※この作品はR-18です。

SS above the sky   作:o-fan

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前話『紺碧のアスター』の直接の続編です。

カタリナ × グラン
ちょっぴり ヴィーラ × カタリナ の百合セ有り

カタリナ女王様がドMグラン君をいっぱい搾り取る話。

skebでリクエストいただきました。ありがとうございます!


まさぐりダフネ・オドラ

『カタリナさん、ルリアとビィのこと、お願いしますね。カタリナさんがいるから……安心して僕は前に出れます』

『カタリナさんに認めてもらえるなんて……! へへっ、これからも僕は皆を守って見せます! カタリナさんのことも!』

 カタリナの記憶の中のグランには、カタリナへ跪くような下僕の姿はない。

 ヴィーラとグランの関係を見てから、カタリナの妄想の中で具体的なグランの姿は思い描けている。

 あとはいかに現実にするのか。

(私は彼の、女王様になりたい)

「考えても、せんの無い事なのかもしれないが、聞いてもいいだろうか?」

「なんでしょう?」

「グランのことだ……」

 カタリナはそうつぶやくように言うと、目線を伏せ、ベッドを椅子にして座った。

 場所はグランサイファー、ヴィーラの部屋、時刻は夜。

 ヴィーラとカタリナは部屋で二人きり、しかもこれからベッドでお姉様とすることを想えばヴィーラは恍惚として仕方なかったが、未だ悩みの多い表情をするカタリナを見て、表情筋を引き締めた。

 カタリナとヴィーラは部屋着の軽装、鬼気迫った状況ではないが、カタリナには幾分か緊張がある。

「私はグランと……新しい関係になりたい。ヴィーラ、君とグランが愛し合っている関係だとわかっていてかつ、君が私の事を想ってくれていることを利用しようとしている。とてもいやしい手段を用いようとしていることを、まずは謝罪させてほしい……」

「お姉様……それは間違っていますわ」

「え……?」

 カタリナの隣に座ったヴィーラが優しくカタリナの手を取り、あやすような声で、

「私ヴィーラ・リーリエの喜びは、カタリナお姉様の喜びですわ。お姉様の望みを手助けできること、秘密を共有できること、私が愛する人を、お姉様が愛したいと思うこと、全てが私の喜びなのです。もし、お姉様がヴィーラ・リーリエの事を気遣い、想ってくださるのでしたら、どうかお姉様自身も欲求を我慢したり、遠慮したりなさらないでください。お姉様の幸せのため、お姉様が彼のことを手中に収める手助けをさせてください。もし勇気が必要でしたら、私はお姉様の手を取り、新しい一歩を踏み出せるようお導き致します」

 ヴィーラの真摯な声色と真剣な表情を向けられ、カタリナは心が温かくなり表情も柔らかくなる。

「……ありがとうヴィーラ。君が傍にいてくれることほど、頼りになることはないな……。では……その、そろそろ、いいだろうか?」

「はい♡」

 ほんのりと紅潮するカタリナとヴィーラの頬。カタリナの唇は緊張で一文字に結ばれ、ヴィーラの唇は三日月形の微笑みを浮かべている。

 今からカタリナは、ヴィーラから性の施しを受ける。

 衣服を脱ぎながらカタリナの脳裏に去来するのは、首輪をつけて四つん這いのグランと、それを椅子にするボンデージ衣装のヴィーラの二人。

 妄想が進むと、ヴィーラの姿はカタリナへと変わり、グランはカタリナへ犬のように舌を出しながら服従の眼差しを向けてくる。

(……この衣装とグランとヴィーラの姿にあてられて、私にこんな欲望が生まれてしまったのか。それとも、私が元々こんな、いやしい想いを彼に抱いていて、きっかけにすぎなかったのか……)

 卵が先か鶏が先か、カタリナは堂々巡りの思考を繰り返す。

 無駄とわかっていても、迷いと戸惑いは消えてくれない。魂まで騎士として生きてきたカタリナからすれば無理のない事だった。

 対してヴィーラは、今からカタリナとベッドの上で行うことについて期待と興奮を抑えることができず、息は荒くしつつ、限界ギリギリのところで優雅な所作を保って、俊敏に衣服を脱ぎ去っていく。

 現れたボンデージ姿のヴィーラに、カタリナは息を呑んだ。

 騎士として均整の取れた肉体をしていながら豊満な乳房と尻、黒光のボンデージは肉を浮き上がらせてギチギチとベルトからきしむ音が聞こえてくるかのよう。

 ヴィーラ・リーリエは火照った体を惜しげもなく披露しつつ、カタリナの頬を手のひらで包む。

 カタリナとヴィーラが触れ合う距離を詰めるにつれ、ヴィーラは微笑みを消して理性を持った真剣な表情に変わっていった。

「お姉様……。お姉様が私と同じ欲求を抱き、彼と新しい関係を築くため、私に頼ってくださったこと、本当に嬉しく思います。このヴィーラ・リーリエ、全身全霊をもって務めさせていただきますわ」

 ヴィーラの真剣な声色は、桃色ではない緊張感をもっており、カタリナは思考が冷静になる。

「ああ……よろしく頼む」

 カタリナは意を決して自身の衣服を脱ぎ去り、ヴィーラと同じボンデージ姿をさらす。

 部屋に咲いた黒百合の花二輪。カタリナは一瞬ベッドの方に視線を移し、再びヴィーラの方を見た。

 今からヴィーラとカタリナは、同じベッドの上で行為の及ぶことになる。

 それを想えばヴィーラは興奮で頭がどうにかなりそうだったが、今回の主目的を頭で理解していたために、極めて理性的に行動していた。

(すべては、お姉様と、”グラン”のために)

 黒いボンデージ姿のカップに包まれた二人の豊満な乳房が、正面から浅く触れ合う。ヴィーラの声色は落ち着いていて、まるでアルビオンで教鞭を取っているかのよう。

「お姉様とこうして寝所を共にできる事、心から嬉しく思います。しかし、お姉様の本音ではないことも、存じ上げております」

「ん……? 私の、本音?」

「ええ。無理に言葉にしていただく必要はございません。お姉様の本当の欲望を呼び覚ますには、言葉は無用です。相手を蹂躙し、心まで支配して、愛の沼につかる……体と体の触れ合いでしか、学ぶことはできません」

 カタリナは羞恥を置き去りにして、生徒のように真剣に耳を傾ける。カタリナ自身がグランを具体的にどうしたいのか、どんな関係になりたいのか。大目標はあれど、それに到達するまでの点と線が抜け落ちている。カタリナの想像力にも限界があった。

