※この作品はR-18です。

影狼との話   作:奈伎良柳

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満月の夜にお外で影狼を可愛がる話。

R-18パートは2番のみです。それ以外はR-18要素のないパートになっています。


十五夜の愉しみ

1.

 迷いの竹林。その名のとおり、気安く入ってしまうと延々と続く竹ばかりの景色に呑まれ、瞬く間に迷ってしまう、そんな場所だ。

 ならば全く人が寄り付かないかいえばそうではなく、竹林の中に存在する永遠亭と呼ばれる屋敷に住む、とんでもなく腕の立つ薬師を尋ねる者が度々訪れる。ただ、そこを目指す者の殆どは、迷いの竹林に詳しい人物に案内を頼むのが普通だ。

 でも、自分はただ一人で案内も付けず、迷いの竹林内のある場所へ向かって歩いていた。そこに行くまでならば今の自分に案内なんて必要無い。

 鈴虫の鳴き声に包まれながら、すっかり暗くなった秋の空を見上げる。天に伸びる竹の隙間から覗くのは、煌めく星々と黄金に輝くまん丸な月。

 そう、今日は満月。妖怪にとっては少し特別な日。

 ただ、自分ともう一人にとってはとても特別な日。

 竹を掻き分けどんどん進むと、開けたところに出る。そこには一軒家がポツンと有るのみ。

 ここが、その『ある場所』だ。

「影狼さん、着たよー」

「○○ー? 待っててー」

 その家の戸を家主の名を呼びながら叩くと、返事と共にこちらに駆けてくる足音が耳に届く。

 そして、その足音が一瞬止み、地面を靴で擦る音に変わると同時に戸が開き、家主である影狼が姿を現した。

「○○ー!」

 その出で立ちは長袖のシャツにロングスカートと、お気に入りの白いドレスでは無かったが相変わらず肌をあまり見せない風貌だった。

 しかし、彼女の衣装を細かく観察する間も無く、跳びかかるように全身で抱擁されてしまう。

「もう! 今日は来ないのかと思ったわー」

 影狼に抱き付かれたことにより、自分の目の前には、彼女の頭頂部に鎮座する一対の狼の耳が。赤みがかった黒い長髪と同じ色をした、影狼が妖怪であることを強調するそれは、今はぺたりと伏せられていた。

 それを見てもしやと思い、視線を下げてもう一つの特徴である大きな尻尾へ目を移す。すると案の定、ふかふかとした尻尾が忙しなく揺れているではないか。

 まるで飼い主を待っていた子犬のようなその姿に、つい笑みがこぼれてしまう。

「影狼さん、これじゃ狼じゃなくて犬みたいだよ」

「あら、ニホンオオカミ相手に犬だなんて失礼しちゃう。でも、○○なら許すわー」

 初めこそ失礼だと言ったが、嬉しそうにそのまま言葉を続けると、彼女は更に抱き付く力を強くする。

 それにより彼女の肢体の感触を、ぎゅっと押し付けられる柔らかく豊満な二つの膨らみを一層意識してしまい、気恥ずかしさが湧いてくる。

「えーっと、その、胸が……」

「ん~、恋人同士なんだし、いいのいいの~」

 しかし、彼女はまるで気にしないといった様子。確かに影狼と自分は恋仲ではあるが、玄関先で胸を押し付ける程抱き合うのはどうなのだろうか。

「……やっぱりこの日は少し性格変わるよね。普段なら絶対こんなことしないのに」

 自分達どちらかの家の中で二人きり、という状況ならいざ知らず、どこぞの人妖に見られてしまうかも知れない玄関先で抱き付いてくるなんて、いつもの彼女ならまずしない。

「今日は特別なのー」

「はいはい。でも、いつまでもこうやって玄関に居たら、あれの準備も出来ないよ」

 甘える影狼の背を叩きながら、あれの準備、と口に出すと、とたんに抱擁する力がすっと弱くなった。

「……ん、そうだね。じゃ、入って入って」

 そして、そのまま抱き付くのを止めると、こちらの手を取って家屋の中に入るよう促される。

 手を引く彼女の顔には赤みが差しており、瞳もほんのりと熱っぽかった。

 

