※この作品はR-18です。

百年の旅人~眠り姫を起こす為に~   作:ボルメテウスさん

19 / 100
こちらで新たな募集を行っています。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=286038&uid=45956


18年目

「いやぁ、こうしてお前に再会できるとは思わなかったぜ!!」

 

 そう言いながら、俺を歓迎してくれている人物が俺に話しかけていた。

 

 戦争から逃れるように、放浪の旅を行いながら辿り着いた場所は、かつて、アイヌの金塊を巡る戦いにおいて共闘した仲間の1人である白石だった。

 

「それはこちらの台詞だよ。

 

 以前、杉本さんから、どっかの島で王になっていたと聞いたけど」

 

「そういう事! 

 

 ここが俺の王国という訳だよ」

 

 そう自慢げに言った。

 

「にしても、お前って、以前と変わらないよな。

 

 というよりも、なんだかアシリパちゃんと似た感じになっていないか」

 

 その言葉と共に俺の格好を見る。

 

 白い軍服に、時代錯誤の兜、背中には亀を思わせる盾にそれを仕舞うように大きな鞄がある。

 

 まるでゲームで出てきた強い装備をバラバラに身に纏っている状態である。

 

「旅をしていたら、色々とあってな。

 

 丁度良かった、白石に聞きたいけど、この島で何か眠り病に関する事を知らないか?」

 

「あぁ、お前って、あの時から目的が変わらない訳ね。

 

 なんだか、お前だけタイムスリップしたようで変な感じがするな」

 

 そう白石は呆れたように笑みを浮かべる。

 

「変か?」

 

「いいや、あの頃を思い出して、少し懐かしいぜ。

 

 何よりも、アシリパちゃんからアイヌの話は色々と聞いていたからな」

 

「そうだな、アシリパさんは、今はどうしているんだろうな」

 

 あの時は幼かった彼女が、今ではおそらくは大人になっているだろう。

 

 そんな懐かしい思いをしている。

 

「とりあえず、お前、旅を続けるのは良いけど、しばらくは止めた方がいいぞ。

 

 この戦争は、たぶんしばらく続くと思うぞ」

 

「かも、しれないな」

 

 実際に俺が脱出した間際に戦争が本格的に始まりそうになった。

 

 イングヴィルドに関しては、グレイフィアさんを通して、無事なのは連絡で伝わっている。

 

「だとしたら、6年、いや10年か」

 

「おいおい、10年もここにいるつもりかよ」

 

 そう白石は呆れたように言う。

 

「別にお前の城で世話になるつもりはないよ。

 

 ここから少し離れた所にいさせてくれるだけでも助かるからよ」

 

「まぁ、お前のおかげで結構助かったけど、別に良いけど。

 

 もしもの時は用心棒として頼むよ」

 

「あぁ、分かっているよ」

 

 そう、俺は以前と変わらないやり取りを行っていく。

 

「そう言えば、白石に聞きたい事があるんだ?」

 

「なんだ?」

 

「何か、珍しい物はないか?」

 

「珍しい物?」

 

「うぅん、そうだな。

 

 まぁ、アシリパさんが言っていたアイヌの伝説に出てきそうな珍しい奴」

 

「あぁ、それだったら、結構流れてきているよ。

 

 正直に言って、俺には使い道がさっぱりだけどな」

 

「本当なのか」

 

 俺はそれと共に驚きを隠せなかった。

 

「まぁな。

 

 ここ最近は戦争の影響なのか、そういうのが、流れてくるのが珍しくないんだ。

 

 そんなので良いんだったら」

 

「あぁ、本当に助かるぜ」

 

 どうやら、俺は思った以上に良い展開になっていた。

 

「さて、それじゃ、10年で少しは進まないとな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。