BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話 作:sakitaro
ストライクとイージス、そしてアークエンジェルの補修も終わり、キラとオレでM1アストレイのサポートOSの構築も完了。アルカナのサイコフレームもなんとかジャンク屋に預け、タネは撒けた……と言ったところだろうか。
しかし、ここからは不確定だ。ザフトは網を張っているしオレの姿は見られている。バレずに素通りしてもらうことも出来たが、不確定要素を増やすわけにも行かない。……オレが、キラの代わりにここで落とされる……か。
「あの、ユウヒ……さん?」
「どうした?」
「なんで、そんな……震えて……」
「また戦いが始まる。これからは、キラも、アスランも居ない」
「そう、ですね」
「先に謝っておく。守れなかったら、ごめんな」
オレはそう言ってその場を離れる。そして、その後出迎えに来ていたアスラン、カガリたちと別れを済ませたが、キラはそこにはなぜか居なかった。しかし何故来なかったのかとは気にならなかった。
あんな事をしてしまって気まずさでも感じたんだろうと思う。なんにせよ、みんなと仲良く平和に暮らしてくれればそれでいい。それが良いんだ。オーブはクソみたいな国だが……のちの時代で起こることは姉さんがよく知ってる。……なんとかしてくれることを祈るしか無い。オレにできることはほぼ無いから。
「キラも探したんだが。見つからなかったんだ」
「まぁ、色々あったんだ。元気でなって伝えてくれるぐらいでいい」
「……そうだな、伝えておく」
「助かる。じゃあなアスラン、またどこかで」
「……ああ」
出航していくオーブ艦隊とアークエンジェル。オーブ艦隊の演習という事にして、アークエンジェルもそれに紛れてオーブを出るという手筈。……その後のオーブは知らぬ存ぜぬを突き通すという手筈だ。……国防のためなら国の理念すら手放す国だ。まぁ、核をぶっ放す連合に、ジェネシスを作るプラントが何を言ったところでだがな。
結局は全て力が解決するんだろう。どちらかが滅ぶまで戦うしか無いんだろう。
「……」
「坊主どもが居なくなると、一気に寂しくなるなぁ」
「……コレが本来あるべき姿だろう。本来ならフレイも降ろしてしまいたかったところだが、一応あの子は連合高官の娘だ。オレたちの一存で決められるもんでも無い」
「……やれやれ、嫌になる世界だな、全く」
────二十七話『Running in the Dark』────
オーブ艦隊が領海ギリギリになって進路を変更すると同時、アークエンジェルはそのルートから外れ、最大船速でこの場を離脱しようとするが、もちろんこの場で網を張っているザフトの奴らが、サブフライトシステム……グゥルに乗って迫る。
「やはり来たか……!出るぞ隊長!」
「クッソォヤツらめ!モビルスーツ戦は不慣れなんだぞこっちは!」
「だからと言って、スカイグラスパーで出られてもどうにかなるものか!」
オレも隊長も既にそれぞれ機体に乗り込んでいて、既に出撃準備は整っている。オーブを出れば戦いになる事など、目に見えていたからな。
『コマムラ少尉、出撃どうぞ!』
「ユウヒ・コマムラ。イージス、出るぞ!」
左右の翼を畳んだウェイブシューター状態のイージス改で出撃、カタパルトから離れた瞬間に翼を広げて加速。足を広げてスキュラを放つ。標的はバスター。
グゥルでの空中戦での最優先標的はバスターだ。その次にアサルトシュラウドで武装が増えているデュエルだろう。ブリッツはミラージュコロイド試験機……しかも、武装のほとんどが右腕の攻盾システムトリケロスに集約されていて右腕を破壊されれば何も出来なくなる弱点を抱え、さらに格闘戦の取り回しも悪い……などの要素から基本的には後回しでいい。とは言え、無視していい存在でも無いが。
「今回はあのツノ割れが出ていない……?」
「絶好のチャンスじゃねえか!だが……アスランが出てるんだ、油断はできないぞ……!」
