※この作品はR-18です。

BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話   作:sakitaro

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二十二話

 兄さんが眠りについてから一時間ぐらい経った。みんなして兄さんとその……エッチがしたい!らしい……。わ、私は!そんなこと……したことないし。どんな感覚かなんてわからない。兄さんの大きな体は好きだ。抱きしめられると安心するし……。でも、オーブではミヤビ姉さんの目もあったし、私はたぶん昔から兄さんを兄として見たことはなかったと思う。自分の気持ちに蓋をしてただけで……。

 姫さんはいいよ、ちゃんとお互いに好きって言って、合意の上だ。だけど……艦長やバジルール少尉が良いなら……私だってって考えたりするぐらいは、いいよな?

 

「ん……」

 

 たまに吐息を漏らす兄さん。ここでは安らげてるのか、顔色は良さそうだ。……私も、知りたい。兄さんに抱かれる感覚。あんなお姫様が兄さんにあんな──。

 私は今兄さんの拠り所なんだ。……兄さんにそんな感情を向けたらダメだって分かってる。だけど、それでもみんなが羨ましい。

 

「……兄さん」

 

 家族のことはお父様とかそんな風に呼んでるけど、コマムラの人たちは兄さん姉さん。父さん母さん。ソレで良いって言ってくれた。私が等身大の自分で居られた、大事な居場所だった。お父さんもお母さんも、二人ともあまり長生きできなくて、病気で亡くなってしまったけど。兄さんも姉さんも二人で支え合って生きてきた。私が良くしてもらってたこともあって、お父様も兄さん姉さんを特別大事にしてたと思う。

 

「もう兄さんはラクスっていうお姫様のものなんだよな……」

 

 私はなんとなく嫌な気持ちになって部屋を出た。嫉妬してるのか?私。あのラクスって姫さんに。兄さんを取られたみたいで……というか、実際取られたんだけど。

 

「カガリ?こんな時間にどうしたんだ?」

 

 そこに通りかかったのはキラとアスランだった。二人とも整備服を着ていて、たぶん自分の機体の整備とかしてたんだと思う。

 

「ん?キラ、アスラン。その、いま中で兄さんが寝てて」

 

「え?ユウヒがか?なんで、自分の部屋は……」

 

「えっと、あ。艦長とバジルール少尉が兄さんの部屋で酔い潰れてベッドが無いらしいんだ」

 

「あー、そうなんだ。そうだね、たまには二人も気晴らししたいよね」

 

「そう言う問題か?もし敵襲があったらどうするんだ……」

 

「大丈夫だよ。今はムウさんが起きてるし」

 

「俺たちも起きてるしな……まぁ、良いのか」

 

「うん。特にユウヒさんにはしっかり休んでほしいから」

 

 二人は幼馴染というだけあって、仲が良さそうだな……とか思う。

 

「ありがとうな、キラ。」

 

「でも、なんかカガリ。思い悩んでない?大丈夫?」

 

「え……?そう見える……か?」

 

「うん。やっぱりユウヒさんが心配?ずっと前線に立ってくれてるし、機体の性能もあるからやっぱりどうしても前線に立たなくちゃいけなくなるよね……私もよくユウヒさんの上に乗せてもらって戦ったりするし……」

 

「ああ、あの安定感は凄い。上に機体を乗せてる時は俺たちに負担がかからない軌道を徹底してくれてるし、それでいて回避運動の正確性は抜群だ。銃口を向けられたのを気取った瞬間には回避行動にに移ってる、みたいな……そんな動きですらある」

 

「ムウさんに聞いたけど、グリマルディ戦線の生き残りだって言ってたよ。あの時の戦いからずっとムウさんと一緒なんだって」

 

「そうか……どうりで勝てないわけだ」

 

 私には分からない話だけど、分からない話だから、一番モヤモヤした。昔はずっと一緒にいたのに、今は一番ユウヒのことを知らない。戦い始めてからのユウヒの事を……何も知らない。

 

「でも。なんで兄さんは急にあんなに強くなったんだ?私がまだ兄さんと一緒にオーブで暮らしてる頃はあんな感じじゃなかった。勘が鋭いなんて、とてもじゃないけど言えなかったぞ」

 

 気になるんだ。兄さんは昔から厳しくて優しい人だ。そこは変わらない。だけど、連合軍に入って、圧倒的に不利な状況だったグリマルディ戦線を生き残れるほど卓越した技術を持ってたかと聞かれると……そんな感じはしなかった。

 

「そうだな……オレとラクスはユウヒからある程度の推測は聞いてるんだ。正直、ユウヒのあの強さを目の当たりにしてなかったら信じられない様な話だが……」

 

 そう言いながら徐に話し始めたのが“ニュータイプ”っていう宇宙に後天的に適応した……所謂覚醒みたいなものを起こした新人類をそういうらしい。なんで兄さんがそんな力に目覚めたのかは分からない。知覚の拡大と言われても、私にはそんな力がないから分からない。けど、ニュータイプが人と分かりあう力があるって言うなら、確かに……無意識に人から好かれてしまうのかもしれないな……とか。考えた。私にはそこまでしか分からない。

 

