※この作品はR-18です。

ドレミーとの話   作:奈伎良柳

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ドレミーと大人の運動をする話。

R-18パートは2番のみです。それ以外はR-18要素のないパートになっています。


甘い夢を貴方に

1.

 今日は久しぶりに――といっても前回から二週間程度なのだが――恋人のドレミーが我が家を訪ねてきた。

 久しぶりというのも、獏の妖怪である彼女は夢の世界に棲み、なおかつ夢の世界の監視者を担っているが為においそれとこちらへは来れず、あまり頻繁には会えないのだ。

 こちらから会いに行くにしても、普通の人間が夢の世界に生身で向かうのは大変危険であり、自分もそんな無茶は一度しか経験が無い。勿論、その折は後でドレミーにとても怒られた。

 だからといって眠って会うにしても、それもそう上手くはいかない。何せ、夢の世界に棲む獏の何倍もの数の夢が一日の間に発生するのだ。何らかの理由でもない限り一個人の夢に掛けられる時間など限られており、精々二言三言話して終わりだ。

 とはいえ、夢が発生している時こそドレミーの獏らしい一面が見れる機会でもあり、そんな逢瀬もおつな物なのだが。夢の世界を駆け、悪夢を処理する彼女の姿は、どれだけ長く見ていようとも飽きることは無いだろう。

 やや話が反れたが、そういう訳で彼女とはなかなか長く触れ合える機会が無い。しかし、今日は違う。生身のドレミーである。しかも泊まり込みだ。

 そして、今日はそんな貴重な時間を思う存分共に楽しむ……はずだったのだが、いざデートにでもと出かけようとした矢先に雨が降り出し、あっという間に外は強風強雨。残念ではあるが致し方なしと、家でのんびりしようかということになった。

 ということで昼食を終えた後はソファに並んで座り、最近あった出来事なんかを取りとめも無く話していた折、ドレミーから一つの質問が投げかけられた。

「そういえば○○さん、少し睡眠不足気味ですか?」

「え? そう見える? うーん……確かにそうかも」

 言われてみれば、という程度ではあるものの、近頃なかなか眠れない日が多かった。

 とはいえ、体調を崩しているとかでは無く、季節の変わり目ということもあってか日々の寒暖の差が激しく、ここの所暑く寝苦しい夜が多かったせいなのだが。

 そのことも先の返答に付け加えると、彼女はうんうんと頷き返す。

「昨日もその前も暑かったですよねぇ、夢の世界も暑くって。今日はちょっと肌寒いくらいなのに……と、まあそれは置いておいて、そんな睡眠生活が続いてしまうと、悪夢を見る羽目になってしまいますよ?」

「そういうものかな?」

「ええ、そういうものです。なので今日は私直々に、ぐっすりと眠れる方法を伝授いたしましょう」

 流石夢の世界の住人である獏の妖怪、睡眠にも一家言あるようだ。彼女は既にそれを教える気満々といった様子だが、こちらとしても教わらない手は無いだろう。

「ご指導、お願いします」

「ふふっ、今日の安眠は約束しますよ」

 自分からも是非と伝えるとドレミーは、ニヤッとした独特の笑顔――彼女の友人のサグメさん曰く『人を絶妙に苛立たせる笑顔』――を浮かべた。自分としては可愛いと思うのだが。