「待ってください!あの動きは……アスランのものとは違います!」
流石に初弾は回避されるのは当然。ウェイブシューター形態のまま左舷から大きく旋回すると同時、陣の左側に構えているバスターに向かってMS形態に変形しながら一気に加速。両腕のビームサーベルを発振させながら接近する。
「うぉっ?!くそったれ!」
攻撃の回避のため、大きく急上昇したバスターのグゥル。二機と大きく引き離されたバスター。
「隊長、バスターを頼む!」
「まかせろ!」
出撃して来たエールストライクに乗った隊長が即座にスラスターを激しく噴かせてバスターに接近しながらライフルを放つ。オレはバスターに切り掛かった勢いのままデュエルに振りかざすが、デュエルはソレをシールドで受け止める。
「くっそ!!こいつ、まさかあのユウヒとかいう軍人か……!ナチュラル如きにィィィッ!!」
イザークはグゥルの推力にものを言わせて押し込みながらサーベルを引き抜き、振り回すが、後方宙返りの勢いで回避。そのままシールドをブリッツの方へと蹴り飛ばす。
「ナニぃっ?!」
「うわぁっ!!」
「機体が重いな……アルカナとは訳が違うってか」
まだ余裕はあるが、アルカナと比べてイージスには圧倒的に挙動に重さを感じていた。本当に相棒はオーパーツだな……そんな相棒も今俺のところには無い。
やっぱ切り抜けられそうに無いか、フェイズシフト装甲がかなりのバッテリー喰らいで挙動に多少無茶をさせればゴリゴリとバッテリーを減らす。すでに残量は85%。たったあれだけの戦闘と一発のスキュラが15%ものバッテリーを持っていくか。
「さっさとケリをつけるしか無いかッ……!」
オーブ近海で二度目の戦闘でキラは落とされてたな……。だが、オレは戦況をコントロールする術なんて持っちゃ居ない。ニコルを殺さない程度に重症に持っていき、ニコルの父親がニュートロンジャマーキャンセラーを作るタイミングを作る、オレがイザークかディアッカのどちらかを追い詰める、残ったどちらかにオレが落とされる……無理ゲーってやつだな。
「くそっ、ナチュラルがそんな動きが出来てたまるか!コーディネイターがなぜナチュラルに付く!」
「イザーク!前に出過ぎです!それではあの人の思う壺で──」
「うるさいっ!黙っていろ!!でぇぇええいッ!!」
重武装、重装甲化したはずのデュエルで馬鹿みたいに接近戦を仕掛けてくるイザーク。オレは冷静に挙動を見てグゥルの機首をライフルで打ち抜き、デュエルを地面に蹴り落とす。
「ぐあああっ!!」
「イザークッ!」
オレが追撃しないよう、ニコルはトリケロスからランサーダートを連射、更にライフルで牽制射をオレに向ける。シールドで直撃になりうるビームだけ弾き、エネルギー切れを避けるためにサーベルを一本のみ出力してブリッツに近接戦を仕掛ける。トリケロスで防御姿勢さえ取ってしまったブリッツはほとんどの攻撃手段を封じられることになり、一時的に動きを止める。
「ユウヒさんッ……!」
「戦場じゃあそういう神経じゃ生きていけないんだよ、ブリッツのパイロット!」
「分かっています……けど……!」
「その甘さが命取りだ!」
イージスの脚部からサーベルを発振させ、グゥルの機首を切り落とし、ブリッツも地上戦へと持ち込む。隊長の様子を見てみれば、バスターは未だグゥルに乗っていて隊長を撃ち下ろす形。流石にエールと言えど可変機出なければ大気圏内では不利か……。キラはあれでよくやったもんだ。
イージスを変形させ、即座に隊長のストライクの下に潜り込む。
「隊長!一度乗ってくれ!」
「ユウヒか!助かるぜ!」
「くっそ!イザークもニコルもグゥルを落とされたってのかよ!!」
「……お前も落ちてもらおうか!!」
今のところはいい具合だ……。ブリッツとデュエルをとりあえずは地上戦に持ち込めてる……。この状況ならアークエンジェルを狙いにいくだろうから、隊長を一度バスターよりも上の位置へ……!