「兄さんが……ニュータイプ。そんな、新人類とか言われてもあんまり実感湧かないけど……」

 

「ユウヒさんが乗ってるあのアルカナ。あの機体の青い光も、ユウヒさんの持つニュータイプの感応波って言われる、一種の脳波に反応して性能を向上させるシステムみたいで……正直あれがなんで光ってるのかよく分かってないんだって」

 

「そんな訳わかんないもんに乗ってるのか?!」

 

「うん。だから少し前まではあの機体の高すぎる性能にユウヒさんでも追いつけなくて、何度も気絶して帰ってきてたんだよ。前の時はうまくいったみたいで無事に帰ってきてくれたけど……」

 

 そう言うキラは少し悲しそうな目をしていた。自分がもっと強ければとか考えてるのか……。

 そりゃ、私だって戦えるんなら兄さんと一緒に戦いたい。でも、兄さんはそんなこと望んでないし、そもそも、兄さんと同じぐらい戦える奴なんて、今の連合には──いや、オーブにもいない。ザフト相手にあんなに一方的に戦えるのなんて兄さんぐらいだと思う。

 

「あの光、一体なんなんだろうな」

 

 アスランは敵として、キラは味方として見てきたあの青い光。兄さんは、何も教えてくれない。知ってることも多いけど、私たちが知ってることよりも、知らないことの方が多いんだ……。

 

 

────二十二話『海中戦』────

 

 

 翌朝、カガリの部屋で目が覚めたオレはひとまず尉官だしブリッジに上がるところから1日が始まる。そして、ブリッジに上がるや否や、バジルール少尉と艦長がオレに深く頭を下げた。

 

「コマムラ中尉、昨日は、本当にすまなかった……!」

 

「……私からも謝るわ、本当にごめんなさい」

 

 ブリッジは何事かとざわめき立つものの、オレはひとまず二人に頭を上げてもらった。許す許さないはオレじゃなくてラクスに聞いてくれ。オレからもちゃんと説明はするけど……オレは二度と酒は飲まんし、艦長にはオレの前では飲ませないことを誓った。

 逆に、オレは隣で寝てたカガリに普通に謝った。そしたら、艦長とバジルール少尉に怒るから大丈夫だと言ってたから、まぁ、うん。

 

「まぁ、その。二人とも大人だから酒を嗜む事もあるだろうが……、粗相はもうこれっきりにしてくれると助かる。大人二人の介抱は面倒でしかなかったぞ」

 

 わざと普段よりも大きめの声でそう告げると、ブリッジの面々は“あぁ……”みたいな顔をしたので理解はしたと見ていいと思う。

 

「ええ、もうユウヒくんの前では呑まないようにするわ……」

 

「申し訳ありません……」

 

 二人が平謝りをしていると、隊長がパン!と手を叩いて話の方向を修正してくれる。

 

「と!酒の失敗の話はいいとして、だ。キラとアスランからザフトから回収してたソナーが修理終わったって昨日の夜の時点で連絡が入ってる。現時点じゃ特に敵影は見られないみたいだが……あー、ユウヒ、あと頼む」

 

「分かった。現在オレたちは紅海を渡っている最中だ。ソナーの精度は不明な上、どこまで敵が引っ掛かってくれるかもわからんが、いつ戦闘になってもおかしくない。昨日は奇跡的に敵との戦闘はなかったが、今日もそうとは限らん。パイロット各位はデッキにていつでも出撃できるように待機、ブリッジクルーも常にソナーの状況を見て、不意の攻撃を受けないように航行してくれ。船の高さは敵空戦隊から気取られたくはないから、可能な限り低く。海中の敵を殲滅後は、海中への潜航も視野に入れつつの航行になる。気を引き締めてくれ。いいな?」

 

「了解!」

 

 各々の返事を聞きながら、オレと隊長はデッキへと移動した。

 

「いやぁ、もうお前に隊長を任せてもいいかもなぁ」

 

「アンタはオレの上官なんだから、もうちょっとしっかりしてくれよ」

 

「ははっ、こーゆーのはうまいことできるやつがやったらいいんだよ。面目よりもなによりも、生き残るのが先決。戦術は俺よりもお前が組んだほうが良い。違うか?」

 

「どうだかな……」

 

 オレはあらかじめマードック曹長に頼んでいた、アルカナの脚部にデュエルから確保したアサルトシュラウドの脚部装甲を追加装備してもらっているのを見る。カラーリングもマットな黒へと塗装されていて、アルカナのカラーリングと合わせられている。それに付随してラゴゥの翼も回収していたので、修繕と、ウェイブシューター時の翼の大型化も敢行。他の機体が上に乗る前提で考えておかないと、モラシムとの戦いはともかく、インド洋での3機のG兵器との戦いでは空戦が基本になる。その際アルカナがグゥルと同じような働きが必要になる。

 

「曹長、夜通しの作業お疲れ様でした。助かります」

 

「何を言うんですかい。それがワシらの仕事でしょう。……で、一応中尉に言われた通りに付けちゃいますが、本当に変形に支障はないんで?」

 