 ヴィーラもそれを見抜いてる。カタリナの点と線を具体化するには、

「これからお姉様には、愛し愛されるもの、ご主人様と奴隷の愛の睦み合いを体感していただきます。しかし……あえて愛と快楽を満たさないよう、天井に触れるギリギリの行為の連続になることはご了承ください。あくまで訓練ですので」

「わかった。君が女王様で……私が、その……」

「はい、そういうことになります。合言葉を決めておきましょう」

「合言葉?」

「もし、不測の事態などで中断してほしい場合の合言葉です。お姉様に万が一のことがあってはいけませんから。行為とは無関係であることがすぐにわかる、固有名詞のものがよろしいですね」

「そうか……では、ルカ・ルサでいいか?」

「お姉様の剣の名前ですね……かしこまりました。では、始めましょう」

 ヴィーラの手のひらが、ゆっくりとカタリナの頬を包み込む。

 ぴくん、とカタリナの体が震えた。カタリナの頬が赤みを増し、ヴィーラから瞳をそらす。

「ちゅ……」

「んん……!? ん……」

 ヴィーラはそんなカタリナへ、不意打ち気味に唇を奪った。ボンデージに包まれた二人の乳房が触れ合い、腹部のベルトが跳ねるようにぶつかって、カチャリと金属音を響かせる。

(ああ……! お姉様の麗しい唇とついに……! このまま幸せで果ててしまいそう……♡)

 対してカタリナは一瞬驚いた表情を見せた後、目を引きしぼり、興奮と戸惑いで思考する余裕すらない。

 そんなカタリナの姿を唇でヴィーラは感じとり、冷静に思考を進める。

(緊張で思考もままならないご様子……女王と奴隷の刺激よりも前に、まずは快楽に慣れていただきましょうか)

 ヴィーラは薄く目を開き、カタリナの日中の姿を思い出す。

(お姉様が、グランさんを悩まし気な表情で見る日々を……私が終わらせてさしあげます。私のように笑い、グランさんを共に支配するために……♡)

「んん……お姉様、まずは相手の唇の感触を味わってください」

「ん……あ、味わう?」

「はい。私の唇、いかがでしたか? 感想を言葉に出して、聞かせてください」

 いやらしい行為の節々を言葉に出して自覚させる、言葉責めの手始めだった。

「そ、そんなこと言われても……」

 ヴィーラの圧力は緩いが、それでも生真面目さがうかがえる声色で、

「必要なことですわ。言葉で飾ろうとするのではなく、お姉様が感じるままで構いません。ちゅう……」

「んん……!」

「ん……さ、お姉様」

 ヴィーラはカタリナを正面から至近距離で見つめたまま。こういった場面では、『真面目さ』で攻めた方が効果的と、ヴィーラは理解していた。

 カタリナは一瞬ヴィーラと視線を交わらせた後、少し下を向いて言葉を紡ぎ出す。

「……柔らかくて、不思議な気持ちだ……。ふわふわと、現実感がない。嫌なわけでは決してないんだ。思ったよりも水気が多いな……。ドキドキしているよ、ヴィーラ、君と口づけたことに……」

「では、もう一度……はむっんちゅ……ちゅる……はぁん……♡」

 ヴィーラはカタリナの首に手を回し、深々と口づける。カタリナは受け入れるように体を硬直させ、後ろに下がりそうになる頭を止めた。

 ヴィーラとカタリナの唇がすれ合うように上下に動き、高い湿度で水音が漏れ始める。

「お姉様、いかがですか? お聞かせください……んちゅ、ちゅぱ♡」

 返答するカタリナの吐息も、生暖かくなってきている。

「んちゅ……んん♡ はぁ、ヴィーラの唇が、暖かくて、甘い味がする……すれ合わせるほどに、もっとこうしたいと……」

「ふふ……お望みのままに……んちゅ、ちゅるちゅぱ♡」

「んあっ♡ んちゅ、はぁあ♡ ちゅるちゅううぅ♡」

 二人、キスの甘い心地に浸った。ヴィーラの唇がカタリナの唇を甘噛みし、カタリナの唇が薄く隙間を開けてヴィーラの唾液を吸い取る。

 ボンデージの金具がカチャカチャと音を立ててさえずり、二人の乳房が合わさって形を変え、濃い雌の香りが充満していく。

 ヴィーラは目を細めてカタリナとのキスにトリップしそうになったが、すぐに当初の目的を思い出してキスを中断する。

 二人の突き出た唇の間には、銀色の橋がかかっていた。

「あっ……」

 カタリナの物欲しそうな吐息が漏れる。ヴィーラは沸き立つ嗜虐心を必死で抑え、余裕のある微笑みを保つ。

「お姉様……私とお姉様が求める絶頂に至るためには、相手の欲求を引き出し、しつけ、支配する必要があります」

「支配……」

「引き出し方は様々です。例えば……」

 ヴィーラがカタリナの太ももの内側に指を這わせる。

「ひゃん!? くっ……あっ……!」

「相手の湿り気を帯びた場所がどこなのか、どんな風に触ってほしいのか……」

 ヴィーラの指がカタリナの内ももを垂れる汗をすくいながら、黒いTバックに包まれたカタリナの秘部へと向かう。

 ヴィーラはカタリナの頬に「ちゅっ」とキスをしたあと、耳元でささやく。

「お姉様、想像なさってください。今お姉様が触ってほしいところ、口づけてほしいところ、愛をもって撫でてもらい、今まで至ったことのない高みに至れる場所は……」

 カタリナの股間部を覆う黒革製のTバックには、縦に開くジッパーが備えられている。

 ヴィーラは慣れた手つきでジッパーをなぞり、陰核があるであろう位置をピンと人差し指で弾いた。

「ここではありませんか?」

「くぅうっ!?」

 電流が走ったかのようにカタリナの体が震えて縮こまり、ヴィーラの腕の中にすっぽりと収まった。

 あるいはこのままカタリナがヴィーラに手籠めにされてしまいそうなシチュエーション。しかしヴィーラは狂恋に身を落としながらも、どこまでも献身的だった。

 息も絶え絶えなカタリナに対し、ヴィーラは導きの言葉を続ける。

「お姉様。お姉様が最初に思い描いていたことを、どうか私のこの行為と繋げてくださいね」

「!」

(……そうだ。ヴィーラに撫でてもらって、気をやってしまってる場合じゃない。私は、この攻め手を学んで、グランを……!)