 そして、ドレミーは人差し指をピンと立てると、話を続ける。

「まず、よい睡眠に必要なものと言えば、何が思いつきますか?」

「んー、やっぱり運動とか?」

「そうですね。体を動かして程よい疲れを得る、大事なことです」

 よく運動し、よく食べ、よく寝る。まさに健康生活のお手本のようなものだ。

「でも、外はこの雨だからなあ」

「あら、室内でも出来る運動、あるじゃないですか」

「そりゃ、出来ない……」

 こともないけども、と返すつもりだったのだが、続きの言葉が自分の口から出ることは無かった。

 何故なら、ドレミーの唇がこちらの唇を塞いでしまったからだ。

「んっ」

 そのまま抱き付くように手首を首の後ろに回され、離れないように固定される。それからは成すがままに唇を貪られ、ついにはドレミーの舌がこちらの口内に侵入する。

 睡眠に関する話からの突然の展開に驚きつつもそれを受け入れ、お互いに舌を味わうように舐め、絡め合う。

「ちゅ、はぁっ、くちゅっ」

 唾液が攪拌する水音と依然止む気配の無い雨音、二つの音のみが頭の中を支配し始めた頃、ドレミーはゆっくりと腕と口を離した。そして、自らの指でお互いの唇同士を結んでいた糸をプツリと切ると、口角を少し上げ、妖しく笑う。

「あるでしょう? 室内でも出来る運動」

「……えーっと、本気?」

 つまり、それは、アレということに。

「勿論本気ですとも。それとも、○○さんは嫌ですか?」

「そういう訳じゃないけれど……」

「では、場所を移しましょうか。あ、私はここでも構いませんけど?」

「……いや、ベッドに行こうか」

 先程までの妖艶な様子はどこへやら、ここでも良いと無邪気に笑うドレミー。そんな彼女に苦笑しつつ、ドレミーの手を取り二人で寝室に向かった。

 

 

 

2.

 ドレミーのことを、夢の世界の獏という妖怪を知る者はどの程度いるだろうか。夢の世界と繋がりのある極々一部の者、不思議な力を備えた人間や妖怪等々。もしくは自分のような、夢の世界で偶然にも彼女の存在を認識出来た者。

 しかし、その中でも、女性としては少し高めの身長に備わった、つい見惚れてしまうような彼女の体躯を深く知る者は自分一人だ。

 普段夢の世界で着用している黒と白のワンピースからは分かりにくいが、豊かに実った胸。しっかりとしたくびれと程よい肉付きを両立した、魅惑的な腰。スラリと伸びた足に、揉み応えの有る(本人に言うと怒られる)お尻。そして、お尻のやや上部から生えた、細く長い尻尾。

 寝室に入るなり早々に衣服を脱ぎ去ってしまったドレミーは、それら全てを惜しげも無く自分の前に曝け出していた。ただ、赤い帽子は被ったままだが。

「どうかしましたか?」

「え? ああ、何でもない」

 彼女の肢体に目を奪われつつ自分も遅れて裸になり、ドレミーと共にベッドに腰掛ける。

「さあさ、今日は○○さんから沢山して下さいね。○○さんの運動なんですから」

「それじゃ、遠慮なく」

 にこやかな笑顔を浮かべたドレミーに、貴方から、と催促されたので、早速彼女の体へと手を伸ばす。

 まずは右手で肩口辺りに軽く触れ、鎖骨に沿って首元へ手を滑らせていき、更に下へと進めていく。

 白くなめらかな肌を撫でる手がやがて辿り着いたのは、大きく実った女の象徴。そのすべすべとした膨らみに指を這わせ、少し押し込んでは柔肉の感触を確かめるように沈ませる。

「んっ、もう少し強くても、大丈夫ですよ」

 余裕たっぷりな彼女に無言で頷きを返し、先程より強めの力でゆっくりと揉み込む。すると、乳房はその動きに同調するように形を変え、ドレミーは甘い息を吐く。

「ふぅ、はぁっ、んんっ……」

 漏れた声に合わせふるりと揺れたもう片方の乳房に、控えていた左手を向かわせる。そちらでは手の平全体を使い、捏ねるように撫で回す。

 その間も右手を休ませたりはせず、左手の愛撫に呼応して揉む力を増していく。時には互いの手の動きを入れ替えてみたり、指先で触れる程度にして焦らしてみたりと緩急を付けて刺激していると、乳房のある部分が固く尖り始める。

