※この作品はR-18です。

SS above the sky   作:o-fan

1 / 8
グラン × クラリス&ディアンサ


Excuse me. Expose you.

 クラリスが何度も夢にまで見た光景が、再現されようとしている。

(団長……顔が真っ赤で、緊張してるみたい……。二人きりになりたい、て言うから来てみたけど……。このシチュエーションって……ま、まさか!? ももも、もしかして!?)

 グランの少し赤い表情、緊張した体のこわばり、右往左往して定まらない視線を見て、クラリスは思わず姿勢をピンと正した。ポニーテールが慣性に従い上下に揺れる。

 クラリス、そう決意に満ちた声で、想い人から発せられた自身の名前を、クラリスは「はぃいい!?」とまるで調弦が狂った弦楽器のように応答し、目をぐるぐるとさせて思考がパニック状態に陥っていた。

 チョコの買い出しに行くときに手をつないだ興奮、チョコを渡し、デートしてもっと仲良くなりたいと伝え、了承された時の胸の熱さと達成感。

 そしてティコの導きでダイエットに勤しみ、日焼け止めを塗られ、カップルジュースを飲み、光華に想いを遮られ、お姫様抱っこをされた時のグランの暖かさとたくましさが、走馬灯のようにクラリスの脳内を駆け巡る。

 現実に戻った瞬間、クラリスにはグランの一世一代の声が聞こえた。

「はいっ喜んでぇえええええっ!?」

 てんぱったクラリスの返答は、グランにグッと片手でガッツポーズをさせた。グランはまさかOKしてもらえるとは、と興奮気味にクラリスを見ている。

「…………へ?」

 クラリスは先ほど理性ではなく、本能で返答していた。グランの想いのたけを、クラリスは全て受け入れて当然だった。

 

 後に、クラリスはカリオストロにこう語る。

「だってさぁっ! 告白だと思うじゃん! 団長に二人きりで呼び出されて、あんな風に名前を呼ばれて……!」

「で、あいつはなんて言ったんだよ」

「え? いや、それは、そのー」

「……なんの相談に来たんだお前は」 

 グランがその時に言った言葉は、グランと、クラリス、そして後にもう一人だけが知っている。

 

「……あ、あのさ、だんちょー……もう一回、言ってくれる?」

 グランは頭上に?マークを浮かべた後、クラリスが受け入れてくれたことが嬉しかったのか、二度目はよどみなく言った。

 ……おっぱいを見せてほしい。

「……え。……お……おぱっ? えっ? ……えええええええええええ!?」

 クラリスは頭を抱え、天を見上げて絶叫した。

「なな、なんでさ!? だんちょー、本気ぃ!?」

 クラリスの突然の豹変ぶりに、グランは臆しながらも頷いた。グランはクラリスがまさか即答して了承してくれるとは思わず、まだ見ぬ乳房への期待に興奮状態に陥っていた。

 クラリスからすれば、なんで? 突然? どうして? と脳内が疑問の言葉で埋め尽くされ、感情は得も知れぬ恥ずかしさで埋め尽くされていく。

 あの団長が、まさかそんなことを言うなんて夢にも思わなかった。

「り……理由を、おし、教えてよ……」

 クラリスは真っ赤な顔で目をそらし、自身の体を守るように腕で自身の体を抱いた。グランはというと、見たことないから、見てみたい。クラリスだから、見てみたいと、興奮気味に語っていた。すでにグランの中では、クラリスが了承してくれたために、おっぱいを見ることができるのは決定事項だった。

 そしてそんなグランを見て、

(団長も……そっか、そういうお年頃で……男の子なんだ……!)

 性経験のないクラリスから見ても、グランの興奮が、青少年がもつ猿並みの性欲のある種の発露であることは、言葉ではなく心で理解した。

(もし、ここでうちが断ったら……)

 団長はもうすっかり期待してしまっている。クラリスにも一度は了承してしまった事実があり、ここから断ることは多少の負い目があった。

(断ったら……団長が……違う人のところに、いっちゃうかも……!)

 思えばグランとクラリスの恋路は、クラリスからずっとモーションをかけてきていた。そのモーションに対してグランは優しく受け止め、またクラリスの期待以上の喜びをもたらしてくれた。

(団長から……うちのことを……!)

 求めてくれた。これがノーマルか、アブノーマルかはクラリスにはわからない。もしかしたらグランの故郷では求愛表現なのでは? とねじが外れた付随理由をつけて、自らの行動を後押しする。

(頑張れ、クラリス。負けるな、クラリス。うちは天才無敵の、最カワ錬金術師……!)

「鍵、閉めてくれる……?」

 クラリスはグランの顔が見れず顔を伏せた。鍵の閉まる音が聞こえた。

 さあ、ここからお立会い、クラリスの服は白いノースリーブに赤いミニスカート。マントを取ると白くシミ一つない肩口があらわになり、きゃしゃな素肌が晒される。

 グランからすれば、初めてクラリスと出会った時と同じ、お馴染みの服装だった。だが、今だからこそ逆に新鮮に感じられた。

 クラリスは逡巡している。尻込みして躊躇わずにはいられなかった。

(う、うち本当にやるの!? だんちょーに……! でも、でも団長のためなら……!)

 白い衣服の腰のふちに、クラリスは両手の指をかけた。グランの喉を鳴らす音が聞こえる。

(団長が、うちを求めてくれるなら……!!)

 クラリスが、衣服をまくり上げていく。へそが露出し、腰の括れが見えて、一度止まった。クラリスは先ほどからずっと、真っ赤な顔でグランから目を背けている。

(求めて……くれるならぁあああーーーー!!)

 クラリスは目を引き絞り、一気に腕を上げた。めくり上げられまとまった衣服が、鎖骨のラインで止まった。

 覚悟を決めたクラリスにとっての誤算は一つ、勢いがつきすぎて、ブラもまた上部へとずれ、乳頭と乳輪の全てがさらされたことだった。

 

 まだ成人を数年後に控えた少年の脳内では、宇宙が広がっていた。

 おっぱいだ。

 有史以来、いや以前から誰もが焦がれ魅了されてきた象徴が今、グランの脳内に深々と刻まれている。

 クラリスの恥ずかし気に伏せられた目、口元は上げられた腕に隠れ、その下には遥かなる双丘が、素肌をさらしていた。

「…………っ……だん……ちょ……?」

 まず目に入るのは均整の取れた丸みだった。ブラという支えを失ったのにも関わらず、両の手に余る母性の象徴は、重力に負けず球のような形を保っている。

「え……え……えーと……ちょ……ちょ、ちょっと、見過ぎかなあ、なんて……」

 次いで少し自己主張するように少し尖る、色の違う乳頭。淡い桜色の乳輪に囲まれた中心には、見るからに感触が違うことを確信させる、起立した乳首が存在していた。

「う……うぅ……も……もう……いい……かなぁ……? あのぉ……」

 よくよく見ると乳首の中心には影の濃い点があり、それがある種の射出口にも見えた。もし妊娠することになれば、ここから液体が出るのだろうか。やはり想像では到達できない領域があると、まざまざと現実を見せつけられる。

