※この作品はR-18です。

ドレミーとの話   作:奈伎良柳

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タイトル通りの話。

R-18パートのみ読みたい方は、2番のみお読みください。


ドレミーに授乳尻尾コキしてもらう話

1.

 ある日の昼過ぎのこと。寝室のベッドに隣り合って腰掛けていたドレミーは一冊の本を黙読していたが、最後のページを読み終えると本をパタンと閉じて脇に置く。

「……うん、概ね私が見せようとしていたものと同じですね。一週間、お疲れ様でした。それと、ご協力本当にありがとうございます」

 こちらに向き直り、丁寧にぺこりと一礼した彼女が読んでいた本。その表紙にはドレミーの綺麗な英文字で、ダイアリー、つまり日記帳と書かれている。そう、先程まで彼女が読んでいた本とは、自分が書いた日記である。

 但し、普通の日記ではない。その日に見た夢を記録する、いわゆる夢日記というやつだ。

 しかし、何故自分が書いた夢日記なんてものを彼女が読んでいるのか。加えて、労いとお礼まで言われるのか。それはこの夢日記が、一週間前に彼女本人から書いてほしいと頼まれたものだったからだ。

 事の始まりは最近起こったある異変で、その際に夢の世界でも色々と面倒が起こったらしく、今後似たようなことやもっと面倒なことが再び起こった時のため、今以上に夢の扱いに習熟しなければと思ったらしい。

 そして、手始めとして『個人かつ小規模でもいいから、思い通りの夢を見せる』というのがどこまで出来るか試してみようと考え、その相手として、恋人である自分が選ばれたのだ。

 自分が選ばれた理由は二つあり、一つは身内なので多少夢を弄っても内々で済ますことが出来るから。それともう一つは、自分の夢に関する精神構造にあった。

 本来、悪夢の原因を取り除いたり、夢の影響が現実にまで及ばないように抑える程度ならともかく、夢自体を変えるのは相当難しい。それは力量の問題ではなく、誰しもが無意識レベルの精神に侵入者を拒む本能のようなものがあるからだ。

 だが、どうも自分の場合はドレミーに対しての信頼感からか、獏の中でも彼女に対してだけはとても緩く、これならなんとかなりそうだから、とのことだ。

 そういう理由もあって自分が選ばれ、自分もドレミーの頼みならと了承し、任意の夢を見せる期間、一週間分の夢日記を依頼されたのだ。

「出来る限り細部まで書いて欲しいとは言いましたが、とても詳しく書いてくれましたね。繰り返しになりますが、大変でしたよね?」

「いや、そこまででも無かったよ。むしろ、結構楽しかった」

「お気遣いありがとうございます。そう言ってもらえると、私からは感謝しかありませんよ」

 実際、彼女が見せてくれた夢は楽しい夢が殆どで、夢を記録するなんてのは初めてだったがそれほど苦ではなかった。

 まあ、たった一日だけ、ちょっと懸念がある日もあったがどうやら何事もなさそうで……。

「……ですが、一つだけよろしいですか? この七日目、今日の朝の夢ですけれど」

 かと思いきや、その懸念がある日、今日の夢について突っ込まれる。

「『ドレミーとエロいことする』の一文しか書かれていませんが」

「……悪いけど、それしか覚えてなくてさ。ほら、夢を見たのは覚えてるけど、どんな内容だったかなーってよくあるでしょ?」

「確かにありますね。でも、今日に限っては嘘です。少なくとも二、三行の文を何度も消した跡がありますが、本当に何も覚えていないなら、そもそも何かを書こうとした跡すら無いはずです」

 一応考えておいた言い訳も所詮浅知恵、あっさりと見破られてしまった。

「……うん、ごめん、嘘ついた。覚えてる。でも、エロい夢なんてものをあんまり詳しく書くのもどうかなって……」

 そう、今日の夢は色んな意味でそれはそれは書き辛く、とても文章として残しておくなんて出来ずにたった一文で終わらせてしまったのだ。

「ほら、ドレミーも言ったくれたけど他の日はきっちり詳しく書いたし、七分の一ぐらい、多少雑でも……」

「駄目です。教えてください」

 即答だった。

「……じゃあ、その前にこっちからも今日の夢に関していくつか聞いて良い? で、自分なりに納得出来たら教えるから」

「構いませんよ」

 ならばと出した交換条件にドレミーはまたも即答する。この自信、こちらがぶつけるであろう疑問に対して、きちんと回答があるということだろうか。

「……まず、あの夢は見せるつもりだったのか、それとも間違えたないし夢の操作が上手く出来なかった、どっち?」

「見せるつもりでしたよ」

「……あの夢のドレミーは、今ここにいるドレミーと同じ?」

「いいえ、あくまで“○○さんの中の私”です。私自身はこの一週間、貴方の夢とは夢操作の干渉以外、一切接触していませんので」

「つまり、本当に何があったかは知らないと」

「はい、嘘はありませんよ」

「うーん……」

 顎に手を当て、心内でもうむむと唸る。合間を入れない問答にも彼女は言い淀みすらしなかったので、自分みたいに急造の回答やその場しのぎの嘘は無さそうだ。元々冷静かつ飄々とした人物ではあるが、それなりに長く一緒にいる自分にすら動揺の欠片すら見せないのは難しいはず。

「分かった。じゃあ、これで最後。……エロい夢を見せたのは何故?」

 最後に、と銘打った質問で根源的なことを尋ねると、ドレミーは頭を軽く傾げさせる。

「何故、ですか?」

「だって、他の夢が食事に行くだとか、遊びに出掛けるだとかそんな感じなのに、明らかに一個だけ浮いてるから」

 とはいえ、これも実験の内の一つだと言い張られてしまえばそれまでだ。しかし、彼女は相変わらず動揺も迷いもなく、即答した。

「お礼のつもりでしたので」

「……お礼?」

「はい。私が最終日に仕掛けた夢は『私にしたい、されたいことをする』というものです。但し、○○さんの場合ちょっとデートして終わり、なんていつでも出来そうな夢を見るんじゃないかと思いまして、せっかくならと少しだけ大人向けになるように味付けはしましたけれど」

 ドレミーは眼前に緩く握った右手を持ってきて、親指と人差し指で空を摘むようなジェスチャーをして、このくらい、と付け足した。本当にそのくらいなのだろうか……。

「そして、このお礼の本当の趣旨は、その夢を実際に叶える、というものです」

「……え?」

「だから、詳しく教えて欲しいんですよ。貴方が見た夢を」

 なんと、望んだ夢を見せること自体はお礼のいわば半分であり、もう半分はそれを叶えることだと、ドレミーは言う。

「で、でも、そんなお礼があるなんて、一切言ってなかったけど……」

「だって、最初に教えてしまったら、期待したり想像したり遠慮したりで、本当の希望からずれてしまうかもしれないじゃないですか」

「だけど、実際にだなんて……」

「嫌ですか?」

「まさか! そんなこと、ある訳無い。無い、ん、だけ、ど……」

 確かに今日の夢の内容は、今まで興味はあったが様々な思いから言い出せずにいたまさに“夢”であり、そんな叶わないと思っていた夢を叶えられるチャンスが転がり込んできて嬉しくないはずが無い。

 しかしそれでも、歯切れ良く教えるなんて、出来なかった。

「……これほど悩むとは、そんなに人に言えないことをしていたんですか? それこそ仮想の相手にしか出来ないような」

「いや、そこまではいかないと思うんだけど……」

「なら教えてくださいな」

「……でも、変わった夢なのは間違いないし、流石にドレミーも引いちゃうかなーって……」

 すると、彼女はぷっと吹き出して、やれやれと呆れ顔を見せた。

「何を今更。私のような獏に夢中な時点で、○○さんは相当変わり者ですよ。そして、そんな○○さんが好きなんですから、少しくらい貴方の夢を叶えさせて下さいな」

 最後は優しい笑顔でそう言うと、胸元にぎゅっと抱き付いてくる。

「それとも、私ではやっぱり駄目ですか?」

「う、ううっ……」

 更に、目の端にきらりと輝く雫を浮かせた、物憂げな上目遣いでの畳み掛け。

「……分かった。話す、話すよ」

 ここまで言ってくれるなら断るのも失礼だし、自分だって夢を叶えて欲しい。なにより、自分の希望を叶えようとしてくれる恋人を突き放すなんて、男として駄目だ。

 ええいままよ。そう腹を括り、自らの口で今日の夢は一体どんな夢で何をしていたのか、洗いざらい全てを話した。

 

「……なかなか、なんというか、まあ、少々マニアックですね、はい」

 夢で見た内容、引いてはこれからして欲しいことを聞いたドレミーはうんうんと小刻みに頷きを繰り返す。想定していたよりも落ち着いた静かな反応だったが、流石にこれは……。

「でも、それくらいなら構いませんよ。上手く出来るかどうかは別ですけれど」

「ほ、本当に?」

「はい。言ったじゃないですか、貴方の夢を叶えると。一応言っておきますが、嫌々ではありませんよ。聞いた上で、私の意思でするんですから、変な気遣いとか遠慮はしないで下さいね」

