ヴィーラ×グラン
ソフトSMっぽいイチャラブ。
skebでリクエストいただいたものです。
今彼女が置かれている状況を二つの事柄で表すのならば、一つ一つの歩みの積み重ねと、景色を一変させる大きなきっかけ。
ヴィーラにとっては騎空団員という生活の中で、緩やかに上昇していったグランへの好意と、彼がカタリナと衝突寸前に交わしてしまった唇の触れ合い。
噴出したヴィーラ・リーリエの欲望はボンデージというレールに導かれ、もはや幸福という名の日常になりつつあった。
騎空艇グランサイファー、ヴィーラ・リーリエの団員室。夜の帳が下りて一つの蠟燭だけが火を灯すこの部屋に、一人の男性が導かれている。
「まあグランさん。いえ……”グラン”。お待ちしていました。さあ、ご遠慮なく、私の傍に……!」
グランを迎え入れるヴィーラの喜びの笑顔を見れば、アルビオンにいる多数のヴィーラファンは歯嚙みして悲しみに暮れる事だろう。
ヴィーラと愛し合うグランの笑顔も喜びにあふれている。そしてグランはよどみなく、
「はい……ヴィーラ様……!」
椅子に座って足を組むヴィーラに対して、跪き、彼女の右手の指先へ忠義の口づけを交わす。
「んぅ……♡」
ヴィーラはグランの唇の感触と、自身の支配欲求の器に雫が落ちたことに身を震わせる。
ヴィーラが身にまとうボンデージ衣装が椅子とすり合い、ベルトの貴金属部がカチャリと音を鳴らした。
「服を脱ぎなさい」
「はい、ヴィーラ様」
グランが少しだけ頬を紅潮させ、青いパーカー、ズボンを順々に脱いで肌を晒していく。
グランの優し気な面持ちとは裏腹に、割れた腹筋と機能美に特化した各部の筋肉に対し、ヴィーラは「はぁあ……♡」と吐息を漏らし、女の園をうずかせる。
全裸になったグランは期待の表情をしながら、ヴィーラに言われるまでもなく跪く。
世間から見れば異質であろうグランとヴィーラの恋人関係。そして何度も繰り返されてきた夜の営み。
今日グランは、ヴィーラの表情と仕草から、自分から彼女へ奉仕するのではなく、彼女の命令を待った。ヴィーラからアクションがあることを、グランは高い洞察力で見極めている。
「良い物を見せてあげます」
まるで飼い犬に新しい餌を見せるかのように、ボンデージ姿のヴィーラ・リーリエはグランを見下ろしながら、机の上の衣装を手に取った。
それは黒くありながら光を吸収することなく、反射して意匠の攻撃性をのぞかせていた。
「先日アルビオンで、いい物を見つけたんです。きっと、喜んでいただけると思いますよ」
ヴィーラの声色は優しく、恋人に喜んでもらえるだろうという愛情にあふれていた。
対してグランは、ヴィーラが掲げたその衣装を見た時、彼女の愛情と、高い攻撃性を感じ取って、背筋に一筋の汗を垂らした。
ヴィーラがグランに見せたのはエナメルのロンググローブと、同じくエナメルの黒いサイハイブーツ。そして目元だけを覆い隠す、ベネチアンマスク。
ヴィーラがこの衣装をアルビオン城内で見つけた時、まるで欠けていた最後のピースを見つけたような天啓を得ていた。身に着けていたボンデージのクロスベルトがギチギチと軋んだ。
それぞれがボンデージに干渉せず、肌の露出を減らすのにも関わらず、突き抜けた攻撃性とある種の美をさらに尖らせる。
(さあ、じっくりと御覧になってください)
ヴィーラは声に出さず、微笑む表情だけでグランに伝えた。まずはエナメルのロンググローブを手に取り、右手から見せつけるように身に着けていく。
(これであなたを素肌で感じることはできない……しかし、つるりとした光沢のあるこの感触は、どんな喜びをもたらしてくれるのでしょう……!)