「……続けてくれ、ヴィーラ」

「はい♡」

 顔を上げたカタリナに対しヴィーラは鼻をすり合わせ、行為を再開した。

 ヴィーラは人差し指でカタリナの股間を軽く押しながら、

「さあお姉様、私には全てわかっています。お姉様が今何を望み、何を期待して欲しているのかを。わかってはいますが……一応確認をさせてください」

「か、確認?」

「はい。お姉様の口からおっしゃってください。お姉様が今私にしてほしい行為、その具体的な手順を、お願いいたします。んちゅ……♡」

「んん‥…!? ん……♡」

 ヴィーラの唇だけの優しいキスを、カタリナは呼吸をするように受け入れた。再度深呼吸をするようにするとヴィーラから唇が離れ、カタリナの眼前にはヴィーラの微笑みが浮かぶ。

(続きは、お姉様が返答してから)

 ヴィーラの表情からカタリナは言葉を読み取り、唾を飲んで脳をフル回転させる。

 最初に浮かんだいやらしくも純粋な言葉を、カタリナは逡巡の後に発した。

「愛撫してくれ……君の、ヴィーラの唇と指で、私の、深い部分を……!」

「ヴィーラ・リーリエは、お姉様の望むままに……♡」

 抽象的で気品を失いきっていないカタリナの言葉でも、ヴィーラにとっては十分以上の合格点だった。

「んちゅる……ちゅぱはぁん……♡」

 ヴィーラは嬉々としてカタリナの唇を奪い、カタリナの陰部のジッパーを下ろし、ゆっくりと露出させていく。

 女性特有の淫香が広がり、とろりと粘度をもった液体が、カタリナのクレバスから漏れ出ていく。

「ふあ……あ……!」

 カタリナの唇がヴィーラの唇に触れながらも、隙間から羞恥の吐息が漏れた。

 ヴィーラの指はカタリナの性器の入り口を円を描くようになぞった後、ゆっくりと中へ侵入していく。

「あぁ……あっ……!!」

 ボンデージ姿のカタリナが、ボンデージ姿のヴィーラへと縋りつく。

 ヴィーラは唇でカタリナの唇を再び塞ぎながら、繊細な楽曲をピアノで弾くような指先でカタリナの中を押し撫でていく。

「ちゅる……♡ ふふ、お姉様の中、熱くて柔らかくて、私の指を抱きしめてくれます♡ お姉様の香りもトロトロとした雫も、どんどんあふれて……♡」

「くぅああ!? い、言わないでくれっヴィーラぁ! あむんちゅうう!?」

「んちゅ♡ ちゅるちゅぱ♡」

 征服するかのようなヴィーラのキスと手淫がカタリナを襲う。

 ヴィーラの唇から舌が飛び出してカタリナの中へ侵入し、カタリナの舌と絡み合うと、二人の唇の接合部から泡が漏れ始める

 カタリナのヴァギナにはヴィーラの人差し指が第二関節まで入り込み、指の出入に合わせてカタリナの下腹から痙攣し、透明色の雫が宙に飛んだ。

「あふっちゅるっヴィーラっ♡ ヴィーラぁ♡ あむんちゅぅうう♡」

 既にカタリナの心体からは抵抗の色が消え、ヴィーラの体を掻き抱いてなすがまま。

 ヴィーラは浅く瞳を開きながら、カタリナの悶える姿を目に焼き付けて、興奮の中、理性的にカタリナを響かせて高めていく。

(お姉様の感じる場所、鼓動、愛情も、全て私の手の中にあると錯覚してしまう程に、甘美で刺激的で耐え難い……! ですが)

 ヴィーラは唇と舌と手の動きはそのまま、瞳を閉じる。

 カタリナの性の沸点が迫っている。カタリナがヴィーラを求め、焦がれ、体の奥から生暖かい愛の証を決壊させようとしたその時、

「ちゅ……ここまでです、お姉様」

「えっあっ!? ヴィ、ヴィーラ!? なぜ、そんなっ」

 キスが終わり、カタリナの膣からヴィーラの指が引き抜かれる。カタリナの表情は興奮を保ったまま焦りと疑問の色。

 しかし、慈愛ともとれるヴィーラの微笑みを見てカタリナは、今二人で行っている性愛が何のために始まったのか再認識し、ヴィーラがなぜ中断したのかを理解した。

 カタリナは恥ずかし気に視線を下にして、

「す、すまない……そうか、こういうこと、なのだな……ありがとう……」

「はい、お姉様。お姉様がグランさんを愛する姿を、今一度想像してみてくださいね」

「……ああ、そうだな……」

(彼を……グランを、支配する。今ヴィーラがしてくれたように、攻めて焦らして、懇願してくるように……)

 カタリナがシミュレーションに入ったのをヴィーラは確認し、カタリナから体を離した。

 ヴィーラ自身、よく中断できたと自分を褒めていた。しかし、SとMの心得を説くための睦み合いとしては、

(少し優しすぎて、普通の行為になってしまいましたね。ですが、お姉様なら、心の支配の仕方さえわかればきっと……)

