冥界。
今回、俺がここに訪れた目的としては、地上にはない物を調べる事。
同時に、行方不明になっている幼馴染みの手掛かりが、この冥界にあるという情報があったからだ。
冥界は広く、どれぐらい時間がかかるのか分からない。
幸い、俺自身は寿命という概念はない。
それでも、あいつが眠り病の影響もあってか、身体にほとんど成長しないとはいえ、早く治したい気持ちが強い。
そして、その幼馴染みの手がかりを求めた。
冥界は地上とは違い、海は存在しない。
その為、地上よりも広大な大地を歩き回る必要がある。
幸い、移動手段の一つとして、エウロペさんこと、タロスのおかげで移動手段はそれ程困らない。それに、タロスの背中には様々な物が積める為、必要な物は現地で調達する事ができる。
まあ、流石に限度はあるが、俺達の旅路は快適だった。
「それにしても、やはり地上では見かけないような物が多くある」
旅の道中に見つけた数々の物。
その多くは神話に出てくるような代物ばかりだ。
魔界にしか生えないだろう花、古代からの遺物。
そのような物を目にしながら俺は、改めてここが冥界なのだと実感した。
しかし、それと同時に気になる事もあった。
「俺の力が成長しているという事」
この冥界に来る前、アフロディーネさんから聞いた話。
俺自身の力が、物に宿る意志を人間の姿に変える事ができる。
その力で、これまで数々の仲間と出会う事ができた。
だが、それはこれまで生物ではない存在が多かった。
「そう思ったら、確かに可能性はあったよな」
それは、花を実体化した時から気づくべきだったかもしれない。
それは、生物にも、同じ効果が出るという事。
「だとしたら、これまでにはできなかった可能性を探る必要があるかもしれない」
これまでは伝説の物などを探ってきたが、これからは伝説の生き物などに話を聞く事ができるかもしれない。
実際に、人間よりも遙かに賢い伝説上の生物は数多く存在する。
そして、この冥界には、その生物もいる。
「ならば、そこから探るのも一つの手かもしれない」
これまで行き止まりだらけの旅に一つの目印が見えた気がした。
だからこそ、俺は更に歩みを進めた。
「まずは、グレイフィアさんから聞いた情報を元に色々とドラゴンの事を探ってみるか」
この冥界には、確かに有名なドラゴンは数多く生息する。
だが、この広い冥界を、悪魔達が全て把握しているとは限らない。
だからこそ、未だに知られていないドラゴンも確かに存在するだろう。
「さて、まずはドラゴン探しといきますか」