ヴィーラの恍惚の表情だけで、グランは彼女の感情を読み取りゴクリと唾を飲んだ。グランに犬の尻尾が生えていたら、ブンブンと振り乱していただろう。
次いでヴィーラが身に着けるのは、こちらもまたエナメル素材のサイハイブーツ。まるで突き刺すために存在するかのようなハイヒールは、否応なくグランに恐怖を植え付ける。
しかしヴィーラが太ももまでしっかりと身に着けると、彼女の太ももを浮き上がらせてグランの劣情を煽り立てた。
(ふふ……きつく私の足を絞り上げて、内なる欲望を吐き出させてくれるかのよう……。あなたにも教えてあげたい……!)
黒いエナメルグローブ、黒いエナメルサイハイブーツ、そしてボンデージ。
今にも零れ落ちそうな谷間をさらす豊満な乳房と、局部のみを隠し鼠径部をさらすTバック。
手足が黒く覆われたことで、肉の浮き上がった腕から脇、太もも部分のコントラストがグランの目に焼き付いた。
そして今、ヴィーラの麗しい目元も隠されようとしている。彼女はベネチアンマスクを手に取り、
(鏡を見ながらこのマスクを身に着けた時……私は衝撃を受けました。そこにいたのは、騎士でも乙女でもない。ただあなたを躾て、支配するためだけに存在する、私は、私こそは……!)
ヴィーラがその目元にマスクをつけ、完全装備になった途端、
「女王様……!」
漏れ出たグランのつぶやきに、ヴィーラはイキかけた。
「さあ、始めましょうか」
しかしヴィーラはそんな素振りは一切見せない。女王様は決して犬に弱みを見せたりはしない。
(魔物の討伐依頼を終え、皆から称賛されるグランさん)
つかつかとハイヒールを鳴らし、跪くグランに歩み寄っていく。
(ルリアちゃんとお姉様と食事を共にし、仲睦まじく笑い合うグランさん)
激しく勃起し始めた男根を見つめ、鈴口から漏れだす我慢汁を見つめる。
(そんなあなたは今、私の目の前で跪き、情けなく勃起しながら、私に期待している……ああ……”グラン”!)
ヴィーラの瞳とグランの瞳が相対する。グランは浅く興奮の呼吸を繰り返し、背徳感と期待感を全身全霊でヴィーラに伝えてくる。
「女王様……ヴィーラ様……!」
二人の上下関係を象徴するマスクの奥で、ヴィーラは妖しく笑った。
「ふふ……このブーツの感触がどれほどのものか、こらえ性の無い犬で確かめましょうか」
ヴィーラが身に着けるベネチアンマスクは、マスカレードのマスク姿を想起させるものの、雰囲気は完全にトーメンターだった。
椅子に座ったままのヴィーラは微笑んだまま自身の頬に右の手のひらを当て、軽く右足を振り、コツンとグランの竿を蹴る。
「んぐぅ!?」
グランが呻いたのは、痛みを覚悟していながら実際には、軽く指で押されたような優しい衝撃だったからだった。足蹴にされたのと裏腹な感覚は、逆にグランの屈服欲を増幅させ、そのまま蹴られた衝撃によってひっくり返った亀のように背中を地面につけてしまう。
「うふふ……ちゅる……」
微笑みの深度を増していくヴィーラは、口内に溜まり始めた涎を軽く飲み込んだ。グランがヴィーラの望み通りに、思ったとおりに動く。
「いかがですか? 素肌でもなく、作り込みの足でいいようにされる感覚は」
ヴィーラの声色に威圧感が増していく。座ったままグランを見下ろし、裏側を晒すペニスへ、黒いブーツの底を近づけていく。
「あ……あぁ……!」
グランは未だ足蹴にされた衝撃が抜けないまま、このまま踏み潰されるかもしれない恐怖と期待に震えて、まともに言葉を出せていない。
「あら……本当に聞き分けの無い犬になってしまったみたいですね。蹴られただけでこうなってしまったのなら、もしこのまま足を勢いよく振り下ろしたら……」
「え……!?」
グランのペニスへ近づいていたブーツの底が、ヴィーラが右足を天へ振り上げたために一気に中空へ。ヴィーラのTバックに包まれた股間がむき出しになり、濃い淫香をグランへ浴びせていく。
そんなヴィーラの姿と香りに、グランは頭がピンク一色に染まり呆けてしまい、ビュルリと我慢汁を出した瞬間、
「集中なさい」
と、足を振り上げたままのヴィーラの冷たい声で現実に戻される。
「は、はいぃ!」
グランが必死に焦点を合わせなおしてヴィーラの顔を見つめると、ヴィーラはにっこりと笑って、
「この足を振り下ろしたとき、あなたはきっと、つるりとして堅い衝撃によって、情けなく液体を漏らすのでしょうね。白く粘っこくて、濃い液体を性懲りもなくドピュドピュと……」
「あ……!」
グランはペニスを踏みつぶされたことなど今までないし、予測もまともにできない。普通に考えれば、そんなことで射精にいたるとはほとんど思えないだろう。
だが、
(女王様が……ヴィーラ様が……そう望んでる! ヴィーラ様が、この、素敵な黒いブーツを履いて、足を振り下ろしてペニスを踏みつけた瞬間、僕が、射精することを……!)
