傷心のいろはは電車に揺られながらディスティニーランドからの帰宅の途にあった。
思い出す。
衝動に駆られ、玉砕した。
自分が無様に思えてその場から逃げ出した。
葉山先輩の目が辛かった。見透かされた気がした。
出来ることなら今すぐにでも自宅のベッドで布団を被って泣きたかった。
今の自分を誰にも見られたくなかった。
だから駆け出す自分の足に行き先を告げることはせず、場内を彷徨った。
時間が欲しい。いつもの自分を取り戻す時間が。
先輩の前ではいつもの自分でいたかった。
心の動揺は収まった。けどいつものように振る舞える自信が戻ってこない。
ベンチに腰掛け、夜空を見上げる。
「あーなんであんなことしちゃったかなー」
ゲート前で解散する頃には大分自分を取り戻していたと思う。
それでも先輩に縋ってしまったのは見逃して欲しい。
電車の中で私は精一杯先輩に強がって見せ、自分は大丈夫であると豪語し、なんとか瞬間ではあるがいつものペースを取り戻して見せた。
「お前、すごいな」
先輩の言葉を思い出す。
それは私の想像外の言葉だった。
慰めや同情ではなく賞賛されたのだ。
少なくとも傷心の女の子にかける言葉ではない。
でも不思議と心は軽くなった。
先輩は私より私という人間を理解してるのかも知れない。
『本物が欲しい』
奉仕部で絞り出すように吐かれた先輩の言葉に私は激しく揺さぶられた。
私にとっての本物はなんだろうと思った。
思いついたのは葉山先輩だった。
私は葉山先輩が好きだ。
先輩にも公言している。
だから先輩に対して私が本物を教えてあげられるのは葉山先輩しかいないと思った。
先輩に触発されてしまったのだろうか、私は今日、葉山先輩に告白することであの三人に本物を見せたかったのかも知れない。
葉山先輩の八方美人な態度から勝算がないのはわかっていた。
私は葉山先輩との距離を詰めきれていないのもわかっていた。
『本物』とは程遠いことも。
でもあの三人を見ていてじれったさを感じていた私は自分から踏み込んでいった。
自分から踏み込まなければ『本物』なんて手に入らないんだと思ったから。
手に入れて教えてあげたかった。
先輩が踏み込めばいいんだって。
結果は予想通りだったけど…
ほんと責任とってほしい。
「はあ…」
ため息と共に力が抜けていく。
一人になると涙腺が緩んでしまう。
電車の中だ。空いてるとは言え泣けるようなシチュエーションではない。
座席に腰掛け、支柱に身体を預けながら涙を堪えていた。
いつの間にか隣りに座っていたサラリーマンから声を掛けられる。
「大丈夫?」
「え、ええ。大丈夫です…」
よほど憔悴しているように見えたのだろう。
しっかりしなきゃ。
「そうか。あまり思い詰めないでね」
「はい…ありがとうございます」
普段なら知らない中年サラリーマンなんて無視するのに、今は少しでも気を紛らわせることができるのがありがたかった。
「アレだ。今は悲しいかも知れないけどもっと大人になってから振り返ると良い経験だったと思える日はきっと来るからね」
わかったようなことを言い出すサラリーマン。
「ははは…だと良いんですけど…」
悪い返事をしてしまった。これでは会話が続いてしまう。
私は寂しかったのかも知れない。
でなければお父さんと同じ歳ぐらいの知らない男の人と話をするなんて有り得ない事だった。
「おじさんもね、今から思えば頭抱えて落ち込んでしまうような事、たくさんあったよ。若気の至りってやつかな…」
「そうなんですか?」
「ああ、そうさ。優しくされて勘違いしてね、どう見ても他の男に気がある女の子の為に一生懸命仕事して、挙句の果てにその成果ごとその男に奪われたり…あ、ごめん。思い出して泣きそう」
おどけた感じで目元を拭うふりをするサラリーマン。
これ、慰められてるんだろうか。
だけど少し心が暖かくなる。
「だから泣きたい時は我慢せずに泣けば良いんだ。僕はあの時泣けなかった」
男の指が私の目元を拭う。いつのまにか涙が溢れていたらしい。
だけど見ず知らずな人に顔を触れられるなんて…
どれだけ落ち込んでいたんだろう…
通常ではあり得ないことを今の私は許してしまっていた。
「私…今日フラれちゃったんです…」
知らない人だったから言えたのかも知れない。
「あーあ、勝算なんてなかったのになんであんなことしちゃったんだろうなって…」
口に出してしまったら止めることができなかった。この人は今日の私の行動をどう思う?どう評価する?
