んでしまった。
「なんてこんな公開処刑のような真似を……艦長」
「でも、戦いよ?考えたくはないけれど、彼もパイロット。いつ死んでしまってもおかしくないわ。だから、ちゃんと伝えられる時に伝えておかないと」
「……分かっては、いますが……」
これに関しては、ギリギリに帰還したユウヒが悪かったんだ……とナタルは思うことにしたそうだ。ちなみに、この話もバレたらラクスの頬がぷくーっと膨らむことだろう。ラクス、キミの恋人になった人は随分とモテるようですから、気を付けてくださいね(無理)。
「ラクスとはうまく行ったのか?ユウヒ」
「お前には話しづらいけどな。アスラン。けど、うん。うまく行ったよ。正式に恋人になったよ」
「ごめんとか言われたら殴ってるところだよ。ユウヒ」
「いいなぁ、ラクス」
「というか、なんでみんなそんなにユウヒが好きになるんだ?キラやラクスはかなり短い期間だろう?」
「なんでだろ。うーん、でもほら、ニュータイプだからかな?コマムラ少尉ってすごい細かいところまで私たちに配慮してくれるよね。話が分からないってことも少ないし、色々言葉も選んでくれてるし。それに、今アスランが言ったじゃない。ごめんって言われたら殴ってたって。コマムラ少尉、人の嫌がることって極力しないから」
「……当人の前で褒めるなよ恥ずかしいな」
「ニュータイプ、か。俺もそうなれたらよかったな」
「なれるさ。人間みんな、誰もが可能性という内なる神を持つ。……自分を信じろ、アスラン」
「あ、じゃあ俺も自信持ってみるかなぁ。マリューが俺のこと好き!みたいなさ」
「ソレは自惚れすぎだと思うぞ。フラガさん」
「なにをぅ?!」
これから戦いに赴くというにはあまりにも優しい空間。いや、そうであろうと務めるのだろう。戦いに勝ち、明日を掴み取る為に……。気がつけば、四人は戦士の顔をしていたのだから。
「……勝つぞ。必ず」
「もちろん」
「うん!」
「ああ!」
あーあ、しばらくラクスを書けないのつれぇ……めっちゃつれえ
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
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分けよう!
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このまま!
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めんどくさくないなら分けて!
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絶対分けるな!