恋人ができてからまだ日の浅い俺には、恋人らしい生活というのが実はよくわかっていない。何をすれば恋人らしいのか。逆に何が恋人らしくないのか。考えてみても圧倒的にインプットの足りていない俺には、正しいことの見極めができない。
「ちょっとトイレに行ってくる」
「わかった」
断りを入れてから俺が居間のソファーから立ち上がると、隣に座っていた六花も何故か腰を上げた。冷蔵庫に飲み物でも取りに行くのかなと思ったけど、そうではないということが、トイレに向かう途中でわかった。
「……あの、六花?」
「なに?」
「なんで、腕に抱きついてるの?」
「……なんでって。彼女、だから?」
「いや、まあ、そうなんだけど。……俺、これからトイレ行くんだけどさ」
「知ってる」
「じゃあなんで。中までついてこないよね?」
「まさか。でも、できるだけ一緒にいたいでしょ? 廊下まででいいから。ね?」
そう言って、六花は廊下を歩く俺の腕に両手を回し、ぎゅっと抱き締めてくる。ショーツは穿いているけど、上は裸ワイシャツのままで。どうやら俺のワイシャツが気に入ったらしい。既に六花の良い匂いが染み込んだそれが腕に触れて、内側にある六花の胸の感触を伝えてくる。
六花と散々ヤっておいて今さらではあるが、やはり女子の胸が当たるだけでも気分が高揚してしまう。緊張を悟られまいと、俺は黙って歩く。
そんな俺の顔を、六花は横から見上げていた。
すごく、視線を感じる。
「どうかした? 俺の顔に何かついてる?」
「うん、格好良くて、私の大好きな彼氏の顔がついてる。ずっと眺めたいかも」
「そ、そっか……」
一度堕ちた六花は、こうして直球の言葉をぶん投げてくる。ベッドの上ではともかく、普段は割と奥手な俺はいちいちたじろいてしまう。
耳が赤くなっていないかな、と気になっていると、ようやくトイレの前に着いた。
「それじゃあ」
「またね」
トイレに行くだけなのに、その挨拶は変じゃない? という疑問を浮かべつつ、トイレに入って扉を閉めた。六花の足音が遠ざかっていくのが聞こえた。トイレの前で待ち続けられる可能性も考えたが、そうではないと知ってちょっと安心した。
用を足しつつ、俺は今の生活のことを考えた。
母さんとアカネによって突然始まった同棲生活。最初はアカネだけだったけど、そこに今日から六花も加わることになった。
たぶん、いや、確実に世の男からすれば、垂涎の状況だろう。俺がこんな生活を送っていることが同級生にバレたら、リンチにあってもおかしくない。俺だって、他の男子がこんなに羨ましい生活をしていたら、男子たちに混ざって恨みのこもった拳を叩きつけていたに違いない。
自分が恵まれているとわかっている。
でも、本当にこんな生活を送ってもいいのか。
もっと高校生らしい健全な付き合いもするべきではないのか。手始めに普通のデートから。
少しの間思案を巡らせてみたが、結局答えは出なかった。やっぱり情報が不足していた。
用を済ませて手を洗い、俺は扉を開けてトイレから出た。
直後、小走りで歩いてくる足音が聞こえたかと思えば、六花が俺の前に現れた。
「おかえり」
そして、再び俺の腕に抱きついてくる。すっかりそこが定位置になったかのようだ。
コアラのようにしがみつく六花を伴い、俺はソファーへと戻ってきた。正面には大画面のテレビがあって、ニュース番組が流れていた。ゴールデンウィーク初日。行楽地に出掛ける人や、帰省する人たちで各交通機関が混雑している様子が映し出されていた。
「毎年すごいよねー……」
六花がテレビを眺めながら、俺の肩にこてんと頭を預けてくる。ちょうどいい角度を探り当てているのか、何度か頭をもぞもぞと動かし、安定した場所を見つけると体を預けてくる。
それほど重たくはない。だけど、六花の体温や息遣いが生々しく伝わってきて、テレビに集中できなかった。
抱き締めてあげたほうがいいのか。それとも、このままじっとしているだけでいい?