(恥ずかしぃ…………でも、ほんとうに……見る、だけ……?」

 さわり、吸い尽くされ、押し倒されて、両親と師匠に謎の詫びを入れる事すらあり得るかもしれないと、クラリスは羞恥心の片隅で想像していた。

 だが、グランはごくりと息をのみ、満足した表情で笑みを作ると、クラリスに深々とお辞儀をしてお礼を述べ、またね、といつもの爽やかな声色と笑顔でもって、退室した。

(え)

「え」

 クラリスは服を戻す。表情から色が消え、思考回路が停止していた。

 廊下に出て自室へと向かう途上、すれ違ったラカムなどからぎょっとした目で見られたが、クラリスの表情は変わらない。

 ぱたりと自室の扉を閉め、先ほどまでのグランと自身のやり取りを回想する。胸にはまだ、肌をさらした涼し気な感触が残っている。

 クラリスはわなわなと瞳と口を震わせ、頭を両手で抱えて天を仰ぐと、

(……なんの時間だったのぉおーーーー!!」

「うるせぇ!!」

 隣室からの師匠の怒声を気に留めることなく、クラリスは衝動を決壊させた。

 

 クラリスの見立ては間違っていた。難題と予想していたものがたやすく解けてしまった成功体験を忘れられないように、グランの欲求は新しいターゲットをロックオンしていた。

「どうしたの? 団長さん。急に改まって……もしかして、何かサプライズかな?」

 ディアンサは人気のない船室に招かれ、二人きりでいることに喜びを感じていた。

(団長さんから呼び出されるなんて……しかも、お仕事のことって感じでもなさそう)

 グランの表情は落ち着いていて、余裕すら感じられた。だが、ディアンサを見つめる眼光に熱いものが含まれていることを、ディアンサは巫女として活動してきた経験から感じ取っていた。

 熱心な一部のイクニアから向けられた劣情を、ディアンサは知っていた。その視線の一部を今、グランから感じる。

 ディアンサは瞳だけを動かし、船室の状況を把握した。誰の部屋でもないが、掃除は施され埃は少ない。ベッドシーツも整っていた。船窓は青空のみを映し、ドアには鍵があった。

(この状況……もしかして)

 積極的な行動をいとわない恋する乙女は、好意的な妄想を即座に形成した。すでにディアンサの思いのたけは、グランに以前伝えている。好き、と。

 かつて返答保留を受け入れたのは、それがグランの正直な気持ちだとディアンサは信じたからだった。否定でもない、しかし、肯定しきる感情も今はない。

(時間はある。いつかきっと、て思ってきたけど……もしかして、ついに)

 ディアンサの頬に紅が差す。グランが優しい声で名前を呼ぶと、

「……はい」

 と応え、期待の笑みと共に、祈るように両手を胸の前で組む。

 グランの言葉を決して聞き逃さないよう、心を落ち着かせ、脳内の記憶容量を余裕をもって開ける。これから何度でも再生できるようにと。

 グランの口が開く。ディアンサの世界は、スローモーションのようにコマ送りになり、そして、

 

 おっぱいを見せてほしい。

 

(…………?)

「…………?」

 ディアンサの瞳から光が消え、小首をかしげた。

「………………あの、団長、さん。ちょっと聞き取れなくて、もう一回言ってもらえるかな?」

 グランの全く同じ文言の再生に、ディアンサは再度硬直した。一度深呼吸し、思考を回復させる。

「その、団長さん、本気で言っているの?」

 グランの表情は真剣で、一切の陰りも迷いも感じられなかった。あるのは純粋な欲求と興奮、ディアンサの返答を待つ期待。

(団長さん、本気だ……! 本気で、私のおっ……!)

 ディアンサの顔がゆでだこのように真っ赤になる。声が出せず、思考が再度停止し、そして再起動する。

(えっええ!? こ、これって、なに? なんなの!? 私がおかしいのかな!? ……落ち着いてディアンサ。団長さんは強くて、かっこよくて、頼りになって、それで……!)

 ディアンサのおっぱいを求めている。

(……私は、団長さんのことを……)

 この異常事態の混乱で、ディアンサは再度自身へ問いかけていた。

(……団長さんのことを……好き。それでも、好き。大好き。恋人になりたい。あなたの特別な人に……)

 自分の気持ちは一切変わってはいなかった。今目の前にある状況を整理すると、グランが性的な欲求を自身に向けてくれたターニングポイントであることを、ディアンサは現実として受け入れた。

(そっか。団長さんは、見たいんだ。私のとても恥ずかしいところを。求められたら、大事な人にしか見せないようなところを……)

 その意味を拡大解釈し、願わく未来を見るのは、すでに好意を伝えたものとして当然の権利ではないだろうか。

 流されるまま生きてきた人生の中、望む未来をつかむために、今自分は何をすべきか、何をしたいのか、ディアンサは過集中一歩手前まで思考をめぐらす。

(団長さんは、私を求めてる)

 ディアンサは一度真剣にグランを見つめた後、表情をゆるめる。瞳だけはまだこわばっていたが、それでも決意が照準内に定まって微動しているうちに、返答した。

「もう……いいよ。団長さんになら。団長さんにだけ、だからね」

 ディアンサは多大な羞恥を感じつつも、目を細めて一度不満そうに唇を尖らせては、すぐに笑顔に戻した。その過程をしっかりとグランに見せつけるように。

 グランの歓喜は表情だけでわかった。

 ディアンサは自身の黒い半そでのジャケットを脱ごうか一瞬迷ったが、そのままにした。グランはおっぱいを見せてと言ったのだ。なら、そこに集中させた方がいい。

 普段着と化していた巫女衣装を、こんな形で露出させる日が来るとはディアンサは思ってもみなかった。

 ジャケットの下には胸元を大胆に開いた細身のワンピース。ワンピースはチェリーピンクを基調としたチェック柄を両サイドにして、センターラインをホワイトにまとめている。  

 ウエストをベルトで閉め、上半身は女性的な体のラインがはっきりと浮かび上がっていた。

 露出した首筋から胸元上部は、つつまし気に黒いリボンが鎮座している。その下に、ワンピース上部、白いカップ形状に包まれたディアンサのおっぱいがある。

 巫女としてどれだけ踊りを披露しても鉄壁を誇ったその場所へ、ディアンサは谷間へ自身の人差し指と中指を差し込んだ。

(団長さん、今喉を鳴らした……。顔、見れない……!)