「あなたのペニスは踏まれたとき、一体どんな音をするのでしょうか。あなたはどんな悲鳴をあげるのでしょうか。どんな勢いで精を吐き出してくれるのでしょうか……ドピュウ、ドピュウゥッ、と♡」
ヴィーラが唇を突き出し、「ドピュウ♡ ドピュウ♡」と射精音を艶やかな声で響かせる。
グランはそのヴィーラの仕草を見るだけで、目が血走り、射精の快楽を歯がきしむほどに期待してしまう。
(出したい……出したい! ヴィーラ様の踏みつけでっ今すぐにぃい!!)
「ヴィーラ様、ヴィーラ様! 僕は、ヴィーラ様の、望むままにぃ!!」
「ふふふ……!」
ゾクゾクとヴィーラは喜びで震え、振り上げた足の支えが疎かになる。ヴィーラは失った支えを戻そうともせず、重力に引かれるまま、
「ドピュウウ♡」
ズドンッ、という音はせず、彼女のブーツは、ペニスに当たる寸前で止まっていた。
「あえぁぁっ!? くぅううう!?」
グランは期待と予想と現実がぐちゃぐちゃに混ざった思考の中、本能で下腹に力を込め、漏れ出そうとした精液を封じ込めた。
代わりに、登ろうとした精液に押し出された我慢汁が射精のように噴出し、ブーツの底を濡らした。透明色の液体がヒールから垂れ落ちる。
「あぐっ……あがっ……!?」
グランはまだ混乱から戻ってきていない。対してヴィーラは実験を無感情に見つめる研究者のように、
「精液を出さずともブーツを汚す手段があるとは、これは盲点でしたね。射精をしたらどんなペナルティを課そうかと考えていましたが、ぎりぎり赤点回避といたしましょうか。ただし、補習は必要ですね」
ヴィーラが手のひらサイズの物体を、グランの顔の横へ放り投げる。グランが横目でそれがなんなのか認識すると、
「着けなさい」
ヴィーラはマスクから光のない瞳を覗かせながら、口元だけで微笑んで言った。
それは首輪にしては小さすぎる円形のベルト。グランはそれがどこに着けるべきものなのか、本能でわかってしまった。
(ヴィーラ様が……出してはダメだと……!)
出したい、でも出してはダメだ。でも出さないと気が狂ってしまう。でも、出してしまったら、ヴィーラ様に見捨てられてしまう。見捨てられたら、死。
グランはもう正常な判断を失っていた。我慢汁を垂れ流し続けるペニスの根元へ、ヴィーラから放り投げられたベルトを装着していく。
装着完了すると、明らかにしわが寄ってきつい縛りなのがヴィーラには見て取れた。
(ああ……♡ グランが、私と同じ縛りを……♡)
ヴィーラは軽く潮を吹きかけたが、ボンデージによって自身にかけた圧迫感がそれを許さない。
「ふふ……あはっ、あははははははは!」
ヴィーラはマスクで隠しきれない狂笑を浮かべながら再び右足を振り上げる。愛液の涎を垂らすTバックの股間がむき出しになり、グランがヴィーラの右足のヒールを視認した瞬間、今度こそ本当に、
グニュウッ!!