やっぱりわからない。あらゆる恋人の過程をすっ飛ばし、セックスのやり方を覚えてしまった俺は勉強不足だった。
ちょっとだけネットの情報を借りてみよう。
テレビを見ながら携帯を取り出し、いろいろと調べてみる。
同棲中の彼女との過ごし方。
甘えてきた彼女とどう触れ合うのが良いのか。
彼女が喜ぶちょっとした気遣いの仕方、など。
以前の俺には縁遠かった情報が、今ではとてもありがたい。先人の知恵というのは大変すばらしいものだ。彼女持ちの先輩たちの意見を取り入れ、俺は六花相手ならばどうするのが正しいかなど想像を交え、理解を深めていった。
「ねえ」
六花の呼び掛ける声が聞こえてきたのは、俺が携帯に夢中になっていたときだった。
「はっ……」
声で我に返って、俺は慌てて携帯から顔を離した。
彼女との接し方を調べるのはいいが、彼女を放置したのでは本末転倒。
「ごめん、六花」
怒らせてしまったと思いながら六花のほうを向き、謝罪する。
しかし六花は、俺が一瞬想像したような不満そうな顔ではなく、緩やかな微笑みを湛えた表情をしていた。ぱちぱちと瞬きをする澄んだ青の瞳で俺を捉えたまま、俺に寄りかかっていた体にさらに体重を乗せてくる。
ぼうっとしていた俺は六花に押し倒され、ソファーで仰向けになった。
「り、六花?」
「アカネから連絡来てた?」
「え……?」
六花はどうやら、俺がアカネとメッセージのやり取りをしていたと勘違いしていたようだ。それにしても、どうしてそんなに嬉しそうな顔をしているのかと不思議に思いながら、俺は首を横に振った。
「いや、来てない。ごめん、ちょっと調べ物してて」
「あー、そうなんだ。アカネ、朝からどこに行ったんだろ」
六花は首を傾げながら、俺の上を這う様に移動し、体を重ねてくる。いったいどうしたのかと俺が戸惑うのも気にせず、六花は手を伸ばして俺の首に抱きつくと、目と鼻の先まで顔をズイッと寄せてきた。
「まあ、でも、すぐに帰ってくると思うから」
六花の息が頬に触れる。
「それまで独り占めしてもいいよね? 大好きな彼氏のこと」
にまぁ、と口元を緩ませた六花の顔が、俺の視界を完全に満たす。
顔面偏差値の高い美少女の顔。もう何度も突き合わせていても、その麗しさに生唾を飲んでしまう。こんなにも可愛い子が俺の恋人になって、結婚してそれ以上の関係になるために、生ハメで精液を搾り取ってくれている。この現実を思い知らされるたびに、俺の心臓は喜んで跳ね始めた。
「それじゃあ」
六花の潤った唇が、俺の唇へと徐々に近づいてくる。
「まずはキスから」
六花がそう言って、「頂きまーす」と唇を開いた。
あと少しで触れ合う、というところまで迫ってきて。
突如、家の中に響き渡ったインターホンの音で、俺たちは目を丸くした。
「……誰だろ。良いところだったのに」
水を差されて眉を顰めた六花が体を起こし、俺の上から離れる。お預けされた俺もかなり残念に感じながら、ソファーから起き上がって居間の出入口付近の壁に設置されたインターホンの画面へと向かった。
先に向かっていた六花が画面のボタンを押し、玄関の映像が映し出される。
『やっほー、二人とも』
「アカネ?」
と呟く六花の横で、俺は首を傾げた。
玄関に立っていたのは、アカネだった。私服に身を包み、手をブンブンと振っている。
「なんでインターホン鳴らしたの?」
六花の疑問はもっともだった。この家は俺たち三人の家であり、今は鍵も掛かっていないからアカネがインターホンを鳴らす理由が思い浮かばない。そう思って、画面のアカネを見ていると、何やら背後に積まれている段ボール箱の山が確認できた。
『荷物が多くてさ、ちょっと運ぶの手伝ってよ~』
そういうことらしい。
俺と六花は互いに目を見合わせた後、玄関へと向かった。
扉を開けば、結構な量の段ボール箱の山を背にしたアカネが立っていた。一人で運んできたのだろうか。いい汗掻いたぜ、とでも言いそうな表情で額を拭っている。なお、汗は全く流れていないため、拭う振りだ。
「朝からごめんね」
「いや、いいけど。この荷物なに?」
ワイシャツのボタンを締めつつ、六花が段ボール箱を見回している。
「これ? これはね、私たち三人の生活を彩ってくれる素敵アイテム、みたいな?」
「素敵アイテム?」
