リンズ姫がズオウ様にあんなことやこんなことをされて可愛がられちゃうお話 作:buitre
「ところでリンズ、何だその格好は」
ズオウがニヤニヤと嗤う。むろんわざとであろう。リンズの羞恥心を理解してわざと指摘しているのだ。明らかな挑発。取り合うとこの男の思う壺である。今から一世一代の役目があるのにこんな事で心を乱していては駄目だ。焦るな。感情を込めずに要件だけを言うに限る。
「申し上げましたでしょう。あくまでも湯の世話をしに来たのだと」
「であるか」
変わらずニヤついた声。ともかく取り合ってはいけない。顔も向けてはいけない。この男を悦ばすだけ。花園に来てから学習した事である。
「待て。前からだ」
そんな事を要求してくる。湯の世話というからには背を流す役目ではないのか。でも下手にあれこれ言っても怪しまれてしまい、全てが台無しになる。今日一番大事なのは計画の実行そして完遂である。如何にしてズオウに疑いの目を向けさせないかに掛かっていると言っても過言ではない。従っておくのが無難である。
そう判断したリンズは膝立ちになるとズオウの左腕を取り、節に沿って湯桶で作った泡をつけ、白布で擦った。ひと通り終えるともうひとつの桶で湯船から水を汲み、洗い流す。そうして右腕も終えると、正面に移動する。なるべく遠くから近づかなくて済むように腕を伸ばし、同じように行った。
「何だ、遠いな」
フッと鼻で嗤ってくるが無視を決め込んだ。
それはともあれ、いつ見ても凄い体だ。まじまじと見てしまう。これが本当に人間なのか。全身が節くれ立った筋肉で覆われ、何処にも途切れが無い。鎧そのものだ。でもリンズは知っている。この筋肉は見た目とは違って柔らかい事を。汗でぬめる肌が重なり合えば弾力で押し返され、逞しい腕の中は意外と温かい。抱き締められても胸板が分厚いから背に腕を回しても届かないのだ――。
「――いっ。おい、リンズ!」
「!?」
「何をしている。そこばかりやってどうする」
「っ?」
怒気を孕んではいなかったが、非難めいた言いぶりだった。見ると伸ばした手がズオウの前胸にあった。ぼうっとしてしまったようだ。それも仇敵の前で。しかも鮮烈に浮かび上がったのは思い出したくもない淫らな記憶だった。どうしたというのだ。まるでこの男とそうなる事を期待しているようではないか。自らが望んだ事は無い。この先も無い。と言うよりも今日でその必要性も無くなるのだ。でも最悪だ。歩調が乱されていては駄目だ。細かい所で水の泡になりたいのか。居た堪れない気持ちになり、リンズは視線を宙に泳がせた。
おい、とズオウが呼ぶ。
「どうした、赤くなっているぞ」
「……知りませんっ」
「何をムキになっている、湯だろうが。赤くもなろう」
「…………」
「ククッ、どうしたんだ」
「…………」
「いい加減脱いだらどうだ」
「お断りします」
「フン、強情だな。――それとだ」
冷たく感情を込めずに返答したが、軽く往なされた。そして思いついたように何やら付け加えようとする。しかしながらリンズとしてはその内容に呆気に取られ、冷淡な態度を貫こうと決めていたのについ荒くなってしまった。
「赤くなってなどいないぞ」
「……いい加減にしてくださいっ!」
「ククッ、怒るな。見間違いという奴だ。お前もあるだろう」
ズオウは惚けた調子で述べるが、いつもの事ながら質悪く嗤っている。赤い赤くないなど次々と変えて何なのか。弄ばれているのだろうか……。後が心配になってきた。大丈夫だろうか。このまま何事もせず、然るべき好機が訪れるのを待った方が良いのだろうか。いや、今日を逃したら何年先になるか分からないし、その間も辱められるのを甘んじて受け入れろというのか……。
それにしても、何故人にやらせておいてこんな言われをされなくてはならないのか。リンズは奥歯を噛み締め、ズオウの背後に回ろうとした。すると――
「待て」
いきなり、離れようとする右手を掴まれた。
「何をするのですっ!」
「まだ洗っていない所があるだろう」
「え?」