 薄い桃色の輪の中央に鎮座する、その小さな突起を指先で軽く摘まんでやると、ドレミーは一際高い声を上げた。

「んんっ! 乳首っ、気持ちいいです……、あぁっ、もっとぉ……」

 彼女の甘えたおねだりに応えるべく乳頭を指の腹でぐりぐりと捏ねてやれば、ドレミーは体を震わせて長く息を漏らす。指で軽く抓ってやれば、短い悲鳴じみた嬌声と共に体を震わせる。

 ドレミーの恍惚とした反応に夢中になってしばらく弄り続けていたが、手とは別の触感を与えるべく、それと自分がしたくなったので、右手側の愛撫を一旦止め、下から掬うように持ち上げる。

「ふふっ、そちらでもしてくれるんですか?」

 どうやらこの所作だけで、ドレミーには何をするつもりか分かってしまったようだ。ならば期待通りにと、大きくなった乳首へと口を延ばして一息に咥え込む。

 始めは軽く吸い付いては離し、吸い付いては離しとまるで吸盤のようなキスを何度も繰り返す。更に次は舌先で転がしてみたり、唇で甘噛みしてみたりと手を変え品を変えドレミーの乳頭を責める。

「あぁっ、おっぱい、んっ、本当に、好きなんですからっ……」

「こんなに魅力的なのに、我慢なんて出来ないよ」

「ふふっ、光栄ですね」

 褒められて嬉しそうに笑うドレミーに、君はとても魅力的だと、自分がいかに君を欲しているかを伝えたい。その想いに駆られ、胸を弄っていた左手を胸から臍、下腹部、そして下へと滑らせていく。

 しかし、その手は目的地に辿り着く前に彼女に腕を優しく掴まれ、止められてしまう。

「ドレミー?」

 少々急ぎ過ぎていたか、などと考えながら乳から口を離しドレミーの顔を覗いてみるが、不満そうな様子は無かった。

「ちょっと待ってくださいな。さっきは○○さんの運動とは言いましたが、してもらうばかりは悪いので……」

 と、そこで言葉を区切ると、こちらに体を預けるようにして押し倒されてしまう。そして、仰向けになった自分の上でドレミーは体を捻り、互い違いのうつ伏せになる。すると、ドレミーの前には自分の陰茎が、自分の前には、彼女の陰唇という絶景が。

「私もしますね。○○さんにはそちらを差し上げますので、勿論、自由に、してくださって、構いませんよ?」

「うくっ」

 そう言い切ると同時に勃起した男根の裏筋を指でなぞられ、つい短い呻き声が漏れてしまう。後半はわざと言葉を区切って強調していたことから、恐らく挑発も込めているのだろう。

 ならばこちらも早速秘裂に……ではなく、あえてその上の、尾てい骨辺りからするりと伸びた揺れる尻尾を掴む。

「ひゃっ!」

 ドレミーの口から漏れたのは明らかに嬌声とは違う高い声だが、気にせずに撫でさする。

 まるで皮膚のように意外につるつるした尻尾を優しく扱きながら、先端の毛が集まった部分を何度も揉んでみる。……ふわふわしていて気持ちいい。前々から興味が有り、ちょっとした悪戯心から行ったことだったが、これは癖になりそうだ。

「やっ、やめっ……」

 お次は尻尾の付け根に手を伸ばし、周辺を撫でた後指先でつつーっとなぞってみると、尻尾が暴れるようにぶるりと震えた。

「つ、付け根はっ、ダメっ……ひゃあぁっ! い、いい加減に、しなさいっ!」

「あたっ」

 ドレミーの制止を無視して尻尾を弄り続けていたが、彼女が怒気の篭った声で叱ると同時に尻尾は弾けるように跳ねあがり、撫でる手からするりと逃げ出した。さらに、そのまま天上へ振りかぶったかと思うと、ぺしんと顔に叩きつけられてしまう。……少し痛い。