「……それじゃ、そろそろ行こうか」

「うん……。静かに、ね……」

 数十分後、準備を終えた自分達は影狼の家を後にし、竹林の中へ戻るように草を踏みしめて歩いて行く。現在自分に手を引かれている影狼の様子は玄関先での時とは違い、非常にしおらしく、大人しい。

 それもそのはずで、今の影狼には先程と明らかに違う場所が二つあった。

 まず一つは、歩く度にふるふると揺れる大きな胸。いくら彼女の胸が大きいといっても、歩いたくらいでこんなにはっきりと揺れたりはしない。では何故か。

 そう、今の彼女は、その豊満な胸を押さえ付ける下着を付けていない。また、それは下も同じで、今の彼女が身に着けている衣服は先程のシャツとスカートのみなのだ。

 そして、最も大きな二つ目の違い。それは、首元に付けられた装飾品である、赤い首輪だ。リードこそ付けていないものの、これではまるでペットのような扱いである。

 何故、こんな倒錯的なことをして出歩いているのか?

 話は約半年前に遡る。

 

「それ、嘘じゃない、よね?」

「……うん、本当なの……」

 ある満月の日の夕刻前、『大事な話がしたいから、夜になったら私の所へ来て欲しい』という旨の書かれた影狼からの手紙を、彼女の友人であるろくろ首から頂いた。

 その手紙を読んだ時、とうとうか、と思った。

 狼女である彼女は満月の日には心身共に変化がある、ということは勿論知っていた。

 『本能の昂りを発散する為、ひたすら竹林を駆け巡ってみたり相手もいないのに弾幕を放ってみたりと色々なことをしている』というのも本人から聞いていたし、その“妖怪”としての姿を見せて貰ったこともある。しかし、自分には狼女である彼女も、愛しい存在であることに変わりなんてなかった。

 だがある日を境に、満月の日は来ちゃ駄目、と言われてしまったのだ。

 何故会ってはいけなくなったのか、その理由を訊いても彼女は言葉を濁らすばかりで、どうも話したくないことのようだった。ならば無理に訊きだすのもと思い、自分もそれ以上は深入りしなかったのだが、本心を言えば非常に気になっていた。

 恐らく、ついにその理由を話してくれるのだろう。そう結論付け、影狼のもとを訪ねた自分を待っていた話とは、満月の日になると発情してしまうようになった、という内容だった。

「まず、経緯とか聞いても良いかな?」

「……あのね……」

 影狼曰く、元々満月の日はその気があったらしいのだが、今までは少し体が疼く程度、それも多少の運動等で気にならなくなるほどのものだった。

 だが、自分と一線を越えた日以来、そちらの比重が格段に高くなったらしい。

 暫くは満月の日だけならと自戒の精神で抑えていたのだが、とうとう我慢の限界が来てしまった、という訳だ。

「俺に出来ることは?」

「……こんな私でも嫌じゃなければ、私を、抱いて、下さい……」

 その日はそれこそ獣のように三日三晩求め合い、彼女も今までの分を含め発散することが出来たようだった。

 だが、流石にこれを満月の日の度にではお互いに(特に人間である自分がだが)大変なので、その翌日、永遠亭の医者を訪ねることにした。

 そして、普段から定期的に性交すれば三日三晩なんてことにはならないだろう、恐らく一日程度に抑えられるはず、とのアドバイスを賜り、それに従うことになった。

 だが、また別の問題が発生したのだ。

 何てことは無い、マンネリである。

 何せ会える日の夜はほぼ毎日交わっているのに加え、満月の夜は明け方近くまで求め合うのだ。当然、いつかはそうなってしまう。

 ならばと手を変え品を変え様々なことを試していたのだが、その中に彼女が特にハマってしまったプレイがあった。

 それが、今から約半年前に初めて行った、首輪を付けての野外プレイ。

 そしてその日以来、満月の日はそれを行うのが恒例となっていた。

 

 

 

2.