黒いブーツで、ペニスの裏竿を踏みほぐした。
「あゔっぁっ!!!?」
グランの体が仰け反ってピンと張り停止する。ペニスだけ、ガクン、ガクンと大きく痙攣したが、鈴口からは何も出ることはない。
「あはははは! なんて姿なのでしょう! グラン、あなたは私が見てきた中で一番……素敵な男性ですよ♡」
そう言いながらヴィーラはブーツのつま先でグリグリと裏筋を踏みつけ、かかとを下げてヒール部分で玉袋を突っついていく。
「ひぎぃぃいっ!? あっいいぃっああっ!?」
失神していたグランが現実に引き戻され、ヴィーラの愛撫一つ一つに痙攣し、涙と涎を飛ばしながら乱れ悶える。
「ああ……愛おしい……♡ 本当に、よかったです。私のこんな欲求を、いじめて壊して支配してしまいたい欲求を満たしてくれるのは、グランだけですよ……♡ これだけのことをされて、喜んでくれるあなたでよかった……あなたがいないと、私はもう生きていけません♡」
優し気なヴィーラのつぶやきに反して、足先はグリグリと強い力で上下に動いて竿から亀頭の裏を蹴りしごき、予測できないヒールの刺突が両の玉袋を襲っていく。
「あがぁあっ!? あぎいぃああっ!!」
泣き叫ぶグランにとってこれが拷問と言い切れないのは、ヴィーラの絶妙な力加減で、痛み寸前のギリギリの愛撫になっていたからだった
最初の踏みつけも勢いよく降ろしていながら、直前で急激に減速して押し撫でるように踏みつけ、今もヒール部分ですら撫でほぐすように、男性機能を決して喪失しないように配慮がされている。
だが逆を言えば、快楽だけでグランは許しを請うように泣き叫んでいる。ヴィーラがこのつるつるとしたエナメルブーツ足コキによる愛撫を、完全にマスターしていることを意味していた。
「気を失うには早すぎますっ! あなたの望みはこんなものなのですか? やっと私の体が熱く昂ってきたというのにぃ!」
そう言うとヴィーラはもう片方の足を愛撫に加え、玉を下から気付けをするように蹴り上げる。
「ぐふぅっ!?」
今日グランの顔が初めて、一瞬青くなった。どれだけ配慮された蹴り上げでも急所には変わりない。
ヴィーラにとっては計画通りだった。グランに起こった一瞬の寒気、その合間に両足のブーツでペニスを挟み込み、
「ちゅうぅー♡」
ヴィーラはグランを見つめながら中空に口づけるように唇を突き出し、唇の先から透明色の液体を垂らす。グランはその光に、目を奪われた。
「あっ……ああ……!」
トロリと落ちていくヴィーラの唾液が、寸分たがわずグランの鈴口に触れて、グランのペニス全体を生温かくコーティングしていく。
「さぁ、進みましょうか……快楽の先へ♡」
ヴィーラはぎゅっと両足に力をこめて竿と亀頭の両サイドを挟み込み、ヒールはそれぞれ二つの玉を押しえぐる。
すでに正気を失っているグランと視線が交わった瞬間、ヴィーラは自身の唾液を潤滑油にしてペニスを、しごき尽くす。
グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!