よくわからず首を捻る俺に、アカネは何やら悪巧みをするようにニヤリとした笑みを送ってきた。
「特に、君には効果抜群かな?」
「俺に?」
追加の情報を与えられても、やはり推測もできなかった。
「まあ、考えるのは後で、とりあえず家に入れちゃわない?」
「あ、うん。そうだね」
六花に促され、俺は手前の段ボール箱から担ぎ始めた。予想していたよりも重くはなかったが、物量的にアカネ一人ではやはり辛かったはずだ。だというのに、俺たちを頼らず一人で運んできたのは何故だろうか。
「言ってくれれば俺が全部家まで運んだのに」
「そっちのほうが楽だったんだけどね。部屋の大掃除してたら、ついやる気になっちゃって」
前に招いてもらったときには、綺麗に片付いていたと思ったけど。でも、全部の部屋を見たわけじゃないから何とも言えない。アカネの自室には入れてもらうことができなかったから、もしかするとそこが散らかっているのかもしれない。
余計な詮索はやめておいて、俺は二人と一緒に段ボール箱を家の中に運んでいく。
数が数だから、倉庫にする予定の空き部屋にひとまず収容することに。
三人で、主に俺の手で次々と段ボール箱が運びこまれ、恙なく運搬作業が完了した。
「いやー、やっぱりマンパワーって偉大だわ。もう終わっちゃった」
倉庫に置かれた段ボール箱の山を見て、アカネが腰に手を当てながら達成感のあるため息を漏らしていた。
結局、中身が何なのかはわからなかった。たぶん、アカネの私物なんだろうけど。
詮索はしたくないけど、気にはなってしまうのは仕方ない。
俺の思考を読んだかのように、アカネは横にいる俺を振り向き、ニッと白い歯を見せた。
「それじゃあ、今日一番の功労者の君にご褒美をあげちゃおう。六花、こっち来て」
「え、なに?」
廊下に立っていた六花がアカネに呼ばれ、部屋に入ってくる。アカネが六花に耳打ちをし始めたかと思えば、二人の表情がほぼ同時に、悪巧みを思いついたときのような微笑みを象った。
ああ、これはきっと、また俺が翻弄されるパターンだ。
などと思っていると、アカネと六花の二人が俺の体に触れ、方向転換させて部屋の外へと押し出し始めた。
「あとで行くから、寝室で待ってて?」
「ちょっと時間かかるかもしれないけど、シコっちゃ駄目だよ。これからお楽しみなんだから」
案の定、そういうことらしい。
そうなると、あの段ボール箱の中身は。
何となくの推測を終えた俺は廊下に追い出され、背後で扉が閉まる。
何か楽しげな声が聞こえてきた。ここで待っているのもおかしいので、言われた通り寝室で待っていることにした。
手持ち無沙汰。他のことをする余裕もない。この後のことが気になってしまっている。
大人向けのお店に通うと、こんな気分になるのだろうか。自分で指名した人が来るまで部屋で待っているときのような感覚だ。当然、経験なんてないけども。たぶん、それほど違わないと思う。
しばらく緊張を覚えながら待っていると、扉がノックされた。
「入っていいよ?」
何故ノック? と思ったけど、その理由は明らかになった。
『失礼します』
と声を揃えて言った二人が、部屋に入ってくる。
さっきまで私服だったアカネと、裸ワイシャツだった六花。
その格好は一変し、今は可愛らしく着飾られていた。
黒いメイド服によって。
そう、メイド服であっているのだろう。ただ、俺が知るメイド服よりもそれは異様に露出度が高かった。肩は丸出しで、フリルをあしらったミニスカートはありえないほど短い。膝上まで覆う黒ストッキングと、それを繋いでずり落ちるのを防ぐガーターベルト。
そして、胸元の生地は殆どビキニに近い形になって、乳首以外は殆ど素肌を晒している。隠しているはずの乳首も、シースルー生地のせいで殆ど透けて見えている。
頭にホワイトブリムを乗せた二人は、にこにこと笑みを絶やさず俺の前に立った。
ヴヴヴヴヴッ!
ヴィンヴィンヴィン!
そんな音が聞こえ、視線を向けた先には、透け透けの黒いショーツを纏う二人の股間。陰部を隠す生地はハートの形で切り取られ、その穴から覗く秘所には、漆黒のバイブが根元だけを晒す形でぐっぽりと咥え込まれていた。
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ!
ヴヴヴヴッ、ヴィン! ヴィン! ヴィン!