この人の経験は私にどんな答えを示すのだろう。
男の目を見つめて答えを待つ。
欲しかった答えが得られるわけがないが今は赤の他人の感想が知りたい。
「わかっていながら告白したのかい?」
「私は『本物』が欲しかったんです」
奉仕部の部室での出来事を思い出しながらサラリーマンに問う。
この人は『本物』を知っているのだろうか。
「上部だけじゃない『本物』の関係が欲しくて…だから今のままじゃだめだって、踏み込んでみようって…思って…」
「少なくとも停滞した現状を打開しようとした君の勇気と行動は『本物』だったはずだよ」
「それが早急だったとしても、君の行動は評価に値する。何故ならそれは前進なのだから」
目の前のサラリーマンは私の行動を肯定した。
結果はどうあれ、考え抜いて行動した結果は『本物』であると。
だけどそれは私が求めていた答えではない。
先輩が求める『本物』はその辺に転がってるようなものじゃないんだ。
信頼の上位互換。それは存在すると思う。
TVドラマや小説みたいに登場人物の心象が描写され、それを見ることが出来る第三者だけがそれを得ることが出来るのだろう。
だけど登場人物がそれを得ることはかなわない。
先輩を見てるとわかる。
あの人は極力自分という存在を考慮から外す。
物事を俯瞰的に捉え『最適解』を導こうとする。
自分の存在を考えないことで第三者の視点に立とうとしているように思えた。
あれは自己犠牲とかではない。
他人を信じられないから…行動は読めても心までは読めないから…
だから幼稚な読書感想文のような「僕だったらこうするのに」という最適解を私達は押し付けられるのだ。
痛みを知らない子供のような答えを先輩は痛みを無視することで実現する。純粋さ故に鮮やかな解決策に見える。
しかしその実は子供のように残酷。
でもそんな先輩が震える声で言ったあの言葉が私の心に突き刺さるのだ。
先輩はこれからも『本物』を追い求めていくのだろう…あの二人と…
私はこれからどうすればいいんだろう…
「だけど辛いよね。君はこれからフラれた辛さを乗り越えていかなければならない。それは答えを急いだ代償なんだ」
「はい…」
私の太腿に男の手が置かれる。タイツ越しに感じた男の掌は熱く湿っていた。
びくんと身体が跳ねた。
いつの間にか車両には私とサラリーマンの二人っきりだった。
ドクン
心臓が跳ねる。このままだと拙い気がした。
「僕は君に『本物』をあげることはできない。けど、その辛さを忘れさせることはできる」
目の前の男が何を言っているのかはわかっている。
下手な口説き文句だと思う。
普段の私なら軽くあしらって終わりだ。
でも密室と化した車内では有効な行動にはならない。ずるずるとこの男の手練手管に絡み取られてしまうかも知れない。
私の太腿に置かれた男の手は動いてはいない。
ただそこに置かれているだけ。
だけど少し動いただけでスカートの中に潜り込みそうな位置に置かれた手を私の大事な部分が意識してしまう。
いつ触られてしまうか意識してしまう。
未知の恐怖に私の目から涙が溢れる。
「怖がらないで」
男の手がその涙を拭うと同時にもう一方の手が太腿を撫で上げながらスカートの中に忍び込んできた。
再びビクンと身体が跳ねる。
揺れている私のスカートの中でタイツとショーツ越しに股間を弄られて甘い刺激が背筋を立ち上る。
自分の身体の反応が信じられない。
興味本位で触ったことはあったがここまで心が揺さぶられてしまうとは思わなかった。