 彼女のしっかりとした宣言を聞いて、心の底から喜びと安堵が湧き上がる。十分ほど前の自分に、何も不安に思わなくていいと教えてあげたいぐらいだ。

 それにいざ叶えて貰えるとなると、我ながら現金だが俄然やる気も湧いてくる。

「じゃ、じゃあ、その、がっつくようで悪いけど、今日の夜とか……」

 善は急げと逸る気持ちも隠さずにそう提案する。すると、ドレミーは小首を傾げにこりと笑った。

「夜まで待たずとも、○○さんさえ良ければ今からでも構いませんよ?」

「……いっ、今から!?」

「はい。もしや、これから何かご予定が?」

「いや、何もない! 今日は丸一日空けてあるから!」

 自分よりももっと積極的な彼女の申し出に早くも胸が高鳴り、語調も自然と強くなってしまう。

「なら、気兼ねなく出来ますね。では、少し場所を移しましょうか」

 しかし、続くドレミーの一言には、思わず、え、と聞き返してしまった。

「……場所を移す? ここだと駄目?」

 自分がして欲しいことの中に、この部屋、寝室だと都合が悪いなんてものは無かったはず。だから、場所を移す必要も無いはずだが。

「いえ、ここでも不自由は無いんですが、今回は貴方の夢の中でしてみようかと。これも夢操作の練習の一環ですし、より○○さんの理想に近づけるかと」

 より理想に近づく、の意味はともかく、それ以上に気になる大きな点があった。

「……夢の中って、えーっと……、ほら、俺、起きてるけど」

 たどたどしく返事をしながら、自らの指で自らの顔を指す。

 自分が眠って夢の世界にいる時に、夢の中にドレミーが会いに来てくれることは普段からよくあるので、『自分の夢の中』という言葉の意味は分かる。

 だが、今はこうしてはっきりと起きているので、入る夢自体が無いのでは。

「はい、確かに○○さんは起きています。夢魂も発生していません。しかし、実はある方法が存在するんですよ。これから入るのは、いわば仮想の夢とでも言いましょうか」

 素朴な疑問に淀みなく答えながら、彼女はどこからともなく夢魂をひょいと取り出した。彼女の手のひらでぷるぷると揺れ弾むそれは、自分ももはや見慣れたと言っていい物だが、いつもよりも色は薄いし小さく見える。

「これは、昨日の貴方の夢の夢魂です。この中に入るんですよ」

「……昨日の……夢?」

 既に醒めたはずの夢が、目の前にある。そう言われてもピンと来ず、どうしても訝しげな目で見てしまうが、ドレミーは「はい」と迷いなく頷いた。

「まず、こんなものがどうしてここにあるかの説明よりも、これを使うメリットから紹介しましょうか。メリットは、もとが○○さんの夢ですから、貴方にとっても色々融通が利きます」

 融通が利く。ドレミーが言うには、本来夢の世界ないし夢の中を自由に動き回ったり造り変えたりするには相当な修練か種族レベルでの能力が必要だが、その本人の夢であれば難易度はかなり下がるらしい。

 なので、自分でも何かを生み出したりするくらいなら出来るかも知れないのだ。例えば、寝室を完全に再現するのも不可能ではないし、ベッドなんかのサイズや色やら枕の数、必要ならば小道具まで自由自在。これが、より理想に近づける、という言葉の意味らしい。

 そして、当然獏であるドレミー本人にも同じことが出来るので、もし上手く出来なくても安心とも教えてくれた。

「……それで、デメリットは?」

「それが、醒めたはずの夢魂がここにある解説にもなるのですが、これ、抜け殻みたいなものなんです。それを何とか夢としての機能を最低限残して維持しているので、こうして消えてしまわないようにしておくだけでも結構力を使いますし、もとの夢の持ち主以外には全く適合しないんです」

 なるほど、だから普段弾幕に使ったり食べたりと活用している夢魂とは細部が微妙に違うわけだ。

「まあ、その持ち主は目の前にいますから、残る問題は十分な妖力ですが……。今はたくさん妖力に余りがありますので問題ありません」

「余り?」

「一週間前のこと、忘れたんですか?」

 彼女に言われ、一週間前、つまり夢日記を渡された当日の出来事を思い出す。……ああ、あの、滅茶苦茶搾られたやつか。

 『これから一週間、私は夢でも現実でも○○さんに会うのを控えます。そこでの行動や会話が見せたい夢の余計なノイズになるかも知れないので。……ですから、それまで寂しくないように、○○さんを感じさせて下さい。愛して下さい』なんて憂い混じりに甘えられ、調子に乗って求められるまま応えてしまったのだ。次の日、恐ろしく気怠かったのは言うまでもない。

「思い出しましたか? あれは一週間分の夢操作用の妖力の補充でもあったんですが、その過剰分が意外とあったので、せっかくならと」

 過剰分とドレミーは言うが、これを前提にしていたとしか思えず、苦笑いしか出なかった。

「えーっと、じゃあ、今回みたいなドレミーに余裕がある場合は実質デメリット無し?」

「そうとも言えますね」

「……でも、そんなに便利な物なのに、今日が使うの初めてだよね、それ」

 デメリットも殆ど無いうえに便利という代物なのに、何故今まで使わなかったのだろうか。

「仕方ありません。元々これは『使わない』ではなく『使えない』ものなので。あ、不可能という意味じゃなく、使う意味が無い、という方の意味ですよ」

 ドレミーは夢魂を持った右手をくるりと捻りつつ手を握ると、人差し指を立てる。手のひらにあったはずの夢魂はどこかに消えてしまっていた。

「まず一つに、そもそもメリットで示したことなんて普通は無理なんです。さっきの言い方では誰でも簡単に出来ると聞こえたかも知れませんが、いくら自分の夢でも思い通りに操れる人はそうそういません」

 彼女は静かに首を左右に振った後、ですが、と付け足すと更に言葉を続けた。

「今回は○○さんが実際にどこまで出来るか試すために使ってみようかと。○○さんは私と一緒になってから急速に夢の扱いが上手になっているので、あっさり出来ても不思議はありません」

「そりゃあ、夢でもドレミーに会いたいから無意識とはいえ必死だったんだろうね」

 普段会える機会が安定しない分、夢の世界では飛び回るドレミーを見ていたいという願望の結晶だ。お陰で夢を夢と自覚し、現実に悪影響が出ないくらい短時間なら意識を保ったりなんかも出来るようになった。そのことを本人にそう言って貰えるのは、素直にとても嬉しい。

「……動機はともかく、そういう理由があるんです」

 それを聞いたドレミーは少し頬を赤らめつつ小さく咳払いし、人差し指に加えて中指も立てる。

「二つ目に、維持に必要な十分な妖力と言うのは、本当に多いんですよ。私達の普段の交わり程度では余裕で収支はマイナスですし、普段からこれを使っていたら私の獏活動に支障が出るほどなんです」

 ドレミーはそこまで言うと立てていた指を戻して、また握り拳を作りつつ手を捻る。そして、閉じた手を開くと消えた筈の夢魂がまた手のひらの上に戻って来ていた。

「でも、何も夢操作とこれのためだけにあれほど求めたのではありませんよ。寂しいからというのも本心です。実際にこの一週間、夢ですら会えないからもう寂しくて寂しくて。自分で自分を慰める毎日でしたから」

 ニヤニヤと笑いながらの台詞はなんとも嘘臭い。だが、すぐに再び小さく咳払いをしてニヤついた笑みを収めると、次は楽しげな笑顔を見せた。

「さて、説明も済んだところで早速始めましょうか。貴方の夢の再現を」

 言い終わると同時にドレミーは夢魂を中空に軽く放り投げ、指をぱちんと鳴らす。すると、夢魂の薄紫色が見る見るうちに寝室を満たし、あっという間に二人とも呑み込まれてしまった。

 

 

 

2.

 ついさっきまで居た寝室よりも多少広いくらいの部屋の中央で、ドレミーはこの部屋に唯一ある家具の、二人用にしては大きめのベッド――ドレミーに言われた通りにやってみたら、本当に自分の力だけで造り出せてしまった物――に腰掛ける。そして、ぎゅっ、ぎゅっと手のひらで寝台を押すと、いい感じですね、と微笑んだ。

「さ、○○さんはこちらへどうぞ」

 ベッドの中央からやや左側へ身を寄せた彼女に促されるまま、恐る恐る自分もベッドに座る。ベッドは男女二人の体重には耐えきれず、無惨に壊れる、なんてことはなくて、ほっと胸を撫で下ろす。

「さて、では枕は私が造りましょう」

 ドレミーが指を鳴らすと、デフォルメされた小さなバクが描かれた可愛らしい枕が一瞬で現れた。因みに、これは自分が現実でも使っている枕と全く同じデザインの物だ。

 彼女はそれを自身の脇、ベッドの中央に置き、自分は淀みなくそこに仰向けに寝転がって頭だけドレミーの方を向き、彼女も左手側が下に来るように横を向いて添い寝をする。但し、普通の添い寝とは違ってこちらの頭部の高さ、つまり目の前に彼女の胸が来ておりと、位置に多少のずれがある。

「この辺りで良さそうですかね」

「うん、いいと思うよ」

 だが、高さを確かめる彼女に良好だと返す。ずれを直さないのは、これにもちゃんと意味があるからだ。

「さて、ではここからどういう風にするのがお好みでしょうか。繰り返しになりますが、服装もある程度融通が利きますよ」

 ドレミーは右手で自身の豊かな胸の前に手をかざし、言いながらとん、とんと一定のリズムで叩く。叩く度に上半身から白いポンポンの付いたケープが消え、上着が消え、ブラのみになったかと思えばまた最初に戻りと、次々と衣服が変わっていく。