「……うん、この辺りなんか良さそうかな」

 腕に絡むようにしがみ付く影狼を連れて竹林を五分ほど歩いていると、いい具合に開けたところに出た。

 片隅にはテーブルのような平たい岩が有り、その高さも自分の腰辺りと好都合。周りも背の高い竹が生い茂っており、万が一があっても大丈夫だろう。

「それじゃ、影狼さん、ここに座って」

「……うん」

 平たい岩の前まで二人で歩いて行き、影狼に掴まれていない方の手で岩の上に乗った葉を払い、座るように指示する。

 それに対し影狼は小さな声で返事をすると、静々と岩の上へ腰掛ける。どこかもじもじとしているのは、これから行われる行為への不安か、期待か。

「で、足を開いて、スカート捲ってみて」

「……自分で?」

「自分で」

 恥ずかしそうに尋ねる彼女に即答すると、緊張に強張った顔がかあっと紅潮し、瞳が揺れる。

 自分なんかよりも強い、妖怪という存在である彼女がこんなに弱々しく、自分の一挙手一投足に逐一反応するのが堪らなく可愛い。

 自らの手でと言われた影狼はおずおずとスカートの裾を掴むと、ゆっくりと手を引いてスカートを捲って行く。

 すると、まずは細く締まった脚が姿を現す。満月であるが故に狼の毛に覆われているが嫌悪感なんてものは全く無く、むしろ美しさすら感じる。

「あんまり、見ないで……、毛が……」

「大丈夫、綺麗だよ」

「っ~……」

 自身の体毛を恥ずかしがる彼女にそう答えると、声にならない声を上げた後、止まっていたスカートを捲る手を再び動かしていく。

 そして、その手はとうとう腰まで上がり、影狼の秘唇が曝け出された。

「こ、これでいい……?」

「うん、そのままじっとしててね」

 影狼の前にしゃがみ込み、その絶景を心行くままに堪能する。

 事前に影狼自身の手によって綺麗に整えられた、髪と同じ色の茂み。僅かに開き、時折ひくひくと震える花びら。その奥から垂れる一筋の雫。その全てが男の本能を強烈に刺激する。

「やぁ、そんなに見ないでよぉ……」

「いやいや、これは見ちゃうよ。そういえば、やっぱりここの毛って気になる?」

 性器をまじまじと観察されて顔を羞恥に染める影狼に、手入れされた陰毛の毛先を撫でながら尋ねてみる。

「だ、だってあんまり濃いと……。それに、今日なんかは普段以上に生えちゃうし……」

「別に気にしないよ?」

「私が気にするのっ!」

 とても人には見せられない姿をしているというのに、誰かに聞かれてしまいそうなほど大きく声を上げて反論される。

 やはり、影狼にとって体毛関係のことは根が深いらしい。

「ごめんごめん。でも、剃るのも大変でしょ?」

「ま、まあそれは……」

「なら今度は、俺が剃ってあげるね」

「ええっ!?」

 そう言った瞬間、彼女は耳をピンと立たせ、素っ頓狂な声を上げた。更に、明らかに困惑した眼でこちらを見る

「……本気?」

「うん、本気」

「……今から恥ずかし過ぎて死にそう……」

 その光景を想像してしまったのか、影狼は今まで以上に顔を真っ赤にして俯いてしまう。だが、拒否する言葉が続くことは無く、口では恥ずかしいと言っていても駄目だと断らない彼女が可愛くて仕方ない。