脳を痺れさせすその感覚に思わず男の手を太腿で挟み込み、両手で男の手を押さえ込むが状況の改善にはなんの効果もなかった。
「い、いや…何をするんですか」
私は声を絞り出すけど思ったより弱々しい声に男の手を止める力はなかった。
「大丈夫、怖がらないで…僕の指に集中して…」
男は優しい声で語りかけながら私の敏感な所を撫で続けた。
「い、嫌ぁ……」
涙は止め処なく流れてくる。
なんでこんなことに…
葉山先輩にフラれ、先輩と触れ合ったその日の内に身も知らない中年のサラリーマンに自分の大事な部分を弄られている。
抵抗虚しく男の指は私の敏感な部分を巧みに弄り続けた。
認めたくなかったがじわりと私の中から熱いものが流れ出し男の指を濡らしていた。
そして絶え間なく続く甘い刺激に私は流されてしまった。
電車の走行音だけが響く静かな空間に私の声は虚しく響いていた。
「んっ……あ……」
私はいつの間にか熱い吐息を吐いてしまっていた。その吐息が電車の音に混ざって消えていく。
「あっ……」
スカートを捲り上げ、タイツとショーツの中に手が入ってくる。
両足を引きつけて丸く縮こまる私の股間に男の手が忍び寄る。
男の指が私の恥部を直に刺激し始めると縮こまった私の身体がビクンビクンと震えてしまっていた。
「ひゃうん!」
私の敏感な場所を触れられて自分の声とは思えない甘い声が漏れる。
身体が熱い。暖房が効いた車内の熱に上乗せされ肉欲という熱が私を焦がす。
いつの間にかその気にさせられていた私はすでにサラリーマンの手の上で転がらされてしまっていたんだと思う。
縮こまっていた身体はいつの間に弛緩し、開かれた両脚の間で男の手が淫らに蠢き、快楽への扉を開けと促されていた。
「あっ、あぅ…あんっ!」
男の手に合わせて口から漏れる声は、もはや私の意識から離れて勝手に奏でられていた。
「どう?気持ちいい?」
男の言葉に頭を振って拒否した。
だが私の中から溢れ始めた液体がそれは嘘だと告発しているようだった。
「じゃあもっと気持ち良くしてあげるね」
指が私の中に入ってきた。
初めて膣内の中へと侵入してくる悍ましい感覚に仰け反ってしまった。
仰け反りながら悍ましい感覚から逃れようと身を捩る私の肩を抱きながら耳元で甘く囁かれた。
「よく頑張ったね。あとは辛いこと全てを忘れて僕に委ねるんだ」
ぞわっとした感触が背筋を走り、その言葉に私は逆らうことができなかった。
私は俯き目を閉じた。怖かった。拒否しているのに、嫌なのに、私が恐れる方向へと運ばれていく感じがした。
私の中に入った指が動き始めるとぐちゅりと湿った音が聞こえ、今まで感じたことがない快感がそこから広がっていった。
私の中から溢れた愛液が潤滑油となって男の指の動きを助け、私の膣内の弱い所を探りあて擦り付けられていた。
そのまま男は何度も何度も同じ動作を繰り返し、私に性的な快感を教え込んでいった。
まるで私の弱点を知り尽くしたかのように的確に責め立てる男に私は為す術なく快感に飲みこまれていった。
抵抗しなかったわけじゃない。でもダメだった。
私はされるがままに喘ぎ続けるしかなかったのだ。
二人っきりの電車の中で男の指を秘所に飲み込んだまま、私は狂わされていった。
私の髪の中に顔を突っ込み、臭いを嗅ぎながら男に私は誘惑され続けた。
「もっと気持ち良いことしたくない?」
私の膣内で妖しく蠢かしながら何度も囁かれた。
私は首を振って拒否した。
何度も囁かれては拒否した。
首を振ることで自分を保てると信じていた。
でも…
でも拒否しながら想像してしまうんだ。