「ふふっふふふひっ、ふふははっ、あははははははは♡」
「あぎぃいっひぃいぁあああああああっ!?」
仰向けのグランの腰だけが浮き上がり、ビクビクと痙攣しながらグランは泣き叫ぶ。
もし他者がこの光景を見たら、二人が恋人同士で合意の上で行われているとは、ほとんど誰も思わないだろう。
ヴィーラとグランの、最大の理解者でもない限り。
「……ふふっ」
ヴィーラが一瞬だけグランから視線を外し、出入口の扉の隙間を見つめる。
「さあ、見てください」
ヴィーラの声のベクトルは、二つの方向に向いていた。何度気を失い、気を取り戻したかわからないグランは、懸命にヴィーラを見つめる。
ヴィーラは決して愛撫の足は休ませない。
「あぐっあがっ」
グランが狂乱した声を出しながらもヴィーラの瞳を見つめると、ヴィーラはにっこりと笑いながら、ヴィーラの右手を見つめるよう視線誘導する。
「あなたが喜びよがり狂う姿で、こちらももう我慢できません……!」
ヴィーラの右手が自身の乳房を鷲掴み、腰の括れを指でなぞり、へそを通り、下腹を経由して、Tバックに包まれたヴィーラの深い中心部へ。
ペニスを足コキする過程で大股に開いたその場所に、ヴィーラは人差し指と中指を這わし、逆のVサインを作るように広げる。
グチュグチュグチュグチュと酷い水音を立てる足コキは続いているのに、体は悲鳴を上げて痙攣しているのに、グランは涎を垂らしながら、ヴィーラの右手とその先から目を離せなかった。
「お姉様以外の有象無象などではなく、ただ一人、私にとって戦友以上の存在……愛し合うと言ったあなたに対して、私はこんな姿でしか愛することしかできません。激しく攻め立て、あなたが快楽であえぎ泣き叫ぶ姿で喜ぶ、変態ですわ……♡」
ヴィーラは言いながら、黒いパンツの前方に取りつけられたチャックに手をかける。決して女性器を傷つけず、激しい運動をしても肌を傷つけない。排泄のためではなく、生殖のためだけに備え付けられた、機能美にあふれた挿入口。
「教えてください、グラン。今のあなたは、何者ですか? ヴィーラ・リーリエが愛してやまないあなたが、一体どんな存在なのか……その口で、自らの言葉で、言いなさいっ」
足コキが早まる中、ヴィーラはゆっくりとチャックを下ろしていく。
「あっあっ僕は、僕はっ!! ヴィーラ様のっ、愛するヴィーラ様のっ!!」
「んんっ♡」
『愛するヴィーラ様』という言葉で、ヴィーラは喜びで唇を震わせる。
「もっとくわしくっ!」
ペニスの根元を縛るベルトが、バキバキと悲鳴を上げる。ペニスと睾丸がぷっくりと膨らんでいく。
「ヴィーラ様のっ、ヴィーラ様にっ! ヴィーラ様に、攻められて、責められて、一方的にいいようにされてっ! 女王様に下僕のように扱われて喜ぶっ! 変態です!!」
「はぁぁああああ♡」
ヴィーラが微笑みながら吐息を漏らし、チャックを完全に下ろし、濡れそぼる女陰を晒す。
ヴィーラが足コキを終了し、立ち上がる。いつもならばグランは、足コキを終了された時点で、
(終わった……!?)
または、
(もっと……!!)
とひどく荒い息をしながら反応するものだったが、今ヴィーラが女陰を晒して立ち上がり、自身の足首を掴んでこちらの腰を持ち上げ、彼女が腰を下ろそうとしている状況。
男として屈辱的な騎乗位、いわゆるちんぐり返しの態勢に対し、グランは期待でいっぱいだった。
「ヴィーラ様、ヴィーラ様ぁあ!」
「あらあら、あられもない顔をしてしまって……とんでもないド変態ですね」
パチンッ、と音がしたのは、ヴィーラがグランのペニスの根元を縛っていたベルトを外した音だった。
「あっがっ!?」
グランは今日最大の力を下腹に込め、高まる奔流を押しとどめる。
(今絶対に出しちゃダメだっ、絶対に出しちゃダメだああ!!)
「そして……そんなあなたに魅せられて仕方がない……私も同じ」
ヴィーラはベネチアンマスク越しの紅い瞳でグランを射抜きながら、ペニスに対してはたっぷりと湿った女陰の入り口でキスをして、
「変態同士、変態的な交尾で子供を作りましょう♥」
マスクで隠せない淫らな狂笑をしながら、一気に腰を振り下ろし、奥の奥までペニスを絞り上げた。
ズプンッ!!
「ぁっ!?」
ボビュウウウウウウウウウウウウウウウウウ!! ビュルルルルルルル!!!
「あっはぁあああああああんっ♡」
ビクビクプシャアアアアアアアアッ!!
膣内を圧迫するようにぷっくりと膨らんだペニスから、爆発するように精液が噴出し、ヴィーラの子宮を染め上げて白く満たし、ヴィーラはゴクゴクと飲み干すように肉の坩堝を脈動させて、接合部から一滴も精液を逃さない。
「んっ♡ くふぅっ♡」
とヴィーラは絶頂潮吹きで表情を歪ませたものの、喘ぎ散らかすグランを見下ろして、
「なんてひどい早漏なんでしょう……! これからが本番だというのに、そんな調子で私を満足させられるのですか!?」
ヴィーラは腰を半回転させ、膣圧に捻りを加えて搾り出す。
ブビュビュウウウウ!!
