※この作品はR-18です。

百年の旅人~眠り姫を起こす為に~   作:ボルメテウスさん

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31年

「ここが、フランス、パリか」

 

 そう言いながら、俺はゆっくりとその光景を見る。

 

 現在は1930年ぐらい。

 

 その事もあってか、花の都と呼ばれるパリは美しい街並みを見せていた。

 

 俺達はそんなパリの街を歩く。

 

 ちなみにこの時代には、まだ飛行機は無い。

 

 そして車もだ。

 

 なので、移動手段は主に徒歩となる。

 

 しかしそれでも街の風景を楽しむ事は出来た。

 

 だが、俺がこの街に来た目的は、このフランスでの観光ではない。

 

「果たして、医療関係はどれぐらい発展しているのか」

 

 現代に比べたら、医療関係の知識は遥かに劣っているだろう。

 

 だが、医療関係の知識を仕入れるには良い機会でもある。

 

 この時代では、医者や薬剤師などの職業は、基本的に貴族しかなれないらしい。

 

 だから、この時代の医者などの知識は貴重だったりする。

 

「とりあえず、色々と回ってみるか」

 

 そうしながら、俺はパリの町中を歩き回る。

 

「そう言えば、ジャンヌはフランスは詳しいのか?」

 

「私がいた時代に比べたら、発展していて、ほとんど知らないわよ」

 

 そう言いながら、ジャンヌに話を聞いてみる。

 

 しかし、帰ってきた答えは、あまり参考にならないものだった。

 

「ただ、この時代でも有名な病院とかはあるから、そこを見て回れば良いと思うけどね」

 

「有名って言うと、やっぱり国立病院みたいな所があるのか?」

 

「うん、確かパリにある筈だよ」

 

 そうした声と共に、俺はフランスを歩き回っていた。

 

 そうして、見ていく中で分かった事がある。

 

 それはこの時代のフランスの医学レベルの低さだ。

 

 正直、かなり期待外れと言っても良い。

 

 確かに、薬らしき物は売っているし、簡単な治療行為も行っている様に見える。

 

 ただ、現代の医療技術と比べたら、まだまだ遅れている様に見えたのだ。

 

 これは本当に残念な結果と言えるかもしれない。

 

 そんな事を考えながら、ふと思った事をジャンヌに聞いてみた。

 

「そう言えば、ロンドンに比べたら魔術はない。

 

 だが、王族に関する者を調べたら、以外な手掛かりはあるんじゃないの?」

 

「王族?」

 

「例えば、マリーアントワネットとか、そういう奴らよ」

 

「えぇ、けど、それって、また泥棒みたいな事をしないといけないという事だよね」

 

「そこは怪盗と言いなさい」

 

 俺は苦笑を浮かべながら答える。

 

 すると、ジャンヌはため息交じりでこう言ってきた。

 

「いや、もうあの件は懲りたよ。

 

 あんな面倒くさい事はやりたくない」

 

 まぁ、あれだけ色々やっていればそうなるか。

 

 そう思いつつ、俺は苦笑いをするしかなかった。

 

「良いから、あんた、救いたい奴がいるんでしょ」

 

「うぅ、まぁ、今更だよな」

 

 ジャンヌの言葉を聞いて、俺は落ち込んでしまう。

 

 だが、何時までもそうしている訳にはいかない。

 

 俺は気持ちを切り替えて、再び調査を始める事にした。

 

 だが、この時は気づかなかった。

 

 この、フランスで過ごす期間が、想像以上に長くなる事件に巻き込まれる事に。

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