※この作品はR-18です。

百年の旅人~眠り姫を起こす為に~   作:ボルメテウスさん

83 / 100
82年

これまで、様々な場所で旅をしてきた。

 

イングヴィルドの眠り病を治療する為に、最初は世界中のあらゆる場所を巡って、様々な医療に関する知識を学んでいた。

 

そこから、これまでは知らなかった裏の世界に関する事を知り、本来ならば存在しないだろう悪魔、堕天使、天使など様々な存在と実際に会う機会も増えた。

 

だからこそ、俺は並大抵の事ならば、動じない自身は確かにあった。

 

だが、目の前にあるのは、そんな俺を驚かせるには十分過ぎる程の物だった。

 

「こんなの、本当に作ったのかよ」

 

そう言いながら、目の前にある機械を見る。

 

その機械の特徴は、目の前に大きく広がる円だ。

 

人が1人は潜るのには、それ程は苦戦しないだろう大きさで広がっている。

 

問題は、その円の先に広がっている光景だ。

 

そこは、信じられない光景だった。

 

かつては巨大な都市だったようだが、草木の生い茂る廃墟、中央部分の地盤が崩落し、大きく陥没することとなる。

 

それらの光景は、到底、信じられない光景だった。

 

「なぁ、律。

目の前にあるこれは一体何なんだ?」

 

俺は思わず、この装置を作った張本人である律に尋ねた。

 

『いやぁ、少し張り切って、思わず作ってしまったタイムゲートです』

 

「とうとう、タイムマシンを作っちゃったよ。

それで、もしかしてだけど、この目の前にある光景って」

 

『えぇ、今からそう遠くない未来の世界ですね』

 

「未来って、しかも遠くないの」

 

俺は律からの次々と出てくる言葉に驚きを隠せずに、穴の向こうに見える光景を見る。

 

明らかにかなり長い年月が経っているにも関わらず、この光景が生み出されるのは、そう遠くない。

 

その一言を聞いて、俺はかなり焦りを隠せなくなった。

 

「律、この未来がどうしてなったか、原因は分かるか?」

 

『それはさすがに未来で直接見ないと分かりません。

向こうの世界は、私達にとっては未知な部分もありますので』

 

「これまでは多くの未知と戦ってきたつもりだけど、まさか、未来の世界を探索する事になるとはな」

 

そう冷や汗を掻きながら言う。

 

『では、どうしますか?

幸い、タイムゲートを閉じれば、それで良いだけの話ですが』

 

「それじゃ、結局はこの未来になってしまうんだろ」

 

『そうですね、未来は不安定な所があるので、これが確実とは言えませんが、99,9%の可能性でこの世界になってしまいますね』

 

「結局は探るしかないという訳か」

 

そう俺は諦めるようにタイムゲートの先の世界を見る。

 

「何人まで行けるんだ?」

 

『1人だけです。

それ以上は、行き来も不可能になります』

 

「だったら、行くしかないよな」

 

幸い、道具がカウントされていない事も含めれば、カレラ達が一緒でも大丈夫だろ。

 

『でも、気をつけてください。

未来に行っている間の時間は、現在でも同じく進みます』

 

「そこは未来に行っている間は進まないとかはないのか」

 

そう、思わず残念に思ってしまうが、これはチャンスかもしれない。

 

過去にも、現在にも治す方法が見つからないならば、未来を探すのも一つの手かもしれない。

 

「滅亡の未来を変えるついでに、眠り病の治療方法を探るか」

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