「ぎひぃ!? ごっごめんなさいヴィーラさまぁ! でもっでもぉ!」
射精中にも関わらずヴィーラが激しく腰を振り乱し始め、グランは壊れた蛇口のように精液を出し続けるしかない。
少しだけ優し気な笑顔のヴィーラはグランの足首から手を離し、グランの顔を両の手のひらで包むと、
「ふふ、でも今は、その早漏っぷりを強制する必要はありませんね。今日は、危険日ですから……♡」
「なっ!?」
グランの一握りの理性から思い出された記憶からすれば、今までは多少なりとも避妊でできることをしてきたつもりだった。だから、このヴィーラの発言は決して、セックスを楽しむためのエッセンスではない。
ヴィーラは本気だ。
「あなたというマゾの変態が、私という変態にドピュドピュと射精して、子宮を犯し受精させているのですよ♡ さあ、何人でも孕みますから、グランの早漏チンポからドピュドピュ出しなさいっ♡ んちゅううう♡」
ヴィーラが激しくグランに口づけて舌を吸い込み、バチュバチュバチュバチュと音を立てて腰を上下に振り、射精しっぱなしのペニスからさらに搾り取っていく。
ドビュウウウウウウ!! ドビュルウウウウウウウ!!
「んちゅはぁん♡」
ヴィーラは唇を離すと、今度はグランの唇を舐め上げながら、
「れろちゅぱ♡ んちゅれろちゅぱ♡」
と、グランに喋れるだけの余裕を残すキスを繰り返す。それだけで、グランはヴィーラが何を望んでいるのかわかった。存分にその通りにした。
「あっう、ヴィーラ様、ヴィーラさまぁ! 早漏で、ごめんなさい! 情けないチンポでごめんなさい! でもっ、その分、たくさん出して孕ませますからっ、ヴィーラ様と僕の子を、孕ませますからああ!!」
「んちゅはぁああああああっあむちゅうううううう♡」
ビクビクビクビク!! プシャアアアアアアアア!!
ヴィーラが深々と口づけて勢いよく潮を発射し、グランの体をビチャビチャにしていく。
同時に極大の絶頂をした膣内は万力のようにグランのペニスを締め上げ、
ブビュビュビュウウウウ!! ドビュルルルルルル!!
「んっんぁっ」
グランは白目を剥いて痙攣し、魂ごと捧げるかのように精をヴィーラへ送り込んでいく。
「んちゅううう♡ んんちゅううう♡」
そんなグランをヴィーラは愛おしそうに薄目を開けて眺めながら、腰の速度を落とさず、また絶頂の刺激でグランの意識を呼び起こしに行く。
「んぐぅう!?」
バチュンバチュンバチュンバチュンバチュンバチュン!!
グランの瞳に光が戻るが、すぐに快楽に溺れて涙を流しながら、すがりつくようにヴィーラの唇と舌を吸引してくる。
「んちゅぷはぁ♡ れるちゅるちゅるるる♡」
ヴィーラもグランの愛情表現に興奮しながら溺れ、すぐに熱いディープキスを返しながら、腰の速度をさらに速めて、絶頂痙攣の膣圧でペニスをしごき絞る。
ビクビクビクビクプシャアアアアアアアア!!
ドプドプドプドプ!! ブビュウウウウウウウウ!!
「んんちゅうう♡ あむちゅる、もっと、らしなさい♡ はらませてっあむちゅうううう♡」
「ん……ん……ん……」
ドビュウウウウウウ……ドビュウウウウウウ……。
グランは一瞬だけ、ヴィーラとの子供がいる幸せな家庭を幻視した。しかし、今グランが望むのはそれではない。
(女王様……ヴィーラ様……!!)
いつまでも愛する主に、奉仕していたい、激しく愛撫されていたい、全てを捧げていたい。
何もかもをヴィーラに支配され満たされる今この瞬間が、ただただ幸福だった。グランの全てだった。
もう、グランの心体に自由意志はない。ただヴィーラの愛情に搾り取られ、全てを捧げるだけの命。
「んちゅううううううう♡」
ビュルルル!! ビュルルル! ビュウウウウウウウウ!!