ズオウはその手を己の中心に導いた。腰に巻いた布の下から触らせる。
「あっ………」
瞬く間にリンズの頬が赤く染まった。意識して見ないようにしていた太く逞しい、熱い物に直に触れてしまった。しかも今、弾みで視界にも入れてしまった――布の上からでも分かる盛り上がり。完全な偉容は呈していなかったが、既に出来上がりつつあるそれにリンズは小さく悲鳴を上げた。
「……っ、やめてっ……!」
リンズの制止など取り合わず、ズオウはその手を捉えたまま泡をつけ竿を扱かせるよう自らの手で誘導する。繰り返し往復させた後、先端の丸みを何度も撫でさせられているうちにぬちゃぬちゃと汁が纏わり付いた。
「ここが一番汚れる所だ。次に移る前にやらんと困る」
「ひぃ………!」
こんな所を洗う世話係など何処を探してもいないだろう。文句をつけようとするがぬちゃついた水音と、灼熱のように熱く漲る肉棒――生々しく襲ってきた刺激に喉が引き攣れてしまう。不快極まりなく押さえつけられた右手を引っ込めようとした。が、微動だにしない。それどころかズオウがいつもの癇に障る顔になっているのが分かり、カーッと頭に血が上った。考えるまでも無く体が動いていた。直ぐさま空いている左手で叩きのめしてやろうと振り被った。
「……!? 嫌っ……!? 離してっ……!」
しかし、振り下ろす間も無くあっさりと大きな片手で封じ込められてしまった。反撃するための手段が塞がれてしまい、リンズは身じろぎしたが物ともしなかった。その間にもズオウの股間にある手はぬちゃぬちゃと粘ついていくばかりである。気持ち悪い。早く洗いたい。
「やめてっ!」
キッと最大限に睨みつけた。しかし全くといって良い程響いておらず、ズオウはただニヤついているだけである。
そっと、囁かれる。
「何故嫌がる。これがいつもお前を可愛がっている代物だ。いつもお前の肉を掻き分けいつもお前の中を擦りいつもお前を気持ち良くしている物だ」
「っ!」
わざとだ。わざと矢継ぎ早に連呼し想像させるようにしているのだ。気にしてはいけない――。でも、生々しい単語が頭から離れず、ぎゅっと目を瞑ったがお構い無しに侵入してくる。耳も塞ぎたいが押さえつけられ敵わない。気にしてはいけないと心の中で繰り返す程にズオウの言葉が反芻し、居ても立ってもいられなくなる。
耳元で話が続く。いたく愉悦を含んだ声だった。
「何を今更羞ずかしがる。お前の中は百万……、いや違うな。既に数百万と往復している」
「いやあっ!!」
明け透けで露骨な表現。ズオウが不在で暫く触れずに済んだ『あの感覚』が蘇ってくる。体が勝手に熱くなり、犯されている気分になる。それだけでは無い。呼応したかのようにだんだん体の芯が熱くなりジンジンしてくる。早く止めさせないと――。
「嫌ですっ!! いやっ……嫌なのっ! やめてっ!」
リンズは体全体を使ってズオウを押しのけようとしたが、岩壁を押すようなものでまるで意味が無かった。まさかこうなるとは考えておらず、予想外の事にパニックになっていた。
「っ、いやっ……! いやああっ……、やめてっ! お願いですからっ!!」
「駄目だな。分かるだろう、これはお前の汁を幾度となく吸っている業物だぞ。今夜も可愛がってやる、たっぷりとな……」
「あああっ!!」
いつになく鯖を含んだ声で耳に息を吹き掛けられ、リンズは甘く喘いだ。体の芯は強く疼き、止め処無く蜜を滴らせていく。
「やめてっ……! 本当にっ……、やめて下さいっ……やあああぁっ……!」
「フフッ」
「いやぁっ!」
そのうちにやっとの事で手が緩められ、その隙に即座に離れようとした。
「んんっ!? 離してっ……! ああっ!」
「クククッ」
だが僅差で引っ張られ、腰掛けたまま軽々と横抱きにされた。不敵に嗤うズオウに戦慄し、背筋に冷や汗が流れる。逃れようとなりふり構わず藻掻いた。が、膝の間に足を入れられガッチリと抱え込まれてしまう。
「いっ……、何っ……、何をするのですっ!?」
激しい動きにはだけてしまった衣の合わせ目からぬぅっと大きな手が潜り込む。既に汗