 ディアンサの心情としてはグランの欲望に屈した気持ちは微塵もなかった。胸元を覆うカップを下げ、羞恥によって彼の顔を見ることができなくても、頭の中では如何にグランを自身へ釘付けにするのか、思考を巡らせていた。千載一遇のチャンスと認識していた。

 ディアンサは巫女衣装のまま、乳房だけを外気に晒した。双丘が降ろしたカップから解放された瞬間、弾みのついたボールのように一度下に下がり、上に上がって元の位置に戻る。

 グランはその軌道を、クラリスよりも少しだけ濃いピンク色の乳頭と認識しながら追っていた。

「…………」

 ディアンサが沈黙のまま、ちらりとグランを見る。グランはあまりに夢中で、間の抜けた表情をしていた。目が見開き、口は半端に開いている。そんなグランは見たことがなかった。ディアンサは幻滅することなく、むしろ想い人を性的に夢中にさせている現状に、興奮していた。攻勢をかけるべきだと判断した。

「ふふ……どう、かな」

 ディアンサは正面から少し角度をつけて立ち、顎を引き、腰を気持ちひねり、手元を胸元の下で組み、腕でおっぱいを持ち上げた。

 おっぱいは丸みを保ったまま、その柔らかさを主張するように腕に乗り、形をたゆませた。

 グランの欲望を掻き立てるには十分だった。グランの表情が、小刻みに震える体が、あのおっぱいに指を沈み込ませたらどれほどの幸福を生み出すのか、確かめたいと語っていた。

(ベッドは……ここだね。ケガしないようにアクセサリーは外して……と)

 まるで踊るようなステップでディアンサはベッドを背にするように移動する。その過程で、乳輪と乳首を最大移動点にしながらおっぱいが上下に揺れ動き、合わせてグランの瞳も追随した。

 巫女として培った技術を最大限に生かしながら、ディアンサは再びグランに相対して微笑み、乳房の外側に人差し指を這わせ、少し力を込めた。指で押し込んだその場所が凹凸を作り、影を作り、乳輪を歪ませそそりたった乳首の角度を変える。もうグランは、肉を前にダラダラと涎を垂らす狼に見えた。

(くる……かな……?)

 汗が一筋頬から顎に伝い、右の乳房の上に落ちて、乳輪を通り乳首を濡らしながら、床に落ちた。

 その瞬間張りつめていた糸が切れたようにグランの体が浮かび上がり、ディアンサは覚悟した。

 ありがとう、とグランは深々と頭を下げながらお礼を言った。

「…………え……ええ……ええと……」

 ディアンサは頬が引きつき、笑顔を保つのが困難になる。

(落ち着いて、私)

 目を閉じて深呼吸し、胸元を戻す。

「あ……あはは、どうだったかな、なんて……」

 震える手を後ろ手に組み、乾いた笑いで問いかける。

 最高だった。とてもきれいで、鮮やかだった。

「め、面と向かって言われると……恥ずかしいな……」

 ディアンサ自身、押し倒される未来を予想していたものの、グランの感嘆には羞恥心が増すばかりだった。

 グランは再度礼を言うと、慣れた動作で退室した。ディアンサは軽く手を振って見送ったものの、ドアが閉じた瞬間、顔を両手で覆ってベッドへ座り込んだ。

「うわあぁぁぁぁ……」

 悲しんでいるわけではなく、酩酊状態がシラフになって自らの醜態を恥じるように、先ほどまでの自分の所作を思い出しては、顔面に血液が集中した。

(これって……距離が縮まったってことで、いいのかな……? 団長さん……!)

 勇気を持った一歩に見合った成果が得られたかは、今のディアンサには判断できなかった。グランは満足したことだろう。取り残されたディアンサには、顔を覆ってつぶれたような声を出し、精神が安定するまで待つことしかできなかった。

(……よし、大丈夫)

「ふー……」

 手を膝に置いて背筋を伸ばし、団長の反応と感想を振り返る。

(最高で、とてもきれいで、鮮やか……か。鮮やか……鮮やか?)

 際って目立ち、色や形がはっきりと見て取れる形容の言葉が、ディアンサには引っかかった。

 なにが鮮やかだったかと言われれば、ディアンサが晒した色濃い部分は一つしかない。その部分がグランの記憶に刻まれたことを思うと、再度ディアンサは真っ赤になった顔を手で覆い、膝へと突っ伏した。

(うう……でも、きっと、団長さんと私、周りの子より、一歩進んだよね。うん、きっと)

 そう思わないとやっていられなかった。普段の団長は誰からも好かれ、団長もまた団員の誰をも好いていた。今、ディアンサとグランが体験した誰にも言えないやり取りが、きっとディアンサが望む未来に繋がっていると信じている。

「……待って」

 ディアンサは思わず口に出していた。ディアンサは常にグランの事を考え、彼に好かれるためにはどうすればいいかシミュレーションしてきた。計画性と実行力はディアンサの恋路において大きな武器だった。

 だからこそ、今回の一件はグランの認識を改めなければならなかった。

 団長がなぜディアンサにあんなことを頼んだのか、グランがディアンサのことを性的に見ていたことは確実視するにしても、恋人にしたいからと推察するには、希望的観測だとディアンサは判断した。数多の本を読んできた経験から、青少年の性欲の発露が、時に女性にとって想像し難い欲求を生み出すことは、ディアンサは言葉にせずとも感覚で掴んでいた。

 ましてやグランに女性経験がないことは彼自身が言っていたし、グラマラスな女性がグランにモーションをかけるたび、彼は余裕がなくなってうろたえ、モーションをかけた女性を楽しませていることも知っている。

 そんなことを続けられたグランが今、騎空艇飛行上の閉鎖空間で性欲のはけ口を求め、理性をもって暴走しているのかもしれない。

(私だけじゃ……ないのかも。確証はないけど、確認しなきゃ)

 可能性はつぶす必要があったし、さらに言えば独占できるチャンスかもしれない。ディアンサは思い立ったらすぐに部屋を出てグランを追う。

 だが、すぐに結論が見てとれるとは、さすがにディアンサは想像していなかった。

「ね、ねえ、団長……さっきさ、二人であの部屋へ入っていったけど、何、してたの……?」

 廊下、グランを止めているのは、少し赤い頬をして自信なさげなクラリス。グランは途端に表情に余裕がなくなり、返答に窮している。彼は嘘が得意ではない、大切な仲間ならなおさらだった。

 右往左往していたグランの視線が、ディアンサを見てぎょっとして止まる。

(……なるほど、ね)

 ディアンサは女性の勘を信用した。ディアンサの印象が正しければ、クラリスはグランに好意を抱いていても、四六時中グランに付きまとう事まではしていない。

 クラリスにとって、彼が他の女性と二人きりで部屋に入るところを見逃せない、何かが彼女にあったのだ。

「教えてあげたら? 団長さん?」

 ディアンサは二人に近づきながら努めて可愛く言ったつもりだったが、グランはみるみるうちに顔から血の気を失った。クラリスは「え?」とディアンサとグランの顔を交互に見ている。

