BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
時刻は13:00。ついに、バルトフェルド隊が動いた。薄らとだが、レセップス甲板上にはデュエルとバスターの姿が確認できる。まだまだ成長できていない頃の彼らは、おそらくだがオレを倒す為に焦って砂地に足をつけてもたつく事だろう。ことこの砂漠での戦いに於いてはヤツらは敵じゃない。問題は……
「四足のモビルスーツ、高速でこちらへ接近!下に潜られます!」
こいつらだ。器用に俺のウェイブシューターでは潜り込めないところへ入って行くように戦っている。あちらはキラに任せる他ないな……。
「キラ!アークエンジェルに取り付いたMSは任せる!」
『分かった!』
随分と気安くなってきたキラ。いい傾向かもな。さて……オレはオレの敵を見据えるとしようか。まだ、出てきていないようだがな。ちなみにだが、アスランはアルカナで普段使いしている長周波ビームライフル“ダスク”を手に、アークエンジェル甲板上にて援護射撃に回っているが、どうにも砂地の熱帯流の影響でうまく狙いが定まらないようだった。
「くっ、地上と宇宙ではこんなにも勝手が違うものなのか……!」
ちなみにオレはと言うと、やはり可変機体のテストヘッドとして開発されたイージスよりも後に、最も柔軟性があり、研究が進んだX100系フレームをベースとして作られた可変機がアルカナと言うことのようで、ストライク同様……とまでは言わないものの、装備の換装は比較的シンプルな構造を取られているため、やはり他の前期G兵器とは一線を画す性能差がある。サイコフレームの事もあるしな。だが……おいそれと使える代物ではないから、現在はアルカナのNT-Dの殺人的なGに耐えられるように新設計のパイロットスーツをアークエンジェル内で作ってるらしい。バナージが着てた例のアレだな。もう世界がオレに力貸してるとしか思えねえわ……。あぁくそ、戦闘中に何考えてんだか。集中しろ、オレ。
「来たな……!アスラン、上に乗れ!」
『ああ!』
ウェイブシューター形態のままアークエンジェルの近くまで行けば、アスランがタイミングを合わせてアルカナの上へと乗る。やはり宇宙と違って重力圏内で上に乗せるとまあまあな衝撃がくる。
「アスラン、バルトフェルドが出てきた。まずは周囲のバクゥを倒す。最終的には味方になるかもしれないヤツらだ。可能な限り頭を潰して行動不能にしてほしい。頼むぞ」
『無茶を言うッ……だが、やってみせる!』
────十九話『決着。また会う日まで』────
正確な射撃でユウヒを狙うラゴゥのビームキャノンと、動きを制限するように周囲のバクゥから放たれるミサイルとレールキャノンの弾丸の嵐。いくらアークエンジェル側の戦力が三機のG兵器とは言え、数は圧倒的にザフトが上である。
アルカナの圧倒的な機動力と腰部ビームガン、と上に乗っているイージスのダスクによる長周波ビームによる制圧射撃によってなんとか事なきを得ているものの、中々どうして戦いは拮抗している。キラの方は、イザークとディアッカを相手にレセップス付近で戦闘が行われていた。
「くっ!邪魔だストライクゥゥッ!!用があるのはあの一本角だ!!」
「くっ!!アスランとユウヒさんはやらせない!!」
「くっ、同じG兵器なのになんでこんなにも動きが違うんだ!」
一本角もといアルカナへの妄執に囚われたイザークと、無茶をするイザークへのバックアップで手一杯になっているディアッカ。何度となくシミュレーターで戦っているユウヒ一人の方が何倍も強いと感じたキラは普段よりも強気だ。
「遅いよ!そんなんで、アークエンジェルをやらせたりしないっ!」
迫るシヴァから放たれる弾丸をシールドを斜めに構えてうまく弾き、可能な限りライフルを使わず、頭部イーゲルシュテルンの牽制射撃のみで接近し、デュエルへと切り掛かる。互いのサーベルをシールドで防ぎ合う形になるが、ストライクのOSはデュエルとは比べ物にならないほど洗練されたモノとなっており、踏ん張りの効かないデュエルが足を砂に埋もれさせたり、滑ったりしている。援護がなければ即座に落とすことすら可能なレベルだが……。
「下がれ!!今の君たちに私たちを倒すのは無理だ!」
殺し合いたくないと願うキラは、一縷の望みに賭けるように接触回線でイザークへと忠告する。
『女だと……?!黙れ!アスランをどうやって誑かしたか知らんが、お前なんぞに!!』
「イザーク!援護する!!喰らえよっ!」