 新たなプレイの種も巻いたところで、少し気が飛んでしまっている影狼に本題の方へ戻ってもらう為、その名を呼びかける。

「影狼さーん、続き、いいかな」

「えっ、あ、うん」

「じゃあ、次は……。また自分で弄ってもらおうかな。スカートはこっちで持つからさ」

「……また、自分で、ね……」

 自らの手で慰めるよう提言すると影狼は消え入りそうな声で反復した後、左手で自身の右乳房を服の上から少し持ち上げ、右手は秘唇を覆うように添える。

 そして、上ではその豊満な膨らみをマッサージするかのように優しく揉み、下では陰唇全体を指先で上下にさする。

「んっ、っぅ……、はあぁ……」

 服越しではあるが乳房をゆっくりと揉み上げ、徐々に性感を高めていく。胸に指が沈む度に漏れる吐息が何とも悩ましい。

 続いて、この状況とこれまでの行為、それに加え自らの手による自慰により服の上からでも分かるくらいに硬く尖った乳頭へ指を伸ばし、その蕾を指先で擦る。

「んんっ! ふぁ、っ……」

 その瞬間、影狼はぶるりと身震いし、抑えていた甘い声を溢れさせた。

 それでも手は休ませず、更に快感を求めるように先程よりも早い速度で何度も擦り上げる。

 しばしそうして弄っていたがどうも服の上からでは物足りなくなったようで、乳房を揉んでいた手をシャツの襟元へ這わせ、上からボタンを一つずつ外していく。

 そして、臍の辺りまで外したところでシャツの胸元を開き、二つの大きな果実をぷるんと溢れさせる。白く美しい乳房の中で桃色に彩られた乳輪と、その中央で触ってくれと言わんばかりにぷっくりと膨らんでいる乳首につい目が奪われてしまう。

 影狼はこちらの目線に気付いているのかいないのか、覆い隠す物が無くなった乳首へ改めて手を伸ばすと、親指と人差し指できゅっと摘まむ。

「ふあぁっ! さっきよりも、んっ、ずっと気持ちいいよぉ……」

 影狼はもはや蕩けた声を抑えることもせず、自身の乳頭を捏ね回す。

 時折反対の乳房へ手を移しては指が沈むほどに揉み、乳首を弄り両方の乳房で快楽を味わう。

 やがて、彼女の下半身から、粘液を混ぜるくちゅくちゅという音が響き始める。その水音に釣られ下へ目を移すと、影狼の陰部は自身の蜜でとろとろになっていた。

「もうこっちも良さそうだね」

「……ふぁっ、ほん、とね……。それ、じゃ……」

 自分に指摘され、そのことにやっと気づいた影狼は右手の指先で愛液を掬うと、自身の陰核へと塗りたくる。

 滑りも万全になったところで、極めて敏感な突起での自慰も追加していく。

「くぅん! ぁっ~、ひぁっ!」

 陰核を皮の上から圧するように愛撫しては嘆息し、直接豆に触れては弾けるような声を上げるが、勿論その間も乳房を弄る手を休ませたりはしない。

 しばし二点の性感帯から生まれる快楽を余すところなく貪る影狼であったが、不意に胸への愛撫を止めた。

 しかし、これで終わりというわけではなく、その手を秘唇の前まで持って来ると、まるで見せつけるようにそのまま大きく左右に開く。

 月の光に照らされ愛液は妖しく輝き、膣穴はぱくぱくと開閉を繰り返しては奥から蜜を溢れさせる。

 しゃがみ込んでいた自分の目の前に広がる魅力的過ぎる光景に思わず顔を近づけると、男を誘う女特有の匂いが鼻孔をくすぐった。

 そんな陰裂へ先程まで陰核を弄っていた右手を進め、まずは中指で膣穴周辺を解すかのように撫でると、ゆっくりと潤滑油に溢れた穴へ挿入していく。

「く、ふ、あ、ぁぁぁ……」

 長く息を吐きながら指を第二関節辺りまで飲み込ませると、同じようにゆっくりとしたスピードで指を引き抜く。

 すると、淫らな水音と共に膣穴から分泌液がとろりと掻き出される。そして、再び差し込んでは引き抜いてを繰り返す。

「んっ、はぁっ、○○っ! ○○っ! あぁっ、気持ちいいようっ!」

 次第に指の動きはペースを増し、ストロークも中指の全てを沈ませるほどの深さに変わっていた。

 指が往復するのに合わせて肢体を揺らし、抜けるような声を漏らす。

「はぁあっ、○○のっ、欲しいっ、欲しいよぉっ! ここに、ふあぁっ、ずぽずぽってぇ!」

 出し入れする指を中指と人差し指の二本に増やすと、膣の浅いところで愛液を撹拌させるようにぐちゅぐちゅと音を鳴らして掻き回す。更に、差し込んだ指を中で開いて、ひくひくと蠢く赤く熟れた膣壁をこちらに見せつける。