「ああ、稼働部のダメージや損傷具合から見てもほぼ干渉はないはずだ。元より機動性は良かったが、ストライクやイージスを上に乗せる運用をする以上、ウェイブシューター時の機動性や加速性能は増やしておく必要があるからな」

 

「はー、まぁ、中尉は他の機体に比べて戦闘頻度が高いもんですから、例の光るフレームのところ以外は結構ガタが来てますぜ。こんな短期間でこれだけよくもまぁ損傷するもんです」

 

「……悪い。──やっぱ白い悪魔と同等ってわけにはいかんよな。同じニュータイプでも」

 

「ニュー……なんです?」

 

「いや、こっちの話だ。もうシミュレータにはこの機体の状態で登録は済ませてあるのか?」

 

「ええ、一応例のNT-D状態以外の部分は理論上は可能な数値で登録してありますぜ。OSに関しちゃ中尉が触ってもらったほうが確実だと思うんで、まだ何も」

 

「分かった、ありがとう」

 

 オレはそう言いながらシミュレータへ向かう。仮想敵はイージスを除いたG三機。動きはキラに組んでもらっているし、オレも隊列や戦術に関しては噛んでいるため、功を焦る事もなければ、しっかりと連携を組むといった行動を取る。シミュレータの仕様上NT-Dは縛った上での戦闘になるため、かなりの技量を要求されるだろう。

 

「さて……どこまで戦えるか」

 

 ウェイブシューターへの変形を行うために一部削り落としたアサルトシュラウドを脚部に装着し、バインダーを大型化させたアルカナ。もはや最初に乗り始めた頃のアルカナから姿がかけ離れだしているが……まぁ、現地改修なんてそんなもんだろう。

 

「行くぞ……!」

 

 かくして、オレは改修型アルカナのシミュレーションを開始した。

 

 

────

 

 

 一方。プラントへと戻ったラクスとバルトフェルド、アイシャやダコスタら穏健派の一部は、既に行動を開始していた。既にG兵器の技術はザフトに届いており、新型機の製造が始まっており、当然の如く最もザフトへの被害を齎しているアルカナをベースとした機体の開発が最優先となっている。

 まず、アルカナを簡略化したかのような外観を持つゲイツの開発が行われていた。大きなトサカや、非常に強力な制圧力を誇る携行式のビーム兵器、ダスクをモチーフにした長周波ビームライフルや、腰部ビームガン、前腕部には回転式のサーベルラッチが装着され、ビームトンファーとしても使用可能など、かなりのリスペクトが行われていることが伺える。本来あるべき形のゲイツとはことなるが、外観は非常に似通っている。

 

 そしてゲイツとは別に、ラクス・クライン主導によるユウヒがかつてラクスに語った新型機『トゥルーエンド』の開発も極秘裏に進められていた。サイコフレームに関しては現状研究中ではあるものの、ユウヒが無事に宇宙まで上がってきた際に、バルトフェルドの手によってトゥルーエンド・ビギニング(真の終わりの始まり)としてサイコフレーム未搭載の本機を譲渡する手筈を組んでいる。そして、アルカナのサイコフレームを移す形でトゥルーエンドは仕上がる事になるだろう。

 

「しかし、彼は多才ですなぁ。よもや新兵器の設計図を自分で作っていたとは……」

 

「ええ、私には話してくださいましたわ。戦いを真の意味で終わらせる機体……トゥルーエンド。そう語っておりました。今の所、かの青い光……サイコフレームの製造方法は分かっておりませんが、もしこちらで製造可能であれば……」

 

「サイコフレーム……まったく、なんなのやら。あの性能は正直、私たちを殺さないようにすると言うにはあまりにも……。果たして、本当に連合が作ったモノなのでしょうかね?」

 

「……私の口からは言えませんわ。いつか、ユウヒが全てを語って下さると信じておりますから。私はユウヒからのニュータイプの感応として流れ込んできた記憶から、おそらくこうではないか……と推察することしか出来ません。そして、それが真実なのだとしたら、彼は自分自身をこの世界にあってはならないモノだと断じかねません」

 

「……世界に不要……?また規模の大きな話ですな」

 

「ええ。それを垣間見た私も信じられません。夢だとすら思いますが……知り得ぬ歴史の夢を見ることなどあるでしょうか……」

 

 ユウヒからのニュータイプの感応によって、ユウヒの記憶の一部を覗き見てしまったラクス。彼の歩んだ道があまりにも特異であることを知ってしまったラクスは、仮にそれが真実であったとしても彼を愛すると言う事実は変わらないと誓えている。

 

「ニュータイプ、他者を理解し、分かりあう力……。宇宙に適応した新人類……。なんとも大きな爆弾を抱えた子だ」

 

 ユウヒの身を案じながら、ラクス、バルトフェルドはひとまずトゥルーエンドの建造を急いでいた。現在開発が進んでいるニュートロン・ジャマー・キャンセラーの設計図とトゥルーエンドの設計図を眺めながら……。

ユウヒくんの新機体のタイミング

  • 直近で出せぃ!
  • オーブ到着後
  • 舞い降りる剣
  • もっと後の見所で
  • シャイニングガンダム風で
  • その他ご意見はTwitterで
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