「あなたを、共に支配できると信じていますわ」

「……? ヴィーラ……?」

 明らかにカタリナに向けられたわけではないヴィーラのつぶやきに、カタリナは疑念を抱いでヴィーラを見つめた。

 ヴィーラはベッドから立ち上がり、ツカツカとハイヒールをならしながら、部屋の隅に置かれているクローゼットへ迷いなく歩いて行く。

 ヴィーラは自身の頬に手をあて、口を三日月型に歪ませて微笑む。

「まあ、なんということでしょうっ。お姉様と私の秘密の逢引きを覗き見る、不埒な輩がいらっしゃいますわ!」

「なっ!? えっ!?」

 カタリナは驚愕の表情で、ヴィーラの目の前のクローゼットを見やる。クローゼットのわずかに空いた隙間から、人の形がぼんやりと浮かんでいた。

「ル、ルカルっ!? あっ!?」

 混乱するカタリナの発言は、ヴィーラによって勢いよく開け放たれたクローゼット、その内部の光景によって中断された。

「ふっー……! ふっー……!」

 膝立ちにして全裸、両腕は背中に回されてベルトで拘束され、ボールギャグで涎を垂らしながら息の荒いのぞき魔は、ヴィーラとカタリナが愛してやまない唯一の男。

 目を血走らせながら男性器を天へと反り返らせる我らが団長、グランがそこにいた。

「ぐ、グラン!? な、ヴィーラこれは一体……!?」

「ふふ……」

 ヴィーラは微笑みをカタリナへ一瞬向けた後、すぐにグランへ向き直る。

 グランを見下ろすヴィーラの表情は、影が深く瞳は暗く、愛情を伴いながらも強烈な威圧感が備わっている。

 グランは涙目になりながらヴィーラを見上げている。

 なぜグランがここにいるのか、ヴィーラは全て承知だったのか。

 状況に混乱するカタリナの疑問が解消されないまま、ヴィーラは欲望を進めていく。

「まあ、なんて醜い姿なのでしょう……。お姉様と私の蜜月を覗き見しながら、おぞましい男根を反り返らせて、一体何を期待しているのですか?」

「ふぅー!? ふぅー!」

 グランの必死の呻きは、カタリナには抗議にも見えた。

 しかしグランからしたたる汗と、ペニスから漏れ出ている我慢汁は、グランが抱いている興奮と期待の証左でもあった。

 ヴィーラとグランは女王様とその下僕、ヴィーラの命令でグランがクローゼットに押し込められ、カタリナヴィーラ二人の睦み合いを見せられたのち、カタリナの前に晒された。

 敬愛するカタリナに見られてしまった。グランの心には寒気と同居する背徳感、カタリナから向けられる戸惑いの視線が、新しい興奮のエッセンスとなってしまっている。

 それら全て、ヴィーラに悟られていた。

 ヴィーラは心底呆れ果てたような吐息から、

「はあぁ……私から向けられる軽蔑の視線と、お姉様から向けられる視線まで興奮の元としてしまうなんて、グランさんは本当に……救いようのない、変態のM男ですね♡」

「んんぅー!!」

 ビュルリとグランから噴出される我慢汁。それを見下ろすヴィーラもまた、ゾクゾクと震える心に従って体を小刻みに震わせた。

 ヴィーラの表情もまた、性欲に染まって抑えきれなくなってきている。カタリナとの情事、そして愛する男の痴態。

 女としての情愛と女王様としての嗜虐欲が満たされ、あふれ出そうとしていた。

 ギチギチと悲鳴を上げはじめるグランを拘束するベルト、ヴィーラを包むボンデージ。

 黒い衣装に急かされるようにして、ヴィーラは女王の微笑みを浮かべながらグランに止めを刺しにいく。

「皆を率い尊敬を集める団長さんが、全裸で拘束されて見下され、男としての尊厳を踏みにじられることでしか興奮できず、毎日私になじられてドピュドピュと精液をひり出していてる……そんなあなたを、お姉様にも見せてさしあげましょう♡」

「ふぅー! ふぅううう!!」

 ボールギャグとグランの口の隙間から唾が飛び、腰がカクカクとヴィーラを求めて動き出す。

 ヴィーラも下腹をグランへ突き出すようにして応える。ヴィーラもまた、カタリナとの情交、グランへの淫虐によって興奮は最高潮に達しようとしていた

 快楽の手綱は常にヴィーラが握っている。それを証明するかのように、ヴィーラが自らの股間のジッパーに手をかけ、陰部を晒していき、

「さあ”グラン”! 屈服の射精を見せなさい! 変態のあなただけができる、永遠の愛と服従を誓う射精をぉ♡」

 ジッパーが完全に降り、グランの目の前にヴィーラの濡れそぼった陰部が露わになる。

 その瞬間、

「んふぅううううう!!!」

 ドビュルルルルルル! ビュルルルッビュルルル!

「あっ♡ んんあっふあああああああああんっ♡」

 ビクビクビク! プシャアアアア!!

 ヴィーラとグランは触れ合ってすらいない、お互いに愛撫で高められていたわけでもない。

 ただただ互いの愛情と立場の認識が為せる同時絶頂、ヴィーラの潮吹きとグランの射精だけが、中空で衝突して混じり合っていた。

 カタリナはそんな光景が、

(なんて……いやらしくて、恐ろしいのに……羨ましい……!)

 目が離せない。自分が涎を垂らしている事にも気づかない。

 女騎士として生きてきたカタリナ・アリゼからすれば当然起こりえない感情の萌芽。もはやグランがクローゼットにいたことの疑問など彼方に消え、カタリナの望みはただ一つ。

(私も……私も、彼を、グランを、支配したい……! 彼の愛情をすべて、私のものに……!)

 グランは半ば白目を剥きながら射精快感で体を抑制できず、ペニスが勢いよく上下に振られて精液が飛び散っていく。

 絶頂で震えるヴィーラもまた虚空を見つめていたが、ピチャピチャと体に降りかかるグランの精液で現実に戻り、瞳をグランへと向ける。

 数秒後、ヴィーラとグランの視線が交わったタイミングで、ヴィーラの頬へと飛んだ精液が垂れ、ヴィーラの唇に触れた。

 ヴィーラは唇をグランへ向け、一瞬だけ突き出して虚空のキスを飛ばした後、精液をぬぐわぬままカタリナへと歩み寄っていく。

 カタリナは、立ち上がっていた。体に迸る興奮が、カタリナの背を押していた。

 ヴィーラはカタリナの正面に至近距離で立ち、二人のクリトリス同士をこすり合わせる。

 カタリナの物欲しそうな顔と、ヴィーラの余裕の微笑み。

 少し唇を突き出せばキスができる距離で、ヴィーラは唇にかかったグランの精液を舐めとり、

「これが私達の主従(きずな)です♥ 交わるどころか触れる事なく互いにセックスが出来るのですよ♥」

 と囁いた。ヴィーラの自慢ではなく、この喜びをカタリナにも知ってほしい。

 愛する者との、永遠の主従を。

「私にも、できるだろうか」

「はい。後はお姉様の、お心のままに……♡」

 カタリナは眼を閉じ、

(もう、迷うことはない。感情の受け入れ方も、やり方も、最終目的地も、全てヴィーラに……教えてもらった。あとは、私が行動するだけだ)

 予習は全て完了した。

 カタリナは眼を開く。瞳の色は暗く鋭い。ヴィーラと鏡写しのような、女王の表情が降臨していた。

「ありがとう、愛しいヴィーラ。見ていてくれ……ちゅ」

「んちゅ……♡ はい♡」

 カタリナはグランの精液の味を感じたあと、グランへ歩み寄っていく。

 グランは射精を終え、浅い呼吸をしながらカタリナとヴィーラを見上げていた。

 ヴィーラから何も知らされぬまま拘束され、クローゼットに待機し、眼前で始まったヴィーラとカタリナの百合セックス。

 グランはこの光景から目をそらさなかった。きっとヴィーラは、見せつけるために行動している。

 恐ろしくも嬉しかったのは、あのカタリナがボンデージ姿に身を包んでいたということ。

 もしかしたら、カタリナとヴィーラは二人で楽しむためだけにボンデージに身を包んでいるのではなく、自分の事を支配してくれる、新しい女王様を紹介しようとしてるのではないか。