 そこからしばらく、グランには記憶がなかった。二人が何事かを話し、あらゆる拒否権を失ったグランを連れ、誰もいない空部屋に入る。

 正座するグランを、クラリスとディアンサが見下ろしていた。

 

「団長さんの新しい一面、知っちゃったなあ……」

「うちだけじゃ無かったんだね……ふーん……!」

 ディアンサは微笑みを崩さず、クラリスは頬を膨らませてプイとそっぽを向いた。しかし、グランへかける圧力は共通していた。

 グランは何故二人が怒っているのかは、さすがに理解していた。伊達と酔狂の男が各コミュニティ単位で一人の女と決めていたのは、こういった事態を避ける理由もあったのだろう。

 グランは深々と頭を下げて謝罪した。二人のためなら何でもすると心から言った。だが、それでも自身へと向けられた圧力は決して弱まらなかった。

 今の団長ならば、どんな問いかけも答えてくれる。ディアンサは目標へと進みだした。

「私たち以外に、見せて、と頼んだ人はいるの?」

 正直にいないと言った。ディアンサは信じた。

「これからまた、違う人に頼むつもりだったの?」

 これもいない。グランはクラリスとディアンサで満足していた。

「どうして、私だったのかな? こういう言い方は失礼かもしれないけど、私よりも、その、大きい人、たくさんいるじゃない? OKしてくれそうな人も……」

 ディアンサの言葉に、クラリスの体がピクリと動いた。

(……団長が、うちを選んだ理由……あれ? てことは、団長が、最初にうちを選んだって、こと? うちのが、一番最初に、見たかったんだ……!)

 クラリスの心情に、今まで感じたことのなかった熱が流れ込む。

 グランは正直な答えが彼女たちの怒りを抑えるとは思えなかったが、下手につくろうことも逆効果だと判断した。

 二人のが見たかった。きっと見せてくれると思った。

「……そっか……」

 ディアンサは沈黙した。彼女もこの事象の着地点に迷っていた。

(団長さんは……私と、クラリスのことを……)

 グランは沈黙に耐え切れず、再度の謝罪を発した。

「だめ……」

 腕を組んだクラリスの謝罪拒否に、グランの顔がびくりと固まる。しかしディアンサが見るに、クラリスの顔は怒り一辺倒ではなかった。

「うち、すっごい、恥ずかしかったんだよ! 団長のためならって思って……ごめん、て思うなら、言葉だけじゃなくて……み……見せてよ……」

 なにを? とグランが問う。

(……そっかっ! その手が!)

 ディアンサは目を見開いた。クラリスは声を萎ませ、真っ赤にした顔を背けながら告げた。

「団長の……は、恥ずかしいところ……裸、う、うちにも、み、見せてよ……」

 天然、豪速球ストレートのクラリスの要求に、ディアンサはクラリスが最大のライバルだと認識した。

「うちにも、見せて。団長の、裸」

 グランはごくりと息をのんだ。当然だが、胸をさらすどころではすまないだろう。

「私も……見たいな、団長さんからの、お返し」

 ディアンサのにっこりとした微笑みに、グランは了解するしかなかった。彼女たちが、それで許してくれるならば。

 グランは鍵を閉めていいか二人に尋ねると、「いいよ」とクラリスが返答した。

 密室空間ができあがり、グランは立ち上がった。青のパーカーに茶色の長ズボンと、みんなが見慣れた服装だ。

 自分とそう年が変わらない異性に自ら裸を晒す経験は、もちろんグランにはなかった。様々な冒険と戦闘を重ねてきたにもかかわらず、グランは今、未知の緊張感に支配されている。

 グランに辱しめられているような気持ちは全くなかった。自身の欲望によって怒らせてしまった彼女たちに詫びたいのも本心だった。

 だが、いざパーカーを脱ぎ捨て、ズボンに手をかけると、足がすくむような緊張で硬直してしまった。

 思わずクラリスとディアンサを見ると、彼女たちは目を見開き、少し前かがみになってグランに注目していた。

 この場の主導権は彼女たちが握っているのだと、グランは本能で認識する他なかった。この羞恥心と得も知れぬ興奮の中で、彼女たちも胸をさらしたのだろうか。グランは思い切ってズボンとパンツを下げ、生まれたままの姿になった。

「わひゃあっ!?」

「あ……!」

 クラリスは両手で顔を覆ったが、指の間で視界を確保していた。ディアンサは、下唇から溢れ出そうだった唾液を慌てて飲み込んだ。

 グランは目を細め、口を一文字に結んで羞恥に耐えながら彼女たちから顔を横に背け、それでも体は正面を向いて堂々と立ちつくしていた。

 クラリスの瞳が、グランの割れた腹筋、太もも、そして局部へと流れていく。

(み、水着の時に見たけど……やっぱり団長、すごい体……たくましくて、でも細くて、かっこいい……! それに、あ、あれが、団長の、おち、おちんちん……!)

 ディアンサはグランの肉体と性器を目に焼きつけて、がらがらと自分の理性が崩れていくのを実感した。

(ああ……団長さん……すごい……はやく……はやく、団長さんと、団長さんを私の、私のに……)

 恐ろしいほどの視線圧だった。グランはじんわりと汗をかき始めると共に、二人の『はふぅ』という吐息を契機に、自身の男根に血液が集まり始めていくのを自覚した。

 隠すべきか、と一瞬体がこわばったが、手遅れだった。

「わ……!」

「あ……!」

 下を向いていたクラリスとディアンサの視線が、ゆっくりと上に移動していく。

(もう……だめ……我慢できない……!)

 ディアンサが腰を落とし、膝を折り、グランのもっとも禍々しい凶器にして最大の弱点に顔を近づけていく。

 クラリスの「え!? ちょ、ちょっとぉ!?」という声ももう、ディアンサには聞こえていない。

 グランは歯を食いしばった。亀頭にディアンサの生暖かい吐息が、荒いリズムでかかっている。

「ねえ、団長さん……」

 あわあわとしているクラリスを尻目に、ディアンサは一度言葉を止めた。

(これを言ったら、もう、戻れない、かも……でも)

 ディアンサは唇を気持ち突き出し、上目遣いでグランを見つめる。グランは、ディアンサに釘付けだった。

「触っても、いい?」

 どこを? などと聞き返す余裕はグランにはなかった。肯定すれば、どうなるかは容易に想像でき、性欲有り余るグランに、肯定以外の選択肢はなかった。

「ありがとう……それじゃあ」

「あ、あっ!」

 ディアンサの右手、人差し指と中指が、ゆっくりとカリ首下の竿に触れた。ピクリとペニスが震え、じんわりと鈴口から水滴が染み出していく。

「団長さんのおちんちん、熱い……」

 色気立つディアンサの微笑みと、指の感触にグランは夢中だった。初めての体験だった。

 そして想い人を性の快感に導き出したディアンサは、今まで生きてきた中でも脳が最高のパフォーマンスを叩き出していると実感していた。

「ねえ団長さん、こういうことをされたのって、初めて?」

 こくりとグランが頷くなか、ディアンサは親指と人差し指で作ったわっかに亀頭を通すと、すべての指をカリ首から竿に添えて、ゆっくりと前後運動を開始した。

「そうなんだ……じゃあ、私が、団長さんの、初めてだね。ふふ……嬉しい」

 ディアンサは心から喜色満面の笑みを浮かべた。すべてが報われて、愛する人に奉仕できる。もう止まらない。

(こ、このままじゃ、うちの、うちの団長が、とられちゃう……!)