「でも、今回はやっぱりこうですか?」

 最後に腕で胸囲を隠して叩くと、トップレスの姿になる。だが、彼女の細い腕だけでは魅力的な豊乳の谷間は勿論、乳房の下弦の丸いラインまでもがはみ出てしまっていた。

「……それでお願いします」

 着衣プレイや脱がす楽しみ等々も素晴らしいものだとは分かっているが、あっさりと欲望に負けた返事をすると彼女はふふっと笑う。

「分かりました。では、次のステップと行きましょう。ですが、私だけこんな恰好はちょっと恥ずかしいので……」

 ドレミーは右手でこちらの胸の辺りをぽんと叩く。その瞬間、下着ごと着ていた服が全消失し、一瞬で全裸に剥かれてしまった。

「大丈夫ですよ。この夢が終わればちゃんと元通りですから」

 呆気に取られる自分を余所に悪戯っぽい笑顔のまま彼女は言うと、隠す物が無くなった下半身へ右手を伸ばしていく。

「まだまだ五割くらい、ってところですね」

 そして、概算通り半勃ち程度の男根を手のひらで柔く撫でる。久しぶりの彼女の手の感触に、早くも下半身に熱が集まっていく。

「では、始めましょうか。貴方が望んだ夢を」

 ドレミーは目を細めて妖艶な顔を浮かべると胸を隠していた左腕をどけて、大きく形もいい柔乳と桃色の乳首を曝け出す。見るからに重量感のある豊かな膨らみにきめ細かな肌、鮮やかなピンクの輪っかとその真ん中に鎮座する蕾。それらを兼ね備えた美しい乳房は、いつ見ても心奪われてしまう。

 彼女はそんな美巨乳の片方、左胸にどけた左手を添えて持ち上げると、上下に軽く揺すってたぷたぷと弾ませる。

「さ、来て下さいな。○○さんの大好きなおっぱいですよー」

 先程までの艶やかな雰囲気はどこへやら、なんとも楽しそうな笑みを浮かべて言うドレミーに誘われるまま、今更ながら若干の気恥ずかしさを覚えながらも揺れる豊乳へ顔を近付けると、彼女の方からも右半身を傾かせて近付いてくる。

 視線を少し下げれば視界のほぼ全てが乳肌に覆われてしまい、今にも触れてしまいそうなほどに近い。が、ドレミーの方からそれ以上距離を詰めることはしなかった。

 緊張半分と勢い付け半分にごくりと生唾を飲み込んでから緩慢に口を開け、眼前のぷくりと膨らんだ乳頭に舌先を伸ばす。元々距離が非常に近い故にすぐに舌先に突起が触れ、ちろちろと何度か舐める。

 視覚だけでなく触覚でもしっかりとその存在感を再確認した後、更に口を開いて尖った蕾を乳輪ごと咥え込む。

「んっ……、今日はいきなりですね。確かに本題を考えれば正しいのですが、触ったり揉んだりしてもよかったのに」

「……我慢、できなくて」

 正直にそう告白すると、ドレミーはくすくすと笑う。

「素直ですねえ。では、こちらは手でどうぞ」

 呆れ混じりに言ったドレミーは右手でこちらの左手の甲を掴んで引き寄せると、もう片方の乳房に押し当てる。

 左手を通して伝わる、何度味わっても飽きることが無い、何度でも求めてしまう柔らかな感触。思わずむにりと五指を沈めると、彼女はそっと右手を離して後を託す。

「ふふっ、もうお口も手もおっぱいの虜ですね。ここもとっても喜んでます。でも、もう少し大きくして下さいね」

 ドレミーは再び自由になった右手で肉幹を優しく撫でながら言うと、手のひらで包んで緩く上下に扱き始める。

 先程軽く触られただけでも硬度はぐっと増したのに、加えてドレミーの乳房を吸いながら揉みながらともなれば自分でも驚く速さで勃起が進んでいく。

「どんどん大きく、硬くなってますよ。あの、大好きなおっぱいを味わっているところ悪いのですが、少しお聞きしてもいいですか?」

「……ん、勿論。で、何?」

 彼女に言われ一旦双房を弄るのを止めると、ドレミーも同じく手を止めた。

「この一週間、一人ではどのくらいしました?」

「いや、一回もしてないよ」

「一度も、ですか?」

「最初の二日くらいはまだなんとなく気怠くてする気が湧かなかったし、真ん中三日はドレミーに会えないせいでやる気が湧かないし、最後の二日はもうここまで来たら、会える七日目まで意地でも我慢してやろうって」

 今更恥ずかしがることも何も無いので、一週間の自慰事情を正直に伝える。

「あらあら。では色々とちょうどよかったかもですね。……もしかして、今日の夢で夢精とかしませんでした?」

「しなかったけど、起きた後、滅茶苦茶悩んだ。はっきり覚えている内に……、って」

「でも、我慢してくれたんですよね。それなら、溜まっている分を全部出し切るくらい、期待に応えてあげないといけませんね」

 ドレミーは子供を褒めるような慈しむ顔を見せると、多少は自由の利く左手でよしよしと頭を撫でて、また緩く陰茎を扱き始める。

 言葉やら手つきやら表情やら、彼女からもたらされるありとあらゆる甘さに浸り、乳を吸いながら手淫を受ける。そんな至福の時間に精神は無抵抗に蕩け、分身はあっという間に完全に勃起してしまう。

 しかし、それでも陰茎を扱く手は止まらず擦られ続け、亀頭の先端から先走り汁が溢れ始めた頃、ようやくドレミーは手を止めた。

「さて、これだけ硬くて立派になれば大丈夫ですね。貴方の夢までもう少しの我慢ですよー」

 言いながら彼女はしなやかな右足を少し前方に伸ばしてこちらの右足の上に乗せて、まるで逃がさないと言わんばかりに絡ませてくる。

 だが、この体勢の目的はそこではない。ガチガチに勃起した陰茎に、よりドレミーの下半身を、もっと言えばお尻のやや上からすらりと生えた尻尾を近付けることに意味があった。

 彼女は自身の尻尾を男根の脇にそっと下ろし、尻尾の先端のふわふわした部分のやや下を摘まむ。そして、陰茎の周りをくるくると回して、肉幹に尻尾を巻き付かせていく。

 根本から真ん中まで、巻き付ける高さを徐々に上げながら三週分ほど絡ませて、肉幹をほんの少し締め付けるくらいの力加減でくいくい引く。最後に、右手で尻尾の上から陰茎を優しく掴むと、顔をこちらの方へ向けた。

「これであってますよね? ○○さんのしたかったこと」

「うん、あってるよ。凄くいい感じ」

「よかったです。では、ここからが本番ですね」

 ドレミーは肉棒を尻尾ごと再び上下に扱き、自分もまた乳頭を咥え直して、吸ったり甘噛みしたりと好き勝手に味わう。

 一見、先程までとは尻尾の有無しか変わっていないが、この尻尾が何よりも大事だった。そう、彼女に頼んだ夢とは、授乳手扱きの尻尾版、授乳尻尾扱きである。

 勿論、普通の授乳手扱きもとても素晴らしい――先の準備段階の時点でそのことは十二分に理解した――が、それに前々からして欲しかった尻尾扱きも合わせた、贅沢な産物だ。

 ドレミーの尻尾はしなやかで手触りも気持ちよく、先端はふわっとした毛が集まっていてそれがまた癖になる感触でと、どれをとっても魅力の塊である。

 けれど、普段は人に触られるのはくすぐったいからと偶にしか触らせてくれないし、許可が出たからと言って流石にこんなことは頼めない。それでも、一度でいいからこの尻尾で扱かれてみたいという思いがずっと僅かに燻っていた。

 それと、ドレミーの大きな乳房に赤ん坊のように夢中になりながら優しく扱かれてみたいという思いも別にあった。こちらは言えばしてくれた可能性が高いが、内容の気恥ずかしさが多勢を占めていて頼めなかった。

 そんな二つの願いを同時に満たす、授乳尻尾扱き。それが、自分が今朝見た夢の内容だった。

 尻尾扱きの方は上手く出来るか分からないからという彼女の事前の弁により、尻尾を絡ませてその上から手で覆ってという形だが、文句なんか無い。むしろ、尻尾を使えば雑でもいい、と考えたのではなく、きちんと気持ちよくなって貰おうと考えてくれたのが何よりも嬉しい。

 それに、扱く動きではなく締め付ける動きはそこまで難しくないのか、柔く締めたり緩めたりくらいは継続的にしてくれており、これは尻尾があるからこその気持ちよさだった。

「もうずっと我慢汁が溢れてますよ。出したくなったらいつでも構いませんからね?」

 ドレミーの手が上下に揺れる度に巻き付いた尻尾も微妙にずれ、手とはまた違う滑らかな感触が肉幹を柔く擦る。多量の先走り汁も尻尾と手の間で攪拌されてにちゃにちゃと粘っこい水音が鳴り、快感に陰茎がびくんと脈動すればより尻尾の締め付けを強く感じて興奮に繋がっていく。

 そして、興奮を更に後押しするのが彼女の豊満な乳房だ。今も夢中で吸ったり舌で転がしている乳突起は硬いのに胸自体は柔らかくて、口元に当たる感触はこれ以上ないくらい心地いい。