「あンっ……! あっ……んうんっ……あひぁああ!? あぅ……ああっ……! あひあああああっ………!」
固くしこり出した乳首をキュムッと摘まれたかと思うと掌で右回し、左回しにコロコロ転がされる。途切れなく続く快楽の奔流にグッタリしてしまう。落ちかけた所できゅうと抓ねりに戻され、無理矢理起こされる。体がビクッと大きくうねり、図らずも嬌声が漏れ出てしまう。声なんか出したくないのに勝手に出てしまう。悔しい。
「んんんんっ……っ……ああんっ! ああっああっ……んっ! ひゃぅぅ!! んんっ……ふぅ……」
人差し指できゅっと乳首を押し込まれると乳房がぐにゃりとひしゃげた。掌全体で包み指先で細かく振動を与えられる。柔い刺激にふと力が抜け、無意識に腰をモゾモゾと動かす。足りないかと言わんばかりに強めにちょっと痛い位に揉まれる間、人差し指と中指で乳首を優しく擦り上げる。柔さ、痛さ、優しさがない混ぜになり何とも言えない感覚が押し寄せ、花芯に熱が広がり、じんわり濡れてくる。官能をどんどん引き出すような手つき。女のツボを知り尽くした熟練の技だった。リンズの心はそっちのけに殊更体は熱くなり、中心をズキズキ疼かせ、トロトロした液が溢れて内股を濡らしていった。堪えようと上体を反らせ、眉根を寄せたが、乳房が揉まれ押し込まれる度に全身がビクンビクンッと痙攣した。
「あっ、ふうっ、あ、あっ、もうぅ……もっ……やめてぇ! お願いだからっ!!」
股ぐらが熱くなって仕方が無かった。太股を捩り合わせたくなったが、ズオウの足が邪魔をして出来なかった。それでもリンズは
漸くズオウの手が離れていく。
「ああっ!?」
だが、直ぐに裾を割ってその手を差し入れられる。リンズより二回りは大きい手が太股を這い上がってくる。
この動きはまずい。あれをされてしまう。羞ずかしい状態になっているのを知られてしまう。毎回されているが未だにこれは慣れない。
「あっ……! お願いですっ!! やめてぇっ……!! ンッ!?」
声を振り絞って叫んでも無視される。何処で気が付いても遅かったのだ。手がするっと花芯に潜り込み、柔らかな肉襞を掻き分け武骨な中指が挿入される。潤沢な湿り気に痛さも感じず、ぬるりと奥まで迎え入れた。
「あっ!!」
「やはり濡らしていたか」
不敵に嗤われ、内壁を撫でるように動かされる。いやらしい言葉にカーッと体が熱くなる。気を抜くと意識を失いそうだ。太股に力を入れ堪える。が、いつの間にかズオウの体に寄り掛かっていた。無情にも指が往復され、薬指も挿れられる。時に親指で肉襞上端の突起を掠め、ぐにぐに揉みしだかれる。
「いやああぁっ……ああああああっ!! うああ……ああ!!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ。
湯殿に響く粘着質な音。羞ずかし過ぎて消えてしまいたい……。
――けれど。
(だめ……、そこじゃないの……)
一歩……、あと一歩という所で届いていないのだ。焦らすように一番イイ所を避けていく。この男の揶揄だろう。引っ掛かってはいけないと思うものの心と体がバラバラになっていた。体はもっと欲しいと燃え盛り、ズオウの指を奥に引き込もうと自然に腰が揺れていた。
「んっ……あん……んんんっ………」
「どうだ」
「あっ! ……あんっ……ううんっ……、あっあっ! あっ、いっ……! うむっ………、ああっ!」
「いいだろう?」
「あっ、あっ、あああっ! はっ……しり……っ……知りませんっ! うああああ!?」
「嘘を言え。女の体は正直に出来ている。もう数え切れぬほど交わった身だからな、お前の体の事は一番良く知っている。腰を揺らして……可愛い奴め。もっと欲しいのだろう?」
「っ」
悔しいが図星だった。感じてしまっていた。
高ぶっていく体。甘い疼きから早く解き放たれたいと願う心――。
いくら求めてもこんな刺激では全然足りないのだ。指よりも太い、熱く固い物で中をぐいぐい気が遠くなる位に突いて欲しいから――。
…
……? ……
…………『欲しい?』……――いけない!!