「ま、ままま、待って!!」

(む)

 だが、ここにいるのは一人ではなかった。クラリスがディアンサの隣に座り、男根の前に顔を並べる。

 クラリスもグランをじっとりと見つめると、

「う、うちも、さささ、さわるからっ!」

 拒否権など認めない、だが、グランは一応肯定の意を伝えた。

 ディアンサの片手が包むペニスに、クラリスもまた逆方向から手を添える。

「わ、わ……!」

(こ、これが団長の……本当に熱い……!)

 クラリスがあわあわとしている最中、ディアンサはちらりと横目にクラリスを見あった後、グランを見た。グランは慌てながらも、クラリスの行為への喜びが見える。

(……ここで邪魔しても、団長さんを困らせちゃう、か。なら……)

 差をつけるしかない、ディアンサは「見ててね、団長さん」とウインクすると、唇をすぼめ、

「ちゅっ……」

 と、鈴口に口づけた。

「え、えええええっ!?」

 クラリスの絶叫にディアンサは一瞬勝ち誇り、構わず唇をどんどん前に進ませ、亀頭を口内で包み込んだ。

(団長さん……すごい顔……ふふ。ちょっとしょっぱい)

「んちゅる、ちゅう、ちゅうぅぅ」

 シコシコとしごきながら、亀頭を唇だけで甘噛みするように圧力を加え、内部でチロチロと舌先で鈴口をくすぐる。グランがたまらず声を出して震えるのを、ディアンサは喜びと共に認識していた。

(確か本では、このまま奥に咥えたりしてたけど、クラリスの指があるから、このまま。もっと強くしても大丈夫そう)

 グランの喘ぎ、じゅぶじゅぶとしたディアンサの唇の音が部屋に響くなか、クラリスの頭を支配したのは、羞恥よりも危機感だった。

(団長が……うちの団長が……団長は、うちが先に……!)

「うちも、うちにも、ちゅうううぅ!」

「んむ!?」

 クラリスは亀頭を咥えるディアンサの唇を押しのけるように、横からカリ首を咥え、無我夢中で舌をペロペロと這わせた。ディアンサとクラリスの唇が触れていたが、お互いグランのペニスを愛撫するのに必死で気に留めていない。

 ディアンサは驚嘆したが、すぐにグランの喘ぎ声が一層高くなったのを聞き逃さなかった。しかし常にグランの反応を意識していたからか、クラリスの勢いに押され、横から亀頭の半分をクラリスに咥えられてしまった。

(団長、だんちょ! うちのっ、うちのぉ!)

(すごい、がむしゃらに……! 私も負けないっ)

「はむっちゅる、ちゅるる、ちゅるる、ちゅうう!」

「んちゅる、れろっ、ちゅるちゅぱ、ちゅうぅぅ!」

 亀頭を左右から挟み、鈴口を唇で包んで取り合うクラリスとディアンサ。竿は二人が左右から指を交互に交差させてゴシゴシとしごき、グランはあまりの気持ちよさと視覚的背徳感に、脳が快楽で焼ききれそうだった。

 はたして自分は前世でどんな善行を積んだのか、そんな一瞬の現実逃避すらかき消され、ペニス一点に注がれる彼女たちの愛撫に、膝が震え、体中のあらゆる力の支えが消えそうになっていた。

 ディアンサは常にグランの表情を見ながら反応を推し量り、唇で吸い付き、下で舐め転がしては、ピクピクと震えるペニスに共振するように愛撫の強弱を調整していく。

(団長さんの気持ちいいところ、いっぱい教えてもらわなきゃ)

 対してクラリスは、ただただがむしゃらにしゃぶりついていたが、それがグランに予測しえない快楽をもたらし、カリ首をゴシゴシと下でなぞり、裏筋にしゃぶりついては、オーソドックスに鈴口を吸いこむ。

(だんちょうは、うちが、一番、好きなんだからっ!)

 ディアンサが本で学んだ基礎からグランの反応を見て応用力を高めていく傍ら、クラリスは自身の欲求に従いながらも、だれも予測できない天才的なセンスで口淫を続けていく。

 そんなフェラチオにグランが長い時間耐えきれるわけがなく、ぶちゅぶちゅと唾液と我慢汁を含んだひどい水音と共に、亀頭が二人の唇に挟み込まれると、二人の名前を叫びながら、すべてを解放した。

 ブビュルルルルル!! ビュルルルル!! ビュウウウウウ!!

「んぶぅう!? ちゅうううううううぅ!!!」

「んぼっ!? んちゅううううううぅ!」

 クラリスとディアンサはお互いの唇が亀頭を巻き込みながら激しく密着するのを気にすることなく、一滴でも鈴口から精液を飲み込もうと争うように吸引した。

 射精中だからこそ、二人争うように唇で亀頭をぬめぬめと滑って鈴口を求め、勢いあまって鈴口が外気にさらされると、飛び出した白濁液がディアンサとクラリスの顔を白く汚した。

 少しでも射精の勢いが衰えれば、今度はクラリスとディアンサの合わさった手コキオナホールがゴシゴシとしごいて、白濁液をせがむ。

「んちゅぱ、もっと、団長の、ちょうだい、ちゅるちゅうう」

「ちゅうう、団長さん、いっぱい、気持ちよくするから、ちゅぶちゅうう」

 二人の美少女が精一杯唇を縦に伸ばして、自身の射精を吸引する姿に、グランはもう何も考えられなくなる。気持ちいい、気持ちいい。

 ガクガクと膝が笑い、ビクビクと竿が悲鳴を上げる、彼女たちの吸引は徐々に勢いをなくし、分け合うように鈴口を二人の上唇で交差するように包みながら、喉奥にたまった白濁液を飲み込んでいく。

(団長の、変な味……でも、癖になっちゃいそう……好き……!)

「ん……んぐっ……んんっ……」

(団長さん、すごく気持ちよさそうな顔してる……やった……!)