ヴィーラとのキスハメ絶頂がいつまでも続く。彼女の喜びと自分の喜びが完全に一致しているこの瞬間、グランにはもう時間と空間の概念すらない。
この瞬間だけが、全てだった。
ビュク……ビュク……。
数秒か数分か、はたまた数時間経ったのか、ヴィーラもグランも把握していなかった。
ただ現実として、二人の絶頂のピストン運動が終わりに差しかかり、グランのペニスが硬度を失うにつれ、接合部の隙間から愛液と精液の混合液がドバドバあふれ出してきている。
しかし、唇と舌は激しく絡まったままだった。
「あふちゅる……♡ れろちゅぱ……♡ ……ふふ、ちゅぅ♡」
半ば意識を失っているグランに対して、ヴィーラは騎乗位でのしかかりながら、何度も唇を尖らせ、舌を振り乱し、愛おしそうにディープキスを繰り返す。
「んちゅううう♡ ちゅぷはぁ……はぁ……素晴らしかったですよ……ふふ……♡」
ゴポリと硬度を失ったペニスがヴィーラから抜け出ると、ヴィーラは息を吐きながらグランの頭を撫でる。
意識が混濁していたグランも多少現実に戻り、ヴィーラの称賛に感激していた。
「は……はいぃ……ヴィーラ様……!」
行為中は激しく攻撃的でも、ヴィーラの根底にはグランへの甘くとろけた愛情がある。グランが望めば、その面でもヴィーラは満たしてくれた。
ヴィーラはグランと愛し合っている現実とこれからの未来を想い、心から微笑んでグランに告げる。
「たっぷりとあなたの白い欲望を注いでいただきましたから、あなたとの子を孕んだかもしれませんね……♡ 私とあなたとの愛の結晶、楽しみですわ♡」
「は、はいっ! ヴィーラ様! 僕も楽しみですっ!」
「ふふ、ちゅ♡」
ヴィーラは嬉しそうにグランへ口づけると、わざとらしく自身の口元に人差し指をつけて「あらあ?」と首をかしげ、
「孕んだとしたら、安全に出産のときを迎えるためにも、このように激しく愛し合うことは、控えなければなりませんね」
「え」
グランの表情が固まる。ヴィーラは気にした風もなく言葉をつづけ、
「十月十日(とつきとおか)は安静にしなければなりませんし、医師の方とも相談して、一時的にどこかの島で安静にする必要もあるかもしれませんね。ふふ、でもあなたとの愛の結晶を安全に出産するためには、いかなる努力も惜しみません、ちゅ♡」
「は……はい……! ……う……」
グランの表情は、ヴィーラが笑ってしまいそうなほどグチャグチャだった。彼の思考が手に取るようにわかる。
(ヴィーラ様が、僕との子を確実に安全に生みたいと言ってくれてる……! 嬉しい! 最高だ! ……けど、十月十日!? そんな長い間、我慢しないと……この時間を……我慢……!?)
我慢なんて、できるはずがない。グランはもうすっかり調教されて、オナニーでイクことすらできなくなっている。ヴィーラ様が、支配してくれなくなったら……。
「ふふ……そんなにおあずけされたら、狂い死んでしまいますか?」
「……は、はい! っ!? あっ、いや」
さすがにまずいと思ったグランが慌てて取り繕うとするが、ヴィーラは優しく微笑み、
「ふふ、そうですね。私ができなくなったとき、グランを満たしてくれる”主(あるじ)”。グランを愛し、調教し、支配する新しい存在が、必要になりますね……」
「……?」
グランが疲労で混濁する意識の中、ヴィーラのつぶやきの意図を完全には読み取れなかった。
ヴィーラが流し目を送ったその先に、扉を隔てて”誰”がいたのか。
『グラン……♡』
『ヴィーラさまぁ……!』
「……っ……」
カタリナは首を振った。あの光景を扉の隙間越しに見てしまってから、もう数日は経つというのに。
今は依頼を終えて夜、あとは自室で休息をとるだけなのに、ふとした時に、あの二人の光景が脳裏に焼き付いて離れない。
(思えば、あの時だ。彼のことを意識してしまったのは……)
カタリナが想起するのは、ある日食堂で転びそうになったルリアを、グランと共に支えた瞬間。ルリアの体を抱きつつ、宙に舞った食器を掴んだため、同じことをしようとしたグランとの距離間にまで頭が回らなかった。
『チュッ』
ルリア、食器は全て無事だったものの、グランの唇はカタリナの頬に、カタリナの唇はグランの頬に触れていた。また、グランの手の指の端が、食器を掴みつつも、カタリナの胸と尻の端に触れてしまっていた。
そのことについて、カタリナはグランに対して決して恨みはない。わざとそんなことをする男ではないと心から信頼していた。
だが、真っ赤になった彼の顔と、
(私が、彼に、き、キスを……それに、彼の唇が……私の……頬に……!)
