神に感謝!!
ハワイ。
そこは世界有数の観光地であり、また、その景観の美しさから、世界中からの観光客で溢れかえっている場所でもある。
日本からも直通便が運航されており、国内旅行と変わらない気軽さで訪れることが出来ることから、毎年多くの日本人が訪れるのだとか。
そんな場所に、俺は今いる。
いかに海外旅行とはいえ、独身の中年男性が、1人で来るようなところではない。まして、俺のような小太りの中年独身男性が1人で行くには場違いすぎると思っていたが意外とそうでもない。
ただソコソコの金と時間以外何も持っていない自分が楽しむにはいささかハードルが高い場所ではある。
それでもここに赴いた理由が、俺には1つだけあった。
それは――
「おっじさ~ん、ちさとが来ましたよ~」
空港を出てすぐ、随分と懐かしい声が耳に入る。
明るくて元気な女の子の声だ。
声の主は俺を見つけるなり駆け寄ってくる。
「ひさしぶりっ」
「あぁ、ひさしぶりだね。千束ちゃん」
「おひさしぶりです。おじさん」
今度はたきなちゃんが、千束ちゃんの背後からソッと顔を出した。相変わらず行儀の良い面持ちだ。
2人ともハワイに来て長いのか、服装も地元感が出ている。
千束ちゃんはお腹を大きく出したTシャツとショートパンツという露出度の高い格好にサンダルを履いており、一方のたきなちゃんは意外にもオーバーオールを着ている。2人してとてもラフな出で立ちだ。
荷物が少ないのは、彼女達は旅行客では無いから。
なぜなら――
「いやあ驚いたよ。11月に急にリコリコしまっちゃったと思ったら急に復活したし、でも千束ちゃんもたきなちゃんもいなくて心配してたらまたお店しまっちゃって、急に連絡きたと思ったらハワイにいるって」
「あはは……まぁちょっと新天地で頑張ろうかなと思って。せっかくだし海外行ってみようかなって思ってさ-」
「……まぁそんなところです」
2人とも、妙に歯切れが悪い。
何か隠していることがあるのだろうか?
そもそも、千束ちゃんと連絡が取れなくなって長いのだ。
突然の喫茶リコリコの閉店前にたきなちゃんから急にしばらく会えないという連絡が来てすぐにお店が閉まったから何がなにやら。
俺は少し不思議に思いつつも、とりあえず再会を喜ぶことにしよう。
「確か、ここでもリコリコやってるんだよね?」
「うん! なんとハワイではカフェリコリコにリニューアルしました~」
確か、キッチンカーでハワイ中を回りながら営業しているとSNSで見た。
本当に、2人はハワイで過ごしているらしい。
「それで、おじさんはまずワイハに来て何するの?」
「いきなりだね」
「当然じゃん! 滞在期間は限られてるんだから~」
相変わらずしたいこと最優先の千束ちゃんはノリノリだ。
こうして生でちゃんとした元気な姿を見られて、どこか心の底から安心している自分がいる。
千束ちゃんもたきなちゃんも、いつか何の前触れもなくいなくなってしまいそうな気がしたから。
現にお店はそうだったわけだし。
その理由を調べる術は、きっと無いのだろう。
でも千束ちゃんは嘘をつかない。だから、俺に話さないと云うことはきっと俺が知らなくて良いことなのだ。
そう思わせてくれるところもまた、彼女の美点だと思う。
「そうだね。まずホテルに行きたいな」
「お~いきなりぃ? おじさんホントエッチだね~」
「いやそうじゃないよ!? チェックインとか荷物とか置きたいって意味で」
「違うんですか? 私はそのつもりでしたよ?」
驚く答えがたきなちゃんのほうから返って言葉を失ってしまう。まさかこの子まで千束ちゃんと同じ事考えているなんて……。
「お~たきなもノリノリじゃーん」
「仕方ないじゃ無いですか。おじさんの性欲強すぎるので、1人じゃ手に負えないんです」
千束にも手伝ってもらいますからね、とたきなちゃんは付け足す。どうやら、俺が思っている以上に彼女たちは俺のことを信頼してくれているようだ。
「おぉーっ、言うねえ、たきなぁ」
そう言うと千束ちゃんは機敏な動きで俺の隣に回り込むと細い腕で俺に抱きついてきた。
阿吽の呼吸のように反対側からたきなちゃんも挟み込んでくる。
二つの柔らかい膨らみが、俺の体に密着してきた。
久しぶりの感触だが、相変わらず千束ちゃんは胸が大きい。そしてたきなちゃんも十分すぎる感触だ。
近くで見ると2人とも本当に綺麗になった。前が劣っているわけじゃ無いけれど、魅力が数段上がっている。
「そういうわけで」
「そういうわけなので」
2人はそのまま俺の耳元に顔をゆっくりと寄せて囁く。
「おじさんはどっちとエッチする?」「おじさんはどっちとエッチします?」