「ごくっ……ごきゅ……ん……」

 陶酔したように吸い続けるクラリスと、ほのかに微笑みながら吸い続けるディアンサ。この強烈な射精体験は、グランの人生に決して消えることのない悦楽を刻み付けるものだった。もう二度と、自身の右手では満足できないほどの。

「んぷっ……ぷはぁ……はぁ……んん……」

「ちゅぷはぁ……はぁ……ん……」

 射精を終えたペニスからクラリスとディアンサが口を放すと、二人の尖った唇と亀頭との間に、白い逆アーチが現れて、ゆっくりと二人の太ももに落ちていく。

 二人それぞれが自身の喉に手を当てグランの顔を見上げながら、ごきゅっと音を出して口に残ったグランの精液を飲み込んだ。

「団長さんの、おいし……♪」

 ディアンサは倒錯的な微笑みで自身の唇を指でなぞり、

「あ、あはは……や、やっちゃた、ね……えへへ……」

 トランス状態から戻ったクラリスは困ったような笑顔をしながらも、「あっ、ちゅるん」と、上唇から垂れてきた精液の残りを舐めとって飲み込んだ。

 グランは白濁液で汚れたクラリスとディアンサを見ていると、もう一滴も出ないと思っていた柔らかいペニスが、ムクムクと力を取り戻していくのを自覚した。ごまかすようにして二人の顔を拭こうと、脱いだズボンからハンカチを取り出す。

 クラリスとディアンサも顔を見合わせると、興奮から少しだけ現実に回帰して、多少の羞恥心が戻ってきた。ハンカチを借り、グランを残して、二人で部屋内部の洗面台へ。

「……」

 ディアンサとクラリスは、鏡を見て綺麗になった顔を見て少し考えたあと、念入りに口をゆすいだ。

(私と、団長さん………)

(うちと、団長……)

 これから、一つになるかもしれない。

 グランが服を着ていいか考える間もなく、二人が戻ってくる。

 この場がここで終わるのか。いや、

(団長さんとこんな機会、絶対に逃せない……!)

(恥ずかしいけど、でも、でも、うちはもっと、団長と……!)

 クラリスとディアンサの考えは一致していた。ディアンサがジャケットを脱ぎ、クラリスがマントの留め金を外す。

 ディアンサはグランの表情をうかがいながら自身の腰のベルトを外し、クラリスが目を引き絞りながらスカートを脱いでいく。

 突如はじまった二人のストリップショーに、グランは、あっ、あっ、と乾いた息をするしかない。

 ディアンサは肌をさらす面積を増やしながら、

「さすがに触りすぎちゃったから、団長さんにも、お返しするね」

 ディアンサがグランを誘惑している。クラリスも負けじと声を上ずらせながら、

「あ、あの勘違い、しないでねっ! 団長、だけ、だから……団長なら、いい……から……」

 あれよあれよとしている間に、部屋には全裸の男と、女が二人直立していた。

 クラリスとディアンサの内ももには、汗ではない透明色の液体が垂れ始めている。

 女は二人共両手を後ろに組み、ディアンサは小首をかしげて微笑み、クラリスは恥ずかしそうに上目づかいでグランを見つめる。

 グランのペニスも、完全に硬度を取り戻していた。クラリスとディアンサの乳房、腰のくびれ、へそ、そして股間部に陰裂が見え、注目すると湿り気を帯びたようにてらてらと光を反射しているように見えた。

 グランが少し腕を伸ばせば、クラリスとディアンサを抱きしめる事ができる。自由に触っていいと、許しも出ていた。グランが欲望に身を任せようとしたその瞬間、ディアンサは、

「好き……大好きです、団長さん……」

 慈愛ともとれる微笑みと共に告げ、グランと、そしてクラリスを硬直させた。

 クラリスは一歩出遅れた事を認めつつも、臆せず本心を告げた。

「……好き……うち、は、団長が、好き……大好き……!」

 クラリスの真剣な眼差しと告白が、グランの心に突き刺さる。

 ディアンサ、クラリスからの告白、全員が裸で上気しているこの状況で、グランは、誠心誠意本心を告げた。

 選べない、ディアンサが、クラリスが、どうしようもなく好きなのだと。

 グランは言ってから、いたたまれなくなって視線を下に下げた。だが、すぐに視界を埋め尽くす二人の肌、暖かく柔らかい感触に包まれて、顔を上げた。

「今は、許してあげます」

「今だけ、だからね!」

 左にディアンサ、右にクラリスが、正面からグランの腰と腰を触れさせると、そのまま胸板へ乳房を押し付ける。男根は左右から二人の太ももの外側に挟まれ、くにゅくにゅと揉まれた。グランがまた新しい快感にうめく中、視界の中で並ぶディアンサとクラリスは、瞳を閉じ、唇を突き出してグランを待っている。

 グランは選べないと再度頭の中で叫んだ。刹那の逡巡の中で出した答えは、片腕でそれぞれを抱き寄せ、ゆっくりと同時に合わさるように、3人で唇を合わせる事だった。

「「ちゅうぅ……」」

 ディアンサとクラリスも予想はしていたのか、口づけはよどみなく行われた。グランの唇に、ディアンサとクラリスの唇が、分け合うように押し付けられる。

 それでも、柔らかい感触は3人にとって麻薬だった。

(団長さん……好き……)

(だんちょう……好きぃ……)

 口づけた状態でクラリスはさらに唇を前に押し出し、ディアンサは唇を浅く開いてグランの下唇を挟んだ。

 グランの理性は、完全にはじけ飛んでいる。甘い芳香と柔らかい肉の感触、誰もが見惚れる美少女二人を我がものとしているこの状況、それぞれ抱いていた腕は彼女たちの尻に滑り、舌を出してそれぞれ彼女らの唇を舐めまわす。

「あふっ!? だん、ちょ、んちゅ、れろちゅぱっ」

 クラリスは突然の舌に驚きながら、開いた唇から舌先を出してグランの舌と触れ合わせると、恍惚に震えた。

(あ、好き、これ、好きぃ)

 ディアンサはグランの舌を快く受け入れ、体をくねらせてグランへおっぱいを擦り付けながら、舌を突き出してグランの口内に侵入する。

「んちゅ、ふふ、団長さん、もっと、ちょうらい、れるちゅるぅ」

(これが、団長さんの味、病みつきになっちゃう……)

 三人の舌が重なり、唇がすりつきあい、唾液があふれて雫が宙を舞う。全員がファーストキスであることを忘れ、それぞれの極部が熱をもって液体を分泌していく。

(キス、気持ちいい……団長さんの熱くて、お尻も揉まれて、気持ちよくて、このままじゃ、イっちゃう……!)

(ちゅう、団長と、ちゅう、好き……好き……! 気持ちよすぎて、狂っちゃう……!)

