BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
オーブ近海。クルーゼ隊との戦闘を終えたアークエンジェルはいよいよと言ったところまで来ていた。
「いよいよだな」
そう呟いたユウヒ。ブリッジ各員は緊張した面持ちである。それもそうだ。大西洋連邦とモルゲンレーテの共同開発は秘密裏に行われたものであるからして、オーブからすればアークエンジェルは目の上のたんこぶ。火種そのものだ。対応を間違えればオーブは連合にもザフトにも喧嘩を売る事態になりかねないのだ。
『貴官等はオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した艦及び、航空機、モビルスーツ等の、事前協議なき領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ』
さて、そうこう考えている間にアークエンジェルに対して通信が入る。予期していた出来事のため、ユウヒがその通信に対応を始める。
「こちらは連合軍第八艦隊所属、アークエンジェル。私はユウヒ・コマムラ中尉だ。本艦では現在、オーブの姫君……カガリ・ユラ・アスハを保護している。そして、手土産も持参している。オーブ……いや、モルゲンレーテと言っておこうか。そちらにとっては喉から手が出るほど欲しいモノだと思うが、回答はどうか」
そう言いながら、ユウヒはカガリを自身の隣に立たせる。
「私だ、カガリ・ユラ・アスハだ。ユウヒ・コマムラ中尉の言う通りだ。私はアラスカでアークエンジェルに保護されている。どうかアークエンジェルの寄港を許可して欲しい!」
『本当なのか……?しかし、ユウヒ・コマムラとは……』
『……映像回線を開く。もしそちらに姫様がいらっしゃるのであれば、お姿を確認させて頂きたい』
そう言って写された映像にはユウヒやカガリにとって懐かしい顔であるトダカ一佐が映し出された。そして、アークエンジェルも映像回線を開き、あちらにはアークエンジェルのブリッジが映し出されていることだろう。
「……久しぶりだな、ユウヒ。連合軍に入り、グリマルディ戦線を生き残ったと言う噂はオーブにも届いていた。まさか本当だとは思わなかった。……よく、生き残ってくれた」
「お久しぶりです。トダカ一佐。ご心配をおかけしました。姉さんは元気でやっていますか」
「ええ。あなたが出て行った最初こそ気にした素振りもなかったですが、ここ数ヶ月はあなたの事が気がかりで仕方がないと言った様子で、落ち着かない様子であったのですがね」
それを聞いたユウヒの中で、一つの仮定がほぼ確信に変わった。ユウヒの姉……ミヤビ・コマムラ。彼女とユウヒはこことは違う世界で会ったきり、会っていないのだが、この世界においてもユウヒが連合軍に所属して以降会っていない。その会っていない間の期間に、自分も姉もこの世界に存在した……いや、しているかもしれないただ二人のモブのような器にその心だけを移動させてきているのではないか……という事である。
ユウヒは現にそうだが、この世界の自分にも姉がいると記憶が戻った時、あの瞬間。おそらく姉の心もこちらに来たのではないのか……そう考えていた。ミヤビもユウヒもあの世界の人間らしく、元々はただの濃いめのガンダムオタクである。ミヤビも、この世界のミヤビの記憶とうまく折り合いをつけている事だろう。
「そうか……また顔を出させてもらうよ。どうせ、ウズミお父様からはオレがいた時はどうにか理由をつけて通せと言われているんでしょう……?」
「ええ。実際その通りです。しかし、はいどうぞ……とすんなり入国を許すわけには行きません。……とはいえ、あなた方は優秀なようだ。追手を完全に振り切り、理由を作る手間すら省いている」
「オーブ上層部としても、この艦の件はほぼ明るみに出ているでしょう?ヘリオポリスが崩壊した時点で」
「ええ。さて、長引く話は入国後にしましょう。いつまでもそちらに居られてはこちらとしても都合が悪い」
そうして、過剰戦力とも言えるほどの力を蓄えたまま、アークエンジェルはボロボロと言うほどの被害もなくオーブに到着した。この歴史においての完全なるオーパーツである、アルカナがそれを為した。
「……さて、もうそろそろ保たないだろうな」
ストライクも現地改修イージスも無事だ。軽微な損傷こそあったものの、ほぼ無傷と言っていい。しかし、その分アルカナの損傷は大きい。その内容のほとんどが内部損傷だ。直接受けたダメージは無いものの、度重なる戦闘、NT-Dによるフレームや関節部への高負荷。とてもアークエンジェル内での修繕では追いつくものではない。それを無理やり動かし続け、砂地での戦いや海中戦まで行ったのだ。とても無事とは言えない状況である。しっかり汚れを取ってやることもできていない。そんなアルカナを、オーブの港に着くまでの間、悲しげな瞳で見つめていたユウヒ。
「……あっちでさえここまでボロボロになっても使い続けた事なんて、無かったよな。すまなかったな、オレが不甲斐ないばっかりに……」
一息ついていると、ユウヒの脳裏にはアークエンジェルのあちこちでできた思い出が蘇った。オーブを出れば、おそらくクルーゼ隊が襲撃してくることになるだろう。その後、アークエンジェルはアラスカへと到着、人事異動とサイクロプス発覚、アラスカ脱出の際にフリーダム……と言う流れになるだろう。……そして、機体の損傷具合を見ても、オーブを出てからの戦いで落とされるのはオレだろう。
───二十四話「オーブ到着」───
一方、クルーゼ隊が使っている潜水艦内部で、ニコルはいまだにアスランがザフトから脱走し、自分たちが追っていたアークエンジェルに乗り込んだ事実を受け止めきれずにいた。形が変わってしまいどこかあの宿敵であるアルカナに似た変形をするようになったイージスとストライクが並び立ち、イザークたちの前に立ちはだかった光景はあまりにもニコルの精神にダメージを残した。