二人の中で激しく振動し、掻き回るバイブ。中がどうなっているかなんて、赤く火照った白い頬と、バイブの根元に伝い落ちて床を濡らす美味しそうな蜜を見れば一目瞭然だ。
ぽたり、ぽたり。蜜で床を叩きながら、二人は恭しく一礼した。
「ご主人様。ご購入いただいた女子高校生メイド二名です。この度は、私たちを永久就職させていただき、ありがとうございます。本日より、私たちの所有権はご主人様に移譲されます。どうぞお好きなように使ってください」
「永久服従、抱き放題、奉仕させ放題。いつでも君の名字で上書き可能な、何をしても許されちゃうメイドさんでーす。赤ちゃん孕ませて、産ませて、空いたお腹にまた子種植えつけて、ご主人様の超優秀イケメン遺伝子様をこの世界に広めるためのお手伝いをさせていただきます」
六花とアカネはそこまで言って、お互いに目配せし、また声を揃えた。
『二人で精一杯ご奉仕させていただきますので、永遠に、よろしくお願いいたします』
頭を下げるメイド二人。
それを呆然と見ていた俺は、股間で亀頭を持ち上げた。ズボンの内側でそれが臨戦態勢を取ったことは、二人にも見破られてしまった。ぺろりと唇を舐めるアカネと、垂れた愛蜜が何本も筋を作る太ももを擦り合わせて呼吸を乱す六花。
二人に、俺は最初の命令を下した。
「ぐぢゅるっ、ぬぷぅっ、ぐぢゅっ、ぢゅるるっ!」
「ぴちゃっ、くちゅっ、ぢゅぷ、くぷぷぷぅっ!」
「ぉ、ぉ……」
ベッドの端に腰掛けた俺は、左右を陣取る六花とアカネに舌で耳穴を穿られていた。右耳担当は六花。左耳担当はアカネ。抱きつくように俺に身を寄せる二人は、俺の背中に回した手の指を絡ませて繋ぎ、もう片方の手でチンポを掴んでいる。
金玉マッサージに余念がないアカネと、シュッ、シュッ、シュッと竿を扱く六花。
「ぬぷぷぷぅ~!」
「ぢゅろろろぉっ!」
「あぁ~……!」
鼓膜ごと中が全て溶け、脳が駄目になりそうな耳舐めの刺激と音が、耳の中で暴れている。ガチガチに膨れ上がった肉棒に与えられる手淫の快感も襲ってきて、俺は既にまともな言葉を紡げなくなっていた。
「ぢゅるるっ、ぶぢゅぅぅっ、大好きっ、はぁぁあっ……」
「ぐぽぉっ、ぐぽぉっ、愛してるよ、ぬちぃっ、ぬちゃぁ……!」
「っ……!?」
耳舐めの合間に囁かれる愛の言葉。不意打ちを受けて俺は背を反らす。その背中を指を絡ませた二人の手が押し、突き出された肉棒が攻め立てられる。
ぐちゃぁっ、ぐぢゅっ、ぬぢゅっ、ぬぢゅっ、ぐちゅちゅぅっ!
二人はこちらの手も繋ぎ合って、二人で力を合わせてチンポを扱き始めた。ぴゅっ、と尿道口から飛び出た我慢汁が二人の手を濡らし、チンポ扱きによって全体に薄く広げられていく。照明の光を浴びた肉棒がぬるぬるテカテカと光っていた。
「ぐっぽぉっ、ぐぷぅっ、ぐぷぅっ、ぢゅっぷんっ、ぬちゅちゅ!」
「ぐちゃぐちゃ、むちゅぅぅっっ、ちゅぽぉっ、じゅぷぅっ!」
「……!? ……!」
脳を快楽漬けにされて声すらも出せず、俺は背を弓なりに反らし、達した。
直後、二人が肉棒から手を離し、手の指先を触れ合わせてハートマークを作った。
ハートマークの輪っかに、びゅっ、びゅっ、びゅうぅぅぅっと精液ビームが通り抜ける。しかし、体が痙攣した状態では全てを上手く輪の中に通すことはできず、二人の手にべったりと叩きつける精液もあった。
「ふぅぅうぅぅっ……」
「はぁぁああああっ……」
窄めた口で耳の中に冷風を送る六花と、さらに熱で温めてくるアカネ。性質の違うそれらが両耳の中を這い回って、俺の脳がバグった。伴って馬鹿になった肉棒が、二人が描くハートマークに大量の精液を放射させ、白濁汁でデコレーションした。
「ご主人様、すごいね。輪っかの中にいっぱい精液通しちゃった」
「精液無駄にしちゃった。ごめんね、ご主人様。お詫びに、私たちの残りの人生全部あげる」
「六花、それじゃあお詫びになってないって。私たちはもうご主人様のものなんだから」
「それもそっか。ねえ、ご主人様? 私たちにお仕置きして?」
「ご主人様の、大切なお精子様を無駄にしてしまった私たちを」
「捻り潰してっ……」
「ぶっ潰してっ……」
『身の程をわからせてぇ……』
そして、同時に耳に襲いかかる吐息。
脳がバグっていたところへ畳みかけられた追撃。意識と視界がぼんやりとする中で、そんなことをおねだりされたら、断ることなんてできない。俺は両手を伸ばし、二人の尻を鷲掴みにする。
「ゃんっ……」
「あぁんっ……」
むぎゅぅっ、ぎゅむぅぅっと若くて張りのある桃尻を、黒いショーツの上から揉み潰す。自分のものにマーキングをするように。これから使うことを予告して、膣を愛液で満たしておけと命令するように。
そんなことをしなくても、バイブで制圧された二人の膣内は大量生産された愛液でいっぱいになっているだろう。早くそこにチンポをぶち込みたい。興奮で鼻息を荒くした俺は、背後を振り向いて、ベッドの上に用意されていたものに手を伸ばした。