この男について行く自分を。
どこかのベッドの上でこの窮屈な服を脱ぎ捨て裸で抱き合う自分を。
指一本でここまで私の身体を喜ばせるこの男がその手を、舌を、そして…
そしてそのイチモツを私に突き立てられた時の自分を…
私もセックスについて甘い幻想を抱いていたのかも知れない。
葉山先輩に抱かれる幼稚な想像をした時もあった。
先輩に抱かれるという後ろめたい想像をした時もあった。
だが目の前の男とのセックスは圧倒的な現実だった。
手を伸ばせば必ず手に入る現実。
自分の膣内を責めるサラリーマンの腕にしがみつきながら私は堕ちていった。
頭を振り、嫌がる少女を演じながら…
どれだけの時間を費やしたのだろうか。
少女のその目はすっかり色に曇り切り、半開きの口から熱い吐息が漏れていた。
それでも首を振り続けるいろはを促すようにサラリーマンが口を開く。
「次の駅で降りようか」
ビクッと全身を震わせる少女の肩を抱きながら二人は電車を降りていった。
ショーツとタイツをしとどに濡らしながら少女は未知の世界へとその足を踏み込んでいった。
傷心に涙していた少女の目に浮かぶのは快楽に侵された粘ついた涙だった…
男のマンションの一室で常夜灯に照らされてベッドの上の少女の身体が浮かび上がる。
壁にはハンガーにかけられた二人の衣服が仲良くならび、床にはタイツと下着が脱ぎ捨てられている。
己の裸身を晒すことに抵抗があったのかいろはは照明を消したかったが男のたっての要望で常夜灯が灯されていた。
「きれいだ…」
男の呟きがいろはの耳朶を叩くと恥ずかしげに身を捩らせる。
その細い手は胸と股間を隠し、潤んだ瞳で男の顔を見つめる。
常夜灯の逆光で表情は伺い知れないがその息の荒さで自分の裸体が男を興奮させているのがわかってしまった。
「もっとよく見せて」
男に促されて胸から手を放す。
素直に男の言うことを聞いてしまう。
程よく実った乳房を晒すことに鼓動が早まっていくのを感じていた。
私の胸はこの男にどんな印象を与えるのかを気にしていた。
頂点に息づく乳首がツンと逆立ち、小さいながらもいろはの興奮度を表している。
「可愛いね。とても良い形をしている」
男の言葉に喜んでしまう。
「こっちも見せて」
股間に当てられた手をゆっくりとはなしていくと薄い陰毛に覆われた恥丘が姿を表した。
ベッドの上でついに全てをさらけ出したいろは全てを見られていることに興奮していた。
敏感な部分をさらけ出し触れられるその時を待ち望む。
葉山先輩にフラれたことも、先輩に付き添われて慰めてもらったことも忘れ、電車で出会った痴漢の前に裸体を投げ出して犯される事を望む。
高校一年生の生徒会長としてはあるまじき行為。
だがこれが『現実』。
傷心の少女が密室と化した車内で女を知り尽くした男に籠絡された結果という『現実』である。
『夢』でも『嘘』でも『本物』でもない『現実』がいろはの身体を侵蝕する。
「んっ!」
乳首を口含まれビクッと震えた。
男の舌先が敏感な先端をチロチロと刺激する。
「んんっ!」
いろはの口から切ない声が漏れる。
男の手がいろはの身体を撫で回す。
くすぐったさに身悶えしながらも男の愛撫を受け入れる。
艶めかしく身体をくねらせ始めるいろはを見ながら反応のいい場所を探りあてていく。
経験のない少女の身体を性感に目覚めさせる為に優しくいやらしく触り続ける必要があった。
男の執拗な愛撫にいろはの身体は開発されていく。
男の舌に充分可愛がられた乳首は舌が離れた今もジンジンと余韻を響かせ、這い回る手が時折触れると甘く切ない刺激に胸を突き出すように求め出す。