 以前ヴィーラから告げられた、もしヴィーラが妊娠した場合の空白期間。それを埋めるための新しい女王様がまさか、ずっと敬愛し信頼してきた麗しき女騎士カタリナだったなんて、グランは夢にも思わなかった。

 現実が今、グランを見下ろしている。

 女騎士カタリナではない、寒気がするほど冷たい瞳に無表情を象徴する一文字の唇、黒く光る胸元のカップに腹部を走るクロスベルト、そしてジッパーが降ろされてむき出しの陰部。

 カタリナは、グランの膝・腕のベルト拘束を解き、グランの口のボールギャグを外した。

 自由を得たグランだったが、殺気にも似た威圧を感じて微動だにできない。

「顔を上げるんだ、グラン」

 言葉通りに動かされるグラン。見上げたそこにいたのは、

「女王……さま……!」

 角度のせいか深い闇を思わせるような光の無い瞳、口元は攻撃性を伴う嗜虐的な微笑み。

「……ふふふ……!」

 迷いも理性もなくした狂気の女王カタリナ・アリゼが、覚醒していた。

 グランの首に首輪もリードもついていない。しかし、

「ついてこい、下僕」

「は、はい!」

 振り返ってベッドへ進むカタリナに対して、上ずった声で応えたグランは、自然と四つん這いでカタリナの後を追った。

 カタリナがベッドへ上がると、グランも続いてカタリナの傍へと跪く。

(ほ、本当に、あのカタリナさんが……!?)

 それでもなお、グランには戸惑いと、喜びの衝撃が大きすぎた。

 ヴィーラとの関係が日常となったとはいえ、グランの破滅的な趣味は当然他の誰にも知らられてはいないはずだった。

 カタリナにはバレていた。カタリナがボンデージに身を包んで、ヴィーラと睦み合っていた。それだけでも衝撃的なのに、今、グランを支配する女王様になっている。

 それはつまり、ヴィーラと同じく、グランの事を満たし、妊娠を望むほどに愛してくれると言う事なのだろうか。

 ヴィーラと一緒にいるだけでも幸せの絶頂だったのに、まさかカタリナまでも……。

 カタリナもまた、表には出さない喜びがあった。

(グラン……! 君が、私に従ってくれている……!)

 いくらグランがドМ趣味の変態だったとしても、それがカタリナを女王様として認める理由にはならない。カタリナはグランが自分の事を大切な仲間と思ってくれていることは理解していても、女性として、性対象として見てくれているかは未知数だった。うぬぼれてもいなかった。

 ここまで自信を持ってカタリナが行動できているのは、ひとえにヴィーラが道筋を作ってくれたからに過ぎない。

 カタリナの一瞬の流し目がヴィーラを捉える。ヴィーラはカタリナとグランの邪魔にならないよう、ベッドの端で座っている。

 ヴィーラの視線と笑顔を、カタリナは期待と受け取った。

(ヴィーラ、君にはまた改めて礼をするよ)

 次いでグランを見る。グランはカタリナを見上げ、期待と不安が入り混じった表情をしているように見えた。

 その男根は未だ硬度を保っている。カタリナは唾を飲みこんだ。

「グラン……君は私のなんだ? 答えるんだ」

 グランがピンと背筋を伸ばす。返答しようとしたとき、グランにも一瞬の緊張があった。

(まさか、カタリナさんとこんな関係になるなんて……! けど……!)

 ヴィーラによって教え込まれた喜びには、グランはもう逆らえない。

「あなたは……僕の、女王様です……!」

 カタリナの脳内で弾けてあふれる快楽物質。カタリナは何も我慢することなく、

「ふふ……ふふふ……! ああ、そうだっ。私が、君の、女王様だ……!」

「んんっ……♡」

 カタリナの羽化を見届けたヴィーラが、体を震わせて湿度を分泌する。

 カタリナの唇が三日月型に歪み、欲望へと進む。

「下僕にふさわしい仰向けのポーズをとれ」

「はいっ」

 喜びに震えるグランは迷うことなく仰向けになり、手足を折り曲げて服従の犬のポーズをとった。鍛えこまれた肉体も反り立つ男根も、全てカタリナの眼下にある。

(ああ、君の全てが、私のものだっ!)

 カタリナはグランの頭の上にまたがり、降りたジッパーで晒された自身の女陰を見せつける。

 ダラダラと涎を垂らし続けるクレバスを、カタリナは惜しげもなく披露しながら、

「舐めろ」

 と、強く高圧的な口調で命令した。

 底冷えするようなカタリナの声で、グランはたまらなく興奮した。

「はいっ! んむぐぅう!」

 カタリナが遠慮なく腰を下ろし、圧迫するようにグランの口を塞いだ。

 グランの口内に溺れるほどのカタリナの愛液があふれ出し、グランは溺れないよう必死で飲み込みつつ、女王様を喜ばせるべく舌を這わせていく。

「んんっ♡ いい子だ……うまくできれば褒美をやろう」

 一転して優しさを感じるカタリナの声で、ますますグランは鼻息荒く口淫を激しくしていく。

(お姉様……♡ こんなにも早く飴と鞭を使いこなして……♡)

 ヴィーラの手が自身の秘部へと伸びる。

 カタリナのクレバスの内部にはグランの舌が浅く入り込み、かと思うと次の瞬間にはクリトリスをくすぐっている。

「ふふ……下僕にふさわしい練度だ♡ 続けろ」

 カタリナは腰を沈めたまま体の前後を反転させ、グランと69の態勢を取りにいく。

 その過程でもカタリナは全体重をかけて女性器をグランの顔にすりつけており、グランは軽い呼吸困難に陥りながらも「んんぅううう!!」と歓喜の悲鳴を上げていた。

 ヴィーラとはまた違う女陰の感触、中に舌を差し込んだ際の反発膣圧、愛液の味、あのカタリナが攻撃的に自分を攻め立ててくれる事実全てが、グランの興奮を限界突破させて痛いほどに勃起させる。

 その男根を、今カタリナは目の前にしている。

(これが、グラン、君の……♡)

 もしカタリナが一般的な性癖の持ち主だったならば、ここから愛する男に優しく奉仕したことだろう。

 しかし、ヴィーラは確信している。ボンデージ姿に身を包むカタリナは、自身と同じ、いやあるいは自身以上に、その漆黒が似合っていると。

(さあお姉様っ! 見せてください! 新しい女王の目覚めを、お姉様の苛烈な愛情をっ!!)