 自分の名前を呼び、欲しい入れてとねだりながら自慰に夢中になる影狼の姿に、愛しさと共に嗜虐心がむくむくと湧き上がり、少し意地悪したくなってしまう。

「あっあっ、イッ、イクッ、イッちゃうっ」

 だから、影狼が絶頂を間近に迎えた頃。

「イッ……、ふぇ……?」

 彼女の手を掴み、達してしまう前に指を無理やり引き抜いた。

「もういいよ、お疲れ様」

 茫然とする影狼へそう伝え、良く出来ましたと褒めるように頭を撫でると、快楽により目元に溜まった涙を滲ませながらこちらに訴えかける。

「やあぁ、意地悪しないでよぅ……。後、ちょっと、だったのにぃ……」

「だって影狼さんがあんまり可愛いから、こっちも我慢出来なくて。シてもいいかな?」

 もう少しだったのにと文句を言う影狼の前でおもむろに立ち上がり、ズボンを下ろして勃起した陰茎を影狼の前に曝け出す。

 血管が浮いてカチカチになった茎、大きく膨らみ先走り汁が滴る亀頭。完全に勃起した男根を見せると、影狼は一瞬目を丸くした後、尻尾をぶんぶんと振りながら何度も頷きを返した。

「うん、うんっ! いいよっ、早くしよっ!」

「それじゃ、お尻をこっちに向けてもらえる?」

 そう言うが早いか、影狼はすぐに後ろを向くと今まで自分が腰掛けていた岩に手を突いてお尻を突き出す。

 それと同時に柔らかそうな桃尻と大きな尻尾をふりふり揺らし、誘惑してきた。

「早く、早くっ」

「もう少し待ってね……」

 待ち切れないといった様子の影狼の腰を掴み、勃起した陰茎を陰唇に擦り付け、垂れた蜜で入念に濡らす。もはやそんなことをしなくても良さそうなくらいではあるが、念の為に。

「焦らさないでっ! 早く挿れてっ!」

 しかし、その時間すら彼女には耐えられないらしく、懇願するように尻尾で腕を叩かれてしまう。

「それじゃ、遠慮無く!」

 そんな可愛いおねだりに応える為、早速膣口にあてがい一気に突き立てる。

 事前の自慰によって潤滑油に満たされた膣穴は侵入する肉塊を一切の抵抗も無く呑み込んでいき、程無くして辿り着いた子宮口を亀頭で叩く。

「ふあぁっ、いきなりっ、奥までぇっ! あっ、あっ! くぁぁぁっ!」

 すると彼女は体を一際震わせたかと思うと、膣壁が陰茎をぎゅうと締め付ける。

 この反応は、恐らく。

「……もしかして、イッちゃった?」

「……だって、○○のが、凄く気持ちよくてぇ……」

 そう言いながら振り返る影狼。紅潮させた頬、潤んだ瞳、蕩けた声、全てが自分の中の欲望を煽る。

 その瞬間、プツンと頭の中で何かが切れる音がした。

「○○……?」

「可愛すぎるよ影狼さん!」

「ふぇ? あっ、はぁっ、激しっ、よぉっ!」

 子宮を突いていた陰茎を入口近くまで素早く引き抜き、再び腰を突き込んで最奥にキスをする。その一連の動きを繰り返す度に影狼は嬌声を上げ、その声が更に腰を加速させる。

 わさわさと揺れる尻尾を退けて圧し掛かるように前屈みになり、腰が桃尻を叩く度にぷるんぷるんと弾む乳肉へ両手を伸ばし、豊乳を鷲掴みにする。

「ひぁっ! おっぱい、までぇっ!」

 大の男の手でも収まり切らない柔肉を指が沈むほど揉みしだき、勃起しきった乳頭をきゅっと摘まんでやると、陰茎を締める膣圧が更に増す。

「あぁ、はぁっ! どっちもぉ、気持ちいいよぉっ!」

 膣と乳房の両方から与えられる快楽を一身に受ける影狼は、かぶりを振ってそれに耐える。揺れる長い艶やかな髪から覗く、赤い首輪へ手を伸ばし、首を優しく撫でながら今の影狼の様子を耳元で囁いてやる。