脇腹からお尻にかけて這い回る手の動きに腰が揺らめき、首筋を這う舌の動きに喘ぐ。
いろはの肌を存分に味わいながら男の手は這い回る。
肌を撫でる。
一言で言えばただそれだけの行為。
だが撫で方一つでこうも変わるのだろうか。
身をくねらせながらいろはは昂っていった。
いろはの全身にしっとりと汗を感じ始めた頃、やっと男の手の動きに変化が訪れる。
男はいろはの胸に手を当てゆっくりと揉みしだいていく。
柔らかな肉質を楽しむような動き。だがいろはの感覚はそこに集中していなかった。
太腿から這い上がる手の感触に放置されていたいろはの女の部分が待ち侘びたかのように慄いていた。
「あっ……ああ……」
そこに触れる前からいろはの口から甘い吐息が漏れていた。
「どうして欲しい?」
いろはの耳元で男が囁く。
「……あぁ」
電車の中での男の指技に裏付けされ、期待に満ちた目で見上げるいろはに、しかし男はすぐには触れず焦らすように内股を指先でなぞる。
「あぅ……ん」
もどかしげに身体を揺するいろはに意地悪そうな笑みを浮かべると、その手を秘部へと伸ばしていった。
いろはのささやかな望みはかなえられ、割れ目をそっとなぞられるといろはの身体が跳ね上がる。
まるで恋人同士がお互いを思いやりながら行うような愛撫に初心ないろはの身体は容易く蕩けていく。
「ふわっ!あっ!」
待ち侘びた刺激にビクビクと身体を震わせ、潤んだ瞳を男に向ける。
男の顔が近づいてくる。
キスを求められていると気付いたいろはは目を閉じ自ら唇を差し出しそれに応じた。
すでに半開きのいろはの口内に舌が差し込まれる。
「んっ…」
いろはの舌が男の舌に追いかけられる。追い詰められ絡められる内に下半身から這い上がってくる快感に蕩かされ、互いの唾液を交換し合う。
「ぷはっ」
長い接吻を終えると二人の間を銀色の糸が伸びて切れた。
濡れた唇を舐めるいろはを見つめながら男はいろはのクリトリスに触れる。
「んあっ!」
突然の強い刺激にいろはは悲鳴を上げた。
「効くでしょ。ここ」
そう言うと男は人差し指と親指を使って摘んだ突起を転がす。
「ひゃう!いやっ!」
いろはの口から思わず懇願の声が上がる。
だが女の責めどころを心得た男の責めが止まるわけがなかった。
さらに中指を添えて二本の指で挟み込むと上下に擦り上げた。
「きゃうん!あっああん!」
いろはは堪らず背を仰け反らせた。
「だめぇ!」
男の手首を掴み必死に止めようとするが力が入らない。
「ほら気持ちいいでしょ?こうされるとたまらないよね」
「ダメェ!ああぁ!」
いろはの制止を無視して男の指が動く。
「んっんっ!」
いろはは男の肩口に顔を埋めて押し寄せる快楽に耐えている。
「ほんと若い子にはここが効くよね。とりあえずイッてみる?」
「あっあっあっ…」
切羽詰まっていくいろはを眺めなら指の動きは激しさを増す。
「ああっ…なにかっ!なにかくるっ!」
「ふふふっ。思う存分いっといで」
「ああああっ!」
いろはは絶頂に達した。
男の腹の下でビクンビクンと身体を痙攣させて喘ぎ、醜態を晒していた。
「はぁはぁ……」
「どう?凄かったでしょ」
荒い息を繰り返すいろはの耳元で男が囁いた。
「はぁ……はい……すごく……きもちよかったです」
普段からは想像できないほどの従順さを見せ、惚けた表情で呟くいろはを見て男は満足げに笑う
男は力無く開いているいろはの両脚の付け根に顔を埋めた。
「ぁあん…いやぁん…」
