BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
「回避ーッ!!」
「アスラン!十時方向敵影!!グーンだ!アークエンジェルへの攻撃を許すなよ!!」
「ああ!!」
『中尉!魚雷来ます!!』
「チッ……キラ!!バズーカで迎撃!海面で爆発させればいい!」
『分かりました!』
アークエンジェルは現在、カーペンタリア基地に所属している、通称紅海の鯱と呼ばれるザフトのエースパイロット、マルコ・モラシムからの攻撃を受けていた。空戦機のディン、水陸両用機のグーン、ゾノを用いた空水両方からの攻撃に手を焼いている状況だった。現在水中の敵と戦えているのはソードストライカーを装備し、バズーカを携行しているストライクと、増加したスラスターによって水面を滑るように機動しているアルカナの2機のみ。
アスランは現地改修によって、肩部をストライクと同様のものに換装し、スキュラをMS形態でも使用可能に仕様変更を行い、宇宙から地上に移り変わる過程で外していた修繕済みのフライング・アーマーを装備した現地改修型のイージスを駆っていた。ウェイブライダー形態への変形を可能としたイージスとスカイグラスパーでディンを相手取る形だ。しかし、原作内よりも多くの敵に包囲されているアークエンジェルは劣勢であり、主にディンから断続的にダメージを受け、かなりの衝撃がアークエンジェルを襲っている。
「……ッチ、キラ、海面の敵は任せる!オレは潜って魚雷を撃ってくる奴らを落とす……!」
『えっ、中尉?!』
「任せたぞ!」
ユウヒはそう言いながら不慣れな海中での戦いを敢行した。その手にはストライク用のアーマーシュナイダーを持っており、使えるのはそれのみである。かなりの劣勢を強いられるだろうが、敵潜水艦を落とさなければ、いつまでもアークエンジェルが危険から脱することが出来ない。
────二十三話『究極の機動』────
「……見つけた」
アルカナが潜航可能なギリギリの深度にて、潜水艦とゾノを発見するユウヒ。
「そのような機体でこのゾノに水中戦を挑んでくるとはな……!」
ゾノからフォノンメーザー砲が放たれるが、ユウヒはギリギリでの回避を敢行しながら、スラスターを全開にして接近。ナイフによる戦闘を開始する。空陸とは圧倒的に全ての速度の劣る海中では、ゾノの腕部クローによって簡単に受け止められる。
「くっ……」
「遅いな!ここで落とさせてもらうぞ、光る機体ッ!」
「流石に水中じゃ分が悪いが……それでも、ここで落とされるワケにはいかねぇんだよ……!ラクス、ガンダム……オレに力を貸せッ!」
早くもユウヒはアルカナへと呼びかける。各部装甲がスライドし、展開された装甲の隙間から碧色の輝きが放たれる。青い輝きであった頃と違い、かつて制限時間が設けられていたソレは、アルカナとユウヒの深い同調によって意味を成さなくなり、ほぼ無制限の活動を可能としていた。スラスターから火を噴くことはなく、各部サイコフレームから漏れ出す光がオカルトじみた推進力を生み出す。まぁ、オカルトなのだが。
「それが例の光か……?情報では青い光だと……」
「……ご機嫌だ、行くぞ!」
スラスターによる無理な機動から打って変わったアルカナ。スラスター機動では不可能であるはずの変則的な動きを伴ったそれはゾノの攻撃の悉くが外れる。更に言えば、サイコフレームから漏れ出す光がフォノンメーザー砲を湾曲すらさせる。
「なんだその機能は……!フォノンメーザーが、曲がる?!」
「……マルコ・モラシムだったか……?紅海の鯱……そんなもんかよ!!」
接近するアルカナに対して振り落とされるゾノのクローを腕部ビームトンファーを展開し、水中による減衰を受けながらビームが短くも展開し、クローを焼き切る。サイコフレームの恩恵により、出力がバグったように上がるビームトンファーはそのままさらにその発振される距離を伸ばし、ゾノは二本の腕から放たれた斬撃を受けて四分割されるように切り倒され、水圧に耐えきれず、爆発しながら圧縮されていった。
