※この作品はR-18です。

BF世界のヤツが自作ガンプラと転生して、コズミック・イラで生きていく話   作:sakitaro

4 / 36
四話

 さてと、ある程度コンテナが埋まる程度まで氷塊の回収を終えた。モビルスーツサイズで見ればさほど大きくないように見えるが、ストライクやデュエルよりも一回り大きい20M級モビルスーツの背中いっぱいになるほどのコンテナにどっさり詰まった氷塊だ。それほどの量があれば、しばらく水不足になることもなかろう。が、今のところ見つかってねえけど、チラホラとザフトの偵察……いや、捜索部隊の姿を確認できる。やっぱこの辺りでラクス・クラインが消息不明になってるみたいだな。

 

「……さて、ここでキラとラクスを引き合わせておかねぇと、この先の未来が分からなくなっちまう、が……いや、元々キラが女になっちまってる時点で決まった未来も無いだろうな」

 

 俺は軍人だ。おいそれとその辺に浮遊してる救命ポッドを回収するわけにも……いや、ザフト軍がその辺にうろついてるんだ、言い訳ぐらいは立つか。

 

「……見つけた、これか」

 

 発見した救命ポッドを回収できたのは良いとして、このまま見つからずにアークエンジェルに戻るのはほとんど不可能なぐらいには偵察型のジンがその辺でウロついてる。……仕方ない、見つからない方法はないしな。見つかればクルーゼ隊にも気取られるが……史実通りっちゃ史実通りだ。なるようになる。

 

「……そこだ!」

 

 俺は狙いを定め、アークエンジェルの方向を気取られない、適度に遠い偵察型ジン二機に照準を定め、Zガンダムのモノと酷似したEパック方式のビームライフルをギロチン照射して斬り飛ばすように撃破する。当然、他の偵察型ジンも爆破による衝撃や閃光に気がつく。その視線が爆発に囚われている間に、俺は即座に変形してアークエンジェルへと高速で帰投した。変形してても腕だけ出しっぱなしにできるの便利だわ。

 

 

─────四話「ラクス・クライン」─────

 

 

「こちらユウヒ・コマムラ。周辺情報の共有を行う。ユニウスセブン暗礁宙域に数機の偵察型ジンの機影あり。安全が確保できないため、救命ポッドを回収している。帰投許可を」

 

『ま、またなの……?』

 

「……今回は一人用と思われる。当救命ポッドは推進器に不調が見られる。また、ユニウスセブンの瓦礫に阻まれて視界不良のため、救援の可能性は低いと判断。回収した。その際、偵察型ジンに気取られたため、二機撃破している。

 

『……分かったわ。一度帰投してください。第一戦闘配備!ストライクとメビウス・ゼロはいつでも出撃できるようにスタンバイお願い!アルカナもコンテナを下ろして推進剤とバッテリーを補給したのち、再出撃の準備を」

 

「了解」

 

 いよいよ戦いが始まるみたいだ。……しかし、それにしてもこの世界に来てから妙だ。アルカナと偵察型ジンじゃ、流石に偵察型の方がレーダー類の機能は上のはず……。だっていうのに、なんで俺は奴らに気取られないままで撃破できた……?

 

「……ニュータイプ。はははっ、そんなわけねえか!俺がニュータイプ、しかもコズミック・イラで?転生ものの漫画でも読みすぎたかな」

 

 俺はヘルメットを乱暴に外し、アークエンジェルへと帰投した。確かに未来を変えようとしたけど、あまり望まない未来も生まれようとしていたのに、俺は気が付かなかった。

 帰投した俺は、コンテナをマードック曹長に預けてアルカナを補給に回す。そのまま、下ろした救命ポッドを開ける。中に入っている人物が、ラクス・クラインであると知りつつ。

 

「あら、あらあらあら?」

 

「貴女は……」

 

 けど、未来を知る俺はこの世界の歪みでしかない。知らないフリで通すしかない。

 

「ここは……ザフトではないのですか?」

 

「ああ、ここは地球軍の艦だ。しかも、絶賛逃避行中のな。まさか、助けたポッドがザフトの歌姫様のものだとは思わなかったな」

 

「……覚悟を、してらっしゃるのですね」

 

「なに?」

 

 ラクスは初対面であるはずの俺にそう問いかけてきた。確かに覚悟はしている。長い目で見れば、作中では結局はあの終わり方でよかったんだろう。けど、たくさんの命が消えた。たくさんの悲しみがあった。俺はそれを変えたいと願っている。だが、それを他の誰かに話すことはない。俺が死ぬ、その時まで。

 

「いえ、そう言う目をしてらっしゃいましたから……」

 

 初対面だと言うのに、この少女は俺の頬に優しく触れてくる。コーディネイターらしい、非常に美しい容姿も相まって、少し変な気を起こしてしまいそうな俺がひどく穢らわしいものに思えた。

 

「やめてくれ」

 

「申し遅れましたわね。私、ラクス・クラインと申し上げます」

 

「地球連合軍所属のユウヒ・コマムラ少尉だ。……すまないが、念のためだ。ザフトのお姫様を入れるようなところではないが、少しの間独房に入ってもらう。安全であると保証されればすぐに出られるように、上には掛け合っておく」

 

「ふふっ、お優しいんですのね」

 

「個人的な意見になるが、俺はアンタの歌が好きだからな。正直、感動してるよ」

 

 そう言いながら、俺はラミアス艦長にポッドの中に居たのがラクスである事を伝え、彼女と共に独房まで向かった。その道中、俺とラクスは話していた。

 

「……婚約者がいるんだってな。相手はあのパトリック・ザラの息子。アスラン・ザラだったか」

 

「よくご存知なんですね」

 