「アスラン……どうして……」
「ええい鬱陶しい!ニコル!いつまでそうやってウジウジしているつもりだ!敵になった以上、討つしかあるまい!!」
不器用なイザークは叱咤することでしかニコルの背を押すことはできない。ストライクとの戦い以降、どこか心ここにあらずだった様子のアスランを見ていて、危なっかしさを感じていたイザークだったが、まさかこんなことになろうとは、クルーゼ隊の誰もが考えてもいなかった。ユウヒを前にして、落とす事に全力を注ぎすぎた事にクルーゼも流石に内心自分の失態であると思わざるを得ない。
「しかし、あの状況でも落とせんか……アルカナ……」
クルーゼの中で、何かが変わり始めていた。世界を滅ぼすことよりも、何よりも、今のクルーゼはなぜかあのアルカナに惹かれているのだ。自分の境遇もなにもかもを忘れてしまえるほど。
「あの光、アレはもしかすれば……」
どう足掻こうと変わらなかった業を、どこかで変えてくれるのではないか、そう思えてならなかった。
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モルゲンレーテの所有する港へと寄港したアークエンジェル。久々の陸にアークエンジェルのクルーたちもどこか肩を撫で下ろしたような表情だ。そのアークエンジェルの乗降口付近で、やはりオレと同じように少し外見が変わっている。技術者らしく、すこし目の下にクマができていて、猫背で作業着を着ている。そして、最後に降りてきたオレの事を、今にも泣きそうな顔で見つめていた。
「……ユウヒ?あたしが知ってる……ユウヒだよね?」
降りてきたオレの手を握り、不安げにそう訊ねてくるミヤビ・コマムラ。ブラコンの気があるこの感じは、きっと向こうの姉さんの心が宿ってるんだろうな。
「どんな聞き方だよ。アレからそこそこ時間も経ったし、人って変わるもんじゃねぇか?姉さんこそ、少し変わったな」
「そう、だね……でも、無事で良かった。」
「積もる話はあとでしよう。まずは済ませなきゃならない事がたくさんある。実感なんて無いだろうけど、今のオレは連合軍の中尉だからな……」
「分かった、待ってる」
どこか記憶に残っているオーブ。すでにウズミの迎えが到着しているようだ。
「クルーのみんなはコマムラ中尉のお姉さんの指示に従ってちょうだい。アークエンジェルの今後のことは我々尉官が対応します。ここを出ればまたクルーゼ隊が追ってくるわ。ここでしっかり英気を養って頂戴。ソレと、今までクルーとして戦ってくれたヘリオポリスの子たちも、ここで降りてもらって構わないわ。……元々はただの学生だったのだもの。これ以上戦いに巻き込むわけには行かないわ」
そういうと、今まで戦ってきたクルーたちは顔を見合わせた。喜びに満ち溢れた表情……とは言えない。
「キラとアスランもここまでだ。」
「ッ!?な、なぜだユウヒ!俺はまだ!」
「ここからはアラスカに向かって一直線だ。ここで降りなければ、お前は軍にいいように使われるだけのコーディネイターに成り下がる事になる。自分で考え、決める戦いにはならない。だが……そうだな。オレができない代わりに、オレの姉さんとカガリを守ってやってくれ」
「……俺は、お前について行きたいんだ!まだ、自分が何をすべきなのかも定まらないでいる俺を……!」
「充分導いてきたさ。アスラン。お前の人生の主人公はお前自身だぞ。オレがずっとお前のレールを敷き続けるわけじゃない」
諭していると、キラがアスランの肩に手を置いた。
「アスラン。大丈夫だよ。ユウヒさんはここに戻ってくるから」
「ああ。オレがいつまでも連合の駒で居るわけがないだろう?」
ここが1番暗躍しなければならないところだ。まずはこの辺りまで来ているロウ・ギュールとの接触だ。アルカナを彼に預け、ラクスたちの元まで送り届けてもらわなきゃならないからな。そこは姉さんがうまく協力してくれるだろう。で、イージスはオレが今後乗る事になるだろうな。そして、隊長には少し早くストライクに乗ってもらう事になるか……。このオーブでのアレコレの間に多少なり完熟訓練をしてもらわなきゃな……。
「……くっ」
「それに、オーブに残るお前たちに頼みたいこともあるからな」
「私たちに……?」
「ソレはまた伝える。まずは、お姫様をお父上に会わせてやらなきゃならん。いつまでもここで話しているワケにもいかんしな」
今のオレはきっとみんなにとって要領を得ない話をしている事だろう。だが、いずれわかる事だ。急いでいては事をし損じる。……少しずつだ。少しずつ動かないとならない。
カガリもアスランも心配そうにオレの事を見つめている。だが、まだここで話すわけにはいかない。きっとこの戦力のままじゃ、頓挫する。オーブからマスドライバーで宇宙に上がることが困難になる。だから、オレはキラに代わって落とされ、キラに代わってフリーダムに乗り込む……。だが、随分と歴史を改変してしまった……。どこまで通用するかわからんし、もしこの戦いが上手くいっても、次ではもう何も通用しないだろう。不安が止まらないな。未来がわからないって言うのは、こんなにも、怖いものだったのだろうか……。
ユウヒくんの新機体のタイミング
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直近で出せぃ!
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オーブ到着後
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舞い降りる剣
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シャイニングガンダム風で
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