蛇足と思いつつ投下。
「お前の人生を歪める権利を俺にくれ」
鼻の奥がスンと沁みる。
溢れ出す感情を必死で抑える。
正念場だった。
「その対価には足りないかも知れないが全てやる」
固く閉じていた蓋をこじ開けられて行き場を見つけて走り出した感情は抑え切れるものではなく。
「私はちゃんと言うわ」
彼の告白に真摯に向き合うべく私は答える。
思い出す。初めて会った日の事を。
無関心、無関係、無干渉だったその関係は由比ヶ浜さんが入って来た事で変化を見せた。
「お互いコミュ障だからな」
彼の言い分に引っかかるものはあるけど異論はない。
近くなりすぎた三人の歪な関係を無かったことにしようと思ったこともあった。
私を取り巻く環境は…特殊だ。
だからそれを理由に…いや、そこへ逃げ込むことで二人から距離を置き、歪な関係を風化させ、浅い普通の関係へと変化させようとしていた。
彼の「本物が欲しい」という思いに応える事なく…
だから私は今度こそ逃げずに答えなければならない。
「あなたの人生を私にください」
そんな台詞を吐いた口は
今、違う男の口に塞がれている。
「んっ!んんっ!」
私の唇を割って舌が侵入している。
固く食い縛る歯と歯茎をくすぐり、緩む瞬間を待ちながら。
それほど強く拘束されているわけでもないのに振り解けない。
握られてもいないはずの腕は力なく男の胸に当てられ、押し退けることもせず、自由な筈の両足は男の股間を蹴り上げる事もなく震えるのみ。
恐怖に涙が流れ落ち、視界が霞んでいく。
腰を抱く手が撫でるように下に降りていきお尻を引きつけるように抱かれると私の女の部分が男の接近を意識し始め、不思議な感覚が下半身から浸透してきた。
やがて男の唇が離れると私は喘ぐように酸素を取り込む。
激しく抵抗したわけでもないのに私の身体は酸欠状態だった。
私は目の前の男、千葉にいつの間にか昂らされていたのだ。
酸欠と激しく貪られた影響で思考が上手く回らない。
千葉の熱い手のひらをストッキング越しに感じながら俯く私の顎は上げられ再び千葉と向かい合う。
太腿を這い上がってくる熱い手のひらの感触と再び近づいてくる千葉の唇に私は追い詰められていく。
もう逃げられない…
股間に触れた手が柔らかなタッチで動き始め、緩んだ唇から舌が入ってくる。
逃げる舌は容易く絡め取られた。
撫で回される私の脚の付け根は熱く潤み始め、解されていく。
私は初めて経験する男女の営みに呑み込まれていた。
千葉から送り込まれてくる甘美な刺激が身体を侵食していく。
熱で寝込んでいる時のように身体が熱く、力が入らない。
だが心地いいのだ。ふっと気を失う感覚に似て、それでいて抗えない。
このままではダメだとわかっていながらも逆らう事ができない。
千葉の唇が離れ、私の大事な所を弄っていた手が離れる。
スカートの中から抜かれたその手の先はテラテラと濡れて光っていた。
それが私の中から溢れ出した物であると自覚する間も無く、千葉の手は再びスカートの中に潜り込む。
今度はやや上からタイツの中に潜り込み、さらにショーツの中へと、そして私の恥丘の上を滑りながら秘裂へと進んでいく。
奥へ奥へと手が進むごとに荒くなっていく吐息。高まってしまう鼓動。
それを感じる程の近い距離で見つめる千葉。
唇が触れる程、互いの呼吸を肌で感じてしまう程の距離で見つめられながら私は秘裂を弄られていく。
クリトリスを触れられた時の激しい刺激に眉を顰める表情を…
割れ目の浅い所を撫でられて蕩けて半開きになった瞳から流れる涙を…
そしていつの間にか甘い嬌声を紡ぎだしていた唇を…
グチュグチュと音を立てて千葉の指に合わせて身を震わす私の媚態を観察しながら時は流れていく。
身体の中で蓄積された快感が溢れ出して行くような感覚に私は追い詰められ、頭の中が白く染め上げられ、下腹部をビクンビクンと痙攣させながら私は生まれて初めての絶頂を千葉に披露することとなった…
千葉の腕に抱かれながらしがみつくようにして余韻に浸る。
