白石が持って来たのは、服だった。
それもアイヌの民族衣装であり、アシリパさんが持っていた衣服にどこか似ていた。
「それで、なんで俺に?」
「いやぁ、さすがに俺の所に置いていたやばいからな。
お前、こういうのを集めているだろ」
「……はぁ」
若干、否定できない。
まぁ、アイヌには病を関係する事を聞けそうだ。
そう思って、俺は実体化してみるが。
「へぇ、アイヌの金塊を探したんだ」
そう、その衣服を身に纏ったまま、腰まで伸びた白い髪が特徴的な少女へと変わった。
その姿は、金塊を探していた頃のアシリパさんと同じぐらいの体格だ。
小悪魔のように微笑みながら、シトナイが唇を近づけてくる。
近づく途中でずりずりと服越しに彼女の下半身を擦り付けられた跡が、僅かな熱と蕩けるような恍惚をもたらした。
貪るようなディープキスを受けながら、頭の中でピンクの霧が広がった。
彼女の舌が触れたところが最上の性感帯と化し、塗りつけられた唾液が思考を麻痺させていく。捕食にも似た激しくも極上のテクニックに、俺はなすすべなく翻弄されつづけた。
そしてついに俺が抵抗する力を失った頃合いを見計らってか、彼女はようやく口を離した。その口元は淫靡な笑みを浮かべたままだ。
「ふぅっ、どう? 気持ちよかった?」
「うぁっ、あっ、あ」
答えられずにいる俺に対し、シトナイは満足げに鼻を鳴らしてみせる。それからゆっくりと身体を起こすと、両手を自分の胸に這わせはじめた。
膨らみの暗示さえない少女の平たい胸を下から持ち上げるようにして、柔らかさを確かめるように揉んでいく。
やがて先端の突起を指先でつまむと、くりくりとこね回し始めた。
甘い吐息と共に悩ましげに身をよじる姿はひどく扇情的で、まるで娼婦のようだった。
しかし、それを恥じる様子もなくむしろ見せつけるかのようにしているのだから質が悪い。
そんな彼女を見ているうちに、いつしか俺の方まで変な気分になってきていた。
気付けば股間のあたりが熱くなってしまっている。
それに気づいたのか、シトナイが目を細めてこちらを見た。
そのまま、おもむろにスカートの中へと手を入れ始める。
タイツに包まれた太腿に触れると、ぴくんっと震えた。
そしてさらに奥へ、ショーツの中に手が差し込まれていき──―
──―ぬちゅんっ♡ 湿った音が響いた瞬間、俺は弾かれたように飛び起きた。
同時にベッドの上をごろごろと転がると、壁際ぎりぎりにまで後退する。
心臓がばくばくいっている。
荒くなった呼吸を整えつつ、そろそろと顔を上げると、シトナイが不思議そうに首を傾げた。
「あれ? もう終わりにしちゃうの?」
言いながら、彼女はまた妖艶な笑みを浮かべる。
だが、今度は先ほどのような淫猥な雰囲気はない。
ただ純粋に、これから先の行為を期待しているような笑顔だ。
それはそれで問題なのだが。
「けど、私は、まだまだ終わって欲しくないからねぇ」
そう、彼女はゆっくりと近づいてくる。
まるで獣が獲物を追い詰めるようにじりじりと。
「ほら、もっと楽しませてあげるから」
そう言って、彼女が覆いかぶさってきた時だった。
俺よりも体格は小さいはずだが、そこから発するプレッシャーのようなものは途轍もないものだった。
本能的に危険を感じ取った体が反射的に逃れようとするものの、背中には壁があって逃げられない。
そして、彼女の両手が伸びてきて、俺の首筋に触れた。
冷たい掌が肌に触れて、ぞくりと背筋が震える。
そのまま指先が首筋を撫で上げてくる感覚に、思わず身をすくめた。
それを見てか、シトナイはくすりと笑うと、耳元に顔を近づけてきた。
「くすっ、可愛い反応してくれるじゃない」
熱い吐息と共に囁かれる言葉は甘く、脳髄の奥底を震わせるようだ。
それが更に危機感を募らせるものの、体は言うことを聞かない。全身の筋肉が弛緩してしまったかのように力が入らず、抵抗できないままシトナイにされるがままだった。
すると、彼女はふと動きを止めて、俺の顔を見つめる。
「ふふっ、可愛い」
そう、彼女はそのまま俺の肉棒へと指を伸ばす。
少女の指は、肉棒に触れると共に優しく包み込んだ。
その感触だけで、びくんっと跳ね上がるようにしてしまう。
そんな様子を見下ろしながら、彼女は微笑んだ。
その瞳の中には嗜虐的な色が浮かんではいるのだが、そこには確かに慈しみの色があったのだ。
そして、その視線のまま見上げて来る。
口元は愉悦の形に歪んでいるというのに、どこか悲しげにも見える表情だ。
しかしそれも一瞬のこと。すぐに唇の端を吊り上げるようにして笑い始める。
それから、ゆっくりと腰を落とし始めた。
スカート越しだというのに、柔らかな尻たぶが触れた瞬間、俺はまたも体を強張らせる。
だが、それに構わず彼女は体重をかけていく。
ずしりとした重みとともに、柔らかく潰れるような圧迫感。
それが股間全体を覆うような形になって行くにつれて、徐々に下半身が熱くなっていくのを感じた。
それはまるで、血流が集まっていくかのような錯覚すら覚えるほどである。
「ぐっ、んっ!!」
今まで感じたことの無い未知の快感だったからだ。
しかもそれだけではない。
ぐいぐいと押し付けられるたびに感じる弾力のある柔らさと温かさに加え、鼻腔を刺激する甘い匂いまでもが襲ってくる。
その香りには媚薬でも入っているのかと思うほどに興奮を掻き立てられてしまい、意識とは関係なく呼吸が激しくなった。
気付けば、いつの間にやら俺の方からも自然と腰を動かしていたらしい。
無意識のうちに快楽を求めていた体が勝手に動いていたらしく、彼女もそれに応える様にしてさらに強く押し付けて来た。そのせいか、彼女の太腿から伝わってくる感覚が強くなっている気がする。
むしろこちらの方が気持ち良いくらいであった。
そこでようやく、自分の意思とは無関係に動かされている事に気づいたものの、もう遅い。
既に俺の意思など関係ないところまで来ていた。
それどころか、自分で動かすよりも遥かに強い刺激を感じてしまっている始末だ。もはや抗う事など出来ない程にまで高まっていた射精欲求を我慢する事さえ出来なかった。
俺はあっけなく達してしまったのである。
そして、それと同時に強烈な脱力感に襲われた。
全身から力が抜けて行き、そのまま倒れ込む。
すると彼女はそんな俺を見て小さく笑った後、今度は優しく頭を撫でてくれた。
「ふふっ、なんだか、体格はそっちの方が上なのに、こっちが親みたいな感じね」
そう、シトナイはどこか子供っぽいところがあるのだ。
外見こそ幼い少女ではあるが、実際はもっと年上のはずなのだが、どうにも精神年齢が低く見える時があった。
しかし、今は大人としての対応をしているようだ。
「これは、楽しみねぇ」
その言葉が、何を意味するか、分からない。