「よぉし!コレでまた……!」
「なんとかグゥルを落としてくれ隊長!いつまでも上にあげられる訳じゃないッ」
「かぁーっ!初心者に無茶言ってくれるぜ!」
オレはそう言って隊長をイージスから降ろし、イージスをMS形態へと変形させて引力のままに降下させ、デュエルとブリッツの元へ向かう。
「……バッテリー残量54%……クソッ、節約してる場合じゃあ無いんだがなぁッ!」
着地時のバランスが良く無いタイミングを狙われないよう、ライフルで牽制射撃を行いながら接地。並んだ二機と相対する。
「イザーク、慎重になってください、ここで落とされるわけにはいきませんよ……!」
「分かっているッ!ディアッカのヤツ、いつまで捕まってるんだ……!」
イザークは悪態をつきながら、シヴァとミサイルでこちらを正確に狙う。その間ニコルもロケットアンカー、グレイプニールを差し向けてくる。アルカナであれば無傷のまま乗り切ることもできたかもしれない、だが、落とされなきゃならない……そんな考えが被弾を生む。ベストでは無い機体の挙動だったと自負できる。
「ぐうぅっ!!」
左肩の根本、剥き出しのフレームにシヴァを受けて吹き飛ぶ腕左、シールドが無くなった今のイージスにサーベルを防ぐ手立ては無いが、派手な爆発の逆行がチャンスを生む。即座に変形して脚部サーベルを発振。高速でブリッツの右腕部を狙って切り落とす。
「ぐぁああっ!!」
「ニコルッ!!だが、奴をここまで追い詰めたんだ……!ここで仕留めてやるっ!!」
デュエルが再度MS形態に変形し、背中を向けているオレに向かってサーベルを振り下ろす。そこに、オレも隊長も気付かないまま、一機のMSが現れる。
「兄さんッ!!危ないっ!!」
「ッ?!カガリ!やめろ!来るなッ!!!」
そのデュエルの一撃はオレ死なない程度に調整をかけるつもりだったのだが、ライフルとイーゲルシュテルンを乱射しながら接近するカガリのアルカナ”がニコルのブリッツの全身を貫き、デュエルのスラスターとシヴァを潰す。だが、その爆発の勢い余ったサーベルがオレに迫った。思考を戦闘と今後の展望に向けていたオレは周囲の環境に目を向けられていなかった。
「ぐぁあああっ!!」
「なっ!兄さん!!」
「アルカナ……余計な事をッ!!」
「やめろっ!お前の相手はオレだ……オレなんだァァッ!!」
フェイズシフトが落ちているブリッツとだったがデュエルはかろうじてまだエネルギーが残っている。デュエルが後ろから接近するアルカナに向き直り、サーベルを振り翳した。こんなことはしたく無かったが……仕方がない。
「なんだとっ!?」
「攻撃をやめて脱出しろ、デュエルのパイロット……さもなくば、ここでイージスを自爆させるッ」
「ぐっ!」
オレはイージスをMA形態にし、両足で挟み込むようにデュエルに貼り付く。
「カガリは帰れッ!!ここでお前が死んでどうなる!!目先の物事だけに囚われるな……ッ!……元気で、暮らせよ」
「な、何をッ!」
「邪魔だァァッ!!」
アルカナに振り下ろされかけていたサーベルをそのままこちらに振り下ろしたデュエル。せめて、と、可能な限りコックピットを貫かれないように機体の上体をズラしはしたものの、オレの意識はここで途切れることになった。いちばん未来が不明瞭なままで……オレが死んだのかどうかすら……分からない。
「あっ、ああっ、わ、私が……私が来なければ、う、あ、あああっ、いや、いやぁ────ッ!!!」
「ニコル!!無事か!!くっ、ディアッカ!!撤退するぞ!!ニコルがやられたッ!!急げ!!」
「なっ、わ、分かったぜ!!」
「ユウヒ?!お、お前がやられたのか?!ば、馬鹿野郎ッ!!!あの嬢ちゃん、なんてタイミングでッ……クッソォォォ!!」
──ほぼダルマ状態のブリッツと爆発四散したイージス。撤退していくザフトの三機と呆然とするアルカナ、その場に降り立ったストライク。誤射の可能性を考慮して、最低限の援護射撃のみに努め戦況を見守っていたアークエンジェルの中ではユウヒが撃墜されるという衝撃の一幕を見守る形となり、ブリッジは騒然となった。その後、ユウヒの多少の捜索は行われるものの、いつまたザフトからの襲撃があるかも分からないという状況下。ユウヒの捜索は早くに打ち切るしかなく、アークエンジェルは大きな悲しみを抱えてアラスカへの航行を急ぐしか無かった。
戦場となった場でひとつの頼まれごとをしていたジャンク屋、ロウ・ギュール。
「ここが戦いの現場かぁ……こりゃひでぇや……。あのユウヒって兄ちゃんは生きてるんか……?」
ミヤビは最悪の状況を見越してラクスの元へと向かう前のロウに、もし戦いが起きたら、その戦場を確認してほしいと頼んでいた。
「姉弟揃って次の戦場で落とされる予感をしてるって……どんな偶然なんだ……?ん?」
プロトアストレイ・レッドフレームで捜索を行っていたロウの機体モニターに映し出された半壊したコックピットブロックが映り込み、その中では割れたヘルメットとひどい出血をしたパイロットの姿を確認できる。だが、その肩は荒々しく不規則であるものの、呼吸していることが見て取れた。
「こいつぁ、悪運の強い兄ちゃんだ!!急げ俺っ!!」
ロウは即座にコックピットブロックを可能な限り持ち上げ、オーブのミヤビへと連絡したのだった。だが、ユウヒが考えていた以上の重い傷を受けており、果たして命が繋がるかどうかまでは……わからなかった。
すみません、アンケート作り直しました。再度投票してくださると幸いです……期限は不定期ですが、次回更新までです……
次回の開始タイミングはどれがいい?
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アークエンジェル側(ユウヒ撃墜直後)
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オーブ側(ユウヒ撃墜直後)
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ユウヒ側(撃墜直後)
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ユウヒ側(ユウヒが目覚めた後)