男の吐息を絶頂後の敏感なクリトリスに感じ、脱力した身体にムチを打って逃れようとするいろはだが腰をしっかりと抑えられてベッドの上でのたうつしかできない。
そこは洪水のように愛液が溢れ出しており、ぬるりと光っていた。
数多くの男子生徒を手玉にとってきた少女もこの男の性技という圧倒的な『現実』に打ち勝てず、その若い肉体に快楽を覚えこまされていく。
絶頂を知ったいろはの秘部は男の舌に容易く蕩けされ淫らに涎を垂らしながらひくついていた。
ひくつく入口に男の熱い肉棒が押し当てられる。
「入れるよ」
男の言葉を聞いた瞬間いろはの頭の中に警鐘が鳴る。
この先にある未知の領域への恐怖と期待感が入り混じった感情がいろはの心を支配する。
「あぁ……」
ゆっくりと入ってくる男の剛直。
熱い…大きい……硬い……
いろはの膣内が男で満たされていく。
「んんっ……」
いろはは眉間にシワを寄せながらも懸命に耐える。
ゆっくりと入ってくる男の肉棒に慄きながら破瓜の痛みに耐える。
最初は好きな人と…
少女らしい願望とともに散らした処女を嘆いて涙がこぼれた。
「大丈夫?」
「っ…ぐすっ…はい……」
「ゆっくり動かすからね」
いろはの返事を聞いて男は抽挿を開始した。
いろはの膣壁を男のカリが抉っていく。
男は女の扱いに長けていた。
いろはの反応を伺いながらポイントを探りあて、痛さを抑えながら感じるポイントを責める。
痛さを紛らわせるための愛撫なしに己の肉棒一つで処女の身体をほぐし、攻略していくのだ。
「あっ……んっ……」
最初は苦しそうだったいろはもすぐに甘い声を出し始めていた。
「んっ……あぁ……」
男のモノが子宮口を突く度にいろはの口から喘ぎが漏れた。
男はそんないろはの変化に気付くと腰の振り方を変える。
浅く、深く、早く、遅く、角度を変えながらいろはの膣内を蹂躙する。
「あんっ!あっ!そこっ!」
急所を見つけられたいろはの口から自然と言葉が出る。
男の亀頭が何度も同じ場所を責め立てる。
「あっ!あっ!んんっ!だ、ダメっ!」
「どう?たまらないでしょ?」
「んっ!んっ!んんんっ!すごいぃ!」
いろはは快感に溺れ始めていた。
「もっと気持ちよくなりたい?」
「うん!ああぁぁっ!」
男の問いにいろはは即答してしまう。
まだ先がある。
今でも自分を見失う程の快楽なのにまだ先が!
それを想像するといろはの奥がさらに疼いた。
「じゃあイクって言ってみて」
「え?…あぁぁん!…イクゥ…」
「まだだよ。絶頂しそうになったら言うんだよ」
「…だって…さっきから…んんんっ!…絶頂…してるっ!ああああっ!またイクゥ!イクゥ!」
「ふふふっ…『本物』の絶頂はここから始まるんだよ」
断続して襲い掛かる絶頂に苛まれているいろはには男の言葉に返す余裕がなくなっていた。
繰り返される快楽の波は次第に大きくなりそれぞれの波が連なって大きなうねりとなっていろはを未知の境地へと押し上げていく。
突き上げられ上下に揺れる胸を自らの手で掴み揉みしだき始めた。
刺激を求めるあまり爪を立て、痛みの中に快感を見出し始める。
突然始まったいろはの自傷行為。流石に男も慌てだし、腰の動きを止めていろはの両手を掴み取りながら乳房から引き剥がす。
手四つの体勢でベッドに磔にされながらも赤い爪痕の残る乳房を振り回しながら暴れるいろは。
その唇に男の唇が重なり、身体の中で暴れる欲望の吐口を得たいろはは夢中で男の舌を追い回すことに集中し、二人は絡み合いながら求め合う格好に落ち着いていった。