ハッと我に返り、リンズは咄嗟に肉瘤が隆起する腕に破竹の勢いで噛みついた。
「…―――!?」
しかし、あっさり避けられてしまった。悠々と避けたのが癪だった。それでも功は奏したようで漸く解放された。
「……はあはあっ……はっ……はあはあっ……はっ……、嫌な人っ……!」
どっと脱力感に襲われる。ヘナヘナと崩れ落ち仰向けになった。金縛りにあったように重い。
「何の事だ。悦んでいただろうが」
精一杯睨み付けたが堪えた様子は無い。あまつさえ、堂々と嘯いている。これだけの事をしておいてやましい所は無いと主張し、びくともしない。相手をするだけ空回りだろう。忌々しいが悦ばせているのだから。それに思ってもみなかったのにひどく羞ずかしい事をしてしまった。しかも今回は記憶と言うよりは――。
さすがに二回もとなると異形か何かに操られているようで気味が悪い。でもあれこれ内省する隙間は残っていなかった。肩で息をしながら天井を仰ぐ。
疲れた……。気持ちいい……。
悔しいが、すごく……、凄く良かった。
真綿の中にいるような浮遊感。風にそよがれながらぷかぷかと雲の上で揺られているよう。流れに身を任せるうちにうつらうつらとしてくる。
だるい……。
リンズは生風に当たっているような心地よい倦怠感に浸っていた。
だが、次にズオウの取った行動がそんなリンズの疲労をいとも簡単に吹き飛ばした。
「リンズ、見てみよ」
「……? ……っ……!!」
あろう事かリンズを弄んでいた手を見せつけてきた。傍目にもわかる粘着質で透明な液体が流れ落ち、ズオウの手首をテラテラと濡らしていた。唖然とするリンズをよそにズオウはその指をひと舐めし、リンズの口元に近づけていった。
「舐めよ」
「いやああっ! 何て事をさせるんですかぁ!? 無理ですっ、本当にいやあっ!」
「命令である」
「っ」
許せない。やはり今日だ。今日この手で絶対に終わらせてやる。不覚にも無防備な姿を晒してしまった。命を取られる取られないは問題では無い。この計画は失敗してはならないのだ。そのためだったら何だって―――。
リンズは横座りになると、差し出された手を取った。朱を引いた唇がズオウの指を咥える。
「んっ………ん………んっん……ん……」
絡みつく赤い舌。唾液をたっぷり貯え、指先、指の間、手首……と付着した部分を舐め取っていく。初めて口にする自分の味――思いのほか甘酸っぱい。どんどん気分が高ぶってくる。
「んぐぐっ」
「ククッ」
ズオウはその様子をひとしきり眺めると、徐に立ち上がった。
「そろそろお前の口で綺麗にして貰おうか」
はらり……
腰を覆っていた布が落ちる。この時を待っていたとばかりにビキキッと音を立て、それは姿を現した。
巌のようなごつい体から天に向かって屹立する威容。股の間に密生する剛毛から太く逞しい物が反り返っている。竿は淫水灼けして黒ずみ、木の根が張ったように太い血管が交叉している。先に行く程赤紫色になり、大きく傘を開きドクドクと透明な液が垂れている。まさしく女の子宮にモロに訴えかけ、これで突かれたらひと溜まりもないと思わせる怒張であった。その裏には黒ずんだ玉袋が緊張に縮かまっている。これらが泡の間からでも良く分かる程に強く存在を主張していた。