「んっ……、あっ、ん……、ふふっ……」

 加えて、ドレミーから仄かに香る甘い匂いが乗った、時折小さく漏れる法悦に浸るような艶のある声。こんな声を聞かされて熱が入らないわけは無く、自分だけでなく彼女にももっと気持ちよくなって欲しいという我が儘な欲望が湧き上がる。

 口を少し大きめに開けて、一旦乳頭を口腔から解放する。ずっとしゃぶっていたために唾液がべっとりと付いて濡れ光り、乳首もより赤く色付いて見えた。

 しかし、すぐにまた舌を伸ばして蕾の先端を繰り返し舐める。ドレミーの方は小休止だと思っていたらしく、不意を突かれた高い声を上げてぴくんと体を跳ねさせるが、穏やかな顔は崩さない。

 次は先端から乳輪に舌を移して、ぷくりと膨れた桃色の輪に沿って這わせ、一周したらまた乳首に戻して舌先で弾くように強く舐め上げる。最後に乳輪ごと乳首にキスをして吸い続け、息が切れてしまう直前でちゅぽんと唇を離した。

「あっ、んっ、はぁんっ……、もう、本当におっぱい好きですねぇ」

「そうじゃないなら、こんなこと夢に見ないよ」

「それもそうですね。○○さん、こっちばかりじゃなく、こっちもどうですか?」

 ドレミーは小さく笑うと、体をより圧し掛からせてさっきまで弄っていた方とは反対の乳房を差し出してくる。

 そんな誘いに対して何か考えるよりも先に体が動き、すぐに咥え込んでまたドレミーの柔らかく大きな乳房に甘え切ってしまう。

 だが、当の本人は全く怪訝そうな様子は見せず、それどころか嬉しそうな表情を浮かべると頭を柔く撫でる。

「でも、私だって負けていませんからね。おっぱいだけで満足だなんて言わせませんよ?」

 そこまで言うと彼女は分身を扱いていた手をするりと下へ滑らせる。

「こういう風にされるのも、好きでしたよね?」

 ドレミーは陰嚢を手のひらで包むように持つと、ふわふわと柔く転がし始める。弄る手が無くなった陰茎は緩慢な速度ではあるが尻尾が扱き、本来これら二か所を責めるには使う筈の左手では、頭や頬をあやすように撫でられてと、両の手を使っても足りない奉仕で容赦なく精神を溶かされる。

 一週間ぶりに触れる、彼女の滑らかな手が精子を溜め込んだ器官を愛撫し、尻尾やもう片方の手がそれを開放させようと絶え間なく快感を与えてくる。

 背筋にずっと微弱な電流が流れているかのように下半身ががくがくと揺れ、柔乳を吸うのにも集中出来ていない。それでも、込み上げる射精欲を必死に何とか押し込めていると、ドレミーはむうと首を傾げた。

「……今日は頑張りますねえ。今までの経験上、もうそろそろ出していてもおかしくないと思うのですが、あまり気持ちよくありませんか?」

「いや、そうじゃなくてっ、この最高の時間を終わらせたくないからっ……!」

 まさに夢のようなひと時なのに、簡単に終わってしまうのは余りにも勿体ない。その一念で堪えていると声を絞って告白すると、彼女は嬉しそうな笑みを見せた。

「それはそれは。でも、大丈夫ですよ。毎日とは言えませんが、機会があればまた何度でもしてあげますよ。だから、出してしまってもいいんですよ?」

 必死に射精を堪える自分にドレミーが優しく語りかけた内容は、あまりにも魅力的過ぎるものだった。また、この至福の時を味わえる、そう思った瞬間、抑え込んでいた欲望が大きく脈打った。

「あ、びくびくってしました。気が緩んじゃいましたか?」

 図星を突かれ、後ろめたいわけでも無いのに思わず全身が一瞬硬直する。あまりにもあからさまな反応に彼女は気を良くしたのか、更に誘う言葉を続ける。

「ほら、ここはこんなに出したそうにしてますよ? さっきの言葉に嘘はありませんから、安心して下さいな」

 ドレミーは我慢汁をだらだらと溢れさせる鈴口を指先でくりくりと苛めながら、耳元で甘く囁く。

 彼女の性格上、たとえこんな場面での約束だろうが後で反故にすることはしない。そのことを自分はよく知っている。

 なら、もう我慢しなくてもいいじゃないか。快楽に身を委ねて、早く極上の絶頂を味わってしまえばいいじゃないか。

 均衡を保っていた抑制の天秤が、そちらに傾き掛けたその瞬間。不意にドレミーは手と尻尾、どちらも動かすのをぴたりと止めてしまう。

「それとも、私がよく『もう少し我慢して下さい』って言うから、今も我慢してくれてるんですか? なら、私直々に射精まで導いてあげた方が気兼ねなく射精出来ますよね? そうしますね?」

 矢継ぎ早に彼女はそう言うと、こちらが口を乳首から離して返答する間もなく最後の一言で結論付け、尻尾の締め付けをぎゅうと強くする。

「三、二、一、ゼロで緩めますからね? いいですね?」

 精液の通り道を塞いでからドレミーは分身をまた弄り始め、指先で亀頭から裏筋にかけてを何度も柔くなぞる。彼女の表情こそ笑顔のままなのに青い瞳からは悪戯心が隠せておらず、明らかに“分かって”やってことは明白だった。

 抑制を込めて、震える手で彼女の体をぱしぱしと叩き、声を上げる。しかし、手には全く力が入っておらず、口からも唸り声しか上げられなかった。

「大丈夫ですよ。ちゃんとゼロになったら意地悪せずに解放してあげますから。それじゃ、数えますね?」

 それでも一応、制止の意図は伝わったようだが本人にその気はさらさら無いらしい。

 性交の際に自ら射精を律することは今まで幾度となくあったし、彼女の方からも抑制の言葉を言われたことも何度もある。

 だが、こうして物理的に止められるのは思えば初めてのことで、出したいのに出せないという感覚はもとより、手玉に取られている、という感覚が非常に強い。でも、嫌な感じが全くしないのは、最後にはきちんと気持ちよくしてくれるという確信があるからだろうか。

 すっかりドレミーのペースに流されながらも、乳を咥えた口だけは僅かでも余裕のある今の内に離しておく。強大な絶頂の快感に噛んでしまいました、なんてことが起こっては謝っても謝り切れない。

「さーん…………、にー…………」

 ドレミーは敏速に男根を扱きながら、それとは反して緩慢に数字を減らす。たったの三カウントが恐ろしく長い。いつの間にか、聴覚の全てが彼女の声しか捉えられていなかった。

「いーち…………」

 この状態から解放される、一つ前の数字が耳に届く。

 もう少しで射精が出来る。その一文だけが脳内でリフレインし、歯噛みに加え全身の筋肉を強張らせて必死に耐える。

 止まない快感に陰嚢からせり上がる精液が、彼女の口がもう一度開くのを今か今かと待ち構えていた。

「ゼロっ!」

 そして、ドレミーは最後の数字を口にすると同時に尻尾の締め付けを一気に緩めて、束縛から解放する。

「あぁああぁぁっ……! くっ、ふうっ、はっ、はぁっ……」

 自由の身になった陰茎は跳ね上がるように大きく震え、情けない絶叫とともに先端から精液が勢いよく噴き出した。

 大量の白濁は真上にどくどくと飛び出し、すぐに重力に従って下へと落ちていく。多少のずれはあるが殆どの精液は肉棒近くをどろどろに汚し、未だに分身を緩く扱く彼女の手や、緩まった尻尾にも降り掛かる。

 しかし、そうして白濁で自らと彼女を汚していくことに自分が何かをする余裕もないまま、ただただ荒い息を繰り返す。無理矢理射精を抑え込んでいたこともあってか、手淫での絶頂とは思えないくらいに消耗してしまっていた。

 やがて、ドレミーの方ももう出なさそうだと認めると、精液に塗れた手をゆっくりと男根から離した。 

「頑張りましたね、とっても沢山出ましたよ。ほら、手は勿論、尻尾までべとべとです」

 ドレミーは手のひらは大きく開いて、尻尾は精液が落ちないようにかゆったりと持ち上げて、それらを見せ付けてくる。手の方では指の股に塊が付いて指先同士が糸を引き合い、尻尾ではべとべとの粘っこい白濁が尾を伝い、ゆっくりと下へ垂れていく。

「……ごめん、凄く、汚し、ちゃって……」

「いえいえ、お気になさらず。……おっと、勿体無いのでこちらは頂いてしまいますね」

 合間合間に呼吸を挟みながらの謝罪にドレミーはにこやかに言うと、手と尻尾に付いた精液を舐め取っていき、陰茎に付着した分も指で掬って余さず飲み下していく。彼女がこうして精液を体内に収めていくのは割と見慣れた姿ではあるが、何度見ても淫靡な光景だった。

