冥界での旅は未だに続いている。
この冥界の面積はかなり広く、学べる機会は多くある。
だが、同時に俺が手に入れたい眠り病を治す為の知識。
そして、何よりも何者か攫われたイングヴィルドに関する情報が未だに分からない状態だ。
イングヴィルドは、眠り病の影響なのか、その容姿は若いままで眠っている。
同時に彼女には、とある悪魔の血が流れているという事もあって、攫った後に無碍な扱いをしているとは考えにくい。
だからこそ、俺は眠り病に関する調査もそうだが、本格的にイングヴィルドを救出する為の情報を探る事にした。
その為に俺が目につけたのは、冥界にする魔獣達だ。
魔獣達と対話する事で情報を聞き出す。
ケルベロスやヒュドラなどの長い年月と伝説の存在ならば、それだけ冥界の情報も集まっている可能性もある。
そういった者達と話し、何かしらの手がかりを得ようと考えていたのだが──―
「問題は、どこにいるか、だけど、それらは、分かるか?」
そう言いながら、俺はステラを始めした仲間になったドラゴン達から情報を聞く事にした。
「そうね、正直に言えば、私も冥界にいる存在とコンタクトを取れるか難しいわね」
そう言いながら、ステラは少し困った様子で言った。
それは当然の話だろう。
世界には人知を超えた存在がいる。
そんな相手と話をしようと思っても簡単に出来るはずがない。
そもそもドラゴンですら、まだ仲間になってくれたのは4人。
その彼女達でも知らない可能性というのは、当たり前だ。
「だけど、それで諦めるのか?」
そうミリムが問いかけてきた。彼女の言う通りだった。
確かに相手が見つからないかもしれないが、それでも何もせずにただ時間だけが過ぎていくのなら、やはり少しでも可能性がある方に賭けた方がいいだろう。
それにこれは人間である俺の問題ではなく、眠り病によって苦しめられている少女を助ける為でもあるのだ。
だからこそ、ここで手を止める訳にもいかない。
「そうだな。
何よりも、情報が何も無い状態で、ここまで旅したんだからな」
俺は決意を固めて、そう答えた。
魔獣という存在は、確かに未だに分からない事が多すぎる存在だ。
それでも、行き詰まった俺には、そんな事は関係ない。
「60年も生きてきて、色々見てきたが、全く見た事が無い物を見つけるのなんて、もう得意分野だからな」
俺の言葉を聞いたミリムは楽しそうに笑みを浮かべていた。
正直に言ってしまえば、今までの旅の中で、そこまで苦労する事は無かった。
それは恐らく仲間となった物達が協力してくれた事が大きい。
ならば、俺はもっと前に進むしかない。