「そういうのはっ、後にして下さいっ!」

「後ならいいの?」

「……これ、噛みますよ?」

「ごめんなさい」

 陰茎をギュッと掴んだドレミーに、これ以上は不味いと思いすぐさま謝罪をすると、彼女はふっと握る力を弱めてくれた。

「よろしい。ちゃんと謝れたご褒美に、ん、ちゅ、気持ちよく、じゅっ、して、あげます」

 そして、ドレミーは肉棒をそのまま口に含み、舌を這わせ始める。暖かくぬるりとした舌の感触に、つい腰が跳ねてしまう。

 先のこともありドレミーばかりにさせては申し訳ないと、自分も改めて目の前の光景を注視する。そこでは湿り気を帯びた陰唇が触られるのを待つかのように、ひくひくとその身を震わせていた。もしや、あの尻尾弄りも実は効果があったのだろうか?

 そんな陰唇へまずは人差し指をあてがい、開き切っていない割れ目に沿って上下になぞる。指先についた滴を塗り広げるべく何往復かしたところで、両手を使って左右に開き、その全てを曝け出させる。

 誘うように蠢く膣穴に今すぐ指を突っ込んでやりたい衝動に駆られるが、それを行うにはもう少し濡らさねば痛いかも知れない。なのでひとまず口を秘唇へと向かわせ、膣口から陰核へと唾液を塗していき、全体を舌で舐め解す。

 ドレミーは舐められる位置が変わる度に身体を震わせ、その中でも特に彼女が反応した場所、陰核を舌先で舐め、突き、重点的に責めてみる。

「んっ、ふぅっ、はぁっ、ちゅっ……」

 敏感な部分を刺激されたドレミーは声こそ上げないものの、頭上では尻尾がせわしなく揺れていることから、しっかりと感じてくれてはいるようだ。

 陰核が唾液に塗れ、十分に滑りが良くなったところで次は指を使い、皮の上から押さえるように圧し、ぐりぐりと円を描くように捏ねる。

「ひぁっ! っ、ああぁっ!」

 押さえ込んだ際に一度、捏ねた際にもう一度ドレミーは体をびくんと大きく跳ねさせ、口奉仕の動きも止まる。だが、ドレミーはすぐに持ち直すと陰茎を口に咥え込み、カリをなぞるように舐め上げる。更に頭を上下させて、じゅぽじゅぽと卑猥な水音を響かせながら口腔で陰茎を扱く。

 熱の入った奉仕に射精してしまいそうになるがなんとか堪え、気を紛らわせるためにも再びドレミーの秘部に集中する。

 陰唇への舌愛撫による唾液と、陰核への刺激による彼女自身の汁でしとどに濡れた膣穴へ中指を一本、ゆっくりと差し込んでみる。

 潤滑油に溢れた穴は異物を抵抗無く、いや、それどころか欲していたと言わんばかりに呑み込み、柔らかい締め付けを返す。

 秘洞を指で味わいながら第二関節辺りまで沈ませた後、その奥から溢れる液を掻き出すように中のひだを引っ掻くと、ドレミーの口から大きな嬌声が上がる。

「んくっ、ふあぁっ! わ、私も、負けてられませんね」

 しかし、ドレミーも負けじと、陰茎を柔らかく暖かなもので挟み、包み込む。

 その感触は数分前まで自分が夢中になって弄っていた、男の理性を奪うあの大きな膨らみと一致する。そう、ドレミーの乳房だ。

 ドレミーは口内に唾液を貯めるとそれを乳肉の谷間に垂らし、丹念に捏ね回して肉棒に塗り広げる。それだけでも非常に気持ちよいが、更に乳房を上下に弾ませて扱き始めた。

 鈴口をちろちろと舌先で舐め、亀頭にキスを降り注ぎ、茎は豊満な柔肉で責める。そんな奉仕のフルコースに対抗すべく、こちらも挿入する指を増やしては掻き回すように暴れさせ、もう片方の手でクリトリスを弄る。