 ヴィーラの自慰が加速し、カタリナがグランへ言の刃を向ける。

「随分と期待しているようだが」

 カタリナの冷たい声色は、グランの心に深々と突き刺さった。

「お前はまだ、自分の立場を理解していないようだ。なんだ、この醜い棒は。その程度の私への奉仕で、愛撫してもらえるとでも思っていたのか」

 パチンと、カタリナは硬くなったグランの棒を手のひらではたいた。音が響き、グランが我慢できるであろうギリギリの強さ。

「んぶほぉがっ!?」

 グランが一瞬白目を剥き、舌先が深くカタリナの奥へと入り込む。カタリナは反応してピクンと体を震わせ、

「んっ♡ ほう、やるべきことはわかっているようだ。その調子で自分の存在価値を示すなら、情けをくれてやろう」

 カタリナはペニスに唇を近づけたまま声を出し、呼吸による空気の出入でグランのペニスを撫でる。

 グランは声にならない歓喜の悲鳴をあげる

(ああっ! 女王様が、カタリナ女王様が、愛撫してくれる! 気持ちよくしてくれる! そのためなら……!)

 グランが今度は自分の意思で舌をカタリナの奥へと入り込ませ、カタリナの反応をはかり始める。

「んんっ♡ ふぅう♡」

 カタリナの余裕の微笑みの中に、甘い声が混じり始める。グランの必死でありながら、カタリナの弱いところを探し当てて的確に愛撫する奉仕行動。

 カタリナもまた、唇をグランの鈴口へと近づけていく。

「いいだろう。下僕として仕えることを許そう。見合った報酬もするとしよう……ただし、私がいいと言うまで一切の射精は禁止だ。もし、私の許可なく射精したら……」

 カタリナがグランの玉を握り込み、痛みを伴うギリギリのところまで負荷をかける。

「女王の言うことも聞けず、こらえしょうもない下僕に、こんなものは必要ない。わかったな?」

(ああお姉様……! なんて暗くて冷たい躾……♡)

「はぁん……お姉様ぁ……♡」

 ヴィーラは自慰を加速させてプシュプシュと愛液を噴き出し、グランは目を見開いて、カタリナの股間に押しつぶされながらもコクコクと頭を上下させる。

 カタリナはグランの返答を股間で感じ取り、満足したように微笑みと、今度こそグランの鈴口に浅く唇をつけながら、

「気を失う事も禁止だ。女王の躾を、全て受け止めろ……♡ はぶっむちゅうううう♡」

 カタリナの柔らかい唇がグランの亀頭を全て包み込み、内部では舌先で鈴口をくすぐりながら吸引が行われる。

「んぶっんんんんんうううっ!?!?」

 グランへ与えられる最高の快楽にして最悪の拷問。あのカタリナが、ルリアと共に常に一緒にいてくれた彼女が、敬愛してやまない美しき女騎士カタリナ・アリゼが、女陰を押し付け、男根を舐めしゃぶり、玉を握っている。

「はぶっんむちゅ♡ ふふ……その調子で続けるんだ、下僕♡ ちゅ♡ ちゅ♡ ちゅうううう♡」

「んんぐぅううううう!!」

 男根の根元がベルトで縛られていたならばどれほど楽だったが、グランはカタリナのクリトリスを舌で舐めしゃぶりながら、下腹に必死で力を込めて暴発を防いでいた。

 あれだけカタリナは言葉も圧力も女王様だったのに、今グランへのペニスには、まるで優しく恋人に目覚めのキスをするかのように、チュッチュと音を立てながら鈴口にキスをして我慢汁を吸い取っている。

 どうしたら、どうしたら射精が許されるのか、ゴールの見えない闇の中、グランはただただ女王への忠誠と愛をもって奉仕を続けるしかない。

(女王様っ女王様!! カタリナ女王様ぁああああ!!)

 皮肉にも、グランがカタリナのGスポットを探り当て、クリトリスを吸う力の強弱で緩急をつけて愛液をあふれさせ、カタリナが喜ぶための口淫の練度を高めていくにつれ、

「んんぅ♡ 下僕として、ふさわしくなってきたじゃないか♡ 褒美をやろう……はぼっ♡ んむちゅっ♡ ぢゅぽっぢゅぽっぢゅぽっ♡」

 カタリナが頬から唇をすぼめてグランの竿まで咥えこみ、激しく吸引しながら上下にピストン運動を開始する。

「んんぐぁああああっ!!」

 抑えきれないグランの悲鳴、目が白黒し、涙と涎がカタリナの尻と陰部を濡らす。射精したい、でも射精したら女王様の下僕にふさわしくなくなってしまう。下腹から丹田の先まで筋肉を収縮させるように力を込めて、我慢汁をまき散らすペニスを自ら締め上げる。

「ああ……♡ 素晴らしいですお姉様……♡」

 ヴィーラの想像以上のカタリナ女王。もはや導くことはなにもない、自由にはばたくカタリナ、そして責めを一手に受けるグランに対して、ヴィーラは愛と憧れと嫉妬さえ抱きながら自らのGスポットを慰める。

 カタリナの容赦ないバキュームフェラピストンにおいても、グランは射精することなくカタリナのヴァギナを愛撫して忠誠を示し続けている。

 カタリナは少々の満足感を得、一度ピストンを中断して、亀頭を舌でなめまわしながら、

「あむちゅる♡ いいぞ、少しは忠誠を認めるとしよう……。褒美に、平民には想像しえない快楽を与えてやる。ふん♡」

 そうカタリナが言った途端、グランのアナルにはカタリナの右手の人差し指が突き刺さり、グランの前立腺を的確にえぐった。

「っっっっ!!!!!」

 グランの体が波打って背中が反り、ピンと弓が張ったように急停止する。射精してしまったのかどうか判別できないほどの衝撃で、グランは意識を飛ばしていないのにも関わらず、何も考えることができない。

 ペニスは、射精をしていない。グランの体が張った衝撃で、グランからカタリナの唇に亀頭がついてしまっていたが、カタリナは心から楽しそうな口調で、

「愛撫をやめるな愚か者。まだ教育が必要なようだな……あむちゅる♡ ちゅるれろちゅぽちゅぽ♡」

 そのままカタリナは亀頭を唇で揉むようにして上下に動きつつ舌で鈴口をほじくり、左手で竿をしごき、右手の指はグランのアナルに突き入れた前立腺をコリコリとえぐっていく。

「っ!? っ!! っ!!」

 もはやグランは声も出せず思考もできず、視界を白黒させながらカタリナのヴァギナにむしゃぶりついて舌を激しく動かすしかない。

 それでも『射精してはならない』という命令だけは本能で守り、ただただ体を収縮させながら、女王の陰部を愛撫して奉仕し続けた。

(ああ……その調子だ……私のグラン……私の下僕……♡)