「ドレミーって、結構、責めるの、好きだよね……」

 未だに息を切らしながらぼんやりと呟くと、精液を舐め終えたドレミーは先の行為の淫蕩さを感じさせない、柔和な顔を見せる。

「ええ、大好きです。○○さんが私のために頑張ってる姿が、堪らなく好きなんです」

「……かなり美化して、言ったね」

 単に射精を堪えていただけなのに、と苦笑しつつ続けると、彼女は「それでも、ですよ」と返す。

 まあ、ドレミーがそう言ってくれるのなら、悪い気はしない。

 そんなことを落ち着きを取り戻し始めた頭で考えながら射精の余韻に浸っていると、彼女はこちらの頭を左手で撫でつつ、口を開く。

「さて、どうしますか? もう一回します?」

「え? もう一回って……いいの?」

「勿論です。言ったじゃないですか、またしてあげますって」

 確かにそう言ったが、次がこんなに早く来るとは流石に思っていなかった。

「それに、最後のは我ながら少しやり過ぎたかなと思っていまして……。だって、○○さんにも遠慮させてしまいましたし」

「……してたかな」

「最後の方、おっぱいから口を離してましたよね? あれ、噛んでしまわないようにしてくれてたんでしょう?」

「……あー、まあ……」

 気遣った考えがお見通しなのが何だか気恥ずかしくて、意味もなく生返事をしてしまう。だが、そう考えていることすらきっとお見通しなのだろう、彼女はにこやかな顔を全く崩さない。

「なので、○○さんもまだ満足出来ていないのではと。後、私も夢の中だから出来る、試してみたいことがありまして」

「試したいこと? もしかして、またさっきみたいな……」

「違いますよ、もう。今回は、優しくしてあげますから」

 念の為の確認だったが、流石にそういう意味では無かったらしい。何はともあれ、たとえ夢の世界であろうと、むしろ、だからこそ実害が出るようなことはしないだろうから、断る理由もないか。

「じゃあ、またお願いしてもいい? その、したいこと、って言うのも自由にしてくれていいからさ」

「はい。では、早速……と言いたいところですが、まずはこちらをまた大きくして貰いたいので……。さ、○○さん、一旦体ごとこっちを向いてくれますか?」

 ドレミーは大量の射精を終えて多少萎えた分身を弄ると、改めて横にごろんと寝転がって、添い寝の体勢になる。自分も言われた通り体を横にして彼女の方を向くと、右手は上から、左手は頭の下を通して素早く背中に手を回され、ぐいっと肩を引かれて抱き締められた。

「う、ぷっ」

「こんなのはいかがでしょうか?」

 ドレミーは自身の豊かな両乳房の谷間で、こちらの顔を包み込む。

 突然のことに驚くのも束の間、顔中を覆うたぷたぷの柔らかい感触と、ふわりと香る彼女の甘い匂いに、全身の力が脱力してしまう。

「どうですか? 気分は……って、あらあら、もう顔が蕩けてますね。聞くまでもなさそうです」

 くすくすとドレミーは笑いながら、後方に回した左手で後頭部をよしよしと撫でる。一方右手は背中から胸元に移動すると胸の下に添え、ゆさゆさと弾ませたり顔に押し付けたりして、大きく柔らかな乳肉をこれでもかと誇示してくる。

「あ、ほら、もうおっきくなりましたよ。やっぱり○○さんはおっぱい大好きですねえ」

 彼女は、自身の太股に押し付けられた、すっかり熱と硬度を取り戻した陰茎を見下げる。

 確かに、ドレミーの胸ないし彼女の全てに夢中なのは間違いないが、それにしても。

「なんか、今日はドレミーも張り切ってるね」

 元々、性交自体積極的に楽しむタイプではあるがここまではなかなか珍しい。ふと、そう思って口にすると、彼女は二回だけぱちぱちと瞬きをしてから、左手をまた背中に戻す。

「そりゃ、張り切りますよ。夢の世界でさえ一週間も会えないなんて、ここ最近有りませんでしたから。今日の逢瀬を心待ちにしていたのは、貴方だけではないんですよ?」

 ドレミーは耳元でそう囁くと抱き締める力を強くする。自分も彼女と同じように、動かせる方の手を彼女の背に回して抱き留める。

 抱き締め合うだけの、至極単純な愛情表現。だが、これが一番互いの熱を感じられるのかも知れない、なんてぼんやりと考えていた。

 しばらく言葉もないまま静かに抱擁し合う。しかし、やがてドレミーは「さて」と言うと同時にこちらの体を解放して、また仰向けに寝かされる。

「○○さんのも無事大きくなったところで、また始めましょうか。その前に、“試したいこと”の準備をしますね」

 また今までの調子で言いながら、ドレミーはまたもやどこからともなく夢魂を取り出した。今回の物は親指大程度と、かなり小さ目だ。

 そして、夢魂を摘んで亀頭にむにゅっと押し付ける。すると、元々小さかった夢魂は更に小さく縮んでいき、やがて消えてしまった。

 さて、何が始まるやら。

「はい、これで終わりです」

 なんて思ったのも束の間、ドレミーは端的にそう言い放つ。だが、自分は余りの呆気なさにしばし、言葉が出なかった。

「……えーっと、何したの?」

「夢魂製の、精液だけを貯めるコンドームみたいなものです。但し、感触は変わらず違和感もなく、なのに絶対に破れずという夢のような性能、のつもりですが……」

 ドレミーは言いながら陰茎を撫でたりつついたりした後、指先で摘まんで少し引っ張ってみる。確かに触れられる感触は変わらないのに、引いた指先には僅かに紫色を残した薄膜が伸びているのが見える。自分でも触れてみるが、全く違和感はない。

「付けている立場からはどうですか? 何分、試すと言った通り、こんなのは初めてなので」

「あ、うん、完璧だと思うよ」

「そうですか。なら大丈夫ですね」

「……で、これに何の意味が?」

 けれど、だからこれが何なんだ、という感想が正直なところだった。

 そもそも、自分達の行っているのは所謂前戯なのだから避妊の必要はない。仮に、先程を超えるような射精をしても後始末が楽、なんてのも、現実ならともかく夢の世界ならドレミーがちょっと手を振るえば一瞬のはずだが。

「それは後のお楽しみです。さて、ではもう一回、おかわりといきましょうか。さっきは少々激しくしてしまったので、今回はゆっくりと、思う存分甘えて下さいな」

 どうやら彼女のしたいこととやらは本当にこれだけで終わりらしく、ドレミーは最後に吸っていた方とは反対の胸をたぷたぷと揺らし、咥えるように促す。

 まあ、ドレミーのことだし無意味ではなく、ちゃんと意味があったんだろうと一人納得し、それについて考えるよりもよっぽど魅力的な目の前の乳房へ意識を持っていく。

「んっ……、そうです、○○さんは何も気にせず、おっぱいを楽しんでくれればいいんですよ」

 ドレミーは左手でまた頭を優しく撫でながら、穏やかな声で語り掛ける。

「さて、尻尾の方ですが、さっきのでなんとなくやり方は分かったので今回は手はあまり使わずにしてみますね」

 右手を陰茎に添えたドレミーはそう言うと、手は陰茎の根元を支えるだけにして、再び尻尾を器用にくるくると巻き付かせていく。

 手で掴まない分、先程よりも少しきつめに――勿論、射精を止めるほどではない――締め付けると、まずはゆっくりと扱き始める。

「こんな、感じ、でしょうか……」

「うん、上手上手」

 彼女は肉棒に目をやりつつ、集中した顔で尻尾を動かして扱いている。手に比べてしまうとたどたどしさは否めないが充分に気持ちよく、これならあっという間に上手になってしまうだろう。

 また、慣れない尻尾での奉仕だからこそ、思わず締め付けが緩くなってしまったら強め、きつくなってしまったら弱めるのがいいアクセントになっていた。

 これだけ上手く出来るなら、自分があれこれ口出しすることなんて何もないだろう。先の射精の前まで叩き込まれていた身を焦がすような責めとは違い、包み込んで暖めてくれるような、穏やかに蕩けていく感覚が絶えず全身を流れていく。

 自分も、数分前まで咥えていた美巨乳を咥え直し、また思う存分味わい授乳尻尾扱きを堪能する。そして、その息継ぎに一旦口を離した際ぼんやりと薄紫の天井を覗いていたが、ふと目を横にやり、相変わらず男根に集中しているドレミーの顔を見やる。

 ……うん、やっぱり顔立ちは整っているし、美人だ。でも、褒めたりした時に見せる笑顔や、時々見せる照れた顔や恥ずかしがる表情はとても可愛いのだから狡い。夢の世界には他にも人の姿をした獏が居ることは知っているし、少しなら見たこともあるが、自分の中でドレミーが一番なのは揺るがないだろう。他にこんな可愛くて美しくて愛おしい獏はいないと断言出来る。

 一人そう納得し、心内でうんうんと頷く。しかし、以前から時折思っていたが、やはり改めてドレミーを見ていると尻尾の形状だったり、白黒な格好を好むのは何だか牛っぽいところもあるかも知れないななんて思う。彼女が間違いなく獏なのは分かっているけれど。