手四つの体勢はいつしか恋人繋ぎへと変わり、血の滲む乳房をいたわるように舐め上げられると沁みるような熱い刺激にもその身をくねらせながら善がっている。
「どう?落ち着いた?」
「うん…凄かった…」
虚な眼で喘ぐように呼吸を整えながらいろはは答えた。
獣のような咆哮は姿を顰め、今は年相応の可愛いらしい声で喘いでいる。
男が手を引こうとするとギュッと握り締めて離してくれない。
「?」
「お願い…もうちょっとこのまま…手を繋いでいてください」
顔を赤く染めたままいろはは懇願していた。
暴走した生殖本能から自分を救ってくれた男の手が愛おしい。
膣内にすっぽりと収まった男の剛直をキュッ、キュッと締め付ける。
男の形をうねるように膣壁がトレースしていく。
降りていた子宮口は柔らかく亀頭の先端を包み込んでしまっていた。
いろはの身体は目の前の男を生殖のパートナーとして認めてしまった。
憧れの存在でもなく、気になりだした不器用で優しい甘えられる存在でもない。今日出会ったばかりの痴漢の肉棒を受け入れて亜麻色の髪の少女は自分の身体を捧げる。
「んっ…もう大丈夫…動いて……」
「いいのかい?」
「はい…」
男はゆっくりと抽挿を再開する。
今度はゆっくり優しく膣壁を刺激していく。
快楽に溺れさせる必要はもうなかったからだ。
「んっ…あっ…あっ…」
いろはの口から甘い声が漏れてくる。
「あっあっあっ…んっ…そこっ…」
「ここかい?」
「んっ!そこぉ!」
二人のまぐわいは変わっていた。
「んっ!あっ!あぁっ!いいっ!いいのっ!」
「わかった」
「んんっ!あっ!あっ!あっ!」
二人で言葉を交わしつつ同時に上り詰めようと協力するように。
「あっ!あっ!だめぇっ!何かっ!くるっ!」
「っくっ!俺も…いくよ!」
「ああっ!んっ!きてっ!くださいぃ!」
それはもはや夫婦の営みに近い。
絶頂の瞬間、いろはの瞳孔が大きく開いた。身体全体が痙攣しているかのようにビクビクと震えている。
「あっ!ああぁっ!イクっ!イッちゃうぅ!」
いろはが叫び声を上げると同時に男の肉棒からも精液が吐き出された。
どくっ!どくんっ!! いろはの一番奥で脈打つ肉棒。
子宮口に密着した亀頭の先端から吐き出された精液が胎内を満たしていく。
「あっ!あああっ!出てるっ!中にっ!出てますっ!」
膣内射精に脳を痺れさせながら自分に言い聞かせるようにいろはは叫んでいた。
「あー…あぁ…すごいぃ…熱い…」
ビクビクと痙攣しながら
射精が終わり男は肉棒を引き抜くといろはは名残惜しそうに腰を揺らした。
つい一時間前まで男を知らなかったいろはの穴からゴポッっと音を立てて白濁液が溢れ出していた。
「はぁ……はぁ……」
いろはは荒い息遣いのまま自分の秘裂に指を入れて中に残ったものに手を触れた。
自分の中から分泌される液とは少し違うヌルヌルとしたものを指先に感じ、自分が目の前の男のモノになってしまったことを実感する。
握り締めていた男の手を解放し、しがみついた。
取り返しのつかないことをしてしまった自覚はあった。
でも今は漠然とした将来への不安をごまかす暖かさが欲しかった。
男の腕がいろはを抱きしめる。
「ああ…」
心が…埋められていく…
亜麻色の髪の少女は己の愚行に気づくことなく、満足気な表情で眠りに落ちた。
自分が都合の良い肉壺に堕ちたことに気づくことなくずるずると男との関係は続く事になる。
その代償は数ヶ月後にいろはの身に降り掛かり、奉仕部の先輩はそれを見事に解決。
その後、いろはの人生が激変することになるのだがそれは別の機会に語られることとなろう。