 プシュプシュと飛沫をもらし始めるカタリナの尿道。カタリナの支配欲と快楽が決壊寸前まで満たされ、子宮から膣壁まで、さらなる高みを得たいと収縮を始める。

 カタリナは目を細め、グランのペニスの味を丹念に味わいながら、

(ああ、私の言いつけを守って、どれだけ責め立てようとも出てこない。そうだ、君が出す場所は、一つだけ……♡)

 グランの心と体が崩壊寸前まで追い込まれ、カタリナの心と体の喜びが限界点に達しようとしたその時、カタリナはアナルから指を引き抜き、しゃぶるのをやめてペニスから手を離し、立ち上がった。

「ぁっ……ぁ?……ぁ……ぁぁ?」

 グランは、状況を把握できていない。涙と愛液でぐしゃぐしゃになった顔、ピクピクと震えるペニスが射精しないよう、体の力はペニスの根元に全て集中している。

 グランがかろうじて焦点を合わせた時、目の前にはグランへ体の正面を向けたカタリナが、ペニスへ腰を下ろそうとしていた。

「ぁ……! ぁぅぁ……! ぁぁぁ……!!」

 その意味をグランは察すると、ドバドバと涙と我慢汁を垂れ流す。

 喜びの呻き声を上げるグランに対して、カタリナは心から沸き起こる幸福にしたがい、宣誓した。

「グラン……私の下僕。君は私の言葉に従い、私に全てを捧げることで喜ぶ変態だ。そんな君を、私は決して離さない。どこまでも支配して、壊れるほどの喜びに浸そう。私の身も心も、君に捧げる。私は私が望むままに女王として君臨し、グランを下僕として、いじめ抜く。一生私は君の上で、君は私の下だ」

「ぁ……ぁあああ………!!」

 グランの瞳に、喜びの光が灯る。カタリナの腰が落ちていき、カタリナの膣の入り口を、グランの亀頭が広げていく。

 カタリナは自らの乳房をずらしてボンデージから勃起した二つの乳首を解放し、畏怖と慈愛と狂気が混じった微笑みをグランへ向け、

「平民風情よ。このカタリナ・アリゼに種付けし、孕ませよ♥」

 ズプンッ!!

 …………ドビュビュビュビュビュルルルルルルル!! ブビュルルルルルルル! ビュウウウウウウウウウウ!!

 グランはおよそ人間とは思えない叫び声をあげながら、激しい射精で腰を上下にガクガクと痙攣させる。カタリナは体を倒してグランと全身で密着し、グランの唇に浅く口づけながら、

「ぁあんんっ♥ 私を見ろ下僕♥ 君の全てで私に尽くせ♥」

 グランの体はカタリナの豊満な肉体に包まれ、ペニスは際限なく射精してカタリナの子宮で受け止めてもらい、眼前には美しき主の姿。

「じょ、女王様ぁ!! 僕の全てをあなたにぃい!!」

「はぼっんむちゅうううううううう♥」

 グランの宣誓にカタリナは激しいディープキスで応え、残像が出るほどに高速で腰を上下させて精液を搾り取っていく。

 ボビュウウウウウウウウウウ!! ボビュルルルル!!

 ビクビクビクビクビクビク!! プシャアアアア!!!

 カタリナも決壊し、勢いよく潮が噴き出してグランの下腹をビチョビチョにし、ベッドの染みを広げていく。

 それでも二人のキスハメ密着ピストンは止まらない。むしろ速度を増していく。

(好きだっグラン♡ 何人だって孕んでやる♥ 私は君の女王♥ 君の証を、下僕の証を、雄の証を!! 私の深いところにぃいいいいい♥)

「はぶんむちゅううううううう♥」

 カタリナがグランの唇と舌と唾液を搾り取り、ペニスを膣壁の収縮と降りてきた子宮口で吸引していく。鍛えられた騎士としての筋肉を孕むためだけに脈動させ、グランのあらゆる体液をカタリナの体で吸い取っていく。

 セックスというよりも捕食に近い性欲と愛欲の略奪行為。

 しかしグランもまた、カタリナの底知れぬ愛情に溺れ、全て自ら望んで捧げていく。

「から、りら じょおうさまぁ……」

 ディープキスの合間にもグランは愛の言葉を捧げようと舌を絡めにいき、カタリナもまた、

「んちゅ、ちゅるちゅぱ♥ その調子だっれろちゅぱちゅううう♥」

 ビクビクビク……プシャアアアア……ドビュドビュビュルルルルルルル……。

 グランとカタリナ、二人の体が一つになったかのように密着していながら、二人の腰だけは激しく上下に動き水音をたて続ける。

 カタリナは女王の本能をもって杭打ちをするかのように上から下へと膣を打ちつけ、グランは射精によって腰が上下に痙攣して反射行動のピストン運動。二人が絶頂をすればするほど二人の腰が脈動し、ヴァギナがペニスを求めペニスがヴァギナを求める快楽の永久機関。

(ああ……♡ お姉様もグランも……なんて素敵で愛おしい……♥)

「はぁああお姉様ぁ♥ グラン♥ お姉様ぁああああ♥」

 ヴィーラもM字に広げた股の中心から飛沫を上げ、二人の絶頂に同調する。

 数分と続くグランとカタリナの絶頂セックス。カタリナは深々とキスをしつつ、時間が経つにつれ思考力が戻ってくる。

 絶頂の波が小康状態になりつつあるのもあったが、それよりもカタリナの脳内にあったのは、

(まだだ……もっとだ。これ以上のものが欲しい。満足なんてできるものか♥ 君との関係は、まだまだ上に……♥)

「んちゅぱ、グラン、愛しき奴隷よ、んちゅ♥」

 パチュパチュと打ちつける腰から水音を出しながら、カタリナはキスに会話できるほどの隙間をあける。

(女王様っ!!)

