和風エロゲー世界の失踪予定モブ退魔忍者に転生いたしましたが、全力で生き延び「んほぉぉぉぉぉぉ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」 作:第三世界(うたかたとわ)
「ふふふ! 転生成功よ!」
気がつくと私は、ベッドとテーブルがあるだけの質素な部屋の中にいた。
私がいるのは、この春から私が通うツクモ学園の学生寮。間取りは1LDK。
学園都市ヤオヨロズにある学園郡の一つであるツクモ学園は、数多の学園の中でもトップクラスのエリートを育成する学園である。
「いやー、異世界転生パないっすわ!」
私はこれから通う予定のツクモ学園の紺色ブレザーとチェック柄のスカートを身に着けた自分を鏡で見ながら、異世界への転生成功を喜ぶ。
「しかし、めっちゃかわいい!」
そう、私の転生した姿は、めちゃくちゃにかわいいのだ。
黒髪のショートカットにクールな青色の瞳。
モデル体型な一六〇センチメートルの身長にふくらむGカップの爆乳。
容姿端麗、絶世の美女。その呼び名がふさわしい美貌の持ち主。
そして、クールな女忍者として過ごす異世界での人生に、私は心をときめかせる。
(うーん。でも、ツクモ学園と学園都市ヤオヨロズって、どこかで聞いたことあるような……?)
少しだけ引っかかるなにかが私の中にあるが、今は気にしないでおこう。
そして、入学式が終わり、これから始まる学園生活にワクワクしながら学生寮にある自分の部屋に戻ると、私は黒服の男たちに捕まった。
「ふはは! 退魔一族の女忍者がこんな簡単に捕まるとは!」
「何よそれ! 私は知らないわよ!」
「ククク……これが証拠だ!」
私を捕まえたスーツを着たゴリラみたいな男が得意げな顔をして私の前に差し出してくるのは、一枚の書類。
「忍の里への報告書を部屋のテーブルに出しっぱなしにしていくとは、マヌケな忍者もいたものだな!」
「なにそれ! 私の部屋に勝手に入ったの!? 変態! 変態! 変態!」
「学園都市一のエリートを育成するツクモ学園は、小事に時間を取られないようメイドが部屋の掃除をすると事前に説明があったはずだが……まさか、そんなことも失念するマヌケが送り込まれてくるとは。退魔一族も落ちたものだ……連れて行け!」
そのとき、私の頭の中で、ツクモ学園と学園都市ヤオヨロズ、そして、そこに送り込まれたシグレという女忍者に関する情報が一つにつながる。
(あれ? もしかして、ここ、退魔のシノブ伝の世界?)
前世で私がお世話になりまくった名作エロゲー「退魔のシノブ伝」
そのゲームの主人公であるシノブ・コーサカとセツナ・リューグーインが調査のために潜入するのが学園都市ヤオヨロズ。そしてツクモ学園。
調査の目的は、人間社会に溶け込み人類の破滅を目論む魔族の調査と、その調査の途中に失踪した親友であるシグレ・キリサキの行方。
そして、私の名前はシグレ・キリサキ。
私が入学したのは、学園都市ヤオヨロズにあるツクモ学園。
私の職業は、女忍者。
「……はひ?」
私は思考を整理する暇もなく、女忍者専用の拷問ルームに連れて行かれることになった。