やがてその熱が冷めていくと罪悪感に押し潰されそうになった。
「まさか雪ノ下議員の娘さんとこんなことになってしまうなんてな」
合意の上と強調するような発言だ。
反論しようはいくらでもあった。
だがこの部屋での出来事は誰にも立証できない。ひとまずはここから逃れてこれ以上の被害を抑えるのが先決と思えた。
「明日の昼は空いてるかい?」
追い討ちを掛けるかのような千葉の一言を聞き流しながら姿見を見て自分の体裁を整える。
ハンカチで滴る自分の汗と愛液を拭き取る。
この借りは必ず返すわ。
そう誓いながら鏡越しに千葉の表情を窺う。
私の表情に感じるものがあったのだろう、緩んでいた千葉の表情が一瞬にして引き締まった。
振り返り、宣戦布告だ。
「今日の事は忘れません。いずれご挨拶に伺います」
パーティから帰り自分の部屋に入るとふっと力が抜けてしゃがみ込んだ。
忌まわしい記憶が蘇る。
奪われた唇と舌の感触。
そして刻み込まれた絶頂の記憶。
比企谷君…
彼の事を忘れ快楽に堕ちてしまった事が私の心を絶望へと追いやっていく。
なんであんな事になってしまったのだろう。
あの時一緒に部屋に入らなければ…
だが済んでしまった事は無かったことには出来ない。
失った物に代わる物を得なければこの喪失感は癒せない。
千葉は大きな過ちを犯した。私はまだ高校生だ。これは例え同意であったとしても千葉の過失は逃れられない。
官僚としての息の根を止めるのに充分だろう。
待ってなさい。私は転んでただで起きたりはしない。
「明日の昼は空いてるかい?」
千葉の言葉を思い出しながら明日の作戦を練る。
上手く証拠を残す為に一度は接近を許さなければならない。
今日、私は千葉にいいようにやられてしまった。
それは経験の無さからズブズブと流されてしまったからだ。
自分の股間に千葉の手が触れた瞬間を思い出して思わず身震いする。
あそこから最後まで10分も経ってないだろう。
千葉の手を真似して自分の敏感な部分を触ってみる。
場所は同じはずなのに思った程の快感が得られない。
疼く身体は千葉の手を覚えており、それをトレースしてるはずなのに同じような快感が得られないのが不思議だった。
届かない快感に焦れ始める身体を持て余す。
中途半端に触ってしまったせいで湧き上がり始めた性欲に身体が熱くなっていく。
今日初めて知った絶頂とは程遠い感覚に身体が不満を訴え始めた。
いけないと思いつつも千葉との情事を思い出している。
結局、何も考えることが出来ないまま私の意識は薄れていく…
大丈夫…
切り札はこちらが握っている…
翌日、私は指定された時間に千葉と会っていた。
「ああ、よく来てくれたね」
「本日はお誘いいただきありがとうございます」
「いやいや、昨日は大変お世話になったことだしお礼を言うのはこちらの方ですよ」
私にとっては含みのある発言だが証拠としてはまだ弱い。
「アレで期待にお応えできたかどうかわかりませんが…」
千葉が近づいて来て私を部屋の奥へと誘う。
腰に当てられた手の感触に昨日の事がフラッシュバックし思わず身を固くする。
「少し緊張されてますか?」
突然あんな事されて怖がらないわけないと思うのだけれども。
「ええ、少し。あんな事されましたから」
部屋に入る前からボイスレコーダーのスイッチは入れてある。あとは言質を取れば…
「ああ、安心してください。昨日も最後の方は大分緊張も解れていたようでしたから大丈夫ですよ」
不意に告げられた千葉の言葉に私の身体が反応する。
引き際を見誤ってはいけない。
だが忘れようとしていた忌まわしい記憶が蘇り乱れ始める。
思い出すまいとしていた快感に堕ちていく感覚を思い出す。
動き始めてしまった妖しい鼓動を抑えるのに必死になる。
「顔が赤いですね。寝不足ですかな」
千葉の視線から顔を隠そうとうつむく。
切り札を切れないまま千葉のペースでゲームは進む。
俯いた私の視線の先にあったのは千葉の手だ。
昨日、私の体液で濡れそぼっていたあの指から目が離せない。
その手が伸びてくる。再び私を求めて。