 ちゅぱちゅぱとディアンサとクラリスはキスとグランの愛撫に溺れながら、もじもじと太ももをすり合わせて、床にぽたぽたと水たまりを作っていく。

 その度にグランの男根も二人の太ももに揉みほぐされ、我慢汁をぴゅるりと吐き出した。だが、グランは限界が来る前に、腰を引いて、ペニスを中空に保全する。

「ちゅる……」

「んぁ……」

 ディアンサとクラリスから唇も離し、全員の唾液が混ざった銀色の橋が、それぞれの舌先から伸びてた。

 グランが休憩をしたかったわけではないことは、血走った目と血管が浮き出るほどに硬度を増して天に反り返るペニスで、ディアンサとクラリスは即座に理解できた。その時が来たのだ。

「じゃ、うちから、ね?」

「はい、でも、キスはさせてね」

 クラリスとディアンサのやり取りによどみはない。洗面台に行った時に相談はすんでいた。

 グランにとってはありがたかった。彼女ら二人への好意は本当に同一だったから、順番がそのまま順列として認識されたくない。

 そして彼女たちにここまでお膳立てしてもらったからには、最高の性体験を彼女たちに届けることを誓う。グランはクラリスの膣口に亀頭をあてがいながら、入れた瞬間即射砲にならないよう、下腹に力を入れた。

 クラリスとグランは正面から抱き合い、立位の形で挿入しようとしている。ディアンサは、グランに横から抱き着いて見守っていた。

 ずぷっ……ずんっ!

「へう!? いっいぃあっ!!」

 クラリスは体を貫く異物感に違和感を覚える間もなく、一瞬の痛みを認識した後、自分も知らなかった性感帯を熱いものが押しえぐった反応で、体のあらゆる箇所から雫を分泌した。

 プシュ……プシャ……ビクン……ビクン……。

 ディアンサは驚いた。クラリスの体は液体を吹き出しながら痙攣し、整った美少女の顔が目を見開き、舌を突き出して歪んでいるというのに、それが経験したことのない性の快楽による喜びの反応だと、ディアンサは確信できた。確信したことに、ディアンサ自身が驚いていた。

「あ……ひぃい……だんちょ、だんちょおぉ……! ……んちゅう……ちゅう……」

 許容しきれない絶頂体験にクラリスはグランに助けを求め、グランから唇をつけられると、乳飲み子のようにちゅちゅうと吸い付いて離さなかった。

 対してグランも、まったく余裕はなかった。膣内は熱く、みちみちとペニスを締め上げているにも関わらず、ぐちゅぐちゅと水気をもって柔らかい。しかも締めつける感触は一定ではなく、カリ首の上には少しざらざらとした感触があり、ペニスを揺り動かさして擦り付けざるをえなかった。

 グランは自分自身の即射を避けるためにも、クラリスにキスしながら愛をささやき落ち着かせ、繋がったまま抱き上げてゆっくりと一緒にベッドに横たわった。

 クラリスは、グランの重みに安心した。愛する男に押し倒された興奮と、ゆりかごにいるような安らぎが心を満たす。

「だんちょ……えへへ、もう、動いて、いいよ。だんちょうのおちんちん、いっぱい気持ちよくなってね……大好き……ちゅ……♡」

 グランの理性が、ぷつんと切れた。

「あっんあぁっ! だんちょ、はげしっ、んあっ、ああんっ♡」

 グランが激しく体を動かす度、ぱんぱんと腰と腰がメロディを奏で、接合部とクラリスの尿道から透明色の雫がはじける。

 グランはそのままクラリスの右胸をわしづかみにして、左胸の乳頭を含み、乳輪ごと吸い上げて乳首の先を舐めまわす。

「あひっ!? だっだめぇ! そ、そんなのっ、おかしくなっちゃうぅぅ♡」

 クラリスは喘ぎ声を抑えることができず、グランの頭を掻き抱き、浮き上がった腰から両足がピンと伸びてガクガクと痙攣した。涙がとめどなく流れるが、上と下の口の涎も止まらない。体と心はグランが与えてくれる愛情とセックスで満たされ、喜びで震えが止まらなかった。

「イク! イっちゃう! だんちょっ、すき、すきぃい! んあああああああぁぁ♡」

 ビクビクビクビク! プシャアアアアアアア!!

 潮吹き絶頂が呼び水となり、膣がぐねぐねと波打ってピストンするペニスをつかんで離さず、子宮口のある奥の奥まで導き、吸い上げた。

 ビュルルルルル!! ビュルルル!! ブビュウウウウウウ!!

 グランがクラリスの乳首を甘噛みしながら、全体重を浴びせながら、彼女の奥の奥へ、腰を震わせて精液を注ぎ続ける。

(だんちょうのおちんちん……熱い……どくどく……きてるぅ……♡)

 クラリスは真っ白になった視界の中で、グランの全てを感じていた。体温、体の震え、鼓動、脈打つペニスと、ドロドロとした熱い液体。全てが自分を包み愛撫してくれているようで、愛おしくてたまらなかった。

(これが……これがセックス……!)

 ずっとグランとクラリスの隣にいたディアンサは、自分の涎があごに伝っていることにも気づかず、ぐちゅぐちゅと自身の秘部に人差し指と中指を出し入れさせていた。乳首とクリトリスがピンと張り、グランに貫かれる自身を想像して嫉妬をかき消している。

 グランも絶頂に震えながら、クラリスの乳首から唇を放し、クラリスのイキ顔を見つめた。クラリスのうるんだ瞳、あえぐ口元から液体が漏れ、それでも彼女の可愛さは損なわれず、劣情を呼び起こす色気が匂い立つ。

「あっ……はぁ、あ……だん、ちょ……ちゅう、してぇ……んちゅう……」

 グランから幼子をあやすように唇をつけあい、舌を絡める。絶頂の波が引くまで優しいキスを続け、体の硬直が解け出すと、自然と唇が離れた。グランが腰を引いてペニスを抜くと、クラリスも力が抜けた腕と足をベッドへ預ける。

「あ」

 ディアンサはグランに見つめられて自慰を慌ててやめ、女の子座りに座りなおしてグランへ正面を向いた。

 ディアンサは緊張した。もうグランの表情に、二人からフェラチオをされていた時の受け身の色がない。グランの成長速度は、ベッドの上でも同様だった。

 ディアンサの手を取り、手のひらに軽くキスをすると、ディアンサは「あっ」という声を出して一気に体に湿り気を帯びた。

 ディアンサはグランにそのまま手を引かれるに任せ、あぐらをかいたグランの上に対面座位の態勢で抱っこをされるよう体を預ける。ディアンサの下腹に、熱いものが当たっていた。

 ディアンサは微かな恐怖と多大な羞恥心を笑顔で隠し、グランの耳に唇を寄せ、誘惑した。

「よろしくね……あ・い・し・て・るぅ♪」

 ズプンッ!

