海を越えた。
あれから既にどれぐらいの時が経っただろうか。
既に60年以上の時間が経っていた。
それでも、僅か2年でここを見つける事が出来たのは不幸中の幸いだろう。
「貴様はっ」
「黙れ」
そう言いながら、俺は目の前にいる悪魔をカレラで吹き飛ばす。
奴が何か言おうとしたが、そんな事は俺には関係ない。
この屋敷にいるほとんどの連中の匂いは、はっきり言えばゲスであるのがはっきりと分かる。
欲望の限りで集めただろう豪華な屋敷は、悪魔としての地位を示すように。
だが、そのほとんどが違法である事は、既にグレイフィアさんを通して、全て知っている。
だからこそ、俺はここにいる連中のほとんど容赦なく殺した。
中には、無理矢理眷属にされた奴がいた。
人質を。
やむを得ない事情の者達もいた。
だがらこそ、そういう連中に対しては、多少は痛めつける程度にしておく。
そうしておけば、命令通りに行った証明となる。
そうしながら、俺が見つけたのは、イングヴィルドだった。
「まったく、歳を取っていないな」
本当だったら、俺も彼女も爺さんや婆さんになっているはずだった。
だが、俺自身は人間と神の間のハーフという事で、寿命は非常に高い。
そして、彼女の血には、かつて魔王の1人であるレヴィアタンの子孫だ。
だからこそだろう。
その容姿は60年経っても、未だに若いままだった。
それが嬉しい事なのか分からないが。
さてと、後はこいつだけだな。
俺はそう思いながらも、彼女を抱える。
「貴様っ、そいつを連れて行くつもりかぁ」
「イングヴィルドをどうするつもりだ」
「そいつの血には魔王と未知の神器がある。
ならば、それを利用する為に決まっているだろ!」
「そうか」
俺はそう答えると共に片手にカレラを手に持つ。
同時にその銃口を向け引き金を引く。それと同時に放たれた弾丸によって、目の前にいた悪魔達はあっけなく死ぬ。それにしても、本当にろくでもない連中だったらしい。
「なっなっ」
それに、リーダー格だと思われる男が震える声を出す。まあ、今更取り繕うとしたところでもう遅いんだよな。だから、
「お前らに選択肢はない。死ね」
それだけ言うと同時に俺は奴を殺す。
同時にイングヴィルドを抱えてその場から離れる。
そのまま屋敷の外へと出て、彼女を船にあるベットに寝かせる。
その寝顔は変わらず、そして眠り病で未だに目覚める様子は見えない。
ただ、これだけでも収穫があったのは確かだ。
「あとは、イングヴィルドを目覚めさせる方法を考えなければいけないけど」
俺は、イングヴィルドの、これからの住まいについてを考える。