「なっ、そんな馬鹿っ」
そんな絶叫を叫ぶと共に、目の前にいる奴は頭を貫かれ、死んでいく。
手に持っているカレラによる一発。
それによって、奴は死んだ。
奴の名前はレガルゼーヴァ。
7メートルほどの機械の巨人で、単体でもメルヴァゾアに劣らぬ力を持つとされる。
一派全体が荒々しく好戦的な戦闘タイプであり、侵略を行うときは分析をしながら攻め込むという手段を好む。
それは、本来ならば、俺では勝てない相手だった。
だが、ある意味、偶然なのか。
それとも必然だったのか。
「ここまであっさりと倒せるとはな」
そう言いながら、俺は周りにいる奴らを見る。
奴らは、未来の世界で侵略するはずだった存在。
だが、既にメルヴァゾア以外、ほとんど俺が倒してしまった。
それには訳がある。
というよりも、これまでの98年にも及ぶ旅のおかげとも言える。
この98年の間、俺は多くの物を人間へと変える事ができた。
その能力は使い続ける度に進化していた。
そして、それは相手の意思とは関係なく、実体化させる事ができた。
そう、目の前にいるレガルゼーヴァの身体は既に人間へと変わっていた。
周りの死体もまた、人間へと。
本来ならば、巨大な力を誇るはずの機械の軍勢は、人間へと変わった。
しかも、俺の能力はあくまでも意思だけを具現化させる為、その能力を発動させる事はできない。
だからこそ、奴らは抵抗しようにも、普通の人間程度の力しかできない。
これまで彼らが当たり前のように使えた強力な能力は使えない。
そして、その状況ならば、既に多くの武器を持つ俺が圧倒的に有利なのは言うまでもなく分かる。
そうした、この世界における多くの奴らを殺してきた。
「さて、残るのはお前だけだな、メルヴァゾア」
同時に俺はカレラを構える。
「待てっお前、俺と手を組まないか!
俺の助けがあれば、お前の世界など簡単に支配できる!
お前の望みを叶える事ができるぞ」
「そうか、だったら、死ね」
そのまま銃口は未だに奴から外さない。
「なぜだっ!なぜだ!?
人間では一生、手に入らない幸せが手に入るチャンスなのにっ!」
「別に。
俺が必要としている幸せ。
それは、お前が邪魔なだけだから」
「貴様ぁ!!」
その最後の叫び声と共に、メルヴァゾアはあっさりと死んだ。
はっきり言えば、ここまであっさりと終わるとは思わなかった。
同時に俺はため息を吐く。
「さて、ここからの帰り道。
かなり長いけど、頑張るとするか」
俺はそう呟きながら、そのまま元の世界へと帰って行く。