 お互いに相手の為に、そして、相手を先に絶頂させるべく奉仕し合う。そんな官能の高め合いに、先に音を上げたのは自分だった。

「ドレ、ミー……、もう……」

「んっ、ちゅっ、いいですよ、たくさん射精して下さいね」

 射精が既に目前まで来ていることを伝えると、ドレミーは亀頭をぱくりと咥えて音を立てるほど強烈に吸い上げ、陰茎を乳房で押し潰すかの如く挟み込む。

 まるで精液を絞り出すようなそれらの所作に、我慢など続く訳も無く。

「くうっ!」

「んんっ、ふうっ、ん~っ」

 脳内が白黒するほどの快楽に押され、彼女の口内に思い切り欲望を注ぎ込む。

 ドレミーは男根を咥え込んだまま流し込まれる精液を受け入れ、口内に貯めていく。たとえ射精が終わろうともそれらを吐き出したりせずに尿道内の残滓をも吸い上げた後、口を閉じたままちゅぽんと抜き去った。

 そして、彼女は身体を起こしてこちらに向き直り、大量の白濁が詰まった頬をとんとんと軽く叩いた後、少し上を向いてそれを飲み込み始める。白い喉がこくこくと動き、ドレミーは己の体内に精を取り込んでいく。その姿はさながら男の精を捕食する妖怪のようだ。

 喉の動きが止まるとドレミーは自分に向かって口を大きく開け、その中に何もないことを見せつける。

「ご馳走様でした。とっても濃かったですよ」

 男の獣欲を煽る動作で飲精を終えたドレミーは最後ににっこりと微笑むと、改めて座り直して足を開き、自ら陰裂を大きく開く。

「さ、次はこちらにくださいな」

 上気した頬、期待するような眼差し、それだけでも相当に蠱惑的なのに、その行為は余りにも狡い。誘蛾灯に惹かれる虫のように浮ついた心地のまま彼女に触れ、抱き締め、そのまま押し倒す。

 そして、既に蜜の溢れたドレミーの肉穴に、自身の分身をあてがい、一息に突き込んだ。

「あ、あぁっ、く、ふっ、んんっ……」

 その瞬間、陰茎を飲み込んだ膣はぎゅうと締められ、ドレミーは目をぎゅっと閉じて声を漏らしながら、身体をびくんと跳ねさせる。

 もしや。

「……ドレミー、もしかして、イッちゃった?」

 すると、彼女は黙ったまま何度も小さく頷くと、潤んだ瞳を覗かせた。

「実は、○○さんが出そうって教えてくれた時、私もイく直前でしたので……」

 なるほど、先程は自分が射精して一旦終わったが、どうやらほんの僅かな差だったようだ。

「それでですね、入れたばかりで悪いのですが、もう少し待って頂きたいかなと」

「じゃ、落ち着いたら言ってね」

 本心を言えば、このまま何も考えずに突き上げてドレミーを全力で味わいたいところではあるが、彼女がとても申し訳なさそうに言うのでそれは控えておこう。まだまだ時間はあるのだから、焦ることも無い。

 さて少々暇が出来てしまったわけだが、肉棒に絡む膣の感触に意識を入れると自分を抑えられなくなってしまうかも知れないので、荒い呼吸を繰り返し息を整えるドレミーの顔でも観察することにしよう。

 柔らかな唇、赤く紅潮した頬、潤んだ瞳、汗で濡れて額に張り付いた髪、と目線を上げていくと、今更ながらあることに気付き、額に手を添える。

「……」

「はーっ、ふぅー……。○○さん、どうかしましたか?」

「えい」

 行為が始まろうとも被ったままだったドレミーのナイトキャップに額から指を差し込んで手を掛けて、そのままぐいと引き揚げる。すると、帽子内に収めていた肩口に届くかぐらいの髪が下ろされると同時に、人間のものとは形の異なる黒い耳が現れた。