リンズはその異形に圧倒され、瞬きも忘れ、竦み上がった。
「ヒイイイイイッ!!」
「驚いてくれたか」
やけに嬉しそうだった。
「まあ、しっかりと見た事は無かったかも知れんな」
「いつもは夜だしな」と小さくごちると、ズオウは湯桶の水で股間を洗い流した。
「これがいつもお前を可愛がってやっている業物だ。挨拶するがいい」
「嫌っ!! いやあっ! 無理っ! 本当に無理ですっ!」
リンズの顔は恐怖に染まり、ふるふると震わせた。
「何を言う。初心でも無いだろうが」
ズオウはリンズの和らげな頬をその禍々しい怒張でビンタした。溢れ返る我慢汁が白粉を叩いた美しい顔を濡らした。
「あああっ! うううっ……。やだっ……いやあああ……、やめて下さいっ!」
リンズが頭を振ると汁が飛び散った。丸みのある頬、愛らしい小鼻や柔らかな弧を描く目元に垂れ、糸を引いた。
「ああああっ! やああああっ………!!」
「クククッ」
上臈の綺麗な顔を自分の体液で汚す――、征服欲の強い男にとってこれ程美味しいオカズは無い。ズオウは呼吸が荒くなり、興奮に駆り立てられるままリンズの頭を左手で固定し、右手で竿を持つと桜色の小さな口に嵌め込み、軽く腰を突き入れた。
「……ンゴゴゴゴゴッ」
頭を撫で、喉奥まで入れないように注意しながらゆっくりと腰を前後させる。突き動かす度に唾液がタップリ絡み律動を滑らかにし、いたく気持ちが良い。リンズの口内を膣に見立てた行為。ただでさえ若く臈たけた女に伽をさせてクルものがあるのに、その女がベソをかきながら自分の逸物を口に入れ、緋の瞳を涙で滲ませながら出し入れされているのを見下ろすのは堪らない。快感の波が高まっていく一方である。ズオウはいっそう鼻息を荒くし、次第に腰の動きを速めていった。
ぐぽっぐぽっぐぽっぐぽっぐぽっ。
「ンンンンッ! ゴゴゴッ……ンゴッ……」
「面を上げよ」
目が合う。リンズは口を大きく開け、くんくん鼻を鳴らしている。大き過ぎて嵌りきらないどす黒い竿が紅を引いた唇からズルズルと出たり入ったりしていた。口から出てくると大量の唾液にまぶされ、テラテラと反射しているのが何とも卑猥だった。口を大きく開かされている事で額に皺を寄せ、涙に濡れ紅潮した顔がのっぺり伸びている様がズオウには如何せん可笑しくもあり、美しくもあり、また愛おしくもあった。此度の遠征は長期に渡ったが、この体を愉しみにしていた甲斐があった。早くリンズの中に突っ込んで出そうかと考えたが、久々に会ったからにはじっくり愉しみたかったし、無駄に弾を撃ちたく無かった。リンズの他に百七いる。女の管理も為政者の仕事のうちなのである。
「ンッ……ンンンンンッ……アアアアアアアアア………」
まだ終わらないの……?