 胸も大きいし、大きさが関係ないのは百も承知だけど、こうやってずっと吸っていたらミルクでも出たりして、なんてことをつい考えていると、彼女は視線をこちらに向けた。

「どうかしましたか? 先程から口が止まっていますが」

「ちょっと休憩。で、ドレミーの顔見てた」

「……こういうことに集中しているところは、あまり見るものではっ……!?」

 ドレミーは呆れ混じりの声でそこまで言った瞬間、ぴくっ、と僅かに体を跳ねさせる。表情には殆ど出ていないが、注視していたからこそ自分もすぐに気付いた。

「ん、どうかした?」

「いえ、ええと……何でしょう、この感覚……」

 彼女は不思議そうに呟いて、尻尾も動かすのを一旦止めるとこちらの方、厳密には自身の乳房に視線を落とす。

「胸が、何だか妙な感じがして……」

「……今は俺からは何もしてないけど、今も?」

「はい。苦しい、とかではなく、何というか、張ってるような……」

「張ってる? 苦しくはないって言ったけど、大じょ……」

 違和感を訴えるドレミーに「大丈夫?」と言い掛けたその瞬間、視界の端に映る乳首から、何かがぷしゅりと吹き出した。

 何だ、一体。そう思いそちらに視線をやると、彼女の乳首から白い液体が無造作にぷつぷつと滲み出て、ぽた、ぽた、と垂れ落ちていた。

 乳房から出る、白い液体。……もしや。

「ドレミー、これ……」

 再び彼女の方を見上げつつ言うが、既にドレミーは何故こうなっているか気付いているらしく、頬を赤らめながら呆れた口調で言う。

「……本当にあなたは夢の扱いが上手ですね……。○○さん、さっき、私の方を見ながら何を考えてました?」

「え、えーっと……」

 今回ばかりはもったいぶらずに、考えていたことを包み隠さず全て伝えた。

 すると、ドレミーはやれやれと溜め息を吐く。

「それですね……。○○さんが望んだから、ミルク、出ちゃいました……」

「……あー、その……。ごめんなさい……」

 夢に入る前、ある程度融通が利くとは言われたが、まさかこんなことまで出来てしまうとは。

 そんなつもりは無かったとはいえ、流石にこれにはドレミーも怒り心頭だろう。寝ながらではあるが一先ず深く頭を下げて、恐る恐る彼女の顔を覗く。

「……あれ、怒ってないの?」

「怒る? 怒りませんよ、こんなことで」

 しかしながら、当の本人に怒りのいの字も無く、ドレミーは小首を傾げると極めて平静に返答する。

「むしろ、感心してるくらいです。私をこんな風に出来るなんて」

「いや、でも、大丈夫なの?」

「私を誰だと思っているんですか。これくらい、戻すのなんて朝飯前ですよ、ほら」

 言いながらドレミーは胸元を、服装を変えていた時みたいにとんと叩く。すると、直前までたらたらと溢れていた母乳が、蛇口を締めた水道の如くぴたりと止まる。

「……流石だね」

「それほどでも」

 ドレミーの体に何の心配もないことは心底ほっとする。だが、それならそれで僅かに残念な気持ちもあった。何事もないのであればほんの少しだけでいいから、楽しんでみたかった。

 とはいえこれはあまりにも身勝手な意見だ。授乳尻尾扱きのことこそ言ったものの、こればっかりは言わない方がいいだろうと自戒していると、彼女はそんな考えを知ってか知らずかもう一度胸元を叩いて、再びミルクを溢れさせた。

「えっ? ちょっと、ドレミー?」

「どうせ簡単に止められるんですから、せっかくならいかがですか? 私の体をこんな風にしたんですから、少しくらいは興味があるのでしょう?」

 ドレミーは言いながら、自ら乳輪辺りをきゅっと摘む。白く濡れた桃色の蕾が突き出ると同時にいくつもの目に見えないほど小さい穴から勢いよく乳が吹き出て、こちらの頬に水気と生暖かさを残す。

 寝転んだ体勢のまま、彼女を見上げる。すると、言外の問いにドレミーはにこりと笑い、「どうぞ」と答えた。

「……失礼、します」

 ついついかしこまった物言いになりながら、白く濡れた乳首をぺろりと舐めてみる。舌の上に乗った雫はすぐさま溶け、ほんのりと甘い味覚が脳内を満たし、すぐにもう一度欲しくなって舌が動く。

「んっ……、ほら、まだまだありますよ」

 乳房に浮いた母乳を全て舐め取ってもたらりたらりと次が滲み、ドレミーが乳房を持ち上げてたぷんと揺らすと、その些細な刺激にまたぷしゅりと溢れ出す。

 最初のうちはまだ遠慮の気持ちが強く、乳頭の突端近くで白い粒になったものをちまちまと舐めていたが、あっという間に焦れったくなって乳輪ごと乳首を一口に咥え込む。

「あぁんっ、もう、せっかちなんですから……」

 呆れた口調で言う彼女を余所に、普段乳首へ口愛撫をする時のようにちゅうちゅうと吸うと、それに合わせて口内に甘い潤いが止めどなく溢れてくる。

 吸えば吸うだけ出てくる母乳を余さず飲み下していると、ドレミーは呆れ混じりの声で言う。

「もう夢中ですね。そんなに美味しいんですか?」

「滅茶苦茶美味しいよ。ずっと飲んでいられるくらい。なんだろう、やっぱり牛乳とかと風味は似てる気がするけど、味は凄く自分好みで……」

 彼女の問いに思ったまま答えると、ドレミーは「ふむ」と呟いて、左手の指先でもう片方の乳房から垂れている分を掬い、ぺろりと舐める。

「……なるほどなるほど、味はちょっと甘めで、さらっとした感じですね」

「……全く物怖じしないね……」

「先に口を付けた貴方が何を言いますやら。確かに、我ながらなかなか美味しいではありませんか」

 自身の母乳を賞味し、うんうんと頷くドレミー。そして、「まあ」と言葉を続けると、再びこちらを見下ろした。

「このミルクは、○○さんの思う、私の理想のミルクですけれど」

「理想?」

「はい、まさに夢の、ですね。もし私からミルクが出たら、こんな味で、こんな濃さで、みたいな感じです。なので、他の要素も○○さんの思う通りですよ。例えば、量とか」

「量? ……つまり、欲しいと思っている限り、吸えば吸うだけ出る……ってこと?」

 彼女はその回答に、正解です、と笑い、小さくぱちぱちと拍手する。

「本来なら当然限界はありますが、ここは夢なので。勿論、私への悪影響も有りません」

「夢のようだね」

「夢ですからね。さあ、この夢の中だけのお楽しみです。気兼ねなく、好きなだけ飲んでくれて構いませんよ」

 一時はどうなることかと思ったが、当の本人は平気どころか遠慮しなくていいとまで言う。なので自分も改めて乳首を咥え直し、話している間に溢れていた分も残らず嚥下してまた吸っていく。

「どうですか? こんなことが出来るなら、たまには夢の中でしてみるのも悪くないでしょう?」

「確かに凄くいいんだけど、俺ばっかりいい思いして、何だか悪いような……」

「ふふっ、何を言うんですか。この夢は私からのお礼なんですから。それに、おっぱいを搾られるの、私も結構気持ちいいんですよ? だからもっと搾って、沢山飲んで下さいな」

 気持ちいいから、もっとしてもいい。それらの言葉は彼女からすれば、気に病まずともいいという、そこまで含みを持たせた発言では無かったのかも知れない。だが、自分の中の欲望を何倍にも膨れ上がらせ、多少は残っていた遠慮の気持ちを吹き飛ばすには十分過ぎる代物だった。夢とはいえ、こんな未知の体験に無理はさせまいと思っていたのに、もう抑え切れない。

 すぐさま遊ばせていた左手を乳肉に伸ばし、乳輪の周りに親指と人差し指のラインを添えて柔く掴む。そして、先端に向けて乳を搾るように力を込めた。

「ああぁっ、はあぁんっ!」

 不意の搾乳にドレミーは驚き混じりの甘い嬌声を上げ、同時にミルクが勢いよく吹き出して口内を甘い味覚でいっぱいにする。けれども全く足りず、乳を吸うのに合わせて豊乳を揉み搾り、未だ満たされない情欲の渇きを癒す。

 この母乳は“求められるだけ出る”とドレミーは言ったが、やはりその見解に間違いは無いらしい。喉を鳴らして飲めるほどに搾乳を繰り返してもミルクは際限なく溢れ出し、なのに乳房は張ったままで、この美巨乳の中にまだまだ母乳をたっぷりと蓄えていると雄弁に教えてくれる。また、張り詰めて溜まり過ぎるなんてことはないらしく、ドレミー本人が苦しそうにしている様子は一切ない。

 夢中で搾乳を続けているうちに、やがて何もしていないもう片方の乳房からも母乳が止めどなくぽたぽたと垂れ落ちて自分の体を伝い、ベッドにじわりと染みを作る。

 赤子に乳を飲ませている時、飲んでいない方からも出てしまう――というのは聞いたことがあるが、こんな形の授乳とはいえ体が無意識に反応しているのか。それとも、激しく求められるせいで母乳の量自体が増しているのに、片方しか搾乳していないから零れてしまったのか。そのどちらでもないのかは分からない。

 どちらにせよ、せっかくのミルクがベッドに吸い込まれて消えてしまうのが勿体無くて、すぐにそちらの乳房に口を移す。そして、垂れる道筋の下から余すことなく全てを舐め取った後、今度はこっちの乳首も咥え込む。