私の腰に手が回り引き寄せられる。
「昨日は短い時間しかお相手できずに申し訳なかったね」
もう十分だ。
高級官僚の息の根を止めるハニートラップを…
「今日は時間をかけてお相手しましょう」
未成年者という猛毒を添えて…
「始めようか」
そんな私の思惑ごと飲み込まんとスカートの中に千葉は手を差し込んできた。
千葉の手を知ってしまった私の身体は抵抗することなく受け入れてしまった。
この先に得られる快感を知っている。制服の上から撫でられ始めた私の身体は期待に慄き始める。
「ほらもう身体が悦び始めてる」
図星をつかれ恥じるように顔を背けて反抗する。
ブレザーの中に入ってきた手に無関心を装って虚勢を張る。
だが思いの外、柔らかいタッチで胸を撫で始めた途端に私の虚勢は崩れ、千葉の手を掴んで悶える。
「んっ…いや…」
ついに漏れてしまった私の弱々しい声が自分を責める。
流されていく自分をはっきりと自覚した私のブラウスのボタンが外され慎ましい胸が千葉の目に晒される。
外されたブラの下から露わになった乳首は既に半ば屹立していた。
羞恥に顔を背け、千葉の顔が近づいてくるのを体温と吐息で意識する。
近づくごとに高まる鼓動。
少しずつ千葉の熱を感じ始める私の胸。
焦らすように触れるか触れないかの距離を保たれ続け、私の乳首は千葉を意識して充血していく。
やがてそこから発生するであろう快感を待ち侘びて私の心は乳首に感じる吐息と熱に溶かされる。
触れてもいないのに身体は震え出していた。
「んんんっ!」
そのタイミングを待ってたかのように乳首を口に含まれ、舌先で転がされ、一気に襲いかかってきた快感に私はソファの上に崩れ堕ちていった。
身体の力が吸い取られていくように脚に力が入らない。
そんな私を千葉はソファの上に横たわらせ、覆いかぶさってきた。
そして私たちはソファの上で本格的に絡み合い始めてしまった。
下半身を弄られ、上半身をいやらしく舐め回されながら邪魔な私の制服は少しずつ剥ぎ取られていく。
肌が露出されるたびに千葉の舌と手が這い回る領域が広がっていく。
征服されていく私の身体は千葉から逃れるかのように捩り、仰け反り、縮こまる。
充血しきった乳首は触れてもいないのにジンジンとした痺れを発し、開発されていく私の身体は新たな快感を生み出しては体内へ溜め込んでいった。
少しずつ、少しずつ千葉の愛撫が下へ、下半身の方へ降りていくのを察して私はある予感に歓喜とも恐れともとれる不思議な気持ちを感じ始めていた。
ゆっくりと両脚を開かれ、私の大事な所は千葉の眼前に晒されることとなった。
わかっていたこととは言え、ここに及んで私は顔が熱くなっていくのを感じていた。
熱く湿った物が私の股間を舐め上げる。
その刺激にあっけなく私の秘裂は屈服し、淫らなよだれを垂らしていくのがわかる。
両脚の付け根付近から上がってくるむず痒いような刺激は私の腰の辺りで痺れるような余韻を残して胎内を熱くしていった。
その様子を観察するかのように見ていた千葉の顔が妖しく歪んでいくように見えた。
再び私の股間に顔を埋めていく。
先程感じた甘く痺れるような刺激が連続的に与えられてくる。
私がその刺激に耐えられたのはほんの数秒だった。
「あっ!ああん!やめて!」
私の口からついに言葉が漏れ出した。
千葉の舌が割れ目をなぞるたびに溢れ出す蜜がピチャリと音を立て千葉の顔を濡らす。
「ダメ!お願い、これ以上はっ!」
そう、これ以上続けられたら…
私は雪ノ下雪乃としてのアイデンティティすら失うような気がしていた。
「あん!あっあっあっ!も、もう…」
自分の意思をも流していってしまうような快楽の奔流に止まることもできずに流されていく感覚。
私は愛すべきパートナーの面影を強く思い出してそれにしがみつき、耐えようとしていた。
だがその刺激は確実に私を追い込んでいく。
追い討ちを掛けるかのように千葉の指が侵入し、私の中を探る。
蠢く指に私の急所は暴かれていき、その都度、自分の声とは思えない甘い声を上げて醜態を晒す。