バスターの放つ援護射撃。見えている範囲からの援護射撃に当たる事はないが、落とせた敵を落とせなかった事は悔やまれる。
「くっ!!」
「イザーク!大丈夫か!」
「余計な真似をするなディアッカ!クッソォ!!!」
モビルスーツの操縦はこちらの方が技術的にも遺伝子的にも、訓練的にも優っているはずだと言うのに、アルカナにもストライクにも勝てない。ディアッカもイザークもそんな自分達の不甲斐なさに歯噛みしていた。
現状キラよりも能力の劣るデュエルとバスターだが、そうであっても二対一という様相はよくない。相手もまたG兵器である以上、バッテリーを酷使するビーム兵器でなければ落とし切れない。故に、ユウヒはアスランをキラの元へと向かわせた。
「ちっ、あちらはあちらで放っておく訳にもいかねぇなッ──アスラン!キラの援護に回れ!」
「なっ!しかし、それではユウヒが!」
「大丈夫だ!隊長に援護を頼む!行けるかフラガ隊長!」
「まっかせなさい!ここらでイイトコ見せとかないとな!」
「ッ、了解した!」
アルカナの上から離れたイージス。そのままムウとユウヒはメビウス乗り時代を思い出すように付かず離れずの距離でムウの後に続くようにアルカナを飛ばす。
「隊長、アグニで砂を巻き上げてくれ!その砂塵の中でオレが近接戦を仕掛ける!」
「任せな!」
ユウヒの指示通り、こちらに向かってくるラゴゥ率いるバクゥの編隊の前方に高エネルギーのビームが着弾。爆炎を上げながら大量の砂を巻き上げる。
「良い位置だ!……アルカナ、オレに力を貸せ!」
ユウヒは集中し、敵機の位置をニュータイプの感応によって把握する。アルカナは甲高い音を響かせながらNT-Dを発動させる。白い装甲の隙間から青い光が放たれ、角が割れ、ガンダムフェイスが現れる。先ほどとは比べ物にならないほどの性能を引き出したアルカナ。関節部がフェイズシフト装甲になった事で、アルカナの超常的な機動によって関節部に負荷がかかり、鈍色に輝く。
「なっ、さっきまでと外見が?!……うわぁぁ!!」
「な、なんだあの動きは、ぐわぁあああ!」
ラゴゥの後ろについていたバクゥは巻き上げられた砂による視界不良の中で、頭、脚部、背部の武装全てをビームサーベルで叩き切られ、ほどなくして砂埃が晴れていく。
そこにあったのは、ダルマにされたバクゥ三機であった。パイロットが脱出していく様子をモニターで確認したバルトフェルドは一応安心したようにため息をつくものの、ラゴゥの中でバルトフェルドとアイシャはNT-Dを発動したアルカナを恐ろしく感じていた。
「今の一瞬で、バクゥが三機もやられただと……!くっ、キミのその姿が、本気というワケかね?!」
「……ああ。……次に会うとき、あんたたちとラクスにオレの全てを話す」
回線を繋げたバルトフェルドとユウヒ。
「ムウ……みんなの援護を頼む。オレはこいつと決着をつける」
「わかった。負けんなよ、ユウヒ」
「ああ。──悪いけどさ、バルトフェルド。……一瞬で、終わらせる」
蒼と碧。違う色をした両の目に強い覚悟を宿しながら、ユウヒは両手に持ったビームサーベルを再度発振させる。
「生意気だ……とは言えそうにないな。少年……」
「……いくぞ」
通信が切れ、アルカナがラゴゥに突撃する。ビームキャノンによる迎撃をするが、勢いを殺さぬままバレルロールで回避するアルカナ。回避し切れないビームはシールドで防御、その衝撃を物ともせぬ推力に、バルトフェルド、アイシャ両名とも流石に舌を巻く。
「くっ、化け物のようなモビルスーツだ……まったく!」
「この前合流したあのひよっこたちとは比べ物にならないわね!」
両腕を振り下ろすような斬撃を、ラゴゥは後ろに下がって回避するものの、両腰のビームガンで追撃され、ラゴゥの両翼に着弾、爆発を起こす。イザーク、ディアッカと違い、あくまで冷静かつ合理的な戦闘をするユウヒが、連合に属するハーフコーディネイターなど信じられるはずもない。相当金を積まれたコーディネイターだと言われても信じられるレベルである。
「ぐぅぅぅうっ!!」
「……っ、ラクス」
戦っている時も、アークエンジェルの艦内にいる時も、いつだって脳裏にラクスの姿がチラつく。今もまた、ラクスの姿を幻視するユウヒ。もうしばらく、会う事はない。この後もたくさんの戦いがある。悲痛な作戦を知りつつ、止める術を持たない自分がいることも分かっている。
「……それでも。それでもッ!!」
アルカナのサイコフレームが発する色が変わる。青かった光に緑が混ざっていく。彼の瞳を彷彿とさせる碧色の輝きにより、彼が知覚する範囲が更に広がっていく。
