和風エロゲー世界の失踪予定モブ退魔忍者に転生いたしましたが、全力で生き延び「んほぉぉぉぉぉぉ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」 作:第三世界(うたかたとわ)
「あれ? ここは?」
気がつくと、私はあたり一面が真っ白な空間にいた。
たしか私は、恋人いない歴が年齢イコール三十歳になった記念にウイスキーをしこたま飲んで、家でエロゲーをプレイしながらオナニー三昧の休日を過ごしていたはずなんだけど……。
「やあ、君は死んだよ!」
そんな私に向かって、金髪碧眼ショタオールバック紺色半ズボンサスペンダー白ワイシャツな男の子が、笑顔で話しかけてくる。
「んほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
性癖どストライクな男の子の出現に思わず叫びそうになるが、大人の尊厳を守るために私は平静を装うことにする。
んほ声が少しだけ漏れてしまったが、気にすることはない。
「え? ていうか、私死んだって……?」
しかし、平静を装ったことで、私の頭の中に、男の子が言った言葉が染み込んでくる。
「そうだよ。君は死んだよ」
「じゃあ、私、エロゲーしながら、アソコにバイブが突き刺さった状態で死んだってことぉ!? はぁぁぁぁぁ!?」
「うん。見るかい?」
ショタな男の子が真っ白な空間にディスプレイのような画面を浮かび上がらせると、無様な状態で床に倒れている私の姿が見える。
「ぴぃぃぃぃぃぃ!!! ハードディスクのデータも消してないし、おもちゃも床に散乱してるしぃぃぃぃ!!!」
あまりの惨状に泣きたくなる私に向かって、男の子は取引を持ちかけてきた。
「僕がお姉さんに少しだけ時間をあげるから、その代わりに異世界に転生してほしいんだ」
男の子の話によると、魂の量が少ない異世界に補充として私の魂を送り込む代わりに、私の寿命を一時間だけ増やしてくれるとのことだ。
もし断ったら、このまま私は天に召されることになる。
それと、転生先には転生特典として、私の希望をある程度反映させてくれるらしい。
これは、乗るしかないだろう。このビックウェーブに。
「転生するわ!」
「よかったぁ! 僕が作ったばかりの世界に転生してくれる人が少なくて、困ってたんだ!」
そして、私は少しだけ伸びた寿命を使い、ハードディスクのデータを消去した後に物理的にも破壊し、大人のおもちゃをすべて捨てて、また、真っ白な空間に戻ってきた。
ふう……。
これで、仕事先にはクールなOLとして振る舞っていた私の面目が保てるだろう。
そのあと、私は男の子と転生特典について話し合うことになる。
「人生をリセットする能力が欲しいわ! もう、彼氏がいなくてさみしいとか、もっとこうしてよけばよかって後から後悔したくない!」
「ふむふむ。じゃあ、リセットポイントを設置して、そこに戻れるようにしておくよ!」
「あと、せっかくだし、魔法が使える世界に行きたい!」
「うん! 僕の作った世界には魔法があるから、それは大丈夫!」
「でも、中世の世界は嫌よ。現代と同じくらいかそれ以上に科学技術が発展していて、スマホやインターネットが使える世界がいい!」
「うん! それも大丈夫!」
「あと、転生する年齢はある程度大人がいいわね! 幼すぎても大人になるまでが大変だし、年齢が高すぎても面倒くさいし!」
「ふむふむ……」
「でも、せっかくだったらもう一度学校に通って青春を謳歌したいわ! できるかしら?」
「なるほど……」
「あと、転生する名前はシグレがいいわね。これは私のあこがれなんだけれど……」
「うん! それなら、十五歳が成人年齢の世界で、春から魔法学園に通うシグレという女の子が転生先としてちょうど良いかも!」
「うーん、どうしようかしら……」
「学園は人口百万人を誇る巨大学園都市にあって、魔法もダンジョンも存在する世界。お姉さんが転生するシグレという女の子は、生まれ持った身体能力が高くて天才と呼ばれている。言うならば、頭脳明晰、容姿端麗、スタイル抜群の女の子だけれど……」
「魔法に関してはどうなのかしら? いくら天才でも、魔法が使えなくてはファンタジー世界に転生する意味がなくなるし……」
「僕が作った世界ではファンタジーゲームのような魔法が主流だけど、シグレは忍術を使う希少種なんだ。お姉さん、そういうの好きだよね?」
「乗った! ファンタジー系の魔法にもあこがれるけれども、ファンタジー世界で希少な忍術を使う女の子には、もっとあこがれる! 私、転生する!」
こうして、無事に話し合いという名の転生特典調整が終わると、私は異世界に転生することになる。
さて、異世界での人生はどうなることやら。
「それじゃあ、この扉をくぐれば、お姉さんは異世界に転生できるから!」
男の子が作り出した幻想的な扉が、真っ白なだけの空間にあわられる。
「どんとこーい! 異世界転生!」
私はワクワクとしながら、異世界への扉をくぐるのだ。