「狼なのにこんな首輪までして、人間に好きなようにされちゃっていいの?」

「いいのっ! 今の私はっ、あはっ、○○のペットだからぁっ、好きにしてぇっ」

 意地の悪い言葉責めにも、影狼はそれを受け入れ、自らペット宣言までしてしまう。己の全てを捧げるような彼女の発言に愛しさがとめどなく溢れ出す。

「……愛してるよっ、影狼さん!」

「私、もぉっ、好きっ、大好きぃっ!」

 お互いに愛を伝えあいながら、獣のように激しく交わり合う。

 出来ることならずっとこうしていたいぐらいではあるが、普段以上に影狼が快楽に溺れ、それを陰茎への締め付けという形で返す為、既に限界が迫って来ていた。

「影狼さんっ……! そろそろっ……!」

「うんっ、いいよっ! あっ、射精してっ! 私も、イッちゃうからっ! んっ、一緒、にぃっ!」

 影狼の絶頂も近いことを聞き、二人の絶頂を合わす為にスパートを掛ける。

 そして、射精する直前に膣から抜けてしまうくらい思い切り引き抜き、乳首を指で痛いくらいに摘まむと同時に影狼へ覆いかぶさるように倒れ込み、子宮口まで一息に突き込んだ。

「あぁぁぁっ! イクぅぅぅっ!」

「ぐっ!」

 影狼が絶叫し、膣が一気に締まるのと同時にこちらも精を放つ。子宮口に押し当てた鈴口からどくどくと精液を流し込んでいくと、彼女は陰茎の律動に合わせ小さく喘ぎながら、その全てを受け入れた。

「はあぁ……、すごい、いっぱい……」

 そして、長い射精を終えると影狼は大きく息を吐き、その量に感嘆するような虚ろな声を漏らす。

「影狼さん……、こっち向いて……」

 そんな彼女の頭を一撫でした後こちらを向かせ、陰茎を膣に突き刺したまま、荒い呼吸をする唇へ口づけする。

「んっ、ちゅ……、はぁ、ちゅう、んっ……」

 舌を絡ませては少し離し、息を整えてからまたキスをと何度も繰り返す。十分に味わい合ったところで唇を離すと、彼女はふふっ、と優しく微笑んだ。

 そのまま彼女の肢体を抱き締め、余韻に浸る。しばしそうした後、そろそろ陰茎を抜こうと思い、腰を引く為に体を起こそうとした矢先。

「あーあ、随分遅くなっちゃたなぁ」

 離れた位置の竹藪から、大きな兎の耳を揺らしながら歩く人影が現れた。間違いない、永遠亭に住む兎の一人かつ、自分達も時折お世話になる妖怪、鈴仙さんだ。

 担いだ荷物から察するにどうやら人里へ薬の移動販売に出ていたらしく、その帰宅途中にタイミング悪くかち合ってしまったようだ。

 影狼もすぐにそのことに気付くと岩に突いていた手を片方離し、手の甲で口を塞ぐ。更に少しでも姿を隠す為、下を向いて頭を下げた。

「まさかあんなトラブルに巻き込まれちゃうなんて思わないものね……」

 幸い彼女はこちらの存在には全く勘付いていないようで、独り言を言いながら脇目も振らずに歩いて行く。

 鈴仙さんが進む方向は自分達の居る方向とは違うようなので、そのまま歩いて行ってくれれば見つからないだろう。

 しかし、自分には彼女の行く先よりも気に掛かることがあった。

 それは、鈴仙さんが現れた瞬間、影狼の膣に入れっぱなしだった陰茎がきゅっと締められたことだ。

 だが本人はそんなことには気付いていないようで、何としても声を出すまいと注力している。なのに、鈴仙さんが一歩進む足音がする度に下の口は収縮し、こんな状況なのに、いや、だからこそか、興奮している。

 可愛い。その様子が余りに可愛く、収まりかけていた嗜虐心を再び揺り起こす。自分が気が付いた時には、無意識の内に前のめりの体勢のまま、陰茎をゆっくりと引き抜いていた。

 すると、こちらのやろうとしていることに影狼は気付いたのか、真っ赤な顔で振り向くと眼で止めて欲しいと訴える。だが、その行為が全くの逆効果であることを影狼は分かっていない。