「殺したくはないが、生き残るためだ……恨むなら戦争を恨むんだな。でも、可能な限り早く戦争を終わらせてみせると誓う。だから……ここで落ちてくれ……!」
ユウヒは潜水艦へと接近し、ナイフを突き立てた。その一撃だけで艦内に海水が侵入していき、ボコボコと潜水艦が凹んでいく。当然航行不能となった潜水艦はそのまま水底へと沈んでいく。ユウヒは重苦しい表情のまま、アルカナを海面へと上昇させていく。その際、潜水艦に向かって帰還している最中のグーンとすれ違うが、ソレには手を出さなかった。
『コマムラ中尉!』
海面から顔を出すと同時にアークエンジェルから通信。画面にはミリアリアの顔が映し出されている。
「無事だ。敵潜水艦の撃墜を完了。そちらの様子は?」
『グゥルに乗ったG三機と白いディンの増援がありました!現在イージスとストライクが連携して迎撃に当たっています!』
しっかりと現状を伝えてくれるミリアリア。彼女も中々板についてきたなと思いながら、アルカナを水面から完全に出す。碧色の光を溢れ出させながら海面から飛び出たアルカナの姿に艦内のクルーたちは生唾を飲み込む。青い光の時のような危険な感覚はない、むしろ、包み込まれるような暖かさすら感じていた。
「了解、そちらへ合流する!隊長は!」
『右翼にディンからの攻撃を受け、アークエンジェルに着艦しています!』
「ディン……クルーゼか!!随分と早いじゃないか……!」
ここでも歴史の揺れ動きを感じるユウヒだったが、海面から飛び上がり、ウェイブシューターへと変形し、増加したスラスターとサイコフレームからの推力を受け、あり得ない速度でアークエンジェル後方で戦闘しているキラとアスランの支援に入る。
「キラ!アスラン!無事か!」
『ユウヒさん!』
『コマムラ中尉、クルーゼ隊です!』
「聞いている!よく保たせた、後は任せろ!」
ユウヒはマッハを超える超スピードでバスターに接近。空を裂く甲高い音と共に、アルカナの後方ではソニックブームが発生するほどの速度であるにも関わらず、アルカナはその速度のままMSに変形。通り抜け様にバスターの両脚部をビームトンファーで切り落とし、振り返りながら飛び蹴りで海面へと叩き落とす。
「うおぁあああっ!!?」
「アルカナ?!な、なんだあのスピードは!?」
「アルカナ……厄介な奴だよ……!アレでは……!」
(クルーゼまで降りてきてるなんてな……。本来はザラ隊だった奴らだが……バタフライエフェクトって奴か……?)
「ここで落ちてもらう」
「くっ!!」
アルカナはグゥルに乗るデュエルへとビームトンファーを振り下ろす。デュエルはシールドで受け止めるものの、アルカナのサイコフレームによって増加した推力に推される形でグゥルごと海面近くまで押し込まれる。
「こ、このぉ!!」
デュエルはシヴァを放ちアルカナを引き離そうとするも、アルカナはその場で一回転するように回避。ビームトンファーが離れていた時間は一秒にも届かず、アルカナの持つ腰部ビームガンがデュエルの両肩を撃ち抜き、両腕が海面に落ちていく。
「ぐあああああっ!!!」
アルカナはデュエルの両碗を回収してアークエンジェルへ帰投していく。バスターは海へ落ちており、デュエルも両腕を失い、戦闘続行不能。クルーゼのディンではアルカナ、ストライク、イージスの三機を相手取るには分が悪いと言えるだろう。
「潮時だな、イザーク、ディアッカ。撤退するぞ」
「……わかりました。ちくしょう、こんなんじゃいつまでも……!」
「あいつは、いったいなんなんだ……」
「キラ、アスラン。奴らは戦闘不能だ、即座に帰投しろ。──アークエンジェル、こちらの収容が終了し次第最大船速で現戦域を離脱する。準備を急げ」
『はいっ!』