「えっ? あっ、ちょっと……」

「いいからいいから」

「いいから、じゃなくて、耳は弱いので……ひんっ!」

 身を守るように伏せられた耳に手を添え、さするように撫でるとドレミーは可愛らしい悲鳴を上げる。

「可愛い耳だよねー」

「そ、そんなこと、くぅんっ、ありませんっ、からっ」

 可愛いという言葉を聞いた彼女は、興奮によって紅潮していた頬を別の感情で更に赤くしてしまう。人と同じ方の耳まで真っ赤だ。

「うん、やっぱり可愛い。とっても可愛い。すっごく可愛い」

「わ、分かりました! 分かりましたから、あんまり言わないで下さい……」

 そう言われるともっと言いたくなる。が、尻尾の時のように機嫌を損ねたくはないので止めておこう。もう手遅れかもしれないけれど。

「ごめんごめん。つい」

「ふう……、○○さんのせいで、あっちの方は一気に落ち着いちゃいましたよ……。なので、もう動いて下さって構いませんよ」

「うん、じゃあ、いくよ」

 ドレミーの可愛い姿も見れたし、握られっぱなしだったペースも少しは取り戻せたところで再び情事に身を入れる。

 まずは彼女の秘裂に差し込んだままだった陰茎を、抜けてしまう直前までゆっくりと引き抜く。先程は勢いに任せた挿入だったが、今度はひだの一つ一つを味わうべく少しずつ押し込んでいく。

 じわじわと膣肉を押し広げ、締められる快楽もさることながら、ゆっくりとした挿入を長く息を吐いて耐えるドレミーの様子も興奮を煽る。

「はあっ、あぁああ、んんっ、んぅ……」

「気持ちいい?」

「はい、とっても。さ、好きに動いて下さいな」

 そう言って微笑んだ彼女に返事をする代わりに、先程よりかは素早く腰を引いて一息に打ち付ける。互いの身体がぶつかる小気味よい音が部屋に響くと同時にドレミーの口から高い声が上がる。そして、また腰を引いては打ち付ける。

 その一連の動きは次第に加速していき、肉体同士が奏でる湿り気を帯びた弾ける音は、どんどん間隔が短くなっていく。

 ドレミーを貫く度に漏れる短い嬌声、突き上げる度に揺れる乳房、精を欲するように纏わりつく膣壁。その全てが自分の情欲の炎に油を休みなく注ぎ続けていた。

 しかし、自分ばかりがドレミーの肢体に溺れるのも悪い。なのでもっと彼女を悦ばせるべく、揺れる乳房へと手を延ばす。

「あぁっ、そちらも、なんて、あんっ、欲張りですねっ」

 しっとりと汗ばんだ乳肉の、乳首のやや下を手の平で覆うように掴み、人差し指と中指の間に乳頭を持ってくる。両の乳房をそんな風に掴んだ後、柔肉を荒々しく揉みしだきながら乳首をぎゅうと挟む。

「あぁああっ! おっぱいもっ、あそこもぉっ、気持ちいいですっ」

 乱暴気味な愛撫も欲情しきったドレミーの身体には快楽でしかないようで、蕩けた瞳と声で法悦を訴える。そんな彼女に愛おしさが溢れ、体を前のめりに倒して抱き付き、口元に軽くキスをする。

 すると、シーツを掴んでいたドレミーの手が首の後ろに回された。

「はぁっ、んっ、キ、キスっ、あぁんっ、もっとしてっ、はっ、ふあぁっ!」

 そして、普段は絶対に出さないような甘い声で、再度口付けをせがむドレミー。そんな彼女が可愛くてたまらない。

 喘ぎ声の合間を縫うようにキスをねだるその唇を、自らの唇で塞ぐ。

 瞬間、彼女が先程回した手にぐいと引かれ、掻き抱かれる。……ああ、そういえばこんなことが今日あったような。

「んっ、ふうっ、ちゅっ、はぁっ、んちゅっ」

 とはいえ、息を吸う程度には緩めてくれているので、唇を合わせ舌を絡め合っては、荒い息継ぎをして、またキスを繰り返す。

 陰茎を抽送する度、乳房を刺激する度、キスをする度に膣内はきゅっ、きゅっと収縮を繰り返す。互いに快楽を貪り、与えあい、高め合うその繋がりが二人を絶頂に押し上げるまで、それほどの時間を必要とはしなかった。

