「いやぁ、こうしてお前に再会できるとは思わなかったぜ!!」
そう言いながら、俺を歓迎してくれている人物が俺に話しかけていた。
戦争から逃れるように、放浪の旅を行いながら辿り着いた場所は、かつて、アイヌの金塊を巡る戦いにおいて共闘した仲間の1人である白石だった。
「それはこちらの台詞だよ。
以前、杉本さんから、どっかの島で王になっていたと聞いたけど」
「そういう事!
ここが俺の王国という訳だよ」
そう自慢げに言った。
「にしても、お前って、以前と変わらないよな。
というよりも、なんだかアシリパちゃんと似た感じになっていないか」
その言葉と共に俺の格好を見る。
白い軍服に、時代錯誤の兜、背中には亀を思わせる盾にそれを仕舞うように大きな鞄がある。
まるでゲームで出てきた強い装備をバラバラに身に纏っている状態である。
「旅をしていたら、色々とあってな。
丁度良かった、白石に聞きたいけど、この島で何か眠り病に関する事を知らないか?」
「あぁ、お前って、あの時から目的が変わらない訳ね。
なんだか、お前だけタイムスリップしたようで変な感じがするな」
そう白石は呆れたように笑みを浮かべる。
「変か?」
「いいや、あの頃を思い出して、少し懐かしいぜ。
何よりも、アシリパちゃんからアイヌの話は色々と聞いていたからな」
「そうだな、アシリパさんは、今はどうしているんだろうな」
あの時は幼かった彼女が、今ではおそらくは大人になっているだろう。
そんな懐かしい思いをしている。
「とりあえず、お前、旅を続けるのは良いけど、しばらくは止めた方がいいぞ。
この戦争は、たぶんしばらく続くと思うぞ」
「かも、しれないな」
実際に俺が脱出した間際に戦争が本格的に始まりそうになった。
イングヴィルドに関しては、グレイフィアさんを通して、無事なのは連絡で伝わっている。
「だとしたら、6年、いや10年か」
「おいおい、10年もここにいるつもりかよ」
そう白石は呆れたように言う。
「別にお前の城で世話になるつもりはないよ。
ここから少し離れた所にいさせてくれるだけでも助かるからよ」
「まぁ、お前のおかげで結構助かったけど、別に良いけど。
もしもの時は用心棒として頼むよ」
「あぁ、分かっているよ」
そう、俺は以前と変わらないやり取りを行っていく。
「そう言えば、白石に聞きたい事があるんだ?」
「なんだ?」
「何か、珍しい物はないか?」
「珍しい物?」
「うぅん、そうだな。
まぁ、アシリパさんが言っていたアイヌの伝説に出てきそうな珍しい奴」
「あぁ、それだったら、結構流れてきているよ。
正直に言って、俺には使い道がさっぱりだけどな」
「本当なのか」
俺はそれと共に驚きを隠せなかった。
「まぁな。
ここ最近は戦争の影響なのか、そういうのが、流れてくるのが珍しくないんだ。
そんなので良いんだったら」
「あぁ、本当に助かるぜ」
どうやら、俺は思った以上に良い展開になっていた。
「さて、それじゃ、10年で少しは進まないとな」