何度も屈服させられ絶頂を繰り返し意味をなさない言葉を垂れ流して快楽に漬け込まれていく。
いつしかパートナーの面影にしがみつくことも忘れ、千葉の指と舌の動きに合わせて快感の波の上で淫らな踊りを繰り返し続ける操り人形と成り果てていた。
何度目かわからない絶頂を迎え、ビクビクと痙攣を繰り返す私の中からようやく千葉の指が引き抜かれる。
ぐったりとしてソファに倒れ込む私の股間からは大量の潮が吹き出し、辺りを汚していた。
もはや立ち上がる気力もない。
そしてついに私の入り口に千葉の肉棒があてがわれてしまう。
私の中から溢れてくる液体をまぶしながらその先端は弱い所を擦り上げてくる。時折その先端を私の中に埋め込みながら…
千葉の先端がほんの少し潜り込むたびに私の身体はその刺激に慣れていった。
千葉の両手が私の胸を這い回り始め、乳首を捏ね回す。
千葉の顔が近づいてくる。
私の唇が千葉の唇を受け入れた瞬間、私の中に千葉が侵入してきた。
「んっ!」
敏感な所を刺激する快感に私は思わず仰け反ろうとするが千葉の動きは止まらない。侵入は進む。
「んっ!ふぅー、うぁ!」
ゆっくり、ゆっくりと私の中に千葉が入ってくる。
ゆっくりと引き裂かれていくような感覚に耐える。
叫ぶ程の痛みではなかったが無理矢理裂かれていく、そんな感覚にこの男に大切な物を奪われていくことを実感させられた。
沸き起こってくる喪失感と罪悪感に涙が溢れる。
胎内に感じる脈動がそれが事実であると私を詰める。
そしてトドメを指すかのように私の中で固く怒張した千葉は動き始める。
無理矢理引き裂かれた傷口を千葉の逸物が侵入し押し広げていく。
押し広げられていく傷口へ繰り返される抽挿により私の膣内は元の形へ戻ることを許されない。
次第に千葉の形を模っていくことを強いられる。
千葉の形に近づく程に耐え難かった痛みが薄れていくようだった。
甘い感覚と認めたくない好意じみた感情が芽生え始めていた。
往復を重ねる都度、私と千葉は馴染んでいき、挿入時に感じていた喪失感を快楽によって埋められていった。
自分が好みの形に征服されていくことに被虐的な快感を感じ始め、私の反応が変わった事を察した千葉の動きが激しさを増していく。
「あっあっあっあっあっ…」
腰の動きに合わせてリズミカルにクリトリスを責められて真っ白に染め上げられた意識の中で私の理性は断末魔の悲鳴を上げていた。
比企谷君の事も復讐の事も家族の事も白く白く塗り潰されていく。
何度も果て、変わってしまった私の身体は千葉以外の事を考えるのを許さない。
やがて口付けも愛撫も止め、ただ私を抱きしめて密着しながら腰を振り始めた千葉の姿に私はその時が近いと気づいた。
そしてそう気づいた私の胎内もその機会を逃すまいと締め付けを強くしていく。
「君は最高だ!」
トドメとばかりに突き込まれ、最奥の定位置に収まった千葉の先端から迸る熱い奔流を感じる。
胎内に注ぎ込まれる感覚に私は満たされていった。
イカされる絶頂とはまた違う多幸感を感じながら私たちは口付けを交わしあう。
その口付けの味は今までとは違ったように私には感じられた。
両の手の平を握り締められて、千葉の手の暖かさを感じながら余韻に浸る。
気遣うように下腹部を優しく撫でられて悦びを感じた時、私は自分が千葉の女になってしまった事を自覚した。
そして今、夕日差し込む一室で
私の口は千葉の逸物を含み、扱き上げていた。
私の舌、唇、指に反応して震える千葉の姿に悦びを感じ、自分の股を濡らす。
私はもう千葉さんの事を憎むことはできないだろう。
千葉さんにまたがり、その剛直を自らの秘裂にあてがう。
ゆっくりと腰を下ろすと今日一日で仕上げられた私の身体は悦びに震える。
何度味わっても飽きないその感覚に酔いしれながら千葉さんの上で私は跳ねる。
そんな私を千葉さんは引き寄せ、抱きしめながら耳元で囁かれた。
「本当に君は最高のパートナーだよ」
この時、私は本当の意味で堕ちたのかも知れない。