二つの柔らかい感触が、しばらく頭から離れなかった。グランを意識してしまっていた。
どこか、喜んでしまっている自分がいた。
その矢先に、ヴィーラの部屋を訪れた際に遭遇した、二人のあの行為。
(まさかヴィーラ……君が、よりによって……グランと……。しかも、あ、あんなやり方で……!)
色恋に疎いカタリナにとって処理しきれない情報の波。また今夜も、一人で悶々と処理するしかないのか。
そんなカタリナが、自室のドアノブに手をかけた時だった。
「お姉様」
「!? あ、ああヴィーラか。何か用か?」
いつもと変わらないヴィーラと、そわそわと挙動不審を隠せないカタリナ。
周囲に二人以外の人気はない。まるでここだけ温度が低くなったように静かだった。
カタリナは先ほどの想像のせいでヴィーラを直視できず、数秒視線を外した。しかしヴィーラが返答しないので視線を戻すと、自身の正面にいたヴィーラが消えており、
「私と”グラン”の情事、いかがでしたでしょうか?」
「!?!?」
カタリナの真横に移動していたヴィーラが耳元で囁く。
(い、今グランって……!)
カタリナが恐怖と戸惑いで反射的に距離を取ろうとするが、ヴィーラはがっしりとカタリナの腕を抱える。
「私とグランの甘い絆を、お姉様は見届けたのでしょう? でしたらお姉様には、素質があります。ドМで支配されるのが好きでたまらない”グラン”を喜ばせる、素質です」
「な、何を言って……!」
カタリナは言いながらも、強烈な記憶がもう呼び起こされている。苛烈に攻めるヴィーラと、喜び喘ぎ泣き叫ぶグランの姿。
まくしたてるヴィーラの口調が、カタリナの感情と欲望を激しく揺さぶりだす。
「お姉様は最後まで目を離さず行為を見届け、”グラン”を辱しめる行為を繰り返す私を詰問することもありませんでした。なぜか? それはお姉様が目覚め始めているからです。私と同じ、”グラン”を愛し、可愛がり、男としての尊厳を根から踏みにじる喜びをっ!」
「ち、ちがう! わたしは、わたしは……!」
「いいえ、お姉様。何も恐れることはないのです……!」
スッとヴィーラが離れると、カタリナの目の前に、黒い衣装が差し出される。
「あっ……ああっ……!」
それをカタリナが見た瞬間、想像してしまっていた。自分がそれを、黒いボンデージを身に着ける姿を。跪くグランの姿も。
「お姉様の体躯に合わせた一品ものです。こちらこの前アルビオンを訪れた際、シュヴァリエに導かれて見つけた指南書もあります……。フフ……迷うことも、押さえつけることもないのです。だって、グランと私はこんなにも幸福なのですからっ!!」
ヴィーラが見開いた瞳と歪んだ唇で狂笑しても、カタリナの視線はボンデージにのみ向けられていた。
苛烈なだけではない、ヴィーラは甘い誘惑をかかさない。
「お手伝いさせてください。お姉様の幸せを叶えるために。……お姉様でしたら、正妻の座を譲るのも、やぶさかではありませんよ♡」
「……!? …………」
(私の、幸せ……)
ヴィーラと共に歩む先に、彼がいる。アルビオン発祥の、この黒い衣装が導いてくれるのか。
カタリナの震える手が、徐々にボンデージへと近づいていく。
「一緒にグランを支配しましょう♥ それが彼の願望であり至高の悦びなのですから♥」
囁くヴィーラの微笑みに倣うように、カタリナの唇はゆっくりと、下を向いた三日月型に歪み始めている。