 グランはすぐにカタリナが求めるものを察知して、

「女王様……! 僕は、あなたの奴隷です……下僕です! あなたがもたらしてくれる全てが僕の喜び、あなたの望むことがぼくの望み! 僕は、あなたがしてくれることなら、なんだって……!」

「んんっ♥ んんんちゅうううう♥」

 懇願するようなグランがカタリナはたまらなく愛おしくて深く口づけ、収まりつつあった潮吹きの勢いを上げる。

 自然、グランも幸せ過ぎて半ば白目を剥きながら射精の勢いを強める。

 ビクビクビクプシュプシャアアアア……。

 ドビュウウウウ……ビュルル……ビュルル……。

 ヴィーラもまた、絶頂を迎えていながら二人にあてられて自慰の指が止まらない。

(ああ……まるで繋がり合って絶頂する状態こそが、生き物として正常な状態であるかのようなお姉様とグラン……♥ 私も……私もぉ……♥)

 ヴィーラからあふれるとめどない愛液と淫香を背に、カタリナは支配の完成形に向かっていく。

(グラン……♥ 君の姿も、声も、肌触りも、香りも、味も、全てが私の支配下だ……♥ 最後はヴィーラが見せてくれたように、君の心を全てもらう♥)

「ちゅる……ふふ……♥」

「あっ……!」

 カタリナは唇を離し、杭打ちピストンも中断する。体と腰だけは密着して、ペニスも全て膣内に収めていたが、激烈な交合の突如の中断に、グランは戸惑いを隠せない。

 二人の絶頂も、自然と終わりを迎えていく。

 カタリナとグラン、二人の体は苛烈すぎるセックスと絶頂で悲鳴を上げていたが、二人の心は未だ快楽を渇望している。

 なら、なぜカタリナは中断したのか。

 グランは戸惑いの表情を消し、答えを見つけた。

(ちがう! カタリナ様は……僕と、心の繋がりだけで……!)

「女王様ぁ……!」

 グランの歓喜の微笑み。その微笑みは、カタリナの全てを理解し、全肯定していた。

(グラン……♥)

 カタリナはグランを正面から見つめ、絵画のように美しい笑顔を見せながら、麗しい声を響かせる。

「下僕よ♥ 私を愛せとは言わぬ。しかし私の愛を全身で受け止めよ♥」

 グランとカタリナの体は動いていない。しかし、二人に迸る幸福感だけで、愛の言葉だけで、

「子種が尽きるまで、この私の躰で……ドピュれ♥」

 ボビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!

 ビクビクビク!! プシャアアアア……!! チョロロロ……。

 二人糸が切れたように絶頂以外の力が抜け、自然カタリナの体がグランへ倒れ込み、再び深い口づけを交わす。

 ヴィーラもまた、二人を見届けた瞬間、秘部をいじることすら忘れて、意識を混濁させるほどに絶頂していた。

 心と心の繋がりだけで、肉体の限界を超えてセックスができる。ヴィーラは二人を導くことができた。

 カタリナとグランは、種付け以外なにもできない。する必要もなかった。互いの体が間断なく繋がり、ただただ受精の喜びに酔う。

(グラン……私の下僕……♥)

(カタリナ様……僕の、女王様ぁ……)

 世界から隔絶され、幸福に包まれたまま液体を垂れ流し続ける。

(ああ……ようこそ……お姉様……♥)

 

 ゴロンと、カタリナはグランの隣へ寝転がり、目元を自身の腕で覆った。

(やり遂げた……。信じられないな。騎士として生きてきた、私が、グランを……)

 カタリナに後悔も戸惑いもない。絶頂を終え、理性がもどったあとの幸福の余韻。達成感に似た思いがありながら、どこか非現実感が抜けていない。

「カタリナ様」

「んっ!? あ、ああ」

(そうだったっ)

 隣のグランから様付けて呼ばれ、カタリナは反応が遅れた。いつのまにかカタリナの隣に寝ころんでいたヴィーラは、そんなカタリナが初々しくて可愛らしくて、微笑みを浮かべる。

 既に三人の絶頂が終わってから数分が経過しており、グランの表情にも理性を伴った笑顔があった。

(カタリナ様、か……ふふ♥)

 カタリナはグランの呼びかけにご満悦だった。だが追撃のほうが強烈だった。

「カタリナ様……愛しています。僕はずっと、カタリナ様の下僕です」

「!!」

 紳士的ですらあるグランの告白に、カタリナは軽く絶頂した。しかし、乙女のような仕草や表情は見せなかった。

(私は、彼の女王様だ)

 カタリナは、グランの言葉が当然であるかのように自信にあふれた笑みを浮かべ、

「私の下僕ならば、その言葉に見合うように常に励むことだ。もし相応しくなくなれば……」

 カタリナの右手がグランの股間へ伸び、五本の指が陰嚢を包み込む。

「お仕置きだ」

「は、はいぃい……!」

 カタリナの嗜虐心を満足させる、グランの隷属的な声と表情。カタリナの子宮がうずき、絶頂の疲労が消えて性欲が戻り出す。

(もう一度……)

 カタリナが膝立ちになればグランも体を起こす。ヴィーラもカタリナ隣に来て、

「お見事でしたわ、お姉様。ご覧ください、下僕にお姉様の跡がくっきりと……♥」

「!」

 グランの腹筋から胸元にかけて、カタリナのボンデージによってつけられた赤い痕が残っていた。固い黒革に加え金具やジッパーも多いため痛みもあっただろうが、グランにとっては勲章やキスマークのようなものだった。

 カタリナもまだ、膣の奥にグランの温度と感触が残っていた。

(あ、そういえば、妊娠……)

「後から飲める薬も用意してありますから、妊娠の時期はお任せください、お姉様」

「! ああ、世話を焼かせてしまってすまない」

「いいえ、私たちの幸せのためですから♪」

 二人でグランを管理し、愛する。そこに嫉妬の感情はなく、心が繋がり合っている二人で協力できることがある事実が、カタリナとヴィーラの幸福度を押し上げていた。

 そんな二人が囁き合っている間、グランは邪魔をしないよう正座で待っている。

 従順な姿も良いが、意地悪をされて焦るグランもヴィーラは見たい。

「答えなさい、どちらの女王様をより愛していますか?」

「!?」

 カタリナは一瞬目を見開き、グランは目に見えて狼狽えた。

 グランは絶望の表情を浮かべながらも、返答は早かった。

「どちらも愛しています、選ぶことなんてできません! カタリナ様もヴィーラ様も、最高の女王様です……!」

 ヴィーラは「ふふ」と楽しそうに微笑み、カタリナは安心したのち肩をすくめた。

「なんて贅沢で身の程を知らない下僕だ」

「優柔不断で愚かしいですね……」

 カタリナとヴィーラの声色は冷たいが、その表情は喜びに満ちている。

「さて、ヴィーラの番だな。まだまだ夜は長い」

「ええ、お姉様さえよろしければ、次は共に行いましょう」

「無論だ」

「では、こちらを」

「!」

 ヴィーラが手に取ってカタリナへ差し出したのは、首輪。黒い革製のそれには、リードが二つ付いている。

 意味を悟ったカタリナは、ヴィーラの手のひらに手のひらを重ね、一緒に首輪をグランへ放り投げる。

 二本のリードは、カタリナ・ヴィーラからそれぞれ一本ずつ握られている。

 グランは首輪を拾うと、迷いなく自身に装着した。

 

「「返事は? 下僕♥」」

 

「ワン!」

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