「ドレミー、もうっ……」

「んっ、私っ、私もっ、だからっ、最後は思いきり……」

 ドレミーがその言葉を言い終わる前に、抜けるギリギリまで大きく引き抜き、最奥へと叩きつけた。

「ぐっ!」

「はぁっ、ふあああぁぁぁっ!」

 射精を開始すると同時に彼女も大きく声を上げ、膣肉で陰茎をぎゅうぎゅうと締め付ける。それは、共に絶頂を迎えたことの何よりの証明だった。

 子宮口に押し当てた亀頭から精液を休むことなく吐き出し、ドレミーの子を宿す部分を容赦なく白く染め上げる。

 しかし、それでも足りないと言わんばかりに膣壁は陰茎を締め上げ、それに応えるべく子種を何度も注ぎ込んでいく。

「はっ、はぁっ……、まだ出てます、ね……」

 ドレミーは荒い呼吸を繰り返しながら感嘆の声を漏らし、流し込まれる精の感覚に身を震わせる。

 やがて長い射精を終えると、ドレミーは涙と汗と唾液で濡れた顔で笑顔を向けた。

「ふぅ、はぁ、どう、でした? いい運動に、なりましたか?」

「うん、とっても」

 ドレミーにそう返事をして、彼女の頬に手を添えて汗を指で拭ってやると、くすぐったそうに微笑んだ。

「それは良かったです。ただ、その」

「どうかした?」

「あのですね、私としては、もう少し、運動量が足りないかなと思うのですが……」

 言葉を濁すドレミーに続きを催促すると、何とも恥ずかしげにそう続ける。

 ここまでしておいて、もっとして欲しいとは直接言わない、いや、言えない彼女に愛おしさと愛欲が溢れ出す。

「いえ、勿論、無理にとは言いませんけど……」

「いや、むしろ望むところだね。ドレミーが『もう十分です』って言うまで、止めないよ」

「……ふふっ、私も、望むところです」

 自分の挑発的な言葉に対してドレミーはこちらの鼻先をつつくと、彼女は独特の、可愛らしい笑顔で返事をした。

 

 

 

3.

「さ、後は寝るだけ、ですね」

 あの後、運動と称した情事は二人してへとへとになるまで続き、それからはドレミーの言うとおりの時間配分で共に食事、入浴を終え、もう今日という一日が終わりを迎えようとしていた。

