※この作品はR-18です。

和風エロゲー世界の失踪予定モブ退魔忍者に転生いたしましたが、全力で生き延び「んほぉぉぉぉぉぉ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」   作:第三世界(うたかたとわ)

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罠の回避と進捗

 

「――はっ!?」

 

 気がつくとまた私は死に戻りしていた。

 

 日付は四月八日。ウルハお姉さまと夜のツクモ学園探索に行く前である。

 

 私はウルハお姉さまと合流すると、今度こそ魔媚薬の罠にかからぬように気をつける。

 

 ツクモ学園自然公園の立ち入り禁止区域。その森の中。

 

 虫や鳥の声だけが聞こえる静寂な空間。

 

「シグレ、そこに……何かない?」

 

「ここですか? お姉さま」

 

 上忍であるウルハお姉さまの指示で、私は森の木々を細部まで観察する。

 

 そして、ウルハお姉さまが指を示した先にある木にできた空洞を私が調べていると、カチリと小さな音が鳴った。

 

「はあっ!」

 

 私は暗闇の中で正面から向かって飛んでくる細い針の存在を察知すると、それを回避する。

 

「ふぅ……危なかった……」

 

「シグレ……大丈夫!?」

 

 前回、私を魔媚薬に侵した罠は、この罠だったようだ。

 

 前回の私は何も気づくことなく罠のかけられた木の前を素通りしたが、今回は慎重に行動していたため罠を回避できた。

 

「魔族の罠があるということは、この周辺に何かあるかもしれないわね……今日は一旦探索を終了して、次はこの近辺を重点的に調査しましょうか……」

 

「はい、お姉さま!」

 

 ゲームの知識でこの周辺に魔族の研究所が存在しないことを知っているが、余計なことは言わずに、私は素直にウルハお姉さまに従う。

 

 そうして、その日から平穏に包まれた私の学園生活が始まった。

 

 ツクモ学園の授業に出て魔術についての知識を深めたり、ダンジョンに潜って私は何度も戦闘経験を積む。

 

 そうしている内に、私のレベルは5に達した。

 

 現在の日付は六月。

 

 ゲームに比べてゆっくりペースであるが、死んだらまたレベル1からやり直しになる異世界では、このレベル上げでも十分に早い速度である。

 

 むしろ、レベル1からやり直せるだけ温情だ。

 

 通常ならそこで人生が終わる。

 

「ここにも、何もありませんね。お姉さま……」

 

「魔族が暗躍しているという影は見えているのに、明確な証拠がでない……」

 

 あいかわらず、ウルハお姉さまとの学園内探索は成果をあげていないが、それはそれでよしとする。

 

 それどころか、ゲームの主人公であるシノブとセツナと合流する予定の九月まで、余計な戦闘が起こらずに済んでよいとすら私は思っている。

 

 そんな日々を送る私に、一通の招待状が届いた。

 

「ツクモ学園特別サロン招待状……?」

 

 ツクモ学園にて優秀な成績を誇る学生たちを集めて、交流会をおこなうとの連絡である。

 

 財界のトップ企業の社長の息子や、全国トップクラスの学力や武力を持つエリートが集まり、将来のためのコネクションを作る目的で特別サロンが開催されるようだ。

 

 こうして、学生の内に違う分野での横の繋がりを作ることで、社会に出てからも続く有益な人間関係を形成する目的があると招待状には説明されている。

 

「うーん、興味ないかな……」

 

「シグレ、たまには息抜きに同年代の子とも関わらなくちゃダメよ? あなた、友達いないでしょ?」

 

「し、シノブとセツナがいる!」

 

「でも、ツクモ学園に友達はいる?」

 

「い、いません……」

 

 しかし、魔族に対抗してバッドエンドを回避することばかり考えていた私は、ウルハお姉さまに痛いところを突かれてしまう。

 

 うるわしき学生たちが青春を謳歌するツクモ学園にて、私はボッチだった。

 

 いや、別に友達が作れないわけじゃないから!

 

「うーん。特別サロンかぁ……」

 

 こうして、本来なら行くつもりはなかったが、ボッチでないことをウルハお姉さまに証明するために、私はツクモ学園特別サロンに出席することになる。

 

 

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