※この作品はR-18です。

百年の旅人~眠り姫を起こす為に~   作:ボルメテウスさん

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72年

 小さなタブレットの中で、大きく発展した世界。

 

 それは、俺の想像以上だった。

 

 しかし、それらを支えるには、現在の資金では難しい。

 

 日本での生活も慣れている事もあったが、このままではイングヴィルドの眠り病を治す為には、それを支える技術があまりにも少ない。

 

 日本のみならず、海外にある金属など、必要な材料がとにかく多い。

 

「それで、何か手があるのかどうか」

 

「方法だったらありますよ」

 

 そう悩んでいると、久し振りに律からの連絡があった。

 

 ここしばらくは、Aiの管理をしていたはずの彼女からの連絡に俺は驚いた。

 

「久し振りだな」

 

「えぇ、それで治療の目処は」

 

「相変わらず、分からない事ばかりだよ。

 

 どうしたもんか」

 

「でしたら、一つ提案があります」

 

「提案?」

 

「えぇ、材料に関して、一つ心当たりがあります」

 

「心当たりって、言っておくが、レアメタルとか、簡単に手に入らないぞ」

 

「いいえ、それがあるんです。

 

 しかも、実質、無料で」

 

「無料? 

 

 それって、一体どこなんだ? 

 

 言っておくが、冥界とか、そこら辺も難しいと思うけど」

 

「いいえ、私達が取るべき材料の数々。

 

 それらは、そう宇宙にあるのです」

 

「……宇宙だって」

 

 俺はその一言に驚きを隠せなかった。

 

 だが、同時に宇宙であれば、材料になる物もあるだろうと考えていた。

 

 宇宙に行けば手に入るなんて話もあるが、それは本当に一握りであり、地球でも入手が難しい程である。

 

 だからといって、可能性がない訳じゃない。

 

 それに何より、そんな場所にまで行ける手段は俺にはない。

 

 それこそ、宇宙船やロケットなどを作れるなら別だろうが、生憎とそういった物はない。

 

「なければ、盗めば良いんですよ」

 

「この子、俺が見ない間にすっかりと悪い子になっている!」

 

 律のその発言に思わず、頭を抱えてしまう。

 

 しかし、彼女は至極真面目であった。

 

「何よりも、今回、盗むのはロケットではありません」

 

「ロケットじゃないとしたら、何なんだ?」

 

「こちらにあるのを盗みます」

 

 そう言って、表示されたのは、オカルトなどでよく見られるUFOの不時着記事だった。

 

 未だに本当にあるのかどうか、よく分からない物だ。

 

「このUFOはこれまで調べた結果、実在している事が判明しました。

 

 ですが、未知の技術の為、今も研究対象になっている程度です」

 

「だったら、盗んだ所で」

 

「いえ、そこは物に意志を宿す能力を持つあなたの出番です」

 

「あぁ、そういう事か」

 

 その言葉と共に理解すると同時に冷や汗をかく。

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、これまでファンタジーとかそういうのをやってきたけど、まさか、宇宙まで行く事になるとは思わなかったから」

 

 俺はそう言いながら、これまでにない計画に冷や汗は止まなかった。

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