 夢の世界での服装からポンポンを取ったようなパジャマを着たドレミーにベッド――勿論シーツは取り換えた――まで手を引かれ、共に一枚の薄めの布団をかぶる。

「あ」

「うん? 何かあった?」

「最後に、一つだけ」

 何かを思い出したような声を上げたドレミーは、体をよじってこちらに向き直す。

「とっても簡単にリラックス効果を得られる、素晴らしい寝具があるんですよ」

「素晴らしい寝具? それは是非使ってみたいけど、どんな物?」

 どうにも何も持っていないように見えるドレミーに問うと、彼女はふふっと笑い、こちらに向かって手を広げる。

「それは、抱き枕、ですよ」

 そして、今日一番の笑顔でそう続けたドレミーに何もせず、何も言わず、十秒が経過した頃。

「……あの、何か反応して下さい……」

 ついに照れが出てしまったのか、頬を赤く染め、顔を伏せてしまう。

「あ、ごめん。あんまり可愛くて固まっちゃった」

「……嘘が下手ですよ」

「いや、本当に」

 出来る限り真面目な顔で誤魔化しなどではないと伝えると、ドレミーはますます顔を赤らめ、無言でこちらの胸に顔を埋めた。

 そんな彼女を優しく抱擁し、そのまま頭に手を回して赤い帽子越しに抱き込む。

「うーん、いい抱き心地」

「……どうも」

「そうだ、帽子脱がせていい?」

「……本当は付けたまま寝るのですが、構いませんよ」

 今回はきちんと了解を頂いた後、そっと帽子を脱がせ、溢れた髪と可愛らしい獏の耳を指で撫でる。

「んっ……、こっちの耳触ったり、頭撫でるの、好きですよね」

「うん、気持ちいいからね。ドレミーはあんまり?」

「……好き、です、けど……」

 普段は落ち着き払い、どこか飄々としたドレミーが呟いたその言葉の破壊力たるや、彼女の弾幕を超えているのではなかろうか。いや、対自分なら間違いなく超えているだろう。

「ただ、触るのは構いませんが、優しくして下さいね。夢の中ではこちらの耳の方が良く聞こえるので」

「分かってる分かってる」

 彼女の注意に返事をしながらもう片方の手を彼女の背中に回し、お尻の方へと滑らせていく。

 すると、ドレミーに訝しげな眼でじーっと見つめられてしまった。

「尻尾もですか?」

「ほら、後で、って言ってたし」

「……よく覚えてましたね。はぁ、どうぞ、好きにして下さい」

 諦めたか呆れたかドレミーは小さく溜め息をつくと、自ら尻尾を上げ、こちらの手元へ向かわせてくれた。

 柔らかな髪とむにっとした獏耳、肌触りのいい尻尾とふわふわした毛先、両の手で彼女を獏たらしめる部分を存分に丹念に愛でる。これはリラックス効果抜群だ。

「随分楽しそうですね。頬が緩んでますよ」

「これ以上無いくらいだよ」

「これ以上無い、と……。私が抱き枕ですって言った時にもし素直に最初から抱き締めてくれたら、おっぱいでお顔でも包んで、よしよしってしてあげようかと思ってたんですけどねえ」

 こちらの言葉をオウム返しした後、やや逡巡したドレミーは自らの胸を持ち上げると、意地悪っぽくそんなことを言い出した。

「えっ、いや、今も十分……、あー、でも、ううん、そっちも有りか……」

「ふふっ、残念でしたね。今日はお預けです」

「えー、ずるいなぁ」

 お預けと言って頬を緩めたドレミーにつられ、自分も笑う。二人で布団に包まれながらくすくすと笑い合った後、未だ降る長雨の音に耳を傾ける。

 昼間よりも幾分静かになったその音は、雨が止むときが近いことを教えていた。明日の朝にはきっと晴れているだろう。

「……さ、そろそろ寝ようか。明かり、消すよ」

 ドレミーに消灯を伝え、彼女の短い返答と小さな頷きを確認した後、照明を落とす。

 淡い光が消え、雨のせいで月明かりも差し込まない寝室は、瞬く間に夜を体現する暗さとなる。

 だが、恐怖なんてものは無い。隣には愛しい人が寄り添ってくれているのだから。

「ドレミーも今日はよく眠れそう?」

「かもしれませんね。あの、寝る前に、もう一度キスしてくれませんか?」

 本日何度目かの口付けのおねだり。しかし、それにはあえて返事をせず、彼女の唇に自身の唇を触れ合わせることで答えとする。

 それは、今までのような激しく求め合うものではなく、静かで穏やかなもの。

「ん……、ありがとうございます」

「お礼なんていいよ。ドレミーって、結構キス好きだよね」

「……ええ、好きですよ。何と言いますか、生身の○○さんと触れ合ってるって実感出来るんです」

 そう言って抱き着く力を僅かに強めたドレミーの表情は、暗闇のせいで分からない。だけど、きっとはにかんだ笑顔なんじゃないかと思う。

「それじゃ、ドレミー」

「○○さん」

――良い夢を。

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