そうしてユウヒたちはこの戦域を離脱。──アルカナの性能が日に日におかしくなっている。アルカナにはニュータイプの感応波で操縦ができるインテンション・オートマチックシステムなど搭載されておらず、そもそもこの世界にサイコミュというモノはこのアルカナ以外は存在しないのだが、ユウヒとの同調が進んでしまったアルカナのサイコフレームが擬似的にそのシステムのような働きをしているのか、ユウヒにとってアルカナはまるで自身の手足になったかのように動かせてしまう。
(……マズいな、想像以上にアルカナとの同調が進んでる)
ユウヒは転生前にアニメで見たあの光の結晶体となったユニコーンや、ヨナの乗り込んだフェネクスを思い出していた。やっていることはアレと大差ないのだ。
「オレは……」
あの時、ユニコーンと共に神そのものになってしまいかねなかったバナージ。それを呼び止め、人間に戻すことができたのはミネバやリディの心によるモノだと言っていい……だが、ユウヒは思うのだ。オレを止めてくれる人は居るのだろうか……と。
(いや、考えるだけ無駄か。……ある種、オレは世界を壊したようなもんだ……。たとえそれが、誰に知られることが無くても、オレは……)
本来、ナタルもマリューもユウヒに抱かれる女性ではないどころか、アークエンジェルにユウヒという戦士はいなかったのだ。そんなことを考え始めたユウヒはアルカナを静止させてしまう。
「……ユウヒさん?」
ウェイブライダー形態に変形可能となったイージスの上に乗ったストライクに乗るキラはユウヒがその場で止まっている事に気づき、イージスの上から飛び降りた。
「キラ?」
「ユウヒさんの様子がおかしいの!」
「なんだって……?」
エールストライカーを装備したストライクは滑空してユウヒの元まで接近する。
「ユウヒさん!」
「……キラか。あぁ──。すまない少し呆けていた。帰投しよう」
「大丈夫なんですか?」
「ああ、不調はない」
そう言うと、アルカナはウェイブシューターへと変形したので、キラもユウヒの様子を訝しみながらもその上に乗ってアークエンジェルへと帰投する。それからしばらくユウヒはアルカナの中からでて来ることはなかった。
「おいおい、戦いは無事に終わったってのにユウヒはどうしちまったんだ?」
「それが、私たちにも分からないんです。戦いが終わってから急にユウヒさんの様子がおかしくなって……」
ムウとキラはデッキでユウヒの様子を心配していた。アスランは現状を報告しにブリッジへと上がっている。
「キラ!」
「カガリ」
「兄さんが機体から降りて来ないって……どうしたんだ?!また怪我でも……」
「通信から聞こえてくる声は少し暗かったと思う……。けど、なんでそんなことになっちゃったのか……」
「……兄さん」
カガリが思い当たる節があるとすれば、フレイやナタルなど、ユウヒに想いを寄せる女性たちが起こす暴走に嫌気が差しているのではないかというものだった。
「まぁ、少しそっとしておいてやろう。ユウヒも作戦の立案から実行、実戦、お前らのメンタルケアまで……俺らだけじゃ出来てないところをカバーして、疲れてるんだろうよ……」
「それこそ、部屋で休んだ方が……」
「私はいまのままそっとしておくのがいいと思う。……たぶん、出てきてもいい事がないんだ」
「はーぁ、さて、そろそろオーブ近海だって言うのに、どうなるやらだな」
ムウは今後のことを思案しながら、仕方なくモビルスーツデッキを後にする。キラやカガリもアルカナの方を逡巡した後、その場を立ち去っていく。
(……ラクス、ごめん。オレは……)
ユウヒの沈んだ感情に揺さぶられるように、アルカナは一瞬だけサイコフレームを怪しく、装甲の隙間から赤く輝かせたそれがチラつくのをみた人間は、誰もいなかったのは、幸か不幸か……。
ユウヒくんの新機体のタイミング
-
直近で出せぃ!
-
オーブ到着後
-
舞い降りる剣
-
もっと後の見所で
-
シャイニングガンダム風で
-
その他ご意見はTwitterで