 陰茎の全てが抜けてしまう直前まで腰を引いては膣肉を掻き分けるように押し込み、音がしないようにスローペースの抽送を繰り返していく。

 最奥に達せば子宮口をぐりぐりと円を描くように刺激して、引き抜く際には絡みつく膣肉をカリ首でぞりぞりと丁寧に反り上げる。

 先程とは違う、粘っこい攻めに影狼はぶるぶると体を痙攣させるが必死に口を塞いで声を堪え、この情事に気付かれまいと奮戦する。

「でもでも、デートの約束しちゃった~。ふふっ、明日が楽しみ~」

 当の鈴仙さんはというと、何やら浮かれた様子でついには鼻歌まで歌い始め、程無くして竹藪の向こうへと消えてしまった。

 しかし、全身を巡る快楽に翻弄される影狼は鈴仙さんがいなくなったことにも気付いていないのか、今も尚口を手で塞いでいる。

 もう見られてしまう危険性は無くなったが敢えてそのことは影狼に告げず、腰の動きを少し強くする。

 力強さの増したピストンにより、接合部では掻き出された精液と愛液の混合液がぐちゅぐちゅと混ざり合う音が響く。

 外へ漏れる音が増すと共に膣圧も増し、降りてきた子宮の入口を小刻みに叩くと影狼は涙目でちらりとこちらを見る。

「影狼さん、そろそろイキそう?」

 その様子を見て小声でそう問い掛けると、影狼は無言のままぶんぶんと首を縦に振った。

 なら、お望みどおりに。

「いいよ。イッちゃえ」

 言うと共に影狼の腰を強く引いて、こちらは思い切り押し込む。

「っ、ぁ、はっ、ぁ~…」

 まるで子宮口をこじ開けるような突き上げに影狼は全身を跳ねさせて絶頂に達し、余りの快楽に抑えていたはずの口からも僅かではあるが声が漏れてしまっていた。

 影狼の絶頂により思い切り締め付けられた陰茎も限界を迎え、子宮内に再び精を注いでいく。

 一回目の射精のような勢いは無いが、子種をねだるような膣の収縮により精を絞られ、前回を上回るほどの精液で子宮内を白く染め上げる。

 大量の精を吐き終えて陰茎を引き抜くと、ぱくぱくと開閉を繰り返す膣穴から、二人の性液が混ざり合った白濁がどろりと零れ落ちた。

 

 

 

3.

「ふぅー…」

「違う、違うのよ……。あれは私じゃない……」

 所変わって、ここは影狼宅の浴室。

 あの情事の後、すっかり骨抜きになってしまった影狼を連れて彼女の家に戻ったのだが、二人共お互いの汗やら何やらですっかりべとべとになってしまっていた。ということで休憩も兼ね、風呂を共にすることとなったのだ。

 一つの浴槽に二人は少々きついが、自分に影狼をもたれさせるようにすればそれほど窮屈さは感じない。

 程よい温度の湯に身を解され、軽く息を吐く。しかし、そんな自分とは対照的に、影狼はさっきからずっとブツブツと同じ言葉を呟いていた。

「私じゃない……。私じゃない……」

「いつまで気にしてるのさ。今日の影狼さんも可愛かったよ」

「そっ、そういう問題じゃなくて……。ううぅ、私、あんなに感じちゃうなんてぇ……」

 どうやら、今日のプレイの際の乱れっぷりが本人としては相当恥ずかしかったらしい。

「それに! ○○も何で最後あんな意地悪したの! 鈴仙さんが居なくなったなら早く言ってよ!」

「だって、今の私はペットだから好きにしてって自分で言ったじゃない」

 濡れた尻尾で頬をぺしぺし叩きながら文句を言う彼女にそう反論すると、うっと言葉を詰まらせてしまった。

「大丈夫だって。影狼さんがエッチ大好きでもそんな影狼さんも大好きだから」

「そんな直球で言わないでよぅ……。それに、あなたとのエッチが好きなだけだもん……」

 拗ねるようにそう言って俯く影狼。

 ああ、何てあざとい狼なんだ。

 言動。仕草。伏せた耳。濡れたうなじ。上気した頬。片口から覗く大きな乳房。彼女の全てが自分を魅了して止まない。

「……○○、大きくなってるけど……」

「影狼さんが可愛すぎるから。それに、まだするんでしょ?」

「……うん、する」

 影狼の頭を撫でながら問い掛けると、彼女は恥ずかしそうにそう答えた。

 浴場に備え付けられた窓から空を見上げると、そこには金色に輝く月が何も変わらずにそこに居た。

「まだ満月は」

「終わってないものね」

 そんな月を二人で見ながら、言い合う。

 そして、どちらからともなく小さく笑い合った。

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