「ひぅう!? あっぁああああっ!!」

 グランによって尻をつかまれ、腰を落とされる。ディアンサは肺から息を吐き出し、チカチカとはじけるような視界の中で、意識を保つのに必死だった。

(お、奥の、良いところが、押し上げられて……!?)

「だ、だめっ、すぐイっちゃ……あぁああっ!」

 グランは腰と挿入したペニスだけでディアンサの体を上下に揺り動かし、自身はディアンサの二つの母性の象徴に突撃した。左胸の乳首を咥え、軽く甘噛みしながら舌で先っぽをくすぐり、右胸で乳首から少し引っ張り上げるように揉みしだく。

「そ、そんなっ、乳首ばっかりっ、うぅっ、ぁあああっ!?」

 ディアンサは必死にグランの背をかき抱き、グランががつがつと突き上げる度、サイドポニーの髪を振り乱し、快楽にあえぐ唇の間から赤い舌先を出して、雫を宙に舞わせる。

 もうディアンサに、小細工も何も考える理性は失われていた。何も意識しなくても膣がペニスを放すまいと締まり、ぐちゅぐちゅと波打って液体を噴出し、グランにとって最高の穴になるべく形を整えていく。

「好きっ、団長さんっ好きぃい! 出してっ、中に、いっぱい、あああああっ♡」

 グランが意図して射精しようと一気に突き入れた瞬間、

 ビクビクビクビクビクビク!! キュウウウウ……!

「あっあひぃいいあぁあっ♡」

 ディアンサが絶頂して体全体が不規則に痙攣し、ペニスを放すまいとちゅうちゅうと膣全体が吸い付きながら、ディアンサの腰が二度三度と小刻みに浮いた後、一気に落ちて子宮口までしごき下ろす。

 ビュルルルルル!! ビュルルル!! ボビュルルルルルル!!

 三度目とは思えない、魂すら吸い取られてしまうかのような、喪失感と多幸感が、グランを襲う。

 グランは脊髄反射でディアンサの乳首を、痛みがともなうぎりぎりまで吸い上げひねり上げ、ただでさえ絶頂中のディアンサに潮を吹かせる。

 プシャアアアア!!

(わたし……だん……ちょうさん……と……ひとつに……♡)

「あぁー……ぁあー……♡」

 ディアンサはグランの頭を自分のおっぱいへ抱きながら、がくんと脱力してグランのうなじに顎をのせ、唾液と嬌声を垂れ流す。もう、ステージに立って歌い踊る巫女はいなかった。ただただ、性欲に溺れる雌顔をさらしていた。

 接合部からドバドバと精液と愛液の混合液があふれ、ベッドに染み付いた破瓜の赤い跡を覆っていく。

 グランはそのまま射精で力が抜けていくままディアンサを優しくベッドに押し倒し、彼女が完全に脱力したのを肌で感じると、腰を震わせて最後まで精を出し切り、体を離した。

 ごろんとグランはディアンサの隣へ仰向けに寝転がり、視界を腕で覆って呼吸を整える。3連続の射精、しかも最初は二人の口で、2回目と3回目は初めての美少女を相手にして、体力には自信をもっていたグランだったが、今は水分をとにかく必要としていた。

「だんちょー……」

 そう言いつつグランの体の半分を覆うようにのしかかってきたクラリスは、グランの腕をどけて、「んちゅう」と唇を覆い、グランの口内に舌を突き入れてべろべろと舐めまわす。グランも本能のままに、クラリスの舌と唾液を吸い上げる。

 それだけなら絶頂直後のグランにとっては愛情と癒しの行為だったが、クラリスは違った。まだグランの精液が漏れ出ている膣口を亀頭に押し付け、愛液を分泌して濡らしていく。まるでこれは私のものだと、マーキングするかのように。

「だんちょう……してぇ……♡」

 だが、息も絶え絶えのディアンサはそんな二人のやり取りを、ただ黙っては見過ごせなかった。

「んちゅう……また抱くなら、私だって……ね、団長さん♡」

 ディアンサが寝返りをうってグランのもう半分に乗っかり、グランとクラリスの間へ横入りするようにキスをする。さらに片手はグランの股下へ潜り込み、玉を揉みしだいていた。

 

 もう何時間経ったのか、グランももう、なすがままだった。抵抗する必要も理由もなかった。本能のまま硬くなっていくペニス、ズプリとクラリスの中へ入り、クラリスが一瞬半ば白目をむいて、プシャリと潮を飛ばす。

「え……えへへ、うちのここ、だんちょう専用だかんね♡」

「む、私だって団長さん専用だよ。いつだって団長さんの望みのままだから……♡」

「「ちゅうううぅ♡」」

 むちゅむちゅと二人の唇を唇に押し付けられながら、クラリスの膣内に、少し勢いを失くした精が射出される。グランの精力が失われていくのに反比例して、彼女たちは性に慣れ、またさらなる深みへと溺れ始める。

 クラリスがずれ、ディアンサが今度は上からペニスを飲み込んでいく。

 彼女たちの笑顔は深く影をさしたように淫蕩で、狩人になりはじめていた。

 ディアンサは喘ぎながらも、腰使いのコツをつかみ始めた余裕で、ぺろりと舌を出しながらグランを言葉でくすぐる。

「うら若き、乙女をっ、呼び止めて、おっぱいを見せて、なんて、ね。しかも二人っ」

「ほーんとっ。千年の恋が冷めてもおかしくないよっ」

 そう言いつつ、二人はグランの体を全身で覆うようにすりつけ、グランの口内に舌を入れるのも欠かさない。

「んちゅっ、でも、そうならなかったのは、団長さんと、私たちの、今までの積み重ね」

「ちゅぷはぁ、まったく、大事にしてよ、だんちょ」

「ふふっ、愛想を、つかされたら、いつでも、私に、甘えて、ね♡」

「つ、つかさないし! 団長とうちは、もう好き合ってるんだから!」

 二人の唾を飲み込みながら、グランはかすむ視界の中で、大事にする、と彼女たちに聞こえるようにつぶやく。

 ディアンサはにんまりと笑顔を作って腰の速度を速め、クラリスは少し目を背けて唇を尖らせるが、ほのかに微笑みを作ってグランを見つめる。

 また、グランの視界が、目をつむったクラリスとディアンサの顔で埋まる。女子特有の生温かい吐息と唾と舌と唇に溺れる。二人の愛で、ペニスも体も、乾く暇が見つからない。

「私の、だんちょう♡」

「うちの、だんちょ♡」

 

END




skebでリクエストいただきました。
読んでいただきありがとうございます。

リクエストやイベント情報などの詳細は、
活動報告、または当方のツイッターをご覧ください。
https://twitter.com/_o_fan_
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。