口の中を怒張が暴れまわる度に微妙に角度を変えられ、あからさまに拍子もずらして来られるから息をするのも大変だ。実の所、口の中を穴にされるのは初めてでは無い。独特の臭いに嘔吐きそうになる。しかし、拒絶する心とは真逆に総身を上気させ恍惚に浸っていっている事にリンズは気が付いていなかった。
「……っ。出すぞっ」
「んっ……んっ………ンンンン……んンんっ!?」
ズオウは暴発の手前で引き抜くと、リンズの額に向けて発射する。大量の精がリンズを襲った。
ビュルッ、ビュルルルルウウウッッッ!!
「はあああああああああああああっ!」
額を容赦無くブチ抜いた精液。可愛らしい小鼻や唇を通って、おとがいから首元に黄ばんだ粘液がドロドロと伝い、湯衣に染み込んでいった。
「…………………」
リンズは心ここにあらずといった風で抜け殻のようになっていた。体中に塗れた精液を拭おうともせず、ただ茫然と一点を見つめるのみだった。
ズオウも眼前の淫らな光景にひどく興奮していた。思い返せばこんなに溜めていたのも久し振りだった。お陰で濃いのがタップリ出た。戸惑う女を雁字搦めにしてぶっかける悦び――しかもこの女はこの上無い上玉だ。最上位の女をおのが精液塗れにし、ドロドロに汚すのは処女の体に一番槍をつけるのと同じ位達成感がある。女が良いと興奮度が違う。後はどうやってこの年若い妻を愛そうか――、頑なに脱ごうとしないあれをいつひん剥いて素っ裸にするか、前戯はどうするか、今夜の型はどうするか……、想像するだけで漲ってくる。
ズオウの思考がどす黒い欲望で染まっている事をリンズは知る由も無かった。
「よくやった。暫し休め。お前の体が持たんと話にならぬからな」
「!」
呑気な言いざまがリンズのぼうっとなっていた意識を現実に戻した。腸が煮えくり返りそうになった。この期に及んでまだ続けるのか。散々辱めておいて、何を言い出すのか。
「知りませんっ! こんな酷い事が役目だと聞いていません! とても疲れました。体も持ちません。もう知りませんからっ!!」
リンズは荒い息のまま睨み付けた。だがズオウは不遜な態度で悪びれもしない。
「却下だ。余は満足していない。言ったろう、お前の体は一番良く知っていると」
「なっ……………」
どうにも終わらせる気が無いようだ。『年を取ると性欲は落ちるもの』と以前習ったがズオウの場合は一向に当て嵌りそうに無い。底無しの欲求に愕然としたが、一度言い出すと絶対に後に引かない性分だと分かっている。これ以上は無駄だ。
それにしてもだ。
――熱い。
本当に熱い。
少し余裕が出てきたのか、急に体の火照りを覚えた。灼熱と言って良い程体内が燃えていた。全身から汗が滴り落ちていく。ここがいつもより暑い上に体の中を激しく掻き回されて沸騰しそうだった。息をしようとしても満足に出来ない。喉もカラカラで喋るのもままならなかった。
すごく疲れた。張り詰めていたものがどっと一気に抜けたようだった。今日は緊張しっぱなしだ。その上散々な目に合った。また頭がぼうっとなってくる。クタクタだった。一番大事な事もまだこれからだというのに……。敵中にあるのに隙だらけではないか。でも困った事に体が言う事を効かない。こうもガタガタならば戻って仕切り直すしかない。年先でもやむを得ない。イロハと相談して別の機会を狙おう。
その時だった。
(えっ……………)
突如として目の前がぼんやりとした。濃い霧が棚引き、周りが見えなくなる。
(何なの………?)
理解が追い付かず頭が混乱した。しかし、次の瞬間にはそれは凄まじい速さで掻き乱れていった。チリチリに揺れる視界に気分が悪くなる。胃腑を突き上げ逆流しそうだ。
(気持ち悪い)
そう思った時には黒闇に取って代わり、あらゆる物全てが覆い尽くされ呑み込まれていった。
そこでプツンと途切れた。
(だめ、戻らないと……あっ………)
リンズは細首を折り、ガックリとうなだれたのだった。