レセップスが武装解除され、アスランとキラ、ムウの連携によってほとんどのMSが無力化され、デュエル、バスターも撤退。勝利は確実となっている。そして、バルトフェルドの館にて祈るラクスの姿も見えた。
「色が、変わった……?!」
『……ッ、ユウヒ?』
『……聞こえるよ、キミの声が。……一旦お別れだ。これが、次にキミと会うときまでの、最後の会話になる。何度も伝えてるけど、何度言っても良いよな。……愛してる、ラクス』
『うん、私も愛してるよ、ユウヒ。……また会えるのを、楽しみに待ってるから……!』
『……ああ。だからオレ……行くよ』
『待ってる』
不可思議な光を放ちながら、スラスターによる機動では不可能な機動でラゴゥに肉薄するアルカナ。
「……キミは、全く……恐ろしい子だよ」
横薙ぎに振るわれたビームサーベルによってビームキャノンを根本から切り落とし、機体を高速で旋回させながら逆さに吊るされたような姿勢となったアルカナ。再度振るわれたビームサーベルはラゴゥの四つ足を全て切り落とし、バクゥと同じくダルマにされる。
「頼んだからな。バルトフェルド、アイシャ」
「……ああ、任された」
「分かってるわよ、ユウヒくん」
アルカナはシールドを砂地に突き刺し、バルトフェルドとアイシャが機体から脱出。シールドの裏に隠れたことを確認してから、ラゴゥを縦に割るように斬りつけ、ラゴゥは爆発を起こす。シールドの裏に隠れていたバルトフェルドとアイシャは無事で、アルカナはシールドを抜き取り、NT-Dを解除しながらウェイブシューターへ変形。アークエンジェルへと帰還した。
「……ありがとう」
────
帰還したパイロットたちを、艦内の乗組員たちが迎え入れる。完全勝利である。現在整備班がジープを走らせ、レセップスが去った後の砂漠で、デュエルやバスターの破損した部位を回収していた。特に、ストライクによって切り落とされた脚部はアサルトシュラウドがそのまま付いており、アルカナやストライクに流用可能な状態であるという。
「コマムラ少尉!」
らしくない姿だが、コクピットから降りてくるユウヒに向かって走ってくるナタル。年甲斐もなく彼に抱きついたナタルは涙を流していた。
「……うわっ、とと、どうしたんですかバジルール少尉」
「君たちパイロットはいつだって命懸けだ。ここまで何度も勝ち進んできたが……次は分からない。今回だって分からなかった。……安心したんだ、帰ってきてくれて……」
「……心配してくれるのは嬉しいんですけど、ね。オレにはラクスが……」
「はっはっは!英雄色を好むってか?」
「うるせ、茶化すな」
ムウから余計なチャチャを入れられるユウヒだが、これは英雄色を好むと言うより、色に好まれていると言う方が近いように思う。英雄と目される著名な戦人もまた、こうして好まれるが故に、多くの女性を手にかけてきたんだろうなぁ……と他人事のようにユウヒは思うのだった。
「あ、お帰りなさい、コマムラさん。キラも、お疲れ様!」
「フレイか、ありがとう。ただいま」
「うん、ありがとう。フレイ」
「……敵だとアレほど恐ろしかったアルカナが、味方になるとこうも頼もしいなんてな」
遅れて降りてきたアスランもそう話しながら近づいてくる。
「アスランもお疲れ。初の共同戦線だったけど。どうだった?」
「隊長に向いてるよ、ユウヒは」
「そうなんだよなぁ、元は俺が隊長だったはずなんだが、ここ最近メキメキ実力つけてきたから、もう追い抜かれちまったぜ」
「いやいや。まだまだみんなの協力が必要だよ。割と無茶な要望もしてるし、もうちょいちゃんとしないとな」
その後、カガリはオーブに送り届けることが確実に決まり、明けの砂漠メンバーともお別れ。紅海、インド洋を抜けてオーブへ寄港、その後、アラスカへ進路を取っていく事になる。だが、ひとまず砂漠を抜けるまでは、束の間の休息を挟むことになったのだった。
全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()
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分けよう!
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このまま!
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めんどくさくないなら分けて!
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絶対分けるな!