「ああ。羨ましいなと思ってな。政略結婚だろうがそうでなかろうが。男なら、婚約相手がアンタなら文句はねえだろうよ」

 

「どうでしょうか、アスランは私のことを好ましく思ってくださっているか……」

 

「さぁてな。その辺は本人同士の問題だしな。ただ、俺なら嬉しいって思うぞ」

 

「ふふっ、ありがとうございます。ユウヒ様」

 

「様なんてやめてくれ、こそばゆい」

 

 この世界に来るまでは別に、キャラとしてラクスが好きだったとか、そんなことはなかったはずなんだけど、何故だかこの世界で出会った彼女に少しばかりの劣情を催す自分がいるのに気がついた。そんな醜い感情を隠すように俺はそっぽを向く。

 

「どうしたのですか?」

 

「……いや、別に」

 

 そう言うと、ラクスは無邪気に俺の前に回り込んでくる。優しく微笑む彼女が、あんまりにも綺麗で、顔が赤くなって行くのを感じた。

 

「何してんだよ」

 

「ふふっ、可愛い人なのですわね、ユウヒ様は」

 

「っ、バカ言うなっての。いいから入っててくれ。たぶんこの後すぐに戦闘になる。怪我しないように、ちゃんとどっか捕まってろよ?」

 

「ええ。ありがとうございます、ユウヒ様。んっ」

 

 そう言いながら独房に入りかけたラクスは、咄嗟にこちらを振り向いて、俺の頬にキスを残して行く。

 

「なっ!!」

 

「どうか、ご無事で」

 

「……婚約者がいるんだろうに、なんで連合軍の俺に対して無事なんか祈ってんだ」

 

「連合もザフト関係なく、ユウヒ様はきっと……良い人でしょうから」

 

 そう言って微笑む彼女はどこまでもまっすぐで、戦いなんて望んでいないようだった。誰にでも無事を祈る彼女の心が非常に綺麗に見えた俺は、どこか毒気を抜かれたような気がした。

 

「……そっか。ありがとう、ラクス・クライン」

 

「ラクスで構いませんわ」

 

「分かった……」

 

「……怖いですか?戦いが」

 

「そりゃな。前にも戦ったけど、モビルスーツでの戦闘は初めてだ。うまくやれる自信もない。みんなの前では啖呵切った手前、今更怖いなんて言えないしな」

 

「それでいいのだと思いますわ。他者を殺めることに、自分が死ぬことに恐怖しない方が、おかしいことですから」

 

 ラクスはそう言って、158cmという小さな背丈で俺を正面から抱きしめてくれる。

 

「また、お話ししましょう?」

 

「……ああ。行ってくるよ」

 

「はい」

 

 俺はラクスに別れを告げ、アルカナへと急ぐ。その瞬間、船内のアラートが鳴り響く。やはり、ラクスの捜索隊からクルーゼ隊へと連絡が入り、俺たちの場所が気取られたようだ。それは分かってたことだ。

 

「遅ぇぞユウヒ!やっこさんは待っちゃくれないんだ!」

 

「分かってるよ隊長!……サッサと片付ける!」

 

「……なんだぁ?さっき拾ったお姫様にお熱か?ユウヒ」

 

「っ、るせぇ!」

 

「いいじゃないの、とは言えないが。若いうちにそういう経験はしとけよ?記憶を失うまでのお前はなんか悟ったような奴だったからな。俺としては、今の方が安心だな」

 

「言ってろ!」

 

 そんな軽口をアルカナの中でメビウスの中のムウと通信しながらぶつけ合う。

 

「アルカナ、システムオールグリーン。いつでも出撃できる」

 

『コマムラ機、前へ。コマムラ機へ出撃タイミングを譲渡します!』

 

「了解!ユウヒ・コマムラ。アルカナ……出撃をするッ!」

 

 ミリアリアの声に従い、俺は先ほどまでと違い、しっかりと武装の施されたアルカナを出撃させると同時に、フェイズシフトを起動する。通電している電力を最小に変更。重斬刀のぶんまでフェイズシフトで防いでちゃ、バッテリーがいくらあっても持ちやしない。

 

『アルカナに続いて、フラガ機、前へ!フラガ機に出撃タイミングを譲渡します!』

 

「了解だ!ムウ・ラ・フラガ、メビウスゼロ、出るぞ!」

 

『キラ、気をつけてね。ヤマト機、前へ!ヤマト機に出撃タイミングを譲渡します!』

 

「了解!キラ・ヤマト!ストライク、行きます!」

 

 初の戦いだ。しかも相手は四機のG。完熟訓練が済んでない状態で、まだ全力は出してこないだろうが、それはキラや俺も同じ。操縦方法が完全に理解できていても、考えてる通りに機体が動くかどうかは別問題だ。さっきまでの偵察兼氷塊の収集はリハビリみたいなもんだ。あの感じじゃ問題はないと思うが……

 

「ちっ、ま、なるようにならぁね」

 

 俺は変形させたアルカナを三機編成の先頭に立たせ、四機のGの迎撃に出るのだった。




【期待スペック・アルカナ】

全高   20.18m
重量   72.60t
装甲材質 フェイズシフト装甲
動力源  バッテリー&“????”
武装
・75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×2
・90mm高エネルギー超射程高周波レーザーライフル ダスク
・ビームサーベル(腕部にマウント)
・高出力ビームソード(テールスタビライザー内部格納式)
・腰部ビームガン
防御装備 ウェイブシールド(ウェイブライダー形態時、機首となる)

全年齢向け版も書いたほうがいいかな?こっちは☆つきオンリー的な感じで()

  • 分けよう!
  • このまま!
  • めんどくさくないなら分けて!
  • 絶対分けるな!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。