「あっ、んっ……。こちらもだなんて、欲張りですねぇ」

「だって、勿体無いから」

「好きなだけ出るんですから、そんなに熱心にせずともいいんですよ?」

「ドレミーが俺のためにしてくれてるのに、無駄になんて出来ないよ」

 少し話すために口を離した僅かな時間の切れ目にも溢れてくるので、息継ぎすら乳を咥えたまま、なんとか隙間を作って行う。

 しかし、気が付けばもう片方、さっきまで吸っていた方も同じようになってしまっていて、慌ててそちらに口を戻す。そうすればまた片方がと、行ったり来たりを繰り返す。

「だからと言って、これでは……。……それなら、こうすればどうですか?」

 そんな様子に見かねたドレミーは何か思いついたのか、こちらに寄り掛からせていた体を更に倒して覆い被さったかと思えば両肘を支えにした四つん這いに構え、ちょうど乳房が口元に来るように体勢を整える。

「さ、これなら両方一緒にちゅうちゅう出来て、全部貴方の物ですよ。ですが、私は手が空いていませんので、持つのは○○さんの手でお願いしますね」

 手のひらの先でこちらの手をとんとん叩かれ、促されるまま両手で双房を左右から真ん中に寄せる。外側から中央への圧に大量の母乳が詰まった豊乳が眼前で押し合い、同時にミルクがぷしゅっと噴き出して口元に白いシャワーを浴びせる。

 未だに母乳の勢いが衰えないことに我ながら求めすぎだなと心内で苦笑しつつ、両方の白く染まった桃色の突端を隣り合わせ、欲望に任せて一口に咥え込む。

「あっ、んっ……。きちんと両方、吸えていますね。私の方も、手が使えずとも、これがあるからバッチリです」

 ドレミーは母乳騒ぎで一時中断していた尻尾に再び力を入れ、上下に動かして剛直を扱き始める。

 その所作には最初の時のようなぎこちなさは殆ど見られず、もはや手で支えたりのサポートすら無くとも、しっかりと肉幹をこすって快感を送り込んでくる。元々かなり自由自在に動かせるとはいえ、まさかこんなに早く慣れてしまうとは。

「っ……、ドレミー、尻尾でするのすぐに上手になっちゃったね。凄く気持ちいいよ」

「ふふ、ありがとうございます。では改めて、思う存分私の尻尾とおっぱいを味わって下さいね」

「勿論。今更、遠慮なんてしないからね」

 返事と同時に双房を左右から揉み搾りながら、口も使って搾乳を開始する。行為自体は先と変わらないが、今回は少し搾り方を変え、胸の付け根から先端に向けて段階的に力を入れてと、さながら牛の乳を搾るように揉んでみる。また、先端に力を込めるのとタイミングを合わせ、大きく膨らんだ蕾を強く吸引する。

「ふあぁあっ……、いきなり、吸いすぎですよぉっ……」

 言葉自体は抗議するものだが、声色はうっとりとしていて法悦の色が強い。今までのように片方ずつではなく、両の乳房をともに咥え込んでの搾乳は一度に大量のミルクを吹き出し、口内を甘い味覚でいっぱいにする。

 贅沢にもそれら全てを一身に受け止めるが、それでもまだ足りない、もっと出るはずだと、絶えず手と口で搾乳を繰り返し続ける。

「はあぁ、あぁ、ふっ、あんっ……、○○さんも、おっぱい搾るのとっても上手ですよ」

「いつもドレミーのおっぱいに夢中だから、その賜物だね」

「ふふ、そうですね。でも、私も負けていられませんので……。じゃあ、こんなのはどうですか?」

「……っ! あっ、あぁっ!?」

 彼女は少し思案する間を開けると、鈴口の辺りに何か柔らかな物を触れさせる。何だこれ、とそれに気付いた次の瞬間にそれはすっと亀頭を掠め、背筋に強烈なぞわぞわとした感覚を走らせ、思わず悲鳴と驚きの混じった情けない声を上げてしまう。

「あっ、もしかして、これ、気持ちいいんですか?」

「まっ、な、にっ、えっ!?」

「えーっと、『待って、なにこれ』ですかね?」

 もはや母乳を味わう余裕もなく、必死でぶんぶんと首を縦に振る。ドレミーが何かしているのは明白だが、彼女はその何かの手を止めはしない。

「何だと思いますか? なんて、引っ張ることでもありませんね。○○さんの先っちょを、私の尻尾でこちょこちょってしてるんですよ」

 彼女は悪戯の種明かしをする童子のように楽しげに言う。自分からは見えないが、どうやら尻尾の先端のふわふわの毛が集まった部分をまるで筆のように見立て、毛先で亀頭をくすぐっているらしい。

 くすぐりなんて、本来なら子供同士のじゃれ合いであり、笑い身を捩らせるような行為のはず。なのに、されている箇所と相手と状況が完璧に揃っているせいで、今や官能を刺激されてしまう行為へと姿を変えていた。

「思い付きでちょっとくすぐってみただけだったのですが、とってもびくびくしてますね。どうせなら、○○さんもどうなっているか見てみますか?」

 ドレミーは一旦くすぐるのを止めると、右手側の肘をついたまま、指先を向かい合う自分と彼女の間の中空の脇にかざして、手のひら大サイズの円をくるんと描く。

 すると、その円は空間を切り出したように浮かび上がって向こう側の背景をぼんやりと曇らせていたが、徐々に別の空間が浮かび上がっていく。

 やがてそこに映し出されたのは、彼女の尻尾が絡み付いた自分の肉棒の姿だった。

「ほら、こうすれば見えますよね。こんな風にされてたんですよ」

 そして、映るやいなやドレミーは尻尾を巧みに操り、亀頭を毛先で拭き掃除をするようにすりすりと撫でる。何をどうされているか分かったところで抵抗出来ないのには変わりなく、相変わらず震えた声しか上げられなかった。

「ひっ、ぐ、あっ……、ま、待っ……」

「ほら、こことかもどうですか? こっちは?」

 続けてドレミーは鈴口の我慢汁を掻き出すように穿り、付着した我慢汁を裏筋に上下になぞって塗りたくる。かと思えば、カリの溝を丁寧に掃除し、果てには陰嚢を左右交互に愛おしそうに撫でてと、手を変え品を変え責め立ててくる。

 触られる感覚を少しでも把握する前に次々と責める場所が変わるのでいつまでも慣れさせてもらえず、逐次全身を痙攣させて荒い呼吸と情けない声を漏らしてしまう。だが、彼女は大の男のそんな様を面白がってこんなやり方をしているわけではなさそうだった。

「……はい、大体分かりましたよ。多分、このくらいの強さならちょうどいいのでは?」

 ドレミーは改めて尻尾を亀頭に触れさせて、さらりと一撫でする。刹那、またあのくすぐったさかと身構えるが、思った以上にくすぐったくない。むしろ、早すぎず遅すぎずの絶妙な速度での愛撫は文句なく快感が多勢を占めていた。

 大きな快感と隣り合う、少し身を捩りたくなる程度のむず痒さ。それら二つの感覚が極上の甘ったるい痺れになり、精神を容赦なく削っていく。

 それからドレミーは先程責めていた箇所を再び順番に回っていくが、そのどれもが陰茎を大きく脈動させ、あっという間にいつ放出してもおかしくないくらいに高められてしまう。

「……く、うっ……! ドレミーっ、これ、きつ……!」

 体の奥から熱く燃え上がる炎を抑えながら何とか声を絞り出して訴えると、ドレミーはこちらの顔に乳房を押し付けるように更に圧し掛かってくる。そして、開いた口に乳首を差し込んで、尻尾での激しい責めに中断してしまっていた授乳を、半ば無理矢理再開させる。

 再び口内に広がる、ほんのりと甘い母乳。それに気付いた時には無意識のうちに自分からも吸っており、もうこの味に完全に虜になっていることを再確認させられてしまう。

「気持ちよすぎて、きつい、ですよね? 分かりますよ。だって、ずっととても気持ちよさそうな顔してましたから」

 ドレミーは肘を付いた姿勢のまま、頭をよしよしと優しく撫でさすりながら静かに囁く。短くはない時をともに過ごしてきた彼女には、隠していた本心すら全て筒抜けだった。

「でも、我慢せずともいいんですよ? ほら、今回は何もしませんから、ね?」

 そうは言われても、尻尾での奉仕を再開されたばかりなのにこんなに早く射精してしまうなんて。その一心で返事をする余裕もなく、ただひたすらに堪えていると、ドレミーは顔を離してこちらに向き直り、柔和に微笑んだ。

「○○さんの考えていること、分かりますよ。でも、いいではありませんか。私のおっぱいを沢山飲んで、私の尻尾で沢山気持ちよくなったら、沢山射精して下さいな。○○さんが私を感じて、悦んでくれること。それが私にとっても、幸せなんですよ」

 射精を促す蕩け切った甘ったるい声色と言葉、そして永遠に味わっていたくなる母乳の甘い味が脳髄を駆け巡る。心も体も何もかも溶けていくような錯覚は、もしドレミーが人の心を夢に溺れさせて閉じ込めてしまう悪い獏だとしても、それでもいいとすら思えるくらい甘美なものだった。

 胸から口を離さずに言葉もないまま、ある思いを込めてドレミーの楽しげな中にも優しさを湛えた、青い瞳を見上げる。すると、彼女は慈母のような笑みを浮かべ、こちらの頭をゆっくりと一撫でした。

「はい。私で気持ちよくなった証を、全部出して下さいな」

 ドレミーからもたらされる、肉棒への激しい責めと大量の母乳と暖かく優しい声。それらで満たされる心と体、自分の中を巡る快感と幸福感に全てを委ねて、無抵抗に白い欲望を解放した。

「っ! ふっ! く、ふっ! う、ぅっ……」

「わ、わ、凄い勢いですね。二度目とは思えませんね、この量は」

 口を塞がれながらも、体をがくがくと揺らすほど強烈な射精にくぐもった声が漏れる。

 ドレミーは中空に作られた小窓越しに男根を覗きながら、白濁を吐き出し続ける陰茎の姿に感嘆の声を上げる。

 そんな反応をされるとやはり自分も気になって、横目でそちらを見やる。すると、強烈な射精で精液が飛び散らかってしまっていた、なんてことはなく、薄く紫がかった透明な夢魂製コンドームがどんどん膨らみ、精液を溜め込んでいた。

 ぼんやりとした頭で、そういえば、そんな物を付けていたなと思い出す。感覚がいつもと変わらないから、すっかり忘れていた。

「さあ、最後ですから思い残すことなく存分に味わって下さいね」

 射精が完全に途絶えるまで彼女は尻尾で緩く扱き続け、その間もずっとミルクを振舞ってくれた。

 しかし、長く続いた射精が終わると馬乗りになったままそっと体を起こして、上半身を離してしまう。当然母乳を湛えた豊乳も口から離れていってしまうが、無理に引き留めはしなかった。そんなことをすればきっと、彼女が困ってしまうだろうから。

「はい、ここで一旦おっぱいはおしまいです」

 ドレミーは広げた手のひらで胸元をとんと叩くと、じわりと滲んでいた母乳を指で掬い取ってこちらの唇にそれを置いていく。既に母乳はぴたりと止まっていて、これが最後の一滴だった。

 正直に言うと名残惜しいのは山々だが、いつまでもしていては本当にいつまでも終わらない気がするので仕方ない。

 呼吸を整えながらそんなことを考えつつ、最後の一滴を口内に収めて舌の上で転がす。舌先にほんのりとした甘い味覚を残し、溶け切る直前の飴のようにふわりと消えてしまうのが何とも寂しい。

 一方、ドレミーは後ろを向くと亀頭の先端辺りをきゅっと摘まみ、くいと上に手を引いた。感覚が普段と変わらないから分かりにくいが、恐らくコンドームを抜き取ったのだろう。

「ほら、見て下さい。いっぱいでたぷたぷです」

 そして、こちらに向き直ると指で吊り下げたコンドームの口をぎゅっと摘み、手のひらの上に乗せて左右に揺らす。コンドームの口はまるで圧着されたかの如く綺麗に塞がっており、空気が半端に抜けたゴムボールのように、手の揺れに合わせて怠惰に震えていた。

 確かに、前戯の範疇としては出し過ぎと言えるくらいの量が詰まっているのは見て分かるが。

「……で、これがお楽しみ?」

 記憶が正しければ、これを付けた理由を尋ねた時、ドレミーは『お楽しみです』と言っていたはずだ。

 まあ、射精量が一目瞭然なのは面白いといえば面白いが、わざわざ夢魂を使ってまですることでもないような……、なんて思っていると、彼女は首を左右に振る。

「いえいえ、ここからですよ」

 すると、ドレミーは精液の詰まった夢魂を指先で摘んで持ち上げると、あーんと大口を開けてぱくんと口内に収めてしまう。

 そして、そのままもぐもぐと租借し始め、やがて喉がこくんと動くと、はあと熱っぽい息を吐く。

「こうすれば、一滴も余さずに楽しめるんですよ。ふふ、○○さんのミルクはとっても濃くて粘っこくて美味しいですね」

 大量の精液を味わい、体内に受け入れた直後とは思えない無邪気な笑顔を見せるドレミー。

「……夢魂ごと飲んだんじゃなくて、わざわざ味わったんだね……」

「勿体無いじゃないですか。○○さんが私に出してくれているのに」

「それ、俺がさっき言ったし、ドレミーのとは、比べるのも烏滸がましいぐらいなんだけど」

「何を言いますやら。○○さんの精液は、私の趣味と実益を兼ねた素晴らしい代物なんですがねえ」

 貴方はこの価値が分かっていないと言わんばかりの、やれやれといった顔で語るドレミーに苦笑いする。

 その後、彼女は体をゆっくりと横に倒れ込ませて寝転び、添い寝の体勢になる。

「では、こんなところでしょうか。どうでしたか? 満足して頂けました?」

「うん、凄く。ありがとう、ドレミー」

 お礼とともに彼女の頭を帽子越しに撫でる。帽子を取ってもいいが、取り敢えず今はこのままで。

「どういたしまして。ですが、結局激しくしてしまいましたね」

「んー、いいよ、あれぐらいなら。気持ちよかったし。……でも、もう終わりかあ。これなら、ずっと夢にいても……」

「いくら○○さんでも駄目ですからねー」

「分かってる分かってる。ただ、名残惜しいなって」

 生真面目にそう返すドレミーの頭をもう一度撫でる。やっぱり、彼女が悪い獏になってしまうなんてのはこれからも有り得ないのだろう。

 なんて考えながら、しばしドレミーの頭と帽子越しの獏耳を撫でていたが、彼女はふむ、と呟くと口を開いた。

「時に○○さん、今日の予定は空けてあると言っていましたよね」

「うん。言ったけど」

「私と過ごす以外に、何かする予定もありませんか? 例えばお部屋の掃除だとか、買い物だとか」

「いや、全く。もう全部昨日までに終わらせてる」

 ドレミーと一日中気兼ねなく会える日は貴重なので、長く会えそうな日は些細な予定すら入れないようにしておく。それは、当然今日も同じだった。

「なるほどなるほど……」

 すると、彼女は一人うんうんと頷く。

 そして、添い寝の体勢のまま右手を開いて胸元の前面を大きく解放させると、こちらの後頭部に右手を添えてぐいと乳房に押し付けた。

「では、先ほどのとっても濃かったミルクのお返しに、私のももう一度どうぞ」

 ドレミーはそう続けると、肘をつかせた左手を使って乳房を持ち上げ、口内に乳首を押し込んでくる。すると同時に口内が再びあの優しい甘みで満たされ、ついつい再び吸ってしまう。

 お返しにしては少し間が空いたし、直前の話からの流れとしてもよく分からないが、先の名残惜しむ言葉と予定が全く無いと言うのを聞いて、もう少しくらいならと思ってくれたのだろうか。一度止まっていたはずの母乳をまた自らの力で溢れさせ、飲ませてくれることに多少の気恥ずかしさと多大な感謝を覚えながら、遠慮なく母乳を頂いておく。

「さて、先程はおしまいと言いましたが、どうしましょう? 次はこのミルクの詰まった胸でする、なんてのはどうですか? それか、こっちなんてのもありますよ?」

 更に、ドレミーは頭を撫でていた手をぎゅうと引き寄せてまずは胸に押しつけ、次はこちらの手を取ると自身の下半身に案内し、脚の付け根に触れさせる。下着越しではあるがそこはしっとりと濡れ、とても熱く火照っていた。

「実は、私も結構我慢していたんですよ? でも、今日の主役は貴方だからと抑えていたんです。ですが、夢を叶えた今、もうそれも必要有りませんよね?」

 まさかこんなことを言われると思っていなくて、妖艶に囁くドレミーの質問の返事に、少し戸惑ってしまう。

 だが、これだけは言える。こんな嬉し過ぎる提案とお誘いを断るなんて選択肢だけは、絶対に有り得ない。

「も、勿論っ! ……あ、だけど、またで悪いけど、もうちょっと休憩してもいいかな? 一応二回出したし、さっきは特に多かったし……」

 即答しつつも歯切れ悪くそう続けると、ドレミーは不思議そうに首を傾げる。

「休憩ですか? もう、こんなに大きいのに?」

 彼女は尻尾をしゅるりと器用に動かして、先端を陰茎にふわりと触れさせる。それにつられ自分も寝転んでいた体を少し起こして分身を覗いた瞬間、自分のことながら目を丸くしてしまった。

 激しい射精を終えて萎え始めていたはずの肉棒が、まるで一度も射精していないかのように大きく勃起しているではないか。

「あ、あれ……?」

 確かに再びドレミーの母乳にありつけて興奮しているのは事実だが、いくら何でも元気過ぎでは。

「言ったでしょう? 私からも干渉は簡単だと。私のミルクに、精力を増す効果を足したんです」

 すると、彼女はこちらが聞くよりも先んじてそう答える。

「ついさっき○○さんに貰った沢山の精力を使えば、こんなに強力なものだって簡単なんですよ? さ、どうしますか? ○○さんはまだまだいけそうですが、休憩は必要ですか?」

 精力増強効果なんて足して置いて、悪戯っぽい笑顔でしゃあしゃあと言うドレミー。

 その顔を少しでも快感で歪めてやろうと、返答代わりに乳房をむにゅりと揉みながら強く吸って、手と口の両方で母乳を大量に絞ってやる。

「あぁっ、んっ、ふあぁっ……! ……もう、○○さんも、私を責めるの好きですよね」

「うん、ドレミーが乱れてるの滅茶苦茶可愛いからね」

「○○さんも、赤ちゃんみたいにおっぱいに夢中になってるの、とっても可愛いですよ」

 二人で言い返し合って笑い、再び互いを求め合う。

 甘い色香と味覚に包まれる